エリーのアトリエ オープニングとかの感想 Go!プリンセスプリキュアの話を絡めつつ

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初めは誰もが無力だった。
不死身の勇者も、高名なる錬金術士も、王室料理人も
初めは何の力もないごく普通の人間だったのだ。
だが、彼らは誰よりも夢や希望を強く抱き、追い続けた。
だからこそ世に名を轟かすほどの存在になれたのだ。
夢は、追いかけていればいつか必ず叶うものなのだから・・・

 先日感想を書いたGo!プリンセスプリキュアが終わらない夢の物語ならば、こちらは夢を叶える物語。

 幼いころ旅の錬金術士に命を救われたひとりの少女は、やがて憧れを胸に抱き、王立錬金術アカデミーの門を叩きます。元々学のない村娘ですから一生懸命勉強しても入学試験は落第ぎりぎり。アカデミーからはほとんど独学に近い条件を提示されますが、逆境に挫けることなく彼女は努力を続けます。やがて恩人である旅の錬金術士と再会した頃には、少女もひとかどの錬金術士となっていました。
 恩人はある命題に取り組んでいました。「錬金術とは何か」 少女も恩人と並び立って考えます。少女が導き出した答えは「夢」。それは恩人の答えとは似ているようで、少しだけ違うものでした。ひととき道を重ねたふたりの錬金術士は再びそれぞれの道を歩きはじめます。お互いに叶えたい夢があるのだから。

 ゲームのあらすじを書くならこんなところでしょうか。実際のゲームはフリーシナリオなのでもう少し印象が違いますが・・・それにしても春野はるかの物語に似ていますね。初めは凡人。むしろ周りに比べて劣ってすらいます。けれど憧れのために努力して立派に成長して、それでも果てない夢に向かって努力し続ける少女たち。
 夢を題材にした物語としてはオーソドックスな筋書きなので似るのは当然ですが、夢が叶おうが叶うまいが、結局いつまでも夢を追い続けるって同じ結論に至るのが面白いところ。なるほど、それなら目指すところが錬金術士(実現可能な夢)だろうが花のプリンセス(実現不可能な夢)だろうが大した違いはありません。

初めは誰もが無力だった。

 というわけで、(記事的にはもう全部結論出ちゃってますが)オープニングの話。
 アーカイブが出ているそうなのでぜひ買いましょう。記事冒頭に掲げた詩を渋い声で読み上げてくれます。これが優しい響きのBGMと相まって心に染みるんです。当時多感なお年頃だった私はひどく感銘を受けて、オープニングばかり何度も何度もループさせて繰り返し書き取ったものです。今でも暗唱できます。

 「世界を救うのはもうやめた」というキャッチコピーをぶちあげた『マリーのアトリエ』から続く初期アトリエシリーズは、架空の街ザールブルグを舞台に日常を描くRPGです。一応RPGらしくドラゴンなんかも出てきますが、そいつらを倒しても救われるのはせいぜい友人ひとり、港町ひとつ。
 そんなシリーズ第2作『エリーのアトリエ』がテーマに掲げたのは「夢」「初めは誰もが無力だった」 その導入どおり、主人公はシリーズ屈指の凡人、地味娘エルフィール・トラウムです。だって「不死身の勇者も、高名なる錬金術士も、王室料理人も初めは何の力もないごく普通の人間」で、「夢は、追いかけていればいつか必ず叶うもの」なのですから。その物語の紡ぎ手は凡人にこそふさわしい。

 実のところ彼女は夢すらも確固として抱いているわけではありません。前日譚で彼女は正直な気持ちを打ち明けます。「私、自分が錬金術士になりたいのかどうか実はよくわかっていないんです。たまたま私を助けてくれた人が錬金術士だっただけで。ただ、誰かが私を頼りにしてくれる、そんな人になりたいんです」
 春野はるかの夢が「キラキラ可愛いから」という素朴なものだったように、十六夜リコの夢が「立派な魔法つかいになる」とふわっとしたものだったように、なにも初めからご大層な夢である必要はありません。そんなもの最初から持っている人の方が少数です。ゆっくり育んでいけばいいんです。
 どんなささやかな夢であれ、あなたが夢を抱き続ける限り、あなたの努力と周りの祝福によって夢は勝手に大きく強くなっていきます。そのあたりはGo!プリンセスプリキュアの感想で書いたとおり。・・・まあ、夢を抱き続けることそれ自体が難しいのですが。それでもスタートだけはみんな平等に機会を与えられるってステキだと思いませんか?

 エルフィールはゲームプレイ次第で何にでもなれます。不死身の勇者、高名なる錬金術師、王室・・・ではないけれどチーズケーキに尋常ならざるこだわり(をプレイヤーに課す)料理人、政治家、貴族、旅芸人などなど。エルフィールは凡人なので、どんな未来を求めるにしてもシリーズでひときわ高い難易度が待ち受けますが、それでも確かにエンディングは存在します。
 「初めはとても不安だったよ。湧きあがる雲を恐れ、逃げだしたくなる日もあったよ。霧のなかさまよう私。・・・でも雨は大地を固め、星を探すものには豊かな実り。自信を持っていこうよ。顔を上げ歩こうよ。光差す道を行くために」
 このゲームのエンディングソングは夢を追い求める人への応援歌です。確かに難易度は高いです。ゲームだけでなく、夢を抱き続けることは。ときには絶望があなたの心を蝕むこともあるかもしれません。けれどそうして険しい道のりを進んだ、あなたのその努力は、絶対にあなたの道行きを整える大きな助けとなってくれるはずです。

 ゲームですから、エルフィールが何かしらの夢を叶えたならエンディングです。彼女の(あるいはプレイヤーの)夢は一度そこで叶います。けれど彼女の人生はこれから先もずっと続いていきます。エンディングで描かれるのはエルフィールの未来の姿。夢は叶えたからといって終わりではありません。叶えられた夢のさらに向こうに、新しい夢が待っています。
 春野はるかのような終わらない夢ばかりが無限に続く夢ではありません。Go!プリンセスプリキュアにおいても望月ゆめ先生が絵本作家の向こうに教育者としての夢を見出したように、たとえ夢が途中で叶ってしまったとしても、あなたは生涯をかけて夢を追い続けることができるでしょう。
 ちなみに初期シリーズはザールブルグ3部作なんて呼ばれていますが、実際はゲームボーイ、ワンダースワンカラー、ゲームボーイアドバンスで外伝が出ていたり、特に外伝コミックに至っては未だに新作が描かれ続けられていたりします。その他小説とかドラマCDとかもありました。買おう。エルフィールの夢の向こうには本当にたくさんの、長い夢の物語が続いています。

 エルフィール・トラウム。その名に夢(Traum)を抱く少女。彼女の生き様が、物語が、私たちの夢を祝福してくれます。「初めは誰もが無力だった」 けれど「夢は、追いかけていればいつか必ず叶うものなのだから・・・」

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