キラキラプリキュアアラモード第47話感想 世界中みんなプリキュア。世界中みんな「大好き」。

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だから今日はペコリンががんばる番ペコ! みんなを守るために。「大好き」を込めたドーナツの力で!

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(主観的)あらすじ

 いちかが目覚めたのは灰色のいちご坂でした。そこはエリシオがつくった、「大好き」も「大嫌い」もない平穏な世界。「大好き」をなくしたいちかはアニマルスイーツもクリスタルアニマルも、スイーツが大好きだった気持ちまで、全部捨ててしまうのでした。
 唯一ペコリンと長老だけが「大好き」を持っていました。プリキュアとキラキラパティスリーに守られていたからです。ペコリンはドーナツをつくり、みんなに「大好き」を届けるために奮闘します。エリシオのしもべに逮捕され、ドーナツを没収されてもペコリンは諦めません。絶対に「大好き」を届けるんだという強い気持ちは強い力を生み、ペコリンはプリキュアに変身します。
 そしてキュアペコリンの放つ鮮やかな「大好き」の輝きはいちかたちの心を照らし、キュアホイップたちを復活させるのでした。

 ペコリンは特別な存在ではありません。どこにでもいる小さく幼い妖精です。彼女がプリキュアになれるのなら、きっと世界中の誰もがプリキュアになれるということになるでしょう。「女の子は誰でもプリキュアになれる」です。
 キラキラプリキュアアラモードの物語は大いなる物量戦です。たとえ世界中から「大好き」が奪われたって、小さな妖精ひとりでも守ることができれば、それがすなわち「大好き」の勝利となります。なにその凄絶な総力戦。どこのガンパレード・マーチだ。

物量戦? →総力戦!

 「人間が男女ひとりずつでも生き残れば私たちの勝利よ!」
 そんなデタラメなムチャを吠えたゲームが昔ありまして。名を『高機動幻想ガンパレード・マーチ』といいます。私の今の考え方に大きな影響を与えてくれた物語のひとつです。
 人類を絶滅させようと襲いかかるバケモノの群れ相手に、大人の軍隊が態勢を整える時間を稼ぐため、子どもたちを最前線の肉壁とする――。そんな、割とよくあるクソッタレな物語です。面白いですよ。少年主人公が活躍するロボットアニメとか素直に楽しめなくなること間違いなし。
 今回のペコリンの奮闘する姿にそのクソッタレを思い出しました。
 うん、まあ、別に今話の感想には特に関係ないただの余談なんですが。

 「戦うプリキュアを見ているばかりだったお前には何もできない」
 ペコリンはどこにでもいるただの妖精です。ヒーローのような特別な力は持ちません。第38話のはじめてのおつかいを見てもわかるように、彼女は視聴者たる幼い子どもたちと視線の高さを同じくする子です。だから、たとえプリキュアに変身しできたところでその力はなおもヘナチョコです。
 それはそういうものです。だってペコリンはヒーローではありません。だって子どもたちはヒーローではありません。ひとりで悪者をやっつけ、ひとりの力で世界の趨勢を決めることなんてできません。

 「それでも、ペコリンはみんなと同じ気持ちだったペコ」
 それでも、ペコリンはプリキュアです。今どきのプリキュアは特別な存在なんかではありません。女の子は誰でもプリキュアになれるんです。彼女は視聴者たる幼い子どもたちと同じ、どこにでもいるプリキュアです。だから、プリキュアであるペコリンには何かを為す力があります。
 それはそういうものです。だってペコリンはプリキュアだから。だって子どもたちはひとりひとりみんながプリキュアだから。たとえどんなにヘナチョコな力でも、彼女の個性は他の誰にもできない手段でみんなを守ることができます。

 「どんだけ奪われたって、私の『大好き』はここからたくさん生まれてくるんだから! いちか印のキラキラルに賞味期限はないのだー!!」
 私たちは知っています。いちかたちの「大好き」が消えるわけないってことくらい。当然に知っています。
 ジュリオにキラキラルを奪われたあのとき、いちかはお母さんとの思い出から新しいキラキラルを生み出したものです。
 だから私たちは知っています。きっと今回も、いちかたちは想い出によって「大好き」を取り戻してくれるって。

 「クリーム? この景色、前にもどこかで・・・」
 いちご山からクリームが空へと打ち上がる景色。いつか別々の場所でみんな見上げた同じ空。
 「あれって」「あのかたち」「あっ・・・スイーツ」
 ショートケーキ。プリン。アイス。マカロン。チョコレート。パフェ。それぞれ別のかたちをしながらみんな同じスイーツ。
 私たちは知っています。そこに、いちかたちがそれぞれの思いをたくさん積み重ねてきたことを。その思いがいつもスイーツとともにあったことを。
 「それが、『大好き』ペコ!」
 心に想い出ある限り、いちかたちの「大好き」はいくらでも新しく湧きあがってきます。
 私たちは世界から「大好き」が絶対に失われないことを知っています。

