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今年は物語全体を振りかえる総括感想に代えて、プリキュア4人の考察用キャラクターシートを公開します。全体の総括は最終話の感想記事でざっくり簡単に語ることになるかと思います。
私は物語のテーマが最も如実に表れるのは主人公格のキャラクター性だと考えています。どのような人物設定で、どのような事件を経験して、どのように成長していったか。各キャラクターをどういうふうに見てきたかを通して、私にとっての『ヒーリングっどプリキュア』がどういう物語だったか、伝えられると思っています。
↓そもそもこれ何?って話は以下の記事にて↓
一覧
1=A+C【誰の役に立ちたいか】
「旅館の仕事ってやっぱり大変。でも私、この沢泉が好きだわ。いつかここでたくさんのお客さんを笑顔にしたい。改めてそう思ったの」(第17話)
2=B+D【誰に支えられているか】
「それでいいペエ。両方好きなんだから、どっちもやっちゃえばいいペエ。ちゆならできるペエ。ボクはずっとがんばるちゆを見てきたペエ」(第38話)
3=B+C【嬉しかった想い出】
「気がついたらそこは青一色の世界だった。空と海が溶けあって、ひとつになっていて、このまま海を越えて空まで行けそうな。――空を、泳いでみたいって思った」(第8話)
4=A+D【傷ついた出来事】
「私だって真剣にやってる! 負けたらくやしい! でも、私は“海と空の溶けあうあの青い世界に近づきたい”、その思いでやってるの。そのどこがいけないの!?」(第34話)
A=1+4【がんばっていること】
「・・・それでも私は跳びたいの。今は無理してでも自分の限界を超えたい」(第8話)
B=2+3【任せてほしいこと】
「どれも手を抜いたりしないで全部がんばってたちゆなら絶対にできるペエ。それでもまだ勇気が足りないなら、ボクのを分けてあげるペエ」(第38話)
C=1+3【よく気がつくこと】
「ラビリンはきっと、そのダルマを好きなんだってニャトランたちに知られるのが嫌だったんでしょうね。――たぶん、どちらが間違ってるって話じゃないのよ」(第15話)
D=2+4【恥ずかしいこと】
「“好き”はいいものばかりじゃないかも。ときには辛いけど、でも、“好き”をやめられないものもあるわ」(第22話)
α=1+2+3+4【守りたいもの】
「シンドイーネの言うとおりかもしれない。何事も、一途な思いには叶わない。なのに私はハイジャンと旅館、どっちつかずで――」(第38話)
β=A+B+C+D【変わるべきこと】
「違う! 彼女がいてくれるから、私はもっと跳べるの!」(第34話)
γ=α+β+1+A【なりたい自分】
「私、やりたいこと全部やる! どっちも大切で、大好きなんだもの!」(第38話)
上段
1=A+C【誰の役に立ちたいか】
「旅館の仕事ってやっぱり大変。でも私、この沢泉が好きだわ。いつかここでたくさんのお客さんを笑顔にしたい。改めてそう思ったの」(第17話)
ちゆがどうしてこんなに旅館のお仕事を好きになったのかずっと気になっていたのですが、結局のところそれは一筋縄ではいかない仕事だからなんだと思います。
お客さんひとりひとりに合わせたおもてなしをしなきゃいけない。毎回違った悩みに見舞われることになります。だけどその苦労を乗り越えるたびに、達成感と、成長できた実感を得られます。一期一会の出会いが毎日を充実させます。その意味で、向上心の強いちゆにとって旅館のお仕事はこれ以上なくやりがいがあるのでしょう。
2=B+D【誰に支えられているか】
「それでいいペエ。両方好きなんだから、どっちもやっちゃえばいいペエ。ちゆならできるペエ。ボクはずっとがんばるちゆを見てきたペエ」(第38話)
今作においてプリキュアへの変身は“力不足の自分では叶えられない理想を叶えるため”に行われるものでした。従って、ある意味プリキュアになること最大の特典であったペギタンたちパートナーは、それぞれちゆたちに欠けていたものを補完してくれるキャラ付けになっていました。
ペギタンはちゆのがんばりを見守ってくれました。ちゆはひとりでだいたい何でもできる子で、周りの期待に応えるどころかその上を行きがち。本当はもっと上を目指してもっともっとがんばれることをなかなかわかってもらえずにいました。そんななかペギタンは一番近くで見て、理解して、応援してくれました。ちゆのがんばりたい気持ちの味方でいてくれました。
3=B+C【嬉しかった想い出】
「気がついたらそこは青一色の世界だった。空と海が溶けあって、ひとつになっていて、このまま海を越えて空まで行けそうな。――空を、泳いでみたいって思った」(第8話)
ちゆにとって一番大切な思い出はとても詩的で抽象的で、現実には実現不可能なものでした。それでもちゆは本気で目指していますし、ちゆの能力を高める役にも立っています。空想でありながら現実的な意味でもステキな思い出です。
4=A+D【傷ついた出来事】
「私だって真剣にやってる! 負けたらくやしい! でも、私は“海と空の溶けあうあの青い世界に近づきたい”、その思いでやってるの。そのどこがいけないの!?」(第34話)
ちゆはなかなか周りに理解されにくい子です。高いレベルで自己完結していて、たいがいのことは誰の手も借りずに解決できてしまうからです。
