あなたの思いも私たちと同じところから始まってる。
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(主観的)あらすじ
今日はいちかの誕生日! みんながいちかをお祝いするために張りきってくれます。みんないちかのおかげで夢を追いかけられるようになったからです。だからこそいちかは少し悩むのでした。自分自身は夢を意識したことがない、と。
けれどお父さんとお母さんが教えてくれます。いちかは今、自分の「大好き」に基づいて、夢を追いかけるのと同じくらいすごいことをしているんだよ、と。いちかは自信を取り戻し、誕生日にもいつもどおり、みんなのために「大好き」の思いを振りまくのでした。
そんないちかだからこそノワールの悪意の闇と戦えます。ノワールの「大嫌い」の裏に隠れていた「大好き」を見いだせます。ノワールはかつて人間だった頃ルミエルを愛し、しかし彼女の心を手に入れられなかったために絶望したのでした。ノワールの根源に「大好き」があるなら、いちかの「大好き」も絶対届くはず。
ところが、もう少しでノワールのところにいちかの「大好き」が届くというところでエリシオが現れます。空っぽの抜け殻を出自とする彼はルミエルの「大好き」もノワールの「大嫌い」も諸共に飲み込み、虚無の世界をつくりだすのでした。
あらすじが長い。縮まらない。これ2話かけてやるべき内容を1話に圧縮しているんじゃなかろうか。でも、まあ、描かれている物語は意外とシンプルだったりもします。「大好き」はステキ。→ そして「大好き」も「大嫌い」も根本は同じ思いから生まれている。→ ならば「大嫌い」もステキ。そういう三段論法。
今話は第41話から続いた一連の個人回最終章の総まとめです。「大好き」も「大嫌い」もひっくるめて、今の自分のありのままを全部肯定していく物語。「大好き」をつなぐ大いなる物量戦は、ついに対極の「大嫌い」すら戦列に加えることに成功したのでした。
いよいよキラキラプリキュアアラモードの物語が最後の戦いに突入します。敵は「大好き」も「大嫌い」も持たない空っぽの存在。・・・となれば、「大好き」の連合軍がすべきこともぼちぼち見えてきましたね。
現在と未来
「うまく言えないんだけど・・・。みんなすっごく前進してる感じで、考えちゃうなって」
「でも、ただ好きっていうか、ひまりんみたいに将来の夢とか意識したことないし・・・」
夢という絶対にステキなもの。明日をより明るいものに変えていくムテキな原動力。
それを持たないあなたの明日は、では暗いのでしょうか。
プリキュアシリーズ直近2作はなにかと対極的な物語でした。
Go!プリンセスプリキュアは「夢」をテーマとして、より良い明日を切り開いていくために、夢を閉ざす絶望と戦う少女たちの姿を描いていました。未来を志向し、ストイックな個人の努力を賞賛していました。
魔法つかいプリキュア!は「手をつなぐ」をテーマとして、みんな一緒の毎日を守るために、悲しいお別れと戦う少女たちの姿を描いてきました。現在を志向し、出会えた奇跡とつながる魔法を祝福していました。
「ありがとう。あなたが夢見てくれたから、私、今こんなにも幸せだよ。Let’s go,PRINCESS」
けれどGo!プリンセスプリキュアの春野はるかの夢は実際にはかたちのない幻想で、永遠に叶うことがありません。夢のもたらす大いなる価値は未来ではなく、むしろ現在にこそあるのでした。
はるかの夢に向かう努力は自分を日々成長させ、たくさんの人の応援も集め、幸せな毎日を彼女に与えてくれたのでした。
「夕日が沈んだらみんなおうちに帰る時間。でも新しい朝が、明日が来れば」
「また会える。夕日がきれいなのは、そう信じているから」
けれど魔法つかいプリキュア!の朝日奈みらいたちのつながりは現実には不可避の別れが待っており、永続するものではありません。つながりのもたらす大いなる価値は現在ではなく、むしろ未来にこそあるのでした。
みらいたちをつないだ出会いは未来を信じる強い意志を育み、たくさんの祝福にも支えられて、彼女たちは幸せな再会を掴み取ったのでした。
現在と未来は連続しています。
未来を明るくしようとする夢は現在をも幸せにし、現在を楽しく思うつながりは未来をも幸せにします。
現在を志向すること。未来を志向すること。そのふたつは、極論するならどちらも本質は同じものです。ふたつの物語を継承したキラキラプリキュアアラモードにおいて、ふたつを結ぶそれは、たった一言で言い表すことができます。
「大好き」
そうとも。私たちは幸せになるために――
パティシエとして高みを目指し、
自由な歌を歌い、
新たな知識を学び伝え、
たくさんの人を助け、
心からのおもてなしをし、
みんなを笑顔にしてきました。
それが、いちかたちの、私の、そしてあなたの「大好き」。
「はじまりは『好き』だけでも、お店でお客さんの気持ちを考えながらかわいいスイーツをつくってる。今、いちかは充分すごいことをしていると思うわ」
未来へ続く夢も、現在を楽しくしているつながりも、その根源はどちらも「大好き」です。あなたが自分の「大好き」に素直でありつづける限り、あなたの現在と未来はともに幸せなものでありつづけるでしょう。
いちかの明日が明るいことは楽しい今日が保障してくれています。不安に思うことなんて何ひとつありません。
思いだして。あなたは物語のはじまりにすでに同じ言葉を受け取っていました。
「女の子はね、『大好き』から気持ちが始まるの。だからときどき思い出すのよ。気持ちが始まったそのときを。大切な思いの始まりを。思いは女の子の輝く力になるの」
キラキラプリキュアアラモードは「大好き」を巡る物語です。
