超人女子戦士ガリベンガーV 第76話感想 おお、霜降る高嶺に咲く大輪の花、憧れの和牛よ。

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生徒役:電脳少女シロ、アキ・ローゼンタール、神楽すず

やっぱりケツ叩きか。

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「ケツ叩きじゃねえよ。叩いてやろうか、俺が」
「やだ! それはお金を取ります!」

 バーチャルYouTuber黎明期にデビューし、今なお最前線で活躍の場を開拓しつづけている始まりの人。清楚で暴虐で奇矯で蠱惑的な独特の感性は、誰もの頭を為にする、華やかな魅力に満ちています。一方で共演者やスタッフへ心配りを欠かさない細やかさがあったり、多様な価値観へ理解を示す聡明さもあったりしますが、それらは基本的にギリギリまで相手を追い詰めるためにこそ発揮されるので油断は禁物です。

アキ・ローゼンタール

「はあ。219歳ね。ふーん。そっか」
「もっとツッコんでよ! そんなスルーされるなんて、なんて日だー!!」

 異世界からやって来た女子高生ハーフエルフにして無類の【麦ジュース】呑み。年齢は200歳を超えているので問題ありません。たまに飲んだくれて寝落ちするのは問題ないわけでもありません。筋肉ムキムキのアバターで愉快にゲームを楽しんでいるうちに何故かファンが急増、いつの間にかゴリラキャラ扱いされるようになりました。ツインテールはそれとなく不思議な力で浮いています。

神楽すず

「この牛がですね、子どもの肉質がものすごくよかったんです。あと繁殖能力が尋常じゃなかったんです。数えると1463匹も子どもがいると」
「すっごー! かっこいいー!!」

 バイオリンやウクレレを弾きこなし、透明な歌声で涼やかに弾き語りする一方、ひとたびゲームを始めるとFPSだろうがパーティゲームだろうが怒号が止まらなくなるという、でっかい二面性を担いだお姉さん。威勢がいいので気っ風もいいのかと思いきや意外と内弁慶気質で、そういうところも含めて実に姉。バーチャルなのに全然自分を飾ろうとしない生っぽい性格なのもあって、いちいち妙なリアリティを醸しています。

超難問:和牛の謎を解明せよ!

特別講師&授業テーマ雑感

 みんな大好きお肉の授業。
 私も昔から興味津々だったので、よく小学校の図書室なんかで畜産や料理の本をたくさん読んで勉強していました。いくら本を読んだところで食べられる機会が増えるわけじゃないけど。別にそっち方面で働きたかったわけでもないけど。
 霜降り肩ロースの断面写真を見るのって、なんというか、単純に、純粋に、すっげー幸せですよね。
 ただ、なまじっか知識のベースが小学生時代に仕入れたもの中心なので・・・。間違って覚えていたり古い情報だったりが多そうで、今回の記事はちょっと、だいぶ怖い。(※ できるかぎり確認しながら書きはしましたが)

 岩田尚孝先生は東京農業大学の農学部教授です。著書や論文タイトルを見た感じ、どうやら専門は牛の繁殖技術。産前産後の管理や人工授精、老齢卵細胞の若返りまで何でもござれです。
 牛の寿命が20年前後なのに対し、出産適齢はわずか10歳程度なので、研究を進展させたら相当な生産性向上を見込める分野のようですね。繁殖用の家畜って個体差が大きいので、優秀な個体だとものすごい価格で取引されるものですし。

トピック1:この中で和牛はどれ?

 「ええとね、3番だと思います」
 「のみ? 3番のみ?」
 「はい。一点賭けでいきます」

 最近競馬に興味津々な神楽すずの回答。
 なお、本人が日頃から自堕落な私生活を見せているせいもあって、ファンからの反響はイマイチ芳しくありません。賭博にハマりかねないと過剰に心配されてしまっています。
 彼女のようにマイペースな気分屋さんの場合、ある程度独断強行して、多少失敗を重ねてでも強引に成功実績を積んでいったほうが逆に信用してもらいやすくなると思うんですけどね。責任を負う立場になるのが苦手みたいなので周りに意見を求めがちなのは気持ちとして理解できますが。この子の場合は特に、ひとりでも結果を出せる行動力は持っているわけですし。
 他人事に意見を求められると人は臆病になるものです。万一失敗されても責任を負ってあげられませんから。そういうときの信用醸成に効いてくるのが実績であり、自分のことに自分で責任を持てることの証明です。

