超人女子戦士ガリベンガーV 第13話感想 観察するなら二枚貝、食べるなら巻貝。(違う)

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生徒役:電脳少女シロ、富士葵、猫乃木もち

それくらいでカットインしてくんじゃねえよ!

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「そんなに貝の気持ちに寄りそってる小峠さんもステキです!」

 物騒な言葉、不穏な言葉に織り交ぜて、時折しれっと胸を打つ感謝の言葉を投げかけてくるエモーショナルな電柱少女。思いは言葉にしなきゃ伝わらないわけではないけれど、伝えようと努力することに越したことはない、ファンにも共演者にも裏方スタッフにもまっすぐ向きあう全方位気づかい上手さんです。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。きわめてタチが悪い。

富士葵

「葵の左目の下にある黒い点も目です」

 おそらくバーチャルYouTuberとしては最も有名なディーバ。卓越した表現力、ウィスパーからシャウトまでフォローする豊かな声量、その一方で声質は思いのほか素朴。美しさと親しみやすさが同居しているというか、とにかく聞いていてじんわり胸を暖めてくれる歌声が持ち味です。
 ・・・とか書いておきながら私自身はバーチャルYouTuberの歌動画をほとんど観ないんですけどね。そんなわけで歌姫と名高い彼女にはなかなか興味を持てず、彼女がファンから「孫」と呼ばれていることまでは知っていたのですが、どうしてそんなふうに呼ばれているのかピンときませんでした。
 動画を見て一発で理解しました。なるほど、孫だ。彼女は歌以外の動画も出しているのですが、このノリが独特というか何というか・・・、田舎の女子中学生が母方の家(さらなるド田舎)に遊びに来て祖父母といっしょにウキウキでホームビデオ撮影をしている感じとでもいいますか。妙に子どもっぽくて変にシュールでいやに楽しそうで、とりあえずかわいがりたくなるのは間違いなし。あれは孫だ。

猫乃木もち

「100個も目あるんだからどれかひとつぐらい超能力使える」

 “猫乃木”のイントネーションは“つぶ貝”と同じ!(重要) 最近ついに念願の歌動画を出せるようになったアイドル部きっての歌姫。ピアノで弾いたような精緻な旋律と、甘やかに響き広がっていく歌声がステキです。歌以外でも元々器用な子ではありましたが、近頃定期的に動画をつくるようになってからますます芸達者になってきました。
 彼女の人気を確立したのはホラーゲーム実況。用意されたトラップことごとくに引っかかっては絹を裂くような美しい悲鳴を上げつつ、それでいて謎解きはスムーズにすいすい解いていくという、ホラーゲーム実況のお手本のようなプレイスタイルです。猫耳はある朝目を覚ますとなんとなく生えていました。後日尻尾も生えました。
 陽気で物怖じしない性格、趣味は野球観戦と猫を愛でること、歌唱力に類い稀な才能があり、ついでにセクシー(というかフェチズム)路線にも理解があるという、おおよそオッサンの夢を詰めこんだようなキャラクターとなっています。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:貝の謎を解明せよ!

 クロズミ先生は博物館の研究職員で、貝類学が専門です。貝好きが高じて、貝塚をはじめとした考古学分野や生物史分野にも研究範囲を広げているようです。・・・深海生物好きから巡り巡って南極調査隊にも加わったナガヌマ先生といい、ガリベンガーVの教師陣ってやたら好奇心のリーチの広いかたが多いですね。
 今回も千本ノックスタイル。このスタイルの方が番組をつくりやすいんでしょうね。どこをカットしても話の流れがわからなくなるってことがないですし、なんなら途中のトピック丸ごとカットすることだってできますから。YouTubeの未公開シーンにときおり未放送のトピックが出てくることがあります。

 今回の授業では、日本を代表する二枚貝であるホタテガイを中心に扱いました。
 青森県の特産品のひとつですね。クロズミ先生が持ってきた貝殻ほどのサイズではありませんが、青森県津軽地方ではけっこうな割合で家庭の台所に大きな貝殻が置いてあります。「貝焼き味噌(※ 卵味噌ともいう)」という郷土料理の鍋として使うんです。市民市場なんかで普通に貝殻だけ売っています。

トピック1:この中で貝はどれでしょう?

 まずは導入としてクイズが出題されました。アサリ、ハマグリ、ホタテ、シジミ、アワビ、サザエ、オウムガイ、ウミウシ、カタツムリ、タコ、イカ、クリオネの12種のなかから貝類に含まれるものを当てるものです。
 実はこの12種全てが貝類。広義では軟体動物全体を貝類と見なします。狭義には貝殻を持つものだけ貝類と見なす向きもあり、こちらの方が一般の肌感覚には近いかもしれませんが、学術的には広義の方を用いるのが普通です。
 というのも、たとえばウミウシやクリオネなんかも腹足類(巻き貝の仲間)に含まれますし、日本近海に多く生息しているヒザラガイあたりは多板類なので、頭足類(イカやタコ)よりも二枚貝や巻き貝より分類が遠くなってしまうという問題があるからです。

 ちなみにクロズミ先生は富士葵がいきなりクリオネで正解したことを驚いていましたが、これネットに親しんでいる世代にとってはむしろ有名な話ですよね。クリオネって捕食の様子がキモかったり、スーパー玉出で売られていたり、バーチャルYouTuber月ノ美兎が食レポしていたり、定期的に話題になりますからその流れで。日本名ではハダカカメガイなどと呼ぶそうです。

トピック2:貝殻はどうやって作られるの?

