失敗なんかじゃないよ。私、ローラと一緒に学校に来られて、ローラと一緒に学校で過ごせて、楽しかった! だって、すっごくトロピカってる一日だったもん。
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「歩くよ! 泳ぐよ! ローラの初登校!」
活躍したひと
ローラ・ラメール
謎の国・グランオーシャンからの留学生。地球上には国連加盟国以外にも小国家が多数あるので、そういう名前の国がある可能性自体は充分ありうる。大丈夫、大丈夫。台湾みたいに日本国との国交があるんじゃないと入国ビザは発行されないだろうけど。最近足が生えたり尾びれが生えたりプリキュアの変身アイテムが生えたりした。
トロピカってたもの
初登校
ローラがずっとやってみたかったこと。なんでも得意な次期女王候補のローラちゃんなら何をやらせてもイケちゃうこと間違いなし! ・・・と思ったけれど、いざ参戦してみれば思いのほか簡単にはいかなかった、未知の世界の幕開け。
水泳の女王
ローラが全国的にチヤホヤしてもらえたかもしれない可能性。実際は泡沫の夢。あのみのりですら人魚の体を使えばすいすい泳げていたことを考えると余裕で予測可能だったお察し案件でもある。
メタなことをいうと、“まなつたちとの日常”を求めて人間になった子がいきなり全国区選手になるだなんて非日常展開起きるわけないだろうっていう。
うまくいかなかったこと
人間の世界の知識が足りていなかったり、人間の足に慣れていなかったり、いつものローラらしく変なところで隙が多かった。
やりきれたワケ
いつもどおりローラはへこたれなかったし、まなつたちもよく支えてくれた。
尾びれ、生えるんかい!
いや、現行のOP映像が人魚の姿のローラありきだったのも、ローラに足は生えないだろうという予想の根拠のひとつだったんですよね。ここ数年のプリキュアシリーズは前期後期で大幅な映像差し替えをしていませんでしたし。これなら安心だ!
ぶっちゃけ、今話に関してはあんまり語るべきところがありません。
今話は純然たる日常回です。ローラが念願の人間の足を手に入れた直後ではありますが、だからこそ今までと同じノリの日常であることに意味があります。ローラは日常を求めて人間になったからです。
もっといえば、ローラは本来必ずしも人間の足を必要としていませんでした。まなつたちとこれまでどおりの日常を楽しむことこそがローラの本懐でした。それは人魚の姿のままでも不可能なことではありませんでした。むしろ女王様のもとを巣立った時点のローラはそうするつもりでいました。
たまたまプリキュアに変身できて、ついでに足も手に入れられたのが望外の幸福だっただけで。たとえそれがなくともローラは人魚の姿のまま、全力で人間世界の日常を楽しむつもりでいました。
だから、たかだか足が生えたくらいでローラの日常は劇的に変革しません。ちょっとまなつたちと一緒に学校生活できて、ちょっと堂々人前に出られる機会が増えたくらい。ローラはいつもどおり自信家で、高飛車で、優秀で、がんばり屋さんで、そしてアホの子のままです。
それがローラにとって“今、一番大事なこと”でした。
次の願いを叶えたいのなら、それはこれからのローラがまた努力して、また新しく実現させていくべきことになります。
ところであとまわしの魔女の使用人さんたち。
非戦闘員が毎週戦地に駆り出されている状況下で一番ヒマしているのがドクターっていうのは・・・、なんか、すごいな。つよい。
何でもイケちゃうローラちゃん New Stage !!