 「1番はよく牛乳で見るような牛かなと思うから、逆に2、3、4、5、6全部和牛なんじゃないかなと思います」

 アキ・ローゼンタールの回答。
 ホルスタイン種はさすがに誰でも知っていますね。現代の日本では役牛なんてほぼ残っていませんから、ホルスタイン種以外は全て肉牛だと考えるのも自然なことです。

 「シロは三連単で236でお願いします。あの。お胸のあたりが発達してると牛乳としてお世話になる牛さんかなって――先生が頷いてる! と思って、1と5は発達してるなって思って。4が難しくて、お尻がプリッとしてて引き締まってるからレースとかするのかなと思って」

 電脳少女シロの回答。
 乳牛の特徴に気がつくのはさすがの観察力と想像力。
 4番の褐毛和種を役牛だと考えてしまったのが惜しいところですね。実は4番には肉牛らしい特徴がひとつあります。足が短いところです。腕肉は歩留まりも商品価値も悪いので、肉牛は足が短くなるよう品種改良されるものです。反対に役牛なら足が発達しているほうがパワフル。

 キーワードは「黒毛和種」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」
 「和牛」という名称で精肉を販売するためにはこの4品種の純血、もしくは4品種間のみでの交雑でなければなりません。順に見ていきましょう。

 1番はホルスタイン種
 牛のなかでは最大級の体格と、非常によく発達した乳房を持つのが特徴です。日本国内で流通している牛乳の98%がホルスタイン種の乳。そのためホルスタイン種は牛乳専用だと思われがちですが、とにかく発育が早いので実は肉牛としてもそこそこ適しています。

 2番は黒毛和種
 和牛の80%以上を占める最大勢力です。だいたい田尻号のせい。欧米の肉牛と比べて肉付き(歩留まり)は少々劣るものの、霜降りになりやすく、柔らかくておいしい肉質だという強烈な付加価値を持っています。
 牛肉の輸入自由化以降、国内畜産農家は価格競争で勝負できなくなったため、高級かつブランド力の高い黒毛和種に一斉転換しました。

 3番は無角和種
 黒毛和種とアメリカのアンガス牛の交雑種です。名前のとおり角が生えないことが特徴。肉牛としては黒毛和種に対して特段の優位性がなく、市場にもほぼ出回っていません。
 海外の血統が混じっていても和牛と呼べるのか、と疑問に思われるかたもいるでしょうが、黒毛和種だろうが褐毛和種だろうが日本短角種だろうが、むしろ“和牛”には全て欧米牛の血が混じっています。詳しくは後述。

 4番は褐毛和種
 いわゆる赤べこ。主に九州で生産されています。元々は農作業用にも使われる役肉兼用の品種でした。黒毛和種に比べて肉質はやや硬めですが、赤身の発色が良く、脂肪も良質。お高いレストランではロース肉の芯の部分だけ切り取って高級ステーキに仕立てることがあるわけですが、そのロース芯を比較的大きく切り出せるところも特徴のひとつです。

 5番はジャージー種
 濃厚な味わいの高級牛乳を生産する乳牛として知られていますね。顔付きがヤギみたいでかわいい。
 脂肪分の質からして本当は飲用というよりバターへの加工用途にこそ向く乳質なのですが、生産コストが割高かつ稀少なので、ほとんどが飲用として流通されています。どのくらい採算性が悪いかって、1頭あたりの牛乳生産量がホルスタイン種の1/3~1/6しかないレベル。

 6番は日本短角種
 岩手県の在来種であった南部牛がルーツです。元々は炭鉱労働や山岳輸送にも使われる役肉兼用の品種でした。山がちな北東北・北海道の土地柄と相性よく、生産量は黒毛和種に次ぐ第2位。黒毛和種に比べて肉質がやや劣り、霜降りもつきにくいのですが、それを逆手にとって赤身ブームの昨今意欲的に売りだしています。

トピック1-2:国産牛と和牛の違いはなに?

