超人女子戦士ガリベンガーV 第41話感想 イカは美味しい。ガリベンガーV(のロケ弁)も美味しい。

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生徒役:電脳少女シロ、神楽すず、八重沢なとり

なんかさ、噂によると英二がガリベンガーの収録いっつも楽しみにしてるらしいの!

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「どうやって飲むんだよイカが」
「それで飲むって言ってんのよ!!」

 先日のガリベンガーVイベントで行われたジェスチャーゲームでは、ときのそらと組んだときはリード役、キズナアイと組んだときはフォロー役として、どちらも素晴らしいパフォーマンスを発揮してみせたスイッチプレイヤー。芝居技術の高さもさることながら、なによりもまずコミュニケーション力の勝利ですね。
 「いるだけで○○な子」という表現がこれほど似合わない人物もなかなかいないでしょう。いればだいたい何かしています。傍若無人に暴れてみたり、賢く機転の利くトークを繰りひろげてみたり、斜め上にカッ飛んだ名言を連発してみたり、他の共演者を気遣ったり、イジりたおしたり、あるいはゴキゲンにキュイキュイ笑っていたり。ちょくちょくワケワカンナイこともやりたがりますが、そういうときは「シロちゃんの動画は為になるなあ!」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、ああ見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

神楽すず

「・・・1つ潰れても問題ないかなって」
「なんだ、潰れるって。なんでさっきから潰す方向に持っていってるんだよ」

 どんな大舞台に立っても平然としていられる割に、ちょっと変わったネタ振りをされただけでびっくりするくらいガタガタになる、羞恥心バランスが相変わらずおかしな子。でも正直その感覚は私もすごいよくわかる。ああいうのって演技力に属する才覚なので、エチュード練習を繰り返せば改善できると思います。
 彼女は普通の子です。歌を歌うときは多少トチっても気にせず楽しげに歌いきり、ロボットを操縦するときはまるでアニメ脚本家が書いたような芝居がかったセリフをいつものテンションでサラッと口にします。神楽すずはどこにいても、何をしていても、神楽すずです。たとえテレビ局のスタジオで数百万画素の業務用カメラを向けられていようと、ライブ会場で合計数千ワットのパーライトに照らされていようと、彼女は普通の子であることをけっして手放しません。
 どうしても失敗してしまう瞬間はあるでしょう。けれど、もしその次の瞬間にまた立ち上がっていられたら、失敗は大した失敗じゃなくなります。それこそが神楽すず。いっそ人生哲学じみている鋼のクソ度胸を引っさげて、彼女は今日も威風堂々と笑います。

八重沢なとり

「細かいね、たしかに。うまいね。あなたね」
「やったー! じっちゃ。やったよ、じっちゃー!」

 最近密かに「ご主人」と呼ばれているのは知っていましたが、いつの間にか「全人類の孫」にもなっていたらしいお米お姉ちゃん。積極的にズイズイいく立ち回りをがんばろうとしている割りに、本人は意外と奥ゆかしい性格なので、その調子で周りがワッショイワッショイ背中を押してあげたら助けになると思います。
 彼女の最大の持ち味はなんといっても親しみやすさでしょう。イラストが上手かったりリズム感が優れていたり、何をやらせてもたいがい器用にこなす優等生のはずなのですが、なぜだかいつも隙だらけ。ついつい軽口を叩いて怒らせたくなってしまいます。感受性高く、涙もろく、隣に座ってころころ変わるいろんな表情を眺めていたくもなります。
 ちなみにスカートの話は取り締まり対象なのでご注意を。あなたが言わなくても向こうから話を振ってきます。罠だ! 稲穂を振りまわして攻撃してくるので、うまく躱してお煎餅でご機嫌取りしましょう。それで風紀が守られます。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:イカの謎を解明せよ!

 窪寺先生の名前は知っているかたも多いのではないでしょうか。ダイオウイカを海面近くまで釣り上げ、世界で初めて生きた状態での動画を世界に発信した大先生です。その数年後にはさらに、深海に潜って自然状態での生態動画撮影にも成功しています。40年近く国立科学博物館に勤めてきた日本を代表する水産学博士のひとりであり、定年退職した現在も名誉研究員の肩書きで研究を続けています。

 イカ。
 イカを侮ることなかれ。イギリスで制作された科学番組『フューチャー・イズ・ワイルド』によると、人類が絶滅した2億年後の地球を支配するのはイカなんだそうです。イカは知能が高く、種全体としての多様性が幅広く、すなわち環境適応も柔軟な生きものだからです。
 また、それゆえに繁殖力旺盛で、様々な地域の生態系において食物連鎖の重要な位置を担ってもいます。もちろん人間の食卓の重要な位置も。イカはなにかにつけて遍在するのです。隙あらば頭足類。

トピック1:イカの体内にあるこれはなに?

