レッドタートル (主観的)あらすじ

 鮮烈な感動を呼び起こす映画でした。感想を書いていたら語りたいことが多すぎて、気がついたら映画のすみずみまで文字に起こそうとしていました。さすがにそれはよろしくないので、とりあえずあらすじだけ切り離して記事にします。・・・1200字をあらすじと呼んでいいのだろうか。
 私の主観全開なあらすじですから、ちゃんとしたあらすじが必要な方は公式の絵本を買ってくださいね。

レッドタートル ある島の物語

 ※注意:以下はあらすじです。物語後半のネタバレを避けたい方は読まないようにしてください。

(主観的)あらすじ

Term 1

 ある日、男が島に流れ着きました。そこはどうやら無人島のようで、誰も男の呼びかけに答えてくれませんし、誰も男を助けてくれません。生まれたばかりのウミガメの子ですら彼を置いて海へ去ってしまいます。
 男は島からの脱出を決意します。ところが海に出たとたん、何者かの妨害によってイカダを壊されてしまいます。男は繰り返し脱出を試み、3度目、イカダを壊す者の正体が巨大なアカウミガメだったことを知ります。
 3度も失敗した男は失意に沈み、もはや立ち上がる気力すら沸きあがりません。

Term 2

 ある日、例のアカウミガメが島の砂浜にあがってきました。復讐心に火がついた男は再び立ち上がり、アカウミガメをひっくり返して動けなくしてやりました。わずかに気力が回復した男は再びイカダをつくりはじめますが、どうしてか以前ほど手が進みません。
 ふと気になってアカウミガメの様子を見ると、アカウミガメは死んでいました。男はまたしても他の者に置いていかれ、ひとりぼっちになってしまったのです。彼は呆然としてアカウミガメの死骸に寄りそいます。
 嘆き続ける男の傍らで、不思議なことにアカウミガメの死骸は生きた女の姿に変身します。眠り続ける女のために男はかいがいしく働きますが、罪悪感からでしょうか、いざ女が目を覚ましても声をかけることができません。
 女がアカウミガメだった名残の甲羅を海に流し、男もそれに倣ってつくりかけのイカダを海に流すと、ようやく女は男に振り向きます。悔恨の涙を流す男を、女は優しく慰めるのでした。

Term 3

 時は流れ、男と女の間に息子が産まれました。
 好奇心の強い息子は島を探検することを好み、ある日、どこかから流れてきたガラス瓶を見つけました。男は息子に教えます。島に3人が暮らしているように、水平線の向こうにはたくさんの人が住む大陸があることを。女も息子に教えます。この世には人間だけではなく、ウミガメも暮らしていることを。
 やがて息子は海に暮らすウミガメたちと知り合い、成長するにつれてますます探検範囲を広げていきました。ついに目に入ることごとくを探検しつくし、好奇心を持てあました息子は、日増しに水平線の向こうへの思いを募らせるようになります。

Term 4

 彼らの暮らしに転機が訪れました。津波が島に襲いかかり、何もかもを洗い流してしまったのです。島の景色はすっかり変わってしまいました。3人の家族も散り散りに流されてしまいましたが、成長した息子の奮闘もあって、からくも命を取り留めました。
 かつての父親そっくりに成長した息子はついに旅立ちを決意します。仲間のウミガメたちとともに、水平線の向こうへと巣立っていきます。

 島に残った男と女はその後も穏やかに暮らしました。島の景色もすっかり元通り。年齢を重ね、老衰する最後の瞬間まで愛する女とともに暮らすことができた男の死に顔は安らかなものでした。
 男に先立たれた女はひととおり男の死を悼んだあと、アカウミガメの姿に戻り、静かに海へと帰っていきます。

おまけ。さしあたっての感想

 これは売れない。無声劇なだけでなく、物語自体も決して大衆ウケするものではありません。ひとりの男が人生を全うするだけの物語。けれど私はこの映画がたまらなく好きです。上演中は泣きっぱなしでした。言葉のない世界に豊かな感情が溢れていて、男が嘆くたび、怒るたび、笑うたび、心を激しく揺さぶられました。
 売れないでしょうけれど、本当に素晴らしい映画です。なんでこんな大々的に興行を打っているのかわからないけれど、そのおかげで出会えたのですから感謝です。
 願わくば40年、50年先もそこかしこの小さな映画祭で上映され続け、語り継がれますように。叶うなら私の人生の節目節目でこの映画を繰り返し観ることができますように。
 たぶん歳を取ったらこの映画の印象もガラッと変わるんだろうなあ。楽しみで仕方ありません。

 今の私の感性での感想はまた後日。

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