 スーパーに行くと、国産牛肉には「国産牛」と「和牛」の2種類の表記があることが確認できます。どうして2種類に分かれているのでしょうか? というのが先生からの質問。
 さっき「和牛」の定義は書いちゃったので、ここでは「国産牛」とは何かを考えてみましょう。

 「生まれ育った場所はどこでもよくて、解体する場所が国内だと『国産』なのかなって思っちゃったんですけど、これは違いますか?」

 電脳少女シロの気おくれ気味な回答。
 聞きようによっては国内流通業者にケンカを売っているとも捉えられかねない不遜な発言ですね。慣れっこでしょうから本気で怒る人はおそらくいないと思いますが。
 精肉だとさすがにそんなことないのですが、加工食品業界ではこういうのがマジでまかり通っている実情があります。「加工」ってどこからどこまでを加工と呼ぶのか定義が難しいですからね。タルで輸入した漬物を200ml容器に移し替えて軽く殺菌しただけでも国内加工っちゃ国内加工。

 ただ、半分は正解です。
 成育期間の半分以上を日本国内で過ごした牛の肉は国産牛として販売することができます。これは仔牛の生産拠点を海外に置いた場合でも、国内基準と飼育ノウハウのもと育てた肉牛の価値を正当に評価するための措置でもあります。

 もうひとつ、番組ではきちんと紹介されなかったもうひとつの国産牛があります。
 それは“和牛”の定義から漏れたもの。
 上でも書いたとおり、実はホルスタイン種の肉も(※ 食味は黒毛和牛ほどではないにしろ)食用に適しています。ある程度歳を取った廃用牛や、乳を出さないオスの牛などは、一定期間太らせたうえで食肉用として出荷されることがあるんです。
 また、ホルスタイン種の生育の早さに着目し、あえて黒毛和種とホルスタイン種を交配させて生産性を高めた肉牛もいます。和牛4品種以外の血統が混じるため「和牛」という名称で販売することはできませんが、生産効率が良いぶん価格を安く、しかも黒毛和種の血統ならではのおいしい霜降り肉として売ることができるんです。この場合は和牛ブランドを使えない代わりに「サロマ黒牛」などの独自ブランドを形成していますね。

トピック1-3:伝説の雄牛「田尻号」

 江戸時代以前の日本には肉食の食文化がそれほど浸透しておらず、牛といえば労働力、つまり役牛としてのみ飼育されていました。野鳥の肉ならまだしも、牛肉を食べる機会なんて怪我をしたり年老いたりして働けなくなったものを屠殺したときくらい。
 それが明治時代に入って食の欧米化が進み、食肉需要が急速に伸長。日本は国策として国産牛肉の生産量拡大を目指すようになりました。
 とはいえ国内で牛飼いのノウハウを持っているのは労働用として牛を飼育している者たち。彼らの生業を無視していきなり専業畜産農家に転換させることはできません。なので、最初は役肉兼用の牛として畜産業をスタートするようにしたんですね。若い仔牛のときだけ働かせて、歳を取りすぎる前に屠殺して、とサイクルを早めていけば一挙両得。

 ただ、日本の在来種は役牛向きに最適化されていたため今ひとつ歩留まりが悪く、食肉用を兼ねるためにはまず海外の上質な肉牛と交配させることが急務でした。
 ところが、そういった海外の肉牛はそもそも役牛としての使われかたが想定されていません。よくエサを食べ、早く大きくなる特性ばかり重視されていたため、この子孫を役牛として使おうとすると今度はやたら気性が荒く、しかもろくに働いてくれないという困った結果になりました。
 あげく当時は在来種の保護という考えかたが無かったため、品種改良に失敗したことを認めたとしてもやり直しがききません。まだまだ役牛としての需要が大きかった当時の牛飼いたちは困り果ててしまいました。