 「えー。えー。でも、どこに入ってるのかはわかるんですよね。なんか、背中のほうに入ってる骨?じゃないですか。何なのかはちょっとわからない・・・。背骨でお願いします」
 テンパったとき言い訳がましい言葉が増えるのが神楽すずの悪いクセ。それでいて愛らしいところでもあります。
 アマチュア演劇の俳優にこういう子をたまに見かけます。どうしてこう本番中に要らんコトを口に出しちゃうのかといえば、本番中であっても普段の生活の延長線上みたいな感覚でいるから。撮影中に(舞台上で)アワアワしていると場の流れを止めてしまうことになりますが、日常生活には台本とか進行とかが無いのでひとりで固まっていても周りにあんまり迷惑がかかりません。普通なら流れを止めたときの周りからの視線が気になって自然とスイッチが切り替わるものなんですが、失敗を恐れないクソ度胸の持ち主だとそういうのが無いので日常と本番の境目を曖昧にしがちなんですよね。
 要するに、神楽すずはいつだって自然体なんです。普通じゃない剛毅なクソ度胸を持っているがゆえに、番組収録中ですら普通の子のままでいられるんです。大舞台に立つ機会が多いプロとしてはあんまりよくない傾向なものの、困ったことにこの子の場合、そのラフで飾り気ないキャラクターも大きな魅力のひとつなので・・・、ああ! 見ていてとっても悩ましい! (いわゆる後方Pヅラ)

 「どう見てもストローなので、間違いなく! 喉渇いたときにタピオカを吸うヤツ」
 「いや、違う違う。イカだっつってんだよ。イカから出てきたヤツだっつてんだよ」
 「イカにもタピオカ飲ませてあげなさいよ!」
 「飲むわけねえだろイカが」
 「流行ってんのよ!」
 「どうやって飲むんだよイカが」
 「それで飲むって言ってんのよ!!」

 このゴリ押しの流れもすっかり定番化しましたね。ガッツリ塩対応しても電脳少女シロならオチがつくところまで挫けないという小峠教官からの信頼感が光ります。ついでに、まるで展開についていけていない先生のポカーンとした顔がまたイケてます。

 さて、出題された透明の細長い棒状の組織、これを軟甲といいます。よくイカの骨と呼ばれているものなんですが、厳密には骨ではなく、貝殻のなごりです。骨なら主成分はリン酸カルシウムになるはずなんですが、軟甲の主成分は炭酸カルシウム。貝殻と同じ成分なんですね。
 イカはこの軟甲を背骨のように利用していて、軟体動物ながら水中で体型を崩すことなく、まるで魚類のように機敏に遊泳することを可能にしています。

 ちなみに英語ではGladiusといいます。
 グラディウス。古代ローマ軍が使っていた短めの剣のことです。古代ローマ軍は密集隊形を組んで敵陣に大量の槍を投げ込み、敵が混乱した隙に乗じて白兵戦で仕留めることを基本戦術としていました。敵味方とも密集した乱戦状況下で運用する剣なので、リーチよりも取り回しのよさが重視されたんですね。
 ヤリイカの軟甲はストローみたいに細長いのであまりピンと来ませんが、コウイカの軟甲はもう少し貝殻っぽくて、ずんぐりと丸い筒状になっています。これが短い剣のグラディウスと似ていることからこう呼ばれているようです。

トピック2:イカの心臓の特徴は?

 「イカさんってたしかイカ墨があったと思うので、心臓のプシュプシュによってイカ墨をつくる、みたいな役目があるのかなって思った。そう、黒く。黒くするみたいな」
 神楽すずとは対照的に、八重沢なとりは他人に聞かせる前提でしっかり話を組み立てます。もうね、語彙からすでにあざといくらいかわいいですよね。配信慣れするたびズンドコあざとく萌えのツボをついてきますよねこの子。かわいいはつくれる。つくったかわいさはかわいい。
 惜しむらくは肝心の、心臓を使うとどうして墨が黒くなるのか、の説明がないことですね。ぜひともその世界観を詳しく聞いてみたいところ。静脈血が黒いことあたりから連想したんでしょうか?