 外套膜(貝ヒモの外周部分)から出した分泌物を貝殻の外側に付着させることで成長させていきます。内側から成長していく爪や木の幹とは逆の育ちかたですね。炭酸カルシウムを主成分としているため、内側から成長させるのでは割れてしまうのでしょう。
 木の年輪と同様に貝にも成長輪があります。つまり木と同じでよく成長する時期と成長が止まる時期があるということです。貝の場合は水温の変化や干潮などで成長が止まることがあるようです。

トピック3:ホタテの目はどこにあるの?

 これも外套膜にあり、小さな黒点として確認することができます。だいたい80~100個ほどあるのですが、視覚としては光を感知する程度の能力しかないとされています。
 富士葵がアサリのニョロニョロしたツノみたいな部分のことを目じゃないかと予想しましたが、残念ながらこれは水管と呼ばれる器官です。水を出し入れして呼吸したり、エサを食べたり、ウンコを排出したりします。また、ホタテには同等の器官としてエラがついているので水管はありません。

 ちなみに目がついている二枚貝はホタテの仲間(イタヤガイ科)だけです。アサリなど他の二枚貝に目はありません。
 とはいえアサリも水管の先に光を当てると反応したりするんですよね。ここまでくると目とはなんぞや? という話にもなりそうですが・・・教えてクロズミ先生!

トピック4:ホタテは敵に襲われたらどうするの?

 なんと泳いで逃げます。ホタテには閉殻筋(貝柱)と弾帯(貝殻の継ぎ目にある黒い器官)があり、これらで貝殻を開けたり閉じたりして水流をつくりだして器用に泳ぎます。
 この生態は古くからよく知られており、一説にはこのパクパクと口を開いて泳いでいる様子が帆を立てた舟のように見えるので帆立貝という名がついたともいわれています。

トピック5:ホタテはどうやって繁殖するの?

 春頃、一定の水温下という条件で一斉に精子と卵を放出することによって体外で繁殖します。孵化した子はその後水流に乗って遠くへ運ばれ、数ヶ月後に海底へ降りて稚貝となります。このため、二枚貝はまるで何もないところから発生したかのように見えることがあります。

 電脳少女シロが特定の相手を選んでの交配はしないのかと質問しましたが、実はパートナーどころか子のその後の運命すら運任せの繁殖方法だったりします。孵化した子の99%以上が生育に適さない海底に落ちて死んでしまうそうです。
 「お父さんがんばっちゃうぞ」って、どんだけ産んでるんでしょうね。

特別授業1:素晴らしき貝の世界

 まるで人の手で色を塗られたかのような美しい色合いの貝があります。ヒオウギガイと呼ばれるもので、個体によって様々な色を持ちます。この色は遺伝するため、観光向けに美しい個体がさかんに養殖されているようです。

 クロズミ先生のお気に入りをもうひとつ。マボロシハマグリという貝があります。貝殻から飛び出た数本のツノと、はっきりヒダヒダが見て取れる成長輪が特徴です。ちなみにこのツノは見た目どおり大変折れやすいらしく、クロズミ先生が持ってきた標本のように完全な姿のツノが何本も残った貝殻はものすごく稀少なようです。
 その意味でも、本当によく刺そうと思ったものですね。

特別授業2:1番美味しいと思う貝は?

 クロズミ先生オススメの夜光貝はアワビの仲間としては世界最大クラスの貝です。火を通すと固くなるので、刺身か、さっと軽くだけ加熱してバター焼きで食べるようです。
 貝殻の方も美しいため螺鈿細工に使用したり、アクセサリに加工されることもあるようですね。美味しいだけじゃなくそっちの用途もあるので、なおさら稀少&高価。

感想

 富士葵は電脳少女シロやアイドル部とはまた違うノリのわけわからなさっぷりを存分に発揮し、猫乃木もちはアイドル部随一の乙女っぷりと少年マンガ脳全開で、どちらものびのびと自分の個性を出していました。電脳少女シロはもはや言わずもがな。この子はもう誰と共演してもうまくキャラクターを出せそうな安定感があると思います。
 番組スタッフもコトウゲ教官も(あと電脳少女シロも)、ゲストの魅力の引き出しかたをすっかり心得た感じでしたね。彼女たち自身が自分のキャラクターをよく把握しているので、大喜利させてあげれば自然とキャラに合った発言をしてくれるわけですね。
 個人的には初期のようにもうちょっと授業進行にも絡んでいく展開が多い方が好みではあるのですが、まあそのあたりはカメラに映るところ映らないところ含めて一長一短。

 「君の心の応援団長。富士ぃー、葵です! よろしくお願いします」
 「『富士ぃー』の言いかたが完全にサファリパークだったね」
 「便乗はしてないです。便乗は」

 そのネタ、『バーチャルさんは見ている』で1クール通してずっとやってましたもんね。

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