 ここで起死回生の鍵となったのが田尻号です。
 田尻号は兵庫県山奥の小さな村で育てられていたため、国策としての品種改良の手が及んでおらず、日本在来種の純血を保っていました。しかも飼い主の意向で最初から種牛として育てられており、おまけに都合のいいことに絶倫でした。
 田尻号の噂を聞きつけ、日本中の牛飼いが雌牛を連れて田尻号のいる村を訪れ、片っ端から種付けしてもらいました。田尻号の子どもたちは日本の在来種らしく従順な性格で、よく働いたそうです。
 こうして日本の牛の品種改良事業は一旦仕切り直しすることができ、田尻号の血統を継いだ牛たちのなかから今度こそ無事に「黒毛和種」として品種登録される牛たちが現れるようになったとのことです。

 その後間もなくしてガソリン車が普及し、役牛の需要が急速に落ち込んだので田尻号の血統である必要性はほぼ無くなった・・・と、思われたのですが、はて、山奥の寒村出身ゆえに脂肪を蓄え防寒する特性でもあったのでしょうか。偶然にも田尻号の子孫は霜降りしやすく、ついでに繁殖力も旺盛で、肉牛としても一級品の血統として知られるようになったそうな。
 現在では国内で飼育されている肉牛全体の80%、高級黒毛和牛に限定すると実に99.9%もが田尻号の血を引いているといわれています。

トピック2:霜降りはどうやってつくるの?

 霜降りには血統も重要ですが、育てかたにも特別なテクニックを要します。

 「これは、たぶん脂を細かくお肉に注射しちゃうんじゃないかな。肉になってから、脂をこう、ざあって。人工的に霜降りを注射してるんじゃないかな」

 アキ・ローゼンタールの回答。
 これまた畜産農家から一発殴られてもしかたない発言。インジェクションミートのことですね。フランス料理のマリネと似た下ごしらえの技法で、細かい針を使って赤身肉の筋繊維に牛脂を浸透させ擬似的に霜降りっぽくしたお肉です。
 ファミレスを中心に昔から広く使われていたのですが、2013年頃に何故かマスコミ各社が一斉に大規模なネガティブキャンペーンを展開。別に食品偽装でも何でもなかったのにいきなり猛烈な批判が浴びせられました。現在ではメニュー表の隅にインジェクションミートである旨明記するのが当たり前になっていますね。あれはそういう法律上の義務があるわけではなく、外食産業側が自衛のため自主的に書いているだけだったりします。そのくらいネガティブなイメージが未だに払拭されていない、曰く付きのシロモノなんですよね。
 もちろん和牛の霜降りとは全く異なるものです。不正解。

 「炭水化物を食べさせる? 人間だとちょっと太るかなって思うようなものを牛さんにも食べさせて、脂を付けさせる、みたいな」

 神楽すずの回答。
 霜降りの特異なところは皮下脂肪ではなく筋繊維中に脂肪が蓄えられるところにあります。牛にただ高カロリーなエサを与えても、単に皮下脂肪が厚くなるだけです。というか、炭水化物を与えるって話ならアメリカの畜産農家が穀物飼料中心で飼育しているんですから、日本より先にアメリカが霜降り大国になっているはずですね。

 「なんか、運動してないともっと脂肪がでっぷりと乗る気がしたので、適度に運動させて、海外のかた御用達のピーナッツバターをいっぱい食べさせることで、なんかこう、カロリー不足でもなく、しっかりカロリーを取って運動して、均等に脂が乗るのかなって思った」

 電脳少女シロの回答。
 ええっと、和牛の話ですよね? ピーナッツバター・・・?
 ただし運動が必要だという指摘はごもっとも。赤身だろうと霜降りだろうと、基本、お肉は筋肉ですからね。

 キーワードは「ビタミンコントロール」
 あえてビタミンAの摂取量を制限してやると、牛の筋繊維中に脂肪細胞が生産されることがわかっています。この脂肪細胞を起点に高カロリー飼料を食べさせ肥育させることで、きめ細かな霜降りをつくるんですね。

 ビタミンA量をコントロールしやすくするため、主要飼料にはあえて炭水化物ばかりでビタミン類の抜けた乾燥稲わらを与え、不足した栄養素は副材料で補完する体制を取っています。人間の食事に例えると稲わらは白米みたいなものってことですね。
 副材料には米ぬかやワインかすなど、地域色あるものがしばしば用いられており、銘柄牛のブランド力の一端を担っていたりもします。まあ、本来お金を払って処分しなければならない産業廃棄物を上手に利用したついでではあるんですが。

