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キラキラプリキュアアラモード第15話感想 優しいあなたはひとりじゃない。

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私、お姉ちゃんの笑顔が見たかったんだ。私のこといつも心配してる顔じゃなくて、本当の笑顔が。

(主観的)あらすじ

 いつも入院しているあきらの妹、みくちゃんがキラキラパティスリーに遊びに来ました。みくちゃんはいちかたちにお願いします。キラキラパティスリーを手伝わせてほしいと。
 みくちゃんはまだ小さいので、もちろんたくさん失敗します。そのたびにあきらは心配しますが、いちかはみくちゃんの頑張りを認めてじっくり応援します。実はみくちゃんはいつも優しくしてくれるあきらのために何か役立ちたいと考えていたのでした。彼女はその気持ちをプードルチョコレートケーキに込めて、ついにあきらを笑顔にしてあげることができました。
 みくちゃんのキラキラルを奪ったジュリオとの戦い。怒りのあまりキュアショコラはひとり飛び出してピンチになってしまいます。ですが闇に染められたはずのみくちゃんのキラキラルはキュアショコラの心に届き、新たな力を発現させるのでした。

 キラキラルの双方向性がいよいよ明確になる姉妹愛回。ジェントルな風貌のために誤解しがちですが、実はキラキラプリキュアアラモードで今一番未熟なのはあきらです。彼女の特性である自己犠牲も厭わない献身はプリキュア最大のタブー。それだけに、彼女の物語はどこに向かっているのかとてもわかりやすいですね。情熱以外は完全無欠の超問題児ゆかりとはつくづく対照的。(いや、似たもの同士かも?)
 みくちゃんかわいい! ゆかりさんの好みドストライクですね。ぶきっちょさんで、だけど大切なもののためにいつも一生懸命。これでもう少しエキセントリック風味が乗れば完全にいちかです。今作はやたらと「一生懸命さ」にフォーカスを置いたキャラクター造形が目立つのですが、これはGo!プリンセスプリキュアと共通する田中シリーズ構成の世界観の反映でしょうか?
 あ、今回ついに坪田脚本以外でいちか弁が飛びだしましたね。(次回予告「一大事ですぞ!」) 案の定最初に追随したのは伊藤さんでしたか。かわいいのでもっとやれ。

献身

 「みくは私が守るよ」
 あきらは他人のためならいくらでも努力できる人です。おそらくそのルーツになったであろう妹のためならなおさら。

 その精神はもちろん尊いものですが、一方で見方を変えると自分をないがしろにしてしまっている一面もあります。
 「みんなの意見じゃなくて、あなたの意見は?」
 「『なんとか』って何? 無責任な優しさほど罪なものはないわ」

 ゆかりの口からたびたび指摘されていたことですね。あきらの優しさは無私が過ぎます。その努力に見合うだけの自分への利益を求めないため、見る人によってはその優しさが薄っぺらく感じられてしまいます。あきらのような無私の優しさは、その努力をやめても本人は不利益を被らないため、折れやすく諦めやすい。無償の愛は信用できません。そいつはちょっとした自己利益(あるいは不利益)と天秤に掛けられただけでたやすく揺らいでしまいます。
 最初の頃ゆかりがあきらに厳しい態度で接していたのはこのせいですね。結局あきらが本気で他人のためにいくらでも尽くすことができる人間だと知って、考えを改めましたが。

 しかし、いくら本当にどこまでも尽くせるからといって、その精神が不健全であることに変わりはありません。
 自己犠牲を伴う行動は永続しません。幸せの王子は宝石と金箔を失った時点で溶鉱炉へポイです。他人のために己の体を傷つけ心を磨り減らし、いつかあなたが倒れてしまったならば、そのとき誰があなたの代わりに行動してくれるというのですか。
 ドキドキ!プリキュアがそういうヒロイックな愛の不均衡性を打開する物語でした。相田マナが惜しみなく振りまく愛は、同時に彼女自身に向けられる愛に支えられていました。しかもやがては彼女の愛を受け取ったすべての人が、相田マナのようにお互いに惜しみない愛を振りまきあうようになったのでした。自分の善意で自分が殺されないようにするにはここまでする必要があります。
 愛を永続させしむるのはひとりの自己犠牲ではなく、すべての人の協調です。プリキュアは断じて一方的な献身を許しません。

 「私はこれからも、ずっとみくの笑顔を守りたい」
 剣城あきらはとても危うい。
 もし彼女がその献身に見合うだけの愛情を受け取れずにいたならば。

お手伝いの理由

 みくちゃんは入院生活が長く、病院の外で自由に過ごせる時間は彼女にとってとても貴重なもののようです。
 彼女がそんな貴重な時間を費やしたいと選んだものは、不思議なことにキラキラパティスリーのお手伝いでした。
 自分のためではなく。・・・では、誰のため?