「――人間が、私に拍手を。・・・みんなが、私に。始まるんだわ! 私の輝かしい学校生活が!」
始まりません。
いや、始まるっちゃ始まるのですが、本人が期待するほどキラキラには始まりません。まあまあ始まります。
プリキュアは変身ヒーローです。
子どもたちの憧れの象徴です。
特に(初期シリーズ以外の)プリキュアシリーズはそういう位置づけであることを明確にしていて、主人公たちがプリキュアに初変身するとき、いつも何かしら叶えたい夢や憧れがあったうえで変身する資格を与えられます。
ローラの場合は――、
「女王様。私、まなつともっと一緒に遊びたい! さんごとコスメの話もしたい! みのりと人魚の物語のことも話したい! あすかと一緒にゲームもしたい! みんなと一緒に部活もしたい! もっとずっと、まなつたちと、みんなと一緒にいたい!! それが私の“今、一番したいこと”!」(第17話)
「許さない。まなつを、みんなをこんな目に遭わせて。絶対に許さない!!」(第17話)
このあたりですね。
ローラはまなつたちとのいつもの日常を楽しむためにプリキュアになりました。みんなと自分の日常を守るためにプリキュアの力を必要としました。
そして、ローラが獲得した人間の足もプリキュアになれたことで得た副次的な恩恵です。
この足は、ローラがまなつたちとの日常を楽しむためにあるもの。
別に人間たちからチヤホヤしてもらうためのものじゃありません。
人間顔負けの超絶大活躍をするためのものじゃありません。
そんなわけで、人間になったローラの新生活はほどほどに今までどおりの立ち位置から始まります。
優秀には優秀なはずですが、しっかりアホの子で、相当アレな性格も相まって、要所要所で呆れられるキャラクターとして全校生徒から認知されることになります。つまりいつもどおり。これぞ the ローラの日常。
それにしてもまあ、「人間が、私に拍手を」とはローラも変わったものですね。最初は人間を人魚より一段低く見ていたのに、今ではすっかり憧れの存在に変わったようです。人間と一緒の学校生活を心底楽しみにしていたのが見てとれます。
そのうえでしっかり勝ちを狙いにいくのもまたローラらしさなんですが。
「そんなのグランオーシャンでは一般常識よ。簡単ね! 学校の勉強なんて!」
「アルプス? アイガー? モンテって何?」
「うええ。あり――何だって?」
「うううー。足に電撃が! 電気が走るー!」
「授業の科目に物申すだわ! 海で育った私が山の名前とかこっちの昔の言葉とか文化とか、知るわけないでしょ!! 華々しく華麗な学校デビューを飾るつもりだったのに、予定が狂いまくりよ!」
うん。それでこそローラ。
「そう! まなつが言うとおり、まだ学校は終わってなかった! 部活で活躍して学校中に私のスゴさを知らしめるいいチャンスだわ! ふふん。わーっはっはっは! あーっはっはっは!!」
そしてへこたれないのもまたローラ。
何やらかしてもへこたれないローラちゃん New Stage !!
「よし。これから私の素晴らしい学校生活が、ローラ・ラメールの輝かしい伝説が始まるんだわ! バシッと気合い入れていくわよ!」
「これから私がスーパースターになるところだったのに、いったい何してくれてんのよ! いいわ! 早いところ私が終わらせてあげる!」
「とにかく、みんなのやる気を取り戻さなきゃ。だって私、泳がなきゃならないんだから!」
「さあて。私の優雅で華麗なる泳ぎをみんなに見せてあげることにしますか!」
からの、
「なによ! そんな憐れみの目で見ないでよ! ホントは私泳げるんだから!! メチャクチャ泳げるんだから!!」
敗因は人間の足が人魚の尾びれとは勝手が違うことに思い至らなかったこと。
意外といえば意外な気がしなくもないですが、これまた見慣れたいつもの光景ですね。第7話で女王様から送られてきたものの中身を勘違いしていたように、ローラは割としょっちゅう自信満々で読みを外します。
ほんと、足が生えたからなんだというのか。
彼女はローラ。いつだってローラ。愛すべきハイスペックへっぽこ次期女王候補のローラちゃん。株価はいついかなるときもぐねんぐねんと乱高下。
結局のところ、多少活躍の舞台が広がっただけで、ローラの日常は続いていきます。
「ああもう! ホント信じらんない! 登校初日からこんな失敗するなんて!!」
「全然! 失敗なんかじゃないよ。私、ローラと一緒に学校に来られて、ローラと一緒に学校で過ごせて、楽しかった! だって、すっごくトロピカってる一日だったもん」
こっちはこっちで年がら年中トロピカってる脳天ヤシの木娘がいいことを言います。
