キラキラプリキュアアラモード 総括感想その3 らいおんさんのあしあと

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自由と情熱を! レッツ・ラ・まぜまぜ!

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起源(大好き / 自由+)
「青空に響く岬さんの歌で自由な気持ちになれたんだ。私も感じるままに歌いたい!」
屈折(嘘つき / 情熱-)
「私の気持ちはどうなるんだ!」
変身(出会い / 情熱+)
「ステージで歌ってる立神さん、青空に吠えるライオンみたいだったから」
絶望(大嫌い / 自由-)
「岬さんと同じ舞台に立てるなんて! 夢が叶っちゃったよ!」
統合(気付き / 自由と情熱を!)
「でも私、夢見ることをやめない。園部が、みんながもっと大好きにさせてくれた音楽を続けていきたいんだ!」

 結論からいうと、キラキラプリキュアアラモードの個人エピソードはいずれも自分を大好きになるための物語でした。
 6人はみんなそれぞれ自分のなかに何かしら好きになれない部分を持っていました。そしてそこから目を背けようとするばかりに、自分の持っていたステキなところすらまっすぐ見つめられなくなっていたのでした。
 そんな少女たちがキラキラパティスリーという場に集い、変わっていきます。みんなそれぞれ違う個性の輝きをときに好ましく、ときにうらやましく思い、その輝きに照らされて少しずつ自分を見つめなおしていったのです。
 この1年間、彼女たちは何か新しい自分を手に入れたわけではありません。ただ、自分のなかの嫌いだったところを好きになり、ステキだったところをもっと好きになり、ありのままの自分を全部まるごと大好きになっていっただけです。
 それがいかに難しいことか、彼女たちより少し大人なあなたにはきっと痛いほどよくわかるはずです。それがどれほど大切なことなのかも、きっと。

 立神あおいの歩んだ物語は、大好きなものを貫きとおす苦難を描いていきました。
 大好きなのに苦しい。大好きだからこそ辛い。あおいの選んだ道は全部あおいの手で切り開かなければなりませんでした。

 「青空に響く岬さんの歌で自由な気持ちになれたんだ。私も感じるままに歌いたい!」
 あおいの物語は自由への渇望からはじまりました。何から何まで家の事情に縛られていたがために、その反対の世界をずっと夢見ていました。
 あおいは、自分の道を自分で切り開くことに憧れていました。

 なればこそ、あおいの前には次から次へと苦難が訪れます。
 「私の気持ちはどうなるんだ!」
 だってあおいは自由を求めたのですから。誰にも束縛されず、誰の事情にも振りまわされない。それは裏を返せば、自分の問題は自分ひとりの力で乗り越えなければいけないということだったのです。誰に甘えることも許されません。
 大変な苦難です。前に進めば進むほどに新しい試練が立ち塞がるのですから。まるで自分の情熱で自分の身を焦がしているようなものです。いっそ自由を求めず周りに流されて生きた方がはるかに楽だったことでしょう。動物園のオリに閉じこめられたライオンのように。

 立神あおいは自分の「大好き」に苦しめられていました。

 そんなあおいに救いをくれたのが、いちかでした。
 いちかにもあおいの苦しみを代わってあげることはできません。わかってあげることすらできません。けれど、彼女はただ応援してくれました。
 「ステージで歌ってる立神さん、青空に吠えるライオンみたいだったから」
 それはあおいの目指す姿そのものでした。苦しいばかりで思うようにいかない日々のなか、いちかはあおいがちゃんと前に進めていることを教えてくれました。それさえ確かなら、あおいはまだまだがんばれます。
 あおいはいちかたちと出会って、変わりはじめました。

 けれど、自分を変えていく日々は必ずしも楽しいばかりとは限りません。
 依然としてあおいの日々は苦難の連続です。
 「岬さんと同じ舞台に立てるなんて! 夢が叶っちゃったよ!」
 ついには憧れそのものすらもあおいに牙を剥きます。自由を追求するあおいの旅路はただでさえ誰も助けてくれない孤独な道行き。夢が叶っちゃったなら次はどこへ向かえばいいのでしょう。
 苦しむことに疲れたあおいは、ついに前を見続けることに挫けてしまいます。どうしてこんなに苦しい思いをしなければいけないんだろう。
 確かにいちかたちとの出会いはあおいの目指す姿を照らしてくれました。けれどあおい自身が目指すところを見定めなければ、照らそうにも何も照らすことができないんです。そこははじめから何も変わりません。
 そう。何も変わりません。ひとり苦難に立ち向かう道を選んだのは、あおいなんです。

 「大好き」ははじめからあおいの傍にありました。

 あおいの物語は自由への渇望からはじまりました。今のあおいはどうでしょう。あのときよりもずっと、ずっと自由です。それなのにどんどん苦しくなっているのはどうしてでしょう。もっと、もっと目指したい高みを見つけたからです。
 「でも私、夢見ることをやめない。園部が、みんながもっと大好きにさせてくれた音楽を続けていきたいんだ!」
 足りない。まだ足りない。もっと。今よりももっとずっと。その飽くなき憧れへの挑戦こそがあおいらしさ。
 あおいはいつもそうやって苦難を乗り越えてきました。心の赴くまま、力強く、自分の道を自分で切り開いてきました。もちろん、これからもそうして、ずっと。
 あおいは今も昔も変わりません。変わらないまま、どんどんステキに成長していきます。いつも応援してくれていたいちかたち仲間がそんなあおいらしさを保障してくれています。
 長い道行きの果て、あおいは自分のはじまりに「大好き」を見つけました。

 「自分の思うままに歌いつづけたい!」

 これが、自由と情熱の間をさまよったらいおんさんが自分を大好きになるまでのあしあと。
 このあしあとは物語が終わってからも続いていきます。
 らいおんさんの「大好き」のある方へ、ずっと。

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