三ツ星カラーズ 第1話感想 上野の街を守るために斎藤は世界平和のために爆発せねばならない。

今日も平和は守られた! 我々の完全勝利だ!

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 世界は・・・! 腐っている!!
 具体的にどう腐っているかはさておいて!
 この世界は須く守護されなければならない! しかし!
 唐突に世界を守ろうにも大人どもはまず付いてこれまい!
 そこで一国! しかし息切れを回避するためあえてもう一声!
 これでもう安心!
 無理なく世界平和の第一歩!
 すなわち我々の目標とは――
 「この街の平和を守ること!」
 「動物もだ!」
 「私はブッ殺したかったんだが・・・」
 「斎藤! 爆発しろー! 世界のためにー!!」

 そんなアニメ。

 親切なことに、このアニメの方針はオープニングソングのなかで早々に明示されています。
 すなわち。
 「どうしたらみんなを守れるかな?」
 「ちょっと待って。相談するよ」
 「大人って忙しい。任せられない」
 「そうだ。この街のことはカラーズぱわーでなんとかしようっ!」

 このアニメは、年端もいかない子どもたちが博愛と献身の限りを尽くして仮初めの危機に抗い、やがてそのなかで自己の存在意義を獲得していく――そんなジュブナイル活劇です。

 まずは登場人物を紹介しましょう。

 さっちゃん。
 「私、すごくカワイイ?」
 黄色いクソガキです。ロールはアタッカーのフリしたタンク。
 一番槍を決め込んで「ウンコ! ウンコ!」と叫んだあげく頭を踏みにじられる不憫な子です。ついつい泣きべそかくまで遠巻きに見守りたくなるタイプの元気っ子ですが、残念ながらちょっとやそっとじゃ泣かない強い子です。

 琴葉。
 「ゲームに害があるみたいに言わないで。私は元からこうなの」
 青いクソガキです。ロールはクラウドコントロールとみせかけて純アタッカー。
 この子が「ゲームクリヤー!」を宣言するまで事件は解決しません。若輩ながら利権団体<CERO>と日々戦っている不穏分子とお見受けしますが、ぶっちゃけそのへんの趣味嗜好とはあんまり関係なしにチームの頭脳として確固たる地位を築いています。

 結衣。
 「そういえば宝石ついてないねえ」
 ピンクの常識人・・・と思わせておいてもちろんクソガキです。ロールはデバッファー。
 騙されてはいけません。他のふたりと違ってよく泣きべそかいている清純派の良い子に見えますが、そんな大人ウケするために生まれてきたような子なんざこの世にいるわきゃない。なんだかんだいいつつしれっと子どもの特権フル活用で体よく大人を利用します。やったね!

 斎藤。
 「ちょれー。仕事ひとつ減った!」
 大人で警察官ですが、大人げないクソガキです。ロールはやられ役。
 身体は大人、頭脳は子ども。この手の小学20年生は得てして子どもによく懐かれるものです。ですがうらやましいとか思うなよロリコンども。彼らには彼らなりの苦労があるんです。胸から下が青あざだらけだとか。青あざのところに限ってよく蹴られるとか。

 その他の大人たち。
 斎藤以外は真っ当によくできた大人たちです。安心して子どもたちを任せられる。といっても今のところまだ謎のグラサン親父しか出てきていませんが。

 「私たちはカラーズ! この街の平和を守る!」
 子どもたちは至って真剣です。(門限までは)本気で上野の街を守りたいと思っていますし、(門限までは)本気で上野の街を守れると思っています。
 世界は子どもたちを中心にまわっています。世界は子どもたちを中心にまわるべきです。少なくとも子どもたちにとっては。そして、子どもたちを見守る大人たちにとっては。ならば、カラーズは街の平和を守る正義のヒーローでなければなりません。

 「つまりコイツは泥棒猫だ。ま、だから捕まえようもんなら、この街の平和は守られることになるかもな」
 「ああ。商品として置いてた金庫なんだが、誰の仕業かこのとおり。じゃあこれを渡しておく。犯人からの暗号だ」

 もし上野の街が元々平和だというならば、大人たちはムリヤリにでも事件をこしらえなければなりません。
 なぜならカラーズが街の平和を守るヒーローだからです。
 上野の街はカラーズの奮闘によって平和にならなければならないんです。
 それが、カラーズというヒーローの存在意義なんですから。

 子どもというのは本来ちっぽけで、か弱くて、何かを為そうとしてもなかなかうまくできない、大人に比べて無力な存在です。
 ですが、彼女たちだってひとりの人間です。ちょっと背が低いからって見下すことなかれ。彼女たちだって私たちオッサンオバサンと同じ、いっぱしのプライドというものを持ち合わせた、ひとりの人間なんです。
 それは、とてもとてもステキなことです。
 プライドとは向上心です。理想の自分を思い描き、現実の自分とのギャップを埋めようともがく、努力の源泉です。弱さに甘んじることなき強い思いです。人は自分を好きになるべきです。人は自分に夢を見るべきです。夢に現実を変える力はありませんが、現実を変えられるのはいつだって夢だけです。

 だから、子どもたちはヒーローを夢見るべきです。大人たちはその夢を応援してやるべきです。
 めいっぱい背伸びして、めいっぱい泥だらけになって、めいっぱい迷惑かけて、そしてめいっぱい平和を守りましょう。
 それは子どもにしかできないことです。無条件に大人の守る平和な日々を享受して、本気で大人のつくる事件と闘えるのは、子どもであることを許された短い期間だけです。大人たちはみんなその世知辛い現実を知っていて、だからあなたたちの冒険の日々をいつだって祝福してくれています。
 彼女たちが本当にヒーローになれるかどうかはまだわかりませんが、ヒーローを目指した冒険活劇はきっと、いつか遠い未来に彼女たちをステキな大人へと育ててくれることでしょう。

 だからがんばれ、クソガキども。

 「動くな!」といわれて本当に微動だにしなかったり、暗証番号を1から順に総当たりしたりするような、ああいう大人げない大人には、くれぐれもならないでくださいね。
 アレはアレで私は好ましいとも思うのだけれども。でも好き好んで自分からああいう人を目指してはほしくないなあ。

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