彼女に言わせりゃどうせ毎日がトロピカ happy day。だってまなつはいつでも今をトロピカるために全力投球な子なんですから。むしろトロピカってない日なんてあるの? そんな彼女が、「今日はトロピカってた」と言ってくれるわけですよ。
それすなわち、日常。
いつものありふれた毎日。
「あなたはどうしたいのです?」(第17話)と女王様に問われて、ローラが自分の意志で欲した、世界で一番身近な宝物。
「明日も学校楽しみだね!」
「――ええ!」
それが、昨日も、今日も、明日も続いていきます。
足が生えました。
前々からずっと欲しくて欲しくてたまらなかった、念願の奇跡でした。
だから張りきって、いつも以上にがんばってみました。
結果は今ひとつ。うまくいったり、うまくいかなかったり、押し並べて結局いつもどおりの一日でした。
せっかくの特別な奇跡だったのに。
――ううん。
これは“特別”なんかじゃない。毎日トロピカってる友達は今日も変わらずトロピカっていました。
自分だって毎日トロピカりたくて、だからみんなと同じ、当たり前の人間の足で歩いてみたかったんです。
この奇跡は、今日も、明日も続いていって、これからは毎日の“当たり前”になっていく。
「夕日が沈んだらみんなおうちに帰る時間。でも新しい朝が、明日が来れば――」
「また会える。夕日がきれいなのは、そう信じてるから」(『魔法つかいプリキュア!』第48話)
当たり前の奇跡。
人魚だった昨日までは毎日トロピカっていて、人間になれた今日も、明日からも毎日がトロピカっていきます。
そのかけがえのない“当たり前”を大切に守るために、ローラはプリキュアになりました。
みんなの“当たり前”は、ローラやまなつ、みんなが毎日がんばるおかげでずっとずっと続いていきます。
「ねえ、ローラ。トロピカる部に入ろうよ!」
「わかったわよ。しょうがないからトロピカる部に入ってあげるわ」
「って、なんで上から目線なんだよ」
「いかにも――」
「ローラらしいね」
「わあ! やったやったー!」
「ほんとよく言うよ。なんだかんだいって最初からトロピカる部に入るつもりだったんだろ?」
「もう。うるさいわね」
「じゃあどんな部活動する?」
「そうね。やりたいことならたくさんあるわ。こんなこともあろうかとリストにしておいたの」
「おお! さすがローラ。トロピカってる!」
「って、やっぱりトロピカる部に入るつもりだったんじゃないか」
「やはり」
「ローラったらやる気満々だね」
「あー! うるさいわね!」
明日も、明後日も、明明後日も、ずっと続いていきます。
コメント
やっぱ文化が違いすぎる外国(正確には異世界)出身なのにいきなり全方面優等生だったせつなが異常なんですよ!w
そういやローラ、みのりの身体で泳いでませんでしたね。
人間形態では水中で呼吸できないでしょうし、ごもっともなオチ……。
キュアサマーたちが潜水してみせたのは、今回の伏線だったのかもしれません。
まあローラならいずれ今回ダメだったとこ全部乗り切っちゃうのでしょう。
少なくとも私が今まで見てきた彼女の人物像は、そういう感じなので。
人間が泳ぐときメインの推進力になっているのは水面を掻く腕の動きですが、ローラの普段の泳ぎかたって、尾びれ頼りで腕をほとんど使ってないんですよね。そりゃ勝手が違いすぎて混乱もする。人間の体ってバタ足だけじゃろくに進めないのよ、ローラさん。
まあ、体の使いかたを知らないだけでしょうから教えてもらえばすぐでしょう。
『フレッシュプリキュア!』の東せつなはほら、ラビリンスがこっちより相当テクノロジーの発展した世界でしたから・・・。(※ ただし『スタートゥインクルプリキュア』惑星サマーンのことには目をつぶることとする)
前週の日曜のトロピカル~ジュプリキュアはローラ・アポロドロース・ヒューギヌス・ラメールが初登校の話でした
「これからは」というセリフにシックリ着ましたね
キュアホワイトソックスがキュアアイドルギャンブラーに「これからは☆☆ちゃん(キュアアイドルギャンブラー)も私のことは必ず○○○(キュアホワイトソックスの下の名前)って呼んで」とアップしたことから、女児向けプリキュアでも「これからは」というセリフが交えられたと思うとプリキュア的に感慨深いですね
で、水泳部の女子メンバーは妄想が膨らみ過ぎな出出しでした
そういう部分から先の物語を紡ぐのが同人作家ないしSS書きの役割ですね。あるいは自分の脳内だけで展開させてみるのもいいものです。
ウチのブログもそういう世界に片足半くらい突っ込んでいるのは認めるところでもあります。