※ すでにお気づきかと思いますが、心底しょうもないネタです。
おしゃぶりが吸いたい。
まだ学生だった頃、私は苛立っていました。
ド田舎で暮らしているクセに車の運転が嫌いだったのです。
10分乗ればウンザリし、
20分乗れば眠くなり、
30分乗れば車酔い、
1時間乗れば叫び出さずにはいられなくなり、
2時間乗れば脇腹が鈍く痛みだし、
4時間乗れば翌日自主休講です。
ちなみに実家から大学まで片道1時間の距離でした。
おしゃぶりが吸いたい。
口を動かしていればまだ幾分かはマシな気がしたから。
しかしさすがに自分用におしゃぶりを買うのは躊躇われましたし、対向車に見られたら恥ずかしくて死んじゃいますし、そもそも冷静に考えて乳児向けのおしゃぶりは大人の硬い歯に耐えられないかもしれません。
けれど。
おしゃぶりが吸いたい。
なんとしてもおしゃぶりが吸いたい。
今のままではいつか必ず交通事故を起こしてしまいます。なんとしてでも対策を講じなければなりませんでした。
生きるために、おしゃぶりが吸いたい。(当時18歳)
ある日、コンビニでいいものを見つけました。リラックスパイポ。
まずまずいい買い物でした。普段の1.5倍くらい気が紛れました。
ただコストがかかりました。タバコの代用ではないのでフレーバーはなくなっても構わないのですが、思いっきりガジガジ囓るので吸い口があっという間にボロボロになりました。
それからアゴが痛くなりました。プラスチック製の管は人間が噛むのにあまり適しませんね。メイドインチャイナなので安全性もちょっぴり気になりました。
あと腹筋がツりました。穴、小さいんですよね。タバコの吸い心地を再現する工夫なのでしょうけれど。腹式呼吸で一心不乱に深呼吸して、鼻からわずかに吐き出して、また全力で深呼吸して、軽く窒息しかけました。パイプを噛みながらでも普通に呼吸できるじゃん? その真理にたどり着くまで2週間ほどかかりました。
どうでもいいですが、ここまでの話をしたら友達から奇人扱いされました。
やっぱこれダメだ。
コイツはおしゃぶりじゃない。
吸い始めてから3ヶ月目の結論でした。
次に巡り会ったのはこれでした。使い捨ての電子タバコ(ニコチン・タールフリー)
おお。パイポよりはリッチなデザイン。(そうか?) しかもなにやら湯気が出るらしい。呼吸の通りが良さそう。
ダメでした。
すぐ過熱するので1時間もの連続使用には向きません。
吸い心地も相変わらずよろしくありません。タバコ吸う人ってみんな腹筋バキバキなんでしょうか?
吸うたびに点灯するLEDがたまらなく鬱陶しい。夜道を運転してるとフロントガラスにチカチカ映り込んで邪魔くさいことこの上なし。
あと湯気。単なる水蒸気じゃないんですね。メンソールの他にグリセリンが入っているらしくて、なんだか甘ったるい風味。いやいや、味なんて要らないんですよ。私はたばこが吸いたいんじゃない。オマエはおしゃぶりなんだ!
なんとかこの甘い風味を打ち消したくて、せめてメンソールを強烈にしたら少しはごまかせるんじゃないか? なんて考えて、フィルターに手持ちのアロマテラピー用ペパーミントオイルを垂らしてみました。
なんで無味無臭を求めていたはずなのにわざわざ味を強くしようとしたのか、今となっては私にもわかりません。若気の至り、率直に言ってバカだったんだと思います。
結果、ヒドイ味でした。
捨てました。
ここに至ってようやく初心に思い返ります。私が求めているのはおしゃぶりなんだ。あの口に含むとほっとする、柔らかな感触なんだと。
シリコン。なんて素晴らしい素材。人の肌のようなモッチリとした触感。そこそこ安価。たぶん衛生的にも問題なし。舞の海が頭頂に埋め込んでいたし。噛んで平気かどうかは知らない。
そこらへんで簡単に手に入る、なおかつなるべく噛み心地の良さそうなシリコンといえば・・・。
オナホか。
もしくはディルドか。
すんでのところで辛うじて思いとどまりました。
そんなもん咥えながら運転してたらむしろ対向車が死ぬ。私は人殺しにはなりたくありませんでした。たぶん死に顔もヒドいことになるでしょうし。遺族からも絶対に恨まれます。
結局ドンキで1kg入りの飴を買い、ツタヤで片っ端からCDをレンタルしまくって堪え忍びました。
現在住んでいるところも車社会ですが、なんとか徒歩通勤できるアパートを探したので、車に乗るのは週に一度スーパーに行くときだけ。たまに遠出するときは今でも大量の飴と音楽データを持ち込んでいます。
ああ、おしゃぶりが吸いたい。
どこかに大人用のスタイリッシュなおしゃぶりはないものか。
どうして誰もつくらないのか。
そんなにも需要がないのか。
ないだろうなあ。
ところで私はなんでまた急にこんなしょうもない文章をシコシコしたためているんでしょうね?
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