ヒーリングっどプリキュア 第11話感想 諦めないし、諦めさせない。

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だからお願い、一緒にがんばって! 私たちと一緒に!

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(主観的)あらすじ

 残るメガビョーゲンは2体。しかも発生から時間が経ち、これまでになく強力になっています。1体目はそれでもなんとか浄化できました。けれど最後の1体は・・・。

 育ちきったメガビョーゲンとの圧倒的な力の差に吹き飛ばされてしまったのどかたち。
 本当にお手当てできるのかな。あんなに強くなっているとは思わなかった。怖かった。次はもっと強くなっているはず。――さすがのみんなも弱気になって、口々に不安を露わにします。ついには当初正しい判断だと思っていた合流作戦まで、本当に正しかったのか疑問符がちらつきはじめました。
 そんな不安の空気を払拭したのはのどか。
 合流したからこそ光のエレメントさんを助けられた。そして、合流したのはけっして花のエレメントさんを見捨てていいと思ったからじゃない。全部のエレメントさんを助けるためにこれまでもがんばってきた。だから、どんなに難しくても諦めずにがんばろう。そう言って、みんなを勇気づけました。

 のどかたちは再びメガビョーゲンに立ち向かいます。特別有効な作戦は考えていません。みんなで力を合わせて、少しずつでも相手の体力を削ぐことができたら、チャンスが見えてくるかもしれない。
 けれど、体力を削られているのはのどかたちも同じ。なによりメガビョーゲンにされてしまった花のエレメントさんがそろそろ限界でした。
 今にも力尽きそうな花のエレメントさんのため、のどかたちは精一杯の励ましの言葉を聞かせます。
 諦めないで! あなたを助けたいのは私たちだけじゃない。先に助けた光と水のエレメントさんも、他のエレメントさんたちも、みんながあなたを助けたくてプリキュアに力を貸してくれている。だからどうか、あなたも一緒にがんばってほしい!

 言葉が届き、花のエレメントさんが再び歯を食いしばったそのとき、奇跡が起こりました。
 ミラクルヒーリングボトル。今この瞬間に生まれた新種のボトルにして、みんなで地球の病気と戦おうというエレメントさんたちの思いが結集した、プリキュアの新たな力。
 のどかたちはみんなで力を合わせ、今度こそメガビョーゲンを浄化することに成功します。

 6人どころかエレメントさんたちを含めたみんなで力を合わせることになった協力技、プリキュア・ヒーリングオアシス。
 このパターンって例年なら後期必殺技でやるやつではー? と、ちょっと思ったのですが、そういえば『キラキラプリキュアアラモード』でもやっていましたね。振りかえってみると当時の感想記事でも似たような驚きかたをしていました。我ながら純真でよろしい。

 何が正解か、なんて誰にもわかりません。それはたとえお医者さんでも、プリキュアですらも。
 前話、分散したのは間違いだったと反省したのどかたちでしたが、今度は合流したのは間違いだったと考えを180度反転させられる事態に陥りました。見えている状況が変われば判断も変わります。よっぽど、それこそ未来が見えてでもいないかぎり、常に絶対正しい判断をできる人なんてどこにもいないでしょう。みんな間違いを犯すものです。どんなに立派に見える人であっても。

 それでも、萎えず、挫けず、前を向いたまま夢を叶えることができた人たちはたしかに存在します。
 彼らは諦めませんでした。諦めないからこそ、多少の失敗があっても最後には成功に至ることができました。
 では、どうして他の多くの人たちと違って彼らは諦めずにいられたのか、といえば――。

 のどかたちが今目指しているものは、それぞれ異なる事情ながら、3人ともが実現困難な夢です。
 けれど、前話までの流れを見るかぎり、どうやら3人とも諦めるつもりはさらさら無いようです。きっとこれからたくさん苦しみながら、それでも年末までにはそれぞれ自分の納得できる成果をかたちにしてくれることでしょう。彼女たちはもう諦めるわけにはいきません。