 「複数個ある。2つか3つくらい」
 「複数個あることによってどうなるんですか?」
 「・・・1つ潰れても問題ないかなって」

 相当ユニークな発想をしているはずなのに、なぜかその発想に至った理由がスムーズに出てこない神楽すず。たまたま断片的な知識として聞きかじっていたのかもしれませんね。最近、タコは心臓が3つと脳を9つ持っているとか化け物かよ、みたいな話題がネットで流行っていたので、それでしょうか。

 ここでのキーワードはエラ心臓。
 実は神楽すずの回答が正解で、イカには(※ タコにも)心臓が3つあるんです。ひとつは他の動物と同じ普通の心臓。残りふたつがこのエラ心臓。イカの循環器系には普通の心臓で体液を全身に循環させる経路と、エラ心臓を使ってエラに体液を送る経路の2系統があるんです。
 循環器系が2系統あるのは人間と同じですね。体循環と肺循環。人間の場合はそのどちらもを1つの心臓だけでまわしています。人間の心臓が右心房と右心室、左心房、左心室の4つに分かれた複雑な構造になっているのは、2系統の循環器系に同時に対応するためです。
 対して、イカは本来の心臓の動力をもっぱら体循環のために使い、エラ循環のほうには専用のエラ心臓を主に使っています。酸素吸収のための循環器系に専用心臓を持つことで、イカはより効率よく酸素を体に取り込むことが可能となり、身体構造のシンプルさとウラハラ、たいへんパワフルに体を動かすことができるんです。

 解剖ついでにイカの消化器系も紹介されました。
 少なからぬ魚類がエサを丸呑みして消化はのんびりと酵素任せにしているのに対し、イカはカラストンビと呼ばれる硬い唇でエサを切断し、その奥の歯舌という器官でさらにすり潰してから胃に収めています。
 ちなみにカラストンビという名称は、背側(※ 番組の図中では上)がカラスのクチバシに、腹側(※ 図中では下)がトンビのクチバシにそれぞれ色や形が似ていることからこう呼ばれているようです。

トピック3:イカはどうやって子どもを残すの?

 「前回貝の授業をやったときに、貝は水中にぱーんって散らして、それがくっついて子どもができるってことだったので、貝の仲間だとしたら同じように空気中(※ 海中)にメスも出してて、それがびたーってくっついて赤ちゃんができるんじゃないかって思いました」
 ちなみに貝の授業である第13話の生徒役は富士葵と猫乃木もちです。さすがは優等生。八重沢なとりは自分が出演した回以外も毎週しっかりチェックしているんですね。こういう番組元々好きそうですしね。じっちゃとばっちゃと一緒に観ているんでしょうか。

 「オスがリキんで、ファナモ? カプセルを出して、それをメスが食べて、お腹を振って、子どもを宿して、ぽぽぽぽぽぽぽぽってリキむと、ぽぽぽぽぽぽぽぽって生まれる」(コメント欄で教えていただき、一部自分では書き起こせなかった発言を追記しました)
 ほぼ完璧な正答を出したのに「それウンコだろ」とツッコまれてしまう電脳少女シロ。さすが、小峠教官との間で積み重ねてきた信頼が段違いですね。むしろどうしてウンコじゃなかったのか。珍しい。

 そういうわけで、このトピックのキーワードは精莢。イカはオスが精子の詰まったカプセルをメスの体に突き刺すことで交配します。
 精莢と呼ばれるこのカプセル、なんと自力で動きます。動くからこそ、メスがオスから離れたあとでもゆっくり受精することができるわけですね。そうして受精したメスは海のあっちこっちに何万もの大量の卵を生み付けます。ただし、イカというのは元々いろんな動物に捕食される生きものなので、その卵なんて言わずもがな。成体にまで成長できるのはほんの一握りです。

 ちなみに精莢は突き刺して使うものなので、人間もうっかり食べると口のなかなどに突き刺さることがあります。
 先生はちょっと痛いだけだと解説していましたが、厄介なことにこの精莢、鋭いわりに脆く、ピンセットなどで抜こうとしても千切れてしまうんだそうです。どうにも処置することが困難で、過去には口のなかを切開して1本1本取り除く手術が行われた例もあるそうな。
 新鮮なオスのイカの内臓を刺身で食べるのはくれぐれもやめておきましょう。調べてみたら思ったより怖かった・・・。

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    コメント

    1. ナナシ より:

      珍しくウンコじゃなかったようで実はカプセルの前にファナモと口走っています
      ファナモは世にも奇妙な物語の話の1つに登場するカプセル状のウンコです。結局いつも通り

      • 疲ぃ より:

         あそこ聞き取れなかったので文字起こしは諦めていました。そんなこと言ってたんですか!?
         世にも奇妙な物語のネタに詳しくないのでとりあえずググってあらすじだけ読んでみましたが・・・。

         油断も隙もないな、あの電脳少女。

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