 この世界には他の誰でもない、ペコリンだけにしかできないことが存在します。
 「ドーナツにはみんながペコリンにくれた、暖かい気持ちがいっぱい詰まってるペコ! だから今日はペコリンががんばる番ペコ! みんなを守るために。『大好き』を込めたドーナツの力で!」
 キラキラプリキュアアラモードの物語は大いなる物量戦です。ありとあらゆる個性をつないで、ありとあらゆる脅威から、みんながみんなを守ります。
 たとえこの世界からみんなの「大好き」が根こそぎ奪われたって、世界にたったひとつペコリンの「大好き」が残っている限り、私たちはまだ負けていません。物量戦は総力戦。最後の最後まで諦めない。
 この世界にペコリンがいる限り、ペコリンには絶対に何かできることが残っています。
 ペコリンが大好きなドーナツの上に積み重ねてきた想い出たちが、彼女と想い出をともにしてきたいちかたちの想い出を照らしてくれます。ペコリンの「大好き」がいちかたちの「大好き」を育み、みんないっしょにプリキュアを取り戻します。

 たとえ世界最後のひとりが私であったとしても、たとえ世界最後にひとりがあなたであったとしても、それはきっと同じこと。
 私たちはそれぞれ別の個性を持っています。ペコリンと同じように。
 だから、たとえ私たちが世界最後のひとりになったとしても、私たちはペコリンと同じように、自分のできることでみんなを守ることができるでしょう。いつだってどんなときだって、私たちには絶対にまだできることが残っているはずですから。
 だって私たちはみんながプリキュアだから。
 「諦めない、負けない!」こそがプリキュアの合言葉。

 ペコリンに負けるなよ?
 なあ、いい歳してプリキュア見ているオッサンオバサン諸君。
 オマエラだってプリキュアだ。

空っぽの心なんて信じない!

 「それはいずれ世界に争いを生み出す。お前たちからその“気持ち”を消し去る」
 「エリシオ様からは生き物の命までは取るな、と言われている」

 ずいぶんと明確な指向性を持った虚無だなオイ。
 おそらくは戦場で生まれたというノワールの厭戦感が元になっているんでしょうね。

 この世に本当に空っぽな存在なんてあるものか、と、どうやらそういう方針のようです。
 それならいちかたちの超得意分野。
 心のなかのキラキラルを全部奪われたらどうする? →スイーツつくって想い出起点に「大好き」を生み出しなおす!
 お店からお客さんの足が遠ざかったらどうする? →スイーツ食べさせて「大好き」の思いをつなぎなおす!
 悪意に染まったジュリオをどうする? →スイーツつくらせて「大嫌い」の裏に隠れた「大好き」を見つけさせる!
 一見取っかかりが無いように見える相手の心に「大好き」の思いを見つけ、そこに自分の「大好き」を注ぎ込むことで育む。つなぐ。いちかたちは「大好き」で誰とでもつながりあえることをずっと信じて、そして実践してきました。

 実のところ、いちかたちに他人の抱える問題を解決する力はありません。
 ヒーローに個人は救えない。それはハピネスチャージプリキュア!でプリキュアの歴史がぶつかった、どうしようもない壁です。個人的な問題に対してヒーローはとことん無力。
 たとえばいちかたち6人のそれぞれが抱えていた問題は、プリキュアというチームではなくそれぞれ個人が解決していきました。それぞれに近しい人の手を借りながら、しかしプリキュアという大きな力は使わずに。
 だって私たちはそれぞれバラバラの個性を持っていて、抱えている問題も、解決できる問題も、それぞれみんなちょっとずつ違うんです。あらゆる問題をすべてたったひとりで解決できるスーパーヒーロー、そんな都合のいい存在がこの世にいるものかって話ですよ。

 だから、キラキラプリキュアアラモードという今代のプリキュアがすることといえば、みんなの「大好き」をつなぐことだけだったりします。
 「・・・なんだこれは」
 「スイーツ。元気が出るのよ。さあめしあがれ。――どう? 心がキラキラしない?」

 どんなときでもとりあえずスイーツ。戦場帰りだとか深くて暗い闇だとかそういうややこしい事情はさておいて、とりあえず自分がスイーツ「大好き」だから、その「大好き」を伝えるためにまずはスイーツで交流する。
 自分の「大好き」を伝えさえすればきっと、相手の何かしらの「大好き」にもきっと、きっと響くから。
 たとえ相手がどんな事情を抱えたメンドクサイ人であったとしても、「大好き」だけはいつだって共通項。単機能くらいならどこにでもいるありふれたプリキュアにだってやり通せる。

 だからいちかは信じます。空っぽと嘯くエリシオにもどこかに「大好き」が隠れているはずだと。「大好き」でつながれるはずだと。
 だって「大嫌い」にすら「大好き」が隠れていたんです。だったら「空っぽ」にだって「大好き」があっていいはずじゃないですか。
 「エリシオ! 私、こんなさびしい世界をつくったあなたに伝えたい。スイーツに込めたペコリンの思いが私たちの空っぽの心を救ってくれたみたいに!」
 だからいちかは信じます。自分の個性には、「空っぽ」のエリシオのためにだってできることが絶対にあるはずだと。
 絶対に彼の「大好き」を見つけて、みんなの「大好き」につなぐことができると。

 「私たちの『大好き』を込めたキラキラル、全部あなたにぶつけるよ!」
 取っかかりさえできればあとはいつもの物量戦。ありとあらゆる個性をつなげば、どこかにひとつくらいはエリシオの悲しみを埋めてあげられる方法も見つかるでしょう。とりあえず冷戦世代あたりに厭戦テーマの物語がたくさんあったはずなので、エリシオさんにはまずそのあたりを当たってみることをオススメします。

 みんなで寄ってたかってエリシオの心にキラキラルを注ぎ込め!

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