 だから、これは彼女たちが諦めずにいられるようになるための第一歩。

目の前は五里霧中、振りかえっても暗中模索

 強大に成長したメガビョーゲンの力は想像をはるかに超えすさまじく、プリキュアが3人集まってなお少しも太刀打ちできませんでした。のどかたちは森の奥へ吹き飛ばされます。吹き飛ばされてきたので右も左もわかりません。メガビョーゲンがどっちの方角にいるのかすらわかりません。仮に方角がわかったとしても、そもそも浄化する方法が思いつかないのですが・・・。
 そんな八方塞がりの状況下では、いかなプリキュアといえど弱音を吐きたくもなります。

 「本当にお手当てできるのかな・・・」
 「まさかあんなに強くなってるとはニャ」
 「ラビリンたちもあんなに成長したメガビョーゲンを見たのははじめてラビ」
 「正直、恐かったペエ」
 「浄化するにしてもまだまだ時間がかかる。つまり、もっと強くなってるってことよね」

 前話までで立ち直ったばかりののどかを除き、5人ともがそれぞれ消沈しています。
 自信をなくし、前を向くことができなくなった心は、さらに後ろを振りかえってもうひとつため息をつきます。

 「私たち、やりかた間違ったかな・・・。だってメチャメチャ強かったよ! 私たちがみんなビビんないで、手分けしたままがんばって自分の担当を浄化できてたら、あんなに強くなんなかったってことでしょ!?」
 「ごめんペエ。ぼくたちの判断がよくなかったペエ」
 「ペギタンのせいじゃないわ。私も賛成したもの」

 前話では合流することこそ正しい判断だと思っていました。
 1体目のメガビョーゲンを浄化できてやはり正しかったと確信しました。
 なのに、いつの間にか自分たちの考えはその正反対に。だって、成長しきったメガビョーゲンがあんなに強いとは誰も思わなかったから。

 痛感します。
 これまで自分たちはただ、暗闇に覆われたなかをなんとか掻いくぐってこられただけで、それでうまくできていた気になっていたんだってことに。
 何かにぶつかったら失敗。何事もなく前へ進めたら成功。そのときそのとき、目の前の障害の有無で自分の判断の正しさを占ってきました。だけど少しだけ前へ進めたその先にまた新たな障害が待っている可能性もあるわけで。気付いたら袋小路。八方塞がり、五里霧中。――目の前のことしか見ずにいたら、当然、そんな未来だって当然ありえるわけで。

 「本当に助けようって思うなら、目の前のことだけじゃダメなんだよね・・・」(第10話)

 いくら反省したところで、気付いたときにはどうしようもなく手遅れになっている状況は当然ありうるものです。
 だって、結局のところ私たちは全ての未来を見通せるわけじゃないんですから。見えない未来へ向かって手探りでなんとか歩んできただけに過ぎないのですから。

 何が正しかった。何が間違っていた。
 その判断は、実際に未来へ進んでみるまでわかりません。
 その時点で正しいと思えたことも、後になって考えてみればむしろ間違いだったかもしれない。あのとき間違っていると思っていたことが、振りかえってみれば本当は正しかったのかもしれない。わからないまま進んで、わからないくせに進んで、そうして私たちは今ここにいます。
 今目の前にある絶望的な状況は過去の自分が犯した間違いによるもの。逆転するための分岐点は、とっくに闇のなかに沈んでいました。

 さて、どうしよう?
 どうしようもありません。・・・だって、今さら。

 「――そんなことないよ!」

みんなで暗闇をさまよってきた

 「ラビリン。また私が間違えそうになったら、そのときはまたちゃんと言ってね」
 「もちろんラビ!」
(第10話)

 ついさっきラビリンと約束しました。
 だから言います。みんな間違っていると。
 だって、ラビリンがのどかのパートナーであるのと同時に、のどかだってラビリンのパートナーなんだから。

 「そんなことないよ! だって、ラビリンたちの判断があったから光のエレメントさんを助けられた。作品だって守れたし、長良さんの思いも守れた。水のエレメントさんも助けることができた。――それは全部本当のことだよ!」

 みんな変なことを言っています。
 ついさっきまで正しいと信じていたことを間違えていたと言いはじめて、反対に間違ったと思っていたことを本当は正しかったんだと言っています。
 知っているくせに。あのときも目の前にはどうしようもない障害が立ち塞がっていて、それを乗り越えられないから判断を変えたんだってこと。それを、改めて考えてみればさっきのは今目の前にある障害よりはマシだったから、あのときにもう少しがんばればよかったんだって言う。
 あのとき、これ以上どうしようもなかったからこそ、みんなで違う道を選んだのに。