そんな子が、それでもたくさんの人とつながっていたいと思う理由。
ちゆはいろんな人と出会ってきましたが、そのたびに悩まされ、そしてそのたびにひとりでは絶対に経験できなかったであろう大きな成長機会を得てきました。
中段
A=1+4【がんばっていること】
「・・・それでも私は跳びたいの。今は無理してでも自分の限界を超えたい」(第8話)
ちゆの問題解決手段は基本的にゴリ押しです。自分ならとりあえず努力すればたいがいなんとかなるとちゆ自身が理解しています。
ただ、あまりにも愚直なゴリ押しすぎて、実力があることは認めてもらえつつも、どうしても無用な心配をされがちでした。
B=2+3【任せてほしいこと】
「どれも手を抜いたりしないで全部がんばってたちゆなら絶対にできるペエ。それでもまだ勇気が足りないなら、ボクのを分けてあげるペエ」(第38話)
ちょっとどうかと思うレベルでパワー系で、何事に対してもゴーイングマイウェイだったちゆ。それだけに周りの理解が彼女の高い向上心に追いつかないということになりがちで、ちゆ自身もそんな周囲の反応を見て不安になってしまうことがありました。
ちゆが自分の夢のため本当に全力で打ちこむためには、自分がもっとがんばれる子だということをみんなに信じて見守ってもらうことが不可欠でした。
C=1+3【よく気がつくこと】
「ラビリンはきっと、そのダルマを好きなんだってニャトランたちに知られるのが嫌だったんでしょうね。――たぶん、どちらが間違ってるって話じゃないのよ」(第15話)
ちゆはゴーイングマイウェイな気質の割に、意外なほどよく他人の気持ちを察することができる子です。旅館で育ったおかげでしょうか。
・・・その割に当番回全部が対人関係の悩みだった彼女。ちゆが周りの人の気持ちを理解できても、周りの人はなかなかちゆを理解できません。
D=2+4【恥ずかしいこと】
「“好き”はいいものばかりじゃないかも。ときには辛いけど、でも、“好き”をやめられないものもあるわ」(第22話)
ちゆにとっての恥は自分が好きで始めたことへの気持ちが揺らいでしまうことです。彼女の場合、目標設定も動機付けも全部自分でやっていて誰のせいにもできないぶん、なおさらなんですよね。だからこそ人一倍負けん気が強くなるという一面にもつながっています。
下段
α=1+2+3+4【守りたいもの】
「シンドイーネの言うとおりかもしれない。何事も、一途な思いには叶わない。なのに私はハイジャンと旅館、どっちつかずで――」(第38話)
ちゆには絶対に諦められない夢が複数ありました。ちゆは実力あり、目標高く、ひとりで努力もできる優秀な子でしたが、それでもまだ、ペギタンというパートナーを必要とする程度には自分のなかに足りないものがありました。
すなわち、もっとがんばりたい気持ちを応援してくれる人。ちゆは人より優秀かもしれませんが、同時に人より多くのものを守りたく思う欲張りさん。ペギタンのように心に寄りそってくれる味方がいてくれないと、ときどき不安を感じることがある、意外とそういうか弱い一面を持っている子でもありました。
β=A+B+C+D【変わるべきこと】
「違う! 彼女がいてくれるから、私はもっと跳べるの!」(第34話)
実力充分なはずのちゆがペギタンという理解者を必要とした理由。それは、彼女が対人関係について少々不器用なところがあるせいでした。
周りの人から刺激をもらえたらひとりでがんばるよりもっと大きく成長できる。その一方で、周りから理解を得られなければひとりで努力することにすら支障が生じる。ひとりで黙々と努力するのに比べたらハイリスクハイリターンといえるかもしれません。自分のことと違って他人との関係は自由にコントロールできない厄介なものでしたが、強い向上心を持つちゆにとって、それはどうしても乗り越えなければいけない課題でした。
γ=α+β+1+A【なりたい自分】
「私、やりたいこと全部やる! どっちも大切で、大好きなんだもの!」(第38話)
人より多くの夢を叶えるために、あまり得意ではない対人関係までがんばらなければいけなかった。
その対人関係を克服するために、どんなときでも自分を応援してくれるペギタンを必要とした。
――要するに、ちゆは誰に何を言われても揺らぐことない自分の芯を持つことで、対人関係を克服したんですね。とりあえず自信満々にしっかり自己主張しておけば、周りの人たちもやりたいようにやらせてくれるというもの。ゴーイングマイウェイさんはますますオンマイオウンになりました。
だけどそれはけっして自分勝手に生きるためではなく、むしろたくさんの人と関わりながらお互い高めあっていくためにこそ必要な成長でした。
コメント
周りもちゆのことは実力のある優れた人と見なしてるけど、ちゆのポテンシャルは更にそれを上回るんですね。それが周りとの認識のずれを生み出していたんですね。
たぶん、実力以上にモチベーションの高さが周りの人たちの想像を超えてたんでしょうね。
だって意味わかんないですもん。小さいころたまたま見たきれいな風景が、ハイジャンプ競技で世界を目指せるレベルに自分を追い込めるモチベーションとして今でも心に刻まれているなんて。たとえ説明されても何にそんなに憧れたのか理解できないと思います。しかもそれはそれとして旅館のお仕事も大好きだっていう。ポテンシャルというかキャパシティどうなってるんだ。
そういう自分だけの世界を持っているちゆが大好きです。