 なお、ビタミンAの摂取量を制限しすぎると、失明したり免疫力が低下したりといった欠乏症が起きます。
 たまにこのあたりを変に曲解して、霜降り牛は目が見えず不健康で抗生物質まみれ、自力で歩くこともできない・・・だなんて悪評をバラまいている人がいますね。根も葉もないただの噂、勘違いも甚だしいところです。
 目が見えなかったら充分にエサを食べることができないじゃないですか。抗生物質を多量に投与していたら生産コストが跳ね上がって商売にならないじゃないですか。自力で運動できなかったら根本的に筋肉がつかないじゃないですか。バカバカしい。
 実際のビタミンコントロールは畜産農家の経験とノウハウ、それから獣医の協力のもと、牛の健康を損なうことなく行われています。

トピック3:A5ランクはどうやって決まるの?

 「審査員のかたが来て、牛のお尻を失礼してぺちんと叩いて、その弾力とか跳ね返りとかみずみずしさとかで決める」

 電脳少女シロの回答。
 どうせ屠殺するのにどうしてわざわざ生かしたまま審査しようとするのか。
 ちなみに和牛は海外の肉牛と比べて下半身の肉付きがやや悪いらしいので、この審査方法だと和牛こそ不利ですね。

 「やっぱり、元々ブランドみたいなものが決まってて、老舗ブランド牛みたいな、それがもうランク付けになってて、なかなかそこは越えられないんじゃないかな」

 アキ・ローゼンタールの回答。
 実際ブランドというか血統はものすごく重要で、だからこそ和牛は4品種間でしか交配が認められていないわけです。ただ、審査基準に血統は加えられていないようですね。どうせ屠殺して実際のお肉の状態を見るわけですし。

 答えは肉と脂のバランス。(公社)日本食肉格付協会が審査基準を設定しています。
 A5のうち、実は「A」のほうは歩留まり(※ 肉の量)の良さの評価基準であって、肉の味わいとは関係ありません。
 「5」のほうが肉の味わいに関わる評価です。番組では霜降りの度合いでの評価基準中心に紹介されていましたが、実際には他に肉のきめ細やかさ、赤身の色つや、脂肪の色つやなども含めて総合的に評価されます。とはいえ、まあ実際、最重要は霜降りですけどね。消費者が一番注目するのもそこなので。

 ちなみにアメリカにも同様の評価基準が存在しています。(※ というかアメリカの評価基準をもとに日本の基準がつくられているというか)
 評価項目もおおむね同じ。実はアメリカでも霜降りの度合いは審査されているんですよね。あちらでは赤身が好まれているイメージがありますが、脂肪には保水作用があるので、やっぱりある程度霜降りがあったほうがステーキにしたときパサパサになりにくいですし、柔らかくて年配のかたでも食べやすくなります。特にウェルダンで焼くときは霜降りの有り無しで仕上がりが天と地ほど変わってきます。(※ 同じく脂肪が少ない鶏の胸肉なんかもそうですもんね)
 日本でもコストコに行けばアメリカの上級グレードの牛肉がどんなものか体験することができますよ。見た目こそ赤みが強いですが、意外と脂っこいです。

 とはいえ、さすがに和牛ほど脂質が多いわけじゃないですけどね。
 日本でこれほど霜降りが尊ばれているのは食文化の違いでしょう。
 単純に、アメリカの肉料理といえばステーキでメインディッシュ。日本の肉料理はすき焼きやしゃぶしゃぶで、白飯に添えるおかず。それだけの話です。あくまでご飯のお供であって一度に大量には食べないから、脂が多くても困りませんし、薄切りにしますし、味も濃く調味するんです。(※ そして、だからこそ米をあまり食べない若年者に赤身信仰が生まれる)

トピックex:先生に聞いてみよう!

 「先生が召し上がったなかで一番おいしかったお肉を教えてください!」

 「一番おいしい和牛の食べかたを教えてほしい」

 このあたりは先生の私的なエピソードですね。
 畜肉が貴重だった時代に食べ盛りだった人たちの話は何度聞いても興味深いです。現在じゃ下手すりゃ肉より野菜のほうが気軽に買えなかったりしますし。

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