 あのときのどかは間違えました。
 今、みんなはあのまま分散して戦うべきだったと言いはじめていますが、のどかはあのときの判断が間違いだったことを信じています。
 あのまま戦っていたら光のエレメントさんを助けられませんでした。作品だって危うく壊してしまうところでした。水のエレメントさんもあのままでは助けられたかどうか。

 あのときのどかは間違えていました。
 あのままでは大切なものを、なりたかった自分を、全部失ってしまうところでした。
 ――それなのに、結局これまでのところは全部うまくできています。のどかはまだ何も失っていません。
 間違えたのに。
 間違えていたにもかかわらず。

 「何が正しいのか私たちにはわからない。だから私たちにできることは、ちゆちゃん本人が決めたやりかたを応援すること。それだけだよ」(第8話)
 ちゆがムチャクチャな根性論を言いだしたことがありました。そのままやらせるべきか止めてあげるべきか、あのときのどかたちもちゆも何が正解かわかりませんでしたが、結果としては今のところうまくできたように思います。

 「ひなたちゃん。私、まだ帰らないよ。――だって、こんなにドキドキするくらい楽しいんだもん。帰りたくないよ」(第7話)
 ひなたが自分のウカツさを謝ってきたことがありました。けれどのどかにしてみればひなたのしてくれたことが間違いだったとはちっとも思えませんでした。どちらが正解だったのか本当のところはわかりません。ですが、結果として今のところあの日のことに後悔はありません。

 「どっちも探そう。ペギタンは私たちの大事なお友だちだし、それに、メガビョーゲンを見つけてもペギタンがいないとちゆちゃんプリキュアになれないでしょ?」(第5話)
 ちゆとひなたの意見が衝突したところに折衷案を出したこともありました。とはいえ、本当に両方こなせるという確証があるわけではありませんでした。結果として全部うまくいったものの、もしどっちつかずの結末に終わっていたら今ごろどうなっていたことやら。

 これまで決めてきたこと全部、本当は正しいのかどうか確証なく判断してきました。あるいは今でもそれが本当に最善だったのかわからないことだってあります。
 きっと全部がうまくできてきたわけではないはずです。少なからず後悔していることがあります。
 それでも、のどかは、ちゆは、ひなたは、これまでこうして前へ進みつづけることができていました。

 たとえ失敗したとしても。

 前話でラビリンは何と言ってくれていたでしょうか。
 「グレースは一生懸命だったラビ。そういうこともあるラビ」(第10話)
 そう。
 一番大切なことは、過去に失敗したかどうかじゃない。

 だからのどかは言います。みんな間違っていると。
 失敗を受け入れてくれたラビリンと約束したとおりに。

 「諦めなきゃいいんだよ。みんな、見捨てるつもりで花のエレメントさんを最後にしたわけじゃないでしょ。全部のエレメントさんを助けたい気持ちは変わらないでしょ。だったら、どんなに難しくてもお手当をつづける。それしかないんだよ」

 たとえ失敗したとしても、私たちは“諦めない”ことで障害を乗り越え、前へ進んできた。
 未来から本当の正解を見通すことのできない私たちにはそれしかできない。
 間違っていてもいい。前へ。

きっとできると自分を信じて

 「ごめんね、今すぐに君を治してあげることができなくて。でもぼくたちは諦めない。だからのどかちゃんにも諦めずに戦ってほしい」

 のどかが尊敬し、優しさの理想像として憧れている人のひとり、お医者さんがカッコ悪いことを言ったことがありました。
 今の自分たちにはできない。諦めないことしかできない。そう言って、患者であるはずののどかにまで協力を求めてきました。
 けれど、そんなお医者さんの手は不思議と大きく見えたものでした。

 「すげえ作戦はないけどニャ!」
 「諦めなければ、ちょっとずつ体力を削ることができるペエ!」
 「そしたらいつか、チャンスは来るラビ!」
 「ひとりじゃ無理でも!」
 「私たちが力を合わせれば!」
 「きっとできる!」

