魔法つかいプリキュア!第1話感想 出会いは偶然、けれど奇跡の魔法は自分の意志で。

声をかけたのはあなたを助けるため。手を繋いだのはあなたを守るため。

魔法つかいプリキュア! まるわかりだいずかん (おともだちおでかけミニブック)

(主観的)あらすじ

 主人公・朝日奈みらいは好奇心旺盛な女の子。昨夜みかけた不思議な光を探しに出かけたみらいは、桜並木で大切なぬいぐるみ・モフルンを落としてしまいます。「ねえ、落としたわよ。」 そんなときみらいに声をかけてくれた人は、なんと空の上。不思議な光の正体は本物の魔法使い・リコでした。憧れの魔法使いに出会えたみらいはリコに興味津々。たくさん質問して、一緒にいちごメロンパンを食べて、魔法を見せてもらって、ちょっとだけ打ち解けます。話を聞くと、リコは何か探しものをしているそうです。
 そんなとき、怪しい男・バッティがふたりに声をかけます。彼の不審な態度にふたりは空へと逃げますが、バッティのつくりだした怪物・ヨクバールの力によってたちまち追い詰められてしまいます。「キュアップ・ラパパ!怪物よ、あっちへ行きなさい!」手をつなぎ声を揃えてひとつの願いを唱えるみらいとリコ。その願いが奇跡の魔法となり、ふたりは伝説の魔法使い・プリキュアに変身します。「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」「ふたりの魔法!キュアマジカル!」 その力は怪物たちを追い払います。

 ドキドキ~プリンセスでは視聴年齢層を広げるべく小学校高学年~中学生を視野に含めた構成をしていましたが、今作はどうやら実際の視聴者層をピンポイントで狙い撃ちする方針の模様。夢いっぱいでなおかつわかりやすいストーリー、真似しやすい合い言葉、キャッチーなテーマソング、踊りやすいエンディング映像などなど。おもちゃも売れ筋の変身アイテムにお値段の張るぬいぐるみを使ったり、おもちゃ同士の連携を強化したりと、今年のプリキュアは一点突破に全力です。
 とはいえそういうのはいい歳した大人の視聴者には関係ないお話。私にとって面白い物語なら視聴者層関係なく視聴しますし、おもちゃを買うわけでもありませんしね。
 そして今年のプリキュアも相変わらず面白い。

偶然の出会い

 第1話は出会いの物語でした。
 たまたま用事でナシマホウ界を訪れていたリコを偶然みらいが見つけて追いかけたお話。
 あるいはたまたますぐ近くでみらいがぬいぐるみを落とした瞬間を偶然リコが見かけて声をかけたお話。
 出会いに必然はありません。袖振りあうも多生の縁、とは言いますが、縁があったとしたらそれは自分の意志とは関係なく生まれる前に決まっていたことです。どんなに焦がれたとしても会えないときは会えませんし、気に入らない人と鉢合わせる日もあります。
 じゃあ自分の人生は生まれつき全て決まっているのか、自分の友達は自分で選べないのかというと、もちろんそんなことはありません。みらいが不思議な光を見つけたのはたしかに偶然、しかしそれを追いかけることにしたのはみらいの意志です。一方リコがみらいの落とし物を目撃したのは確かに偶然、しかし声をかけることにしたのはやはりリコの意志です。ぬいぐるみのモフルンですらこの出会いのために主体的に動いたような演出があります。たとえ出会いが偶然であっても、それを袖振りあうだけで終わらせるか友達になるかは当人たちの意思次第。
 みらいとリコは選びます。

 みらいが追いかけ、リコが声をかけて育んだこの出会いを、みらいはすかさずつなぎ止めます。「魔法使いだ!」「それ魔法のほうき?」「その帽子もステキだね」 持ち前の好奇心でリコを質問責めにします。リコが引き気味になっても気にしない、気付かない。「魔法使いさん、お友達になってください!」 この出会いを手放すものかと、この出会いは絶対に良いものだと、みらいはリコに追いすがります。
 というか「キュアップ・ラパパ!ほうきよ飛びなさい!」 こんなキラッキラした魔法を見せられたらワクワクしないわけがない。たぶんこのあたりの演出が今作の真骨頂になるのではないでしょうか。こんな楽しそうに空を飛ばれたら誰だって魔法のほうき(税込3,780円)が欲しくなりますとも。「ほうきよ飛んで!張り切って、頑張って、飛べー!」 このセリフ回しかわいらしくて好きだなあ。
 一方でみらいに散々つきまとわれたリコが嫌がっているかというとそうでもなく、いちごメロンパンをごちそうになったお礼として魔法を披露します。どうやら魔法があまり得意ではなく、それによって自尊心が傷ついている様子すらあるのに、それでもみらいのために魔法を披露するリコは思いやりの人ですね。結局ことごとく失敗したリコでしたが、みらいがこの出会いを喜んでくれた分に報いるだけ彼女もこの出会いを歓迎します。最後は名前を教えて笑顔でお別れ・・・ただしこれもみらいキャンセル。

奇跡の魔法

 そうしてお互いにお互いとの出会いを祝福しあったからこそ奇跡の魔法が発現します。
 ヨクバールに追われ、みらいが落としかけたモフルンのためにリコはほうきから落ち、そのリコを助けるためにみらいもほうきから落ちました。偶然から始まり、好奇心でつなぎ止められ、思いやりによって育まれ、そしてお互いをかばい合ったふたりの出会い。
 「キュアップ・ラパパ!怪物よ、あっちへ行きなさい!」 偶然に出会ったふたりが手をつなぎ心をひとつにして願います。みらいと、リコと、どちらもがこの出会いを喜ばしく思ったからこそ重なる言葉。そうして偶然の出会いは奇跡の魔法へ。
 この先1年も続くシリーズです。きっとみらいとリコは何度も喧嘩しあうことでしょう。ですが問題ありません。なにせ出会いはちょっとした偶然でしかなかったんですから。それをふたりが自分の意志でつなぎ止め、育んだからこそ今に至るのですから。たとえ出会いが偶然であっても、そこで育まれた友情は偶然なんかではありません。それはあなたたちのものです。あなたたちが一度でも友達になれたのなら、それはあなたともうひとりと、お互いがそれを望んだからです。つないだ手と手にお互いの意志が宿っているのですから、ちょっとやそっとじゃ絶対に離れません。それがふたりの奇跡。ふたりの魔法。

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