「大好き」と「大嫌い」
「それでも私を笑顔にしたいというなら、私だけにスイーツをつくれ」
「それは・・・。ごめんなさい」
「そうか。ならばこの町もろとも闇に染まれ!」
ノワールの絶望の正体はビックリするほど陳腐なメロドラマでした。恋愛に限らず人間ドラマなんてどれも似たような骨子であって、肉付けにこそそれぞれの個性と妙味があるものですから、そこらへんを一切省いてしまうとどうしてもありきたりに見えてしまうものです。100年前のオッサンのコイバナなんていちかたちに一切関係ないからしゃーない。あんまり長く語られてもそれはそれで困る。
彼の退屈な昔語りにおいて重要なのはただ一点。
「あなたの思いも私たちと同じところから始まってる。『大嫌い』の反対の『大好き』。その思いがあるなら、きっとあなたを笑顔にできる!」
ルミエルに自分への特別な愛を求めたとき、ノワールの闇色に混濁した瞳は一瞬赤い輝きを宿します。その求めは断られ、すぐに闇色へと回帰するわけですが・・・。
それはつまり、ノワールの「大嫌い」にはルミエルのことを思う「大好き」の気持ちが隠れていたというところです。
「『大好き』から始まった気持ちはね、それが生まれたときからずっと消えずに残っているの。ここに・・・」
ならばいちかたちにとってはすでに一度通った道でしかありません。ピカリオの心を救い、キュアパルフェに翼を与えたあのときに。とっくに。
参戦する前から約束されていた思想戦上の敗北。まさかデウスマストの上を行くカマセが誕生するとは。
ネチネチと長ったらしい冗談はともかく。
第41話から続いた一連の個人回最終章によって、いちかたちはすでに心を侵す闇の脅威を克服しています。
闇は悪意というかたちで外側から心の隙に忍び寄ってくるもの、あるいはふとした瞬間に心の内側に自然発生するものでした。個人の心はどうしても完璧ではあり難く、ひとりの力で全てに対応することは困難。そこでいちかたちはバラバラの個性を「大好き」でつなぎあうことによって、悪意や心の闇に対抗するための大いなる物量戦を構築してきました。
やがてこの絶対防護の戦線はさらに、いちかたちの心を新たなステージへと押し上げる流れへもつながっていきます。
「大丈夫。私たちはずっと一緒よ」
「どんなに距離が離れようと、私たちはずっと、心は一緒にいるの」
時間を越えて、距離を超えて、「大好き」のつながりがいつでも自分を守ってくれているという信頼を生んだのです。
それはつまり、「大好き」を生み出すみんなとつながりあうことができる、自分自身への信頼でもあります。
第41話以降の物語は、ふり返ってみれば、大嫌いなところもある自分を全部まるごと「大好き」になるための物語でした。
たとえ自分のなかに「大嫌い」があったとしても、そこに沸きあがる闇からはみんなが守ってくれる。その信頼が自分の「大嫌い」に向き合うための勇気に変わります。そしていざ「大嫌い」と向き合ってみれば、それは結局自分の「大好き」が裏返ったものにすぎなかった。私を形づくるものは結局全部が「大好き」でしかなかった。
そういう物語でした。
そんなわけでいちかたちはすでに知っています。
すべての「大嫌い」は「大好き」に反転できるということを。
ピカリオの件はもとより、悪い妖精たちやビブリー、そしてなにより自分自身。「大嫌い」が「大好き」に裏返る瞬間を、彼女たちは何度も見てきました。
手段は簡単。物量戦。「大好き」に変わるまであの手この手を尽くして諦めないだけ。
「君は君が憎いのかい。ならば変えて差し上げよう。混ざり、混ざれ、塗りつぶしてしまえ。絶望こそ甘美さ」
だって「大嫌い」とは要するに、自分の「大好き」が叶わないという諦めが生む絶望のことなんですから。諦めさせないようにすればそれは必然「大好き」へと反転します。
まあ、ノワールがルミエルへの思いを諦めないのならそれはそれで迷惑甚だしいですけどね。(ダイナシ)
それこそ何か充足可能な別の方法を見つけるところまでやってこその物量戦か。
ともあれ、いちかたちはここに至って「大嫌い」すらも「大好き」でつないでみせました。およそこの世に存在するあらゆるものをひとつなぎにしてしまう勢いです。
というわけでキラキラプリキュアアラモード最後の敵は虚無。この世に存在しないもの。「大好き」も「大嫌い」もない、いつものように「大好き」でつなごうにも一切取っかかりのない、概念存在がラスボスを務めます。
はたしていちかたちはどうやって「大好き」の普遍性を証明するのでしょうか。
でも、まあ、相手が「空っぽ」だというなら物量戦仕掛ける側としてはやることはひとつだよねえ・・・。
いや私の予想ってだいたい外れるのだけれど。
今週のアニマルスイーツ
うさぎのハートケーキ。難易度星3つ+。
ぶっちゃけほぼうさぎショートケーキを2個重ねただけのレシピです。他の違いといえばメインのデコレーション用クリームにラズベリーピューレを加えることくらい。こんなところまで物量戦か。
「スイーツづくりは計量が命」とかいう巷にはびこる幻想に則って、わざわざ上段と下段のスポンジを別々につくらせていますが、どうせ配合比は同じなんですから全部まとめて生地をつくってから2つに分けて焼成しても良いかと思います。(毒まきちらし)
デコレーション用のイチゴが小さい方が見栄えがするというのはありがたいですね。クリスマス明けのこの時期から春先にかけては小粒なイチゴが多く出回るので調達しやすいです。地域にもよりますが、もうちょっとしたら道の駅に割安なのが並ぶようになるかと。
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