 不安感を断ち切ったところで別に勝算なんてありません。
 絶対に助けられるって自信なんてありません。
 それでも、前へ。

 「それでも、戦うことを諦めちゃったら終わりだから」

 間違っていました。
 今が八方塞がりなのは、過去に間違いがあったからではありません。目の前にいる敵が強大すぎるからではありません。ただ、それを乗り越えようという気力が萎えてしまっていただけです。
 恐かったんです。もう一度戦うことが。また負けてしまうことが。また間違えてしまうことが。
 次はきっと勝てるって、自分で自分の行く先を信じきれなかったんです。

 さっきはラビリンがのどかに替わって、のどかのことを信じてくれました。
 今度はのどかがみんなのことを信じてくれました。

 やろうとしてきたこと自体は間違いじゃない。
 だから、諦めさえしなければ、きっとできる。

 「プリキュアになれて嬉しかった! ラビリンが私を選んでくれて嬉しかったの! 絶対応えたいって思った。ひとりじゃできなくても、ラビリンと一緒ならできるって思って」(第2話)
 「私はあなたより大きいから、少しは力になれると思う。もし勇気が足りないなら、私のを分けてあげる。大丈夫。私がいるわ」
(第3話)
 「お前のなかの好きなものや大切なものを、お前の手で、守るんだよ。ひなた。お前ならできる。ていうか、俺はお前と組みたい!」
(第4話)

 のどかたちは、そしてラビリンたちは、もとよりひとりではやりたいことひとつできない無力な子どもたちでした。
 それでもやりたいことがあったから、やりたいことをどうしても諦めたくなかったから、今、彼女たちは力を合わせてプリキュアをやっています。

 諦めないための気力が足りないのならお互いに補いあえばいい。
 きっとそれで“できない”は“できる”に変わる。これまでもそうしてきたように。
 諦めたくない。だけど何でも乗り越えられるほど自分の力は大きくない。
 だったら、諦めないで済むようにみんなで支えあおう。

 「見ろよ。あいつは諦めてるぜ」

 いいえ、諦めない。
 だから諦めさせない。

 「エレメントさん。諦めないで!」
 「あなたを助けたいのは私たちだけじゃない!」
 「先に助けた光のエレメントさんも、水のエレメントさんも、あと、とにかくたくさんのエレメントさんも。みんなみんな、言ってたんだよ!」
 「どうかあなたを助けてほしいって!」
 「だからお願い、一緒にがんばって! 私たちと一緒に!」

 のどかたちはひとりじゃできないことをできるようになるために、お互い手を取りあうことをはじめました。
 それはのどかたちがまだか弱い子どもだから。
 いいえ、立派な大人であるお医者さんですらのどかに協力を求めました。
 “できない”を“できる”に変えるのって、きっと元々そういうもの。誰かと支えあって初めてできるようになるもの。
 何でも自分ひとりだけでできる人なんて、きっとどこにもいません。
 いないけれど、それでもたくさんの障害を乗り越えて自分のやりたいことを実現してしまう人は、います。

 のどかたちにはそれぞれやりたいことがあります。
 どうしてもやりたいことがあります。
 だから。諦めないし、諦めさせない。

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    コメント

    1. ピンク より:

      今現実でもコロナ関係に最善を尽くすべくあーだこーだやってますが、きっと後から振り返るとたくさん反省すべき箇所はあるでしょう。
      まあプリキュアは物語なので、視聴者が神の視点から勝手に指摘するのは簡単ですけどね。

      ところでそろそろ追加戦士登場に向けた仕込みの時期です。
      フラグじみたものが見えない中、今年はどうワクワクさせてくれるか楽しみですね(個人的に2〜3クール目が最も好きな時期)

      • 疲ぃ より:

         いわゆる神の視点って意外とフシアナで、当事者の置かれた状況とかしがらみ、思想、知りうる情報なんかは基本的にガン無視で語られちゃうんですよね。結果、ゲームのプレイヤーキャラみたいな異常行動を要求しがちという。(展開を知っているからこそできる最善手とか、常に手持ちリソースを有意義に使いきれる効率性とか)
         そんな人間性の壊れた“最善”を是とするくらいなら、私は自分が納得できることを精一杯がんばっている人たちにエールを贈りたい。