 「みくちゃん、あきらにそっくりじゃない?」
 ホントそうですね。
 「私もお姉ちゃんのために何かしたいんだ」
 ひどく真剣なトーンで彼女がつぶやくその真意は、献身。あきらそっくり。
 まだ9歳の女の子です。いちかだっていっぱいドジやらかしているというのに、ましてみくちゃんにキラキラパティスリーのお手伝いなんて務まるわけがありません。失敗します。落ち込みます。自分の力のなさを思い知ります。ですが、それでもやりとげなければいけません。
 受け取った大切なものを返すために。
 「チョコはね、お守りなの。みくがニコニコになるようにって、ちっちゃい頃お姉ちゃんがくれたの」
 幼い頃から現在に至るまで、ずっとずっと一方的に受け取りっぱなしだった、大切な人の優しさを。
 「だったら私、チョコケーキをつくりたい!」

 一方的な献身はよくありません。
 それはせっかくのあなたの愛の永続性を妨げますし、それよりも何よりも、愛を受けた側が納得できないからです。
 「私、お姉ちゃんの笑顔が見たかったんだ。私のこといつも心配してる顔じゃなくて、本当の笑顔が」
 大好きな人にしてもらって一番嬉しいことって何でしょう。ひたすら優しくしてもらうこと? いいえ、少なくともみくちゃんにとってはそうではありません。彼女が貴重な外出機会を使ってでも、どれほどの努力を費やしてでもどうしても欲しかったもの。それはあきらの笑顔。
 一方的な献身を受けても、受けた側は納得できません。だって、私だってあなたのことが大好きなんですから。大好きな人が自分の体を傷つけたり心を磨り減らしたりしている隣で無邪気に喜んでいられる人なんていません。
 大好きな人が幸せそうにしてくれることこそが、きっと何をしてもらうよりもずっと嬉しい。

双方向性

 「こんなおいしいケーキ食べたことないよ、みく!」
 いつもの笑顔とは違うとびきりのスマイル。「みくの笑顔を守りたい」とばかり言っていたあきらに心からの幸せをもたらしたものは、実のところみくちゃんの笑顔そのものではなく、みくちゃんから返ってきた優しさでした。

 ・・・あれ、この章で語るべき内容終わっちゃった。
 まあ、ドキドキ!プリキュア以来何度となく語られてきた内容ですからね、今回のエピソードって。

 第12話。宇佐美いちかは、スイーツをつくる人(与える側)だけでなく、食べる人(受ける側)も幸せな気持ちを生みだすことを証明しました。
 第13話。有栖川ひまりは、食べる側の気持ち次第で、同じスイーツでも幸せな気持ちがより大きくなりうることを証明しました。
 第14話。立神あおいは、幸せな気持ちを伝えようとする側が諦めずに頑張れば、いつか必ずその思いが通じることを証明しました。
 以上を受けての第15話。剣城あきらとその妹は、幸せな気持ちを受ける側からも与える側に幸せな気持ちを返しうる、ステキな双方向性の存在を証明しました。

 ジュリオの実験は順調です。すっごい順調ですよ、ジュリオくん。どうしてそんな悔しそうな顔をしているんですか。
 実験結果は示唆しています。幸せな気持ちを生みだすという行為は誰かが一方的に損をするものではなく、相互に幸せな気持ちを与えあえる可能性を持つものだということを。むしろ相互関係を構築した方がどちらにとってもずっと幸せなものになることを。
 何に絶望しているのかは知りませんが、いいかげんひとりで勝手に絶望しているのも潮時だと思いますよ。
 次回、我らが問題児ゆかりさんがジュリオの核心に迫るようです。そこからもう一悶着こなして新展開ですかね?

 「いつでもどこでも、みんなが集まってキラキラの笑顔になるスイーツショップ!」
 キラキラパティスリーの名に込められたいちかの願いが、早くも現実のものになろうとしています。(実際はえーよ! 後半戦何すんだ!)
 キラキラパティスリーに集まる誰もが、お互いに幸せな気持ちを与えあえる関係になりますように。
 そしてみんなの幸せの中心にはいつもスイーツがあるわけですよ。

今週のアニマルスイーツ

 プードルチョコケーキ。難易度星3つ。

 レシピ的にはほぼうさぎショートケーキの簡略版といった感じです。それでもなお星3つ。なにせ二大関門の共立てスポンジづくりと超難度のデコレーション作業が相変わらず健在ですから。お母さん頑張れ―。(他人事)
 このふたつにくらべたら、まあ、ガナッシュクリームづくりなんて屁でもないっスね。

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