         好きな時期でいうと、私は2クール目後半の新戦士加入直前と、4クール目前半の最後の当番回ラッシュあたりが好きですね。その年のテーマ性が特に濃くなるので。あと夏休みの時期も話は動かなくとも意外と大事なことを語っていて好き。
         今年も何気にノーマライゼーションの思想が強めなので、ダルイゼンが史上初のレギュラー男性プリキュア化!とかやるのかなと密かに思っていた私。まあオモチャバレの方面から変な騒ぎが聞こえてこないってことは違うんでしょうけど。

    2. 東堂伊豆守 より:

      三年連続となった10・11話前後編構成エピソード。この三つを見比べてみると、プリキュアシリーズのコンセプトが急激に変化していることが見えてくるんですよね。
      「HUGっと!プリキュア」では、野乃はなの個人的スランプがプリキュアとしての戦いにも悪影響を及ぼし、はなのスランプ脱却がそのままプリキュアとしての戦いのブレークスルーにもつながる、という展開で「戦士としての甘さを露呈しながら、その事は全く問題視されない」形になっている。「フツーの中学生が戦士になるなんてぶっちゃけあり得なーい」という初代から受け継がれた「戦いのアマチュア」であることをもって良しとするコンセプトに準拠した展開なんですね。
      これが「スタートゥインクルプリキュア」になると、星奈ひかるの戦士としての自覚の欠如がピンチの直接の原因となる一方、ピンチ脱却の手段が「戦士としてのバージョンアップ」ではなく「ひかるの人間性を仲間達が支持すること」とされていて、やはり戦いのプロであること(の自覚)は求められていない。
      そして本作「ヒーリングっどプリキュア」はというと……そもそも第一話の時点で花寺のどかは戦いのアマチュアではなくルーキー(つまりプロの端くれ)と位置付けられ「経験不足のルーキー戦士が、経験を積んで”戦士として”バージョンアップしていく」という展開になっている。
      つまり「中学生を戦士にまつりあげ、世界を救う責任を背負わせる」ことを忌避してきたプリキュアシリーズが、17年目にして遂に「戦士としてのあるべき姿を少女達に正面から要求する」ことになったわけで。
      このようなコンセプト変更がどのような意図や背景に基づいてなされたのか……はともかく、バトルヒーロー物の”定石”にのせたコンセプトを採用したお陰で、本作のストーリー展開が飲み込みやすいストレートなものになってくれたのは大きなメリットだと思います、けど。

      • 疲ぃ より:

         この時期のストーリーは“自己愛”を軸に考えると例年一貫していますよ。
         『HUGっと!プリキュア』の野乃はなは自分の長所が見つからずに落ち込み、『スタートゥインクルプリキュア』の星奈ひかるは友達に迷惑をかけてしまったことで落ち込み、そして今作ののどかは感情に流された判断をしてしまったことに落ち込みました。新しい出会いと出来事を重ね、色々なものと自分を比較していくうちに、段々自分がカッコ悪く思えてくる時期なんですね。
         ですが、それこそ新しく出会ったばかりの友達が新しい視点から自分を再評価してくれて、自信を取り戻す。みんなと出会う前よりもっと自分を好きになっていく。そんな出会いの価値に気付くことで協力技を習得するのが最近のパターンです。

         プリキュアとしての責任の話は『スタートゥインクルプリキュア』第3クール終盤あたりで描かれた思想が今作でも生きているように思いますよ。
         責任があるかないかでいえば、ある。ただしそれは誰かにお仕着せられた責任ではありません。自分で決めた、自分がやりたいことを為すために必要なことだから、自分でやりとおさなければいけない。そういう目的意識とリンクした責任観です。
         のどかの場合、自分がいかに大変なことをやろうとしているのか本人がまだ自覚していないので、ときどきがんばっている姿が痛々しく見えちゃうんですけどね。ですが、やろうとしているのはあくまで自分のやりたいこと。これからまた何度か自分を見つめ直すうち、彼女も例年どおりのアマチュアっぽさに寄っていくと思います。

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