デリシャスパーティプリキュア 第32話感想 自分の夢を叶えるために必要なのは必ずしも自分ひとりの努力じゃない、というお話。

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うにゅう。探しに行きたい・・・。けど、らんらんはメンメンを信じる!

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「すすれ!ちゅるフェス まいごのうどんを探せ!」

Lead Character:がんばったひと

らん

Major Happening:大きなできごと

 うどんのレシピッピが迷子になり、他の麺類のレシピッピたちも悲しみに暮れる深刻な事態に。ちゅるちゅるフェスティバルのお手伝いで動けないらんに代わってメンメンがレシピッピを探しに行くことになった。
 エナジーの大半を使いつくすメン占いによってうどんのレシピッピを保護することには成功したものの、直後ブンドル団が襲来、らんはエナジー不足のままキュアヤムヤムに変身することを余儀なくされる。
 自分の不甲斐なさを悔やむメンメン。しかしらんは「ヤムヤムが動けないときはメンメンががんばってくれた。メンメンが動けないならヤムヤムががんばる」と言い、持ち前の機転と工夫でピンチを乗りきってみせた。

Sub Questions:小さなできごと

あまね、パンダ軒にご来店

 ジェントルーだったころお店に酷いことをしたことがあったため入口でまごつくあまねだったが、らんが手を引いて入店させてくれた。
 らんの優しさであるのはもちろんのこと、らんが積極的においしいものをみんなにも食べてほしいと願う人物であることの表れでもある。

Battle Depiction:どんなバトルだったか

 メンメンのメン占いの影響でキュアヤムヤムがパワーダウンしてしまった状況でのバトル。エナジーが足りないなりにらんの創意工夫でピンチを乗りきった。

I’m curious !:気になるポイント

くまモン

 なんだかよくわからない設定を加えられても頓着しないこの貫禄よ。プリキュア出演何回目だっけ?
 くまモンがコラボレーションしている五木食品の棒ラーメンシリーズ、全国的に有名なマルタイにも負けず劣らずおいしいので一度ご賞味あれ。五木食品のは特にスープがおいしい。

 ゲスト出演のくまモンが謎の存在感を放つとともに、絶対今話限りだろと思わせるレシピッピ周りの新設定あれやこれやが織りなすカオスなお話。

 らん、ちょっと『ドキドキ!プリキュア』の相田マナに似てきましたね。
 あの子は人助けが好きで自分でもよく実践していましたが、同時に自分ひとりの手だけでは届かないことも多いと自覚していて、そこは自分と思いを同じくする周りの人々に任せるようにしていました。
 らんは第21話のはごろも堂閉店騒動のとき、行動するのが自分ひとりになったとしても絶対に閉店を阻止しようと気負うあまり、少々独りよがりになってしまっていました。今回はその反省を生かし、自分の手で解決したい気持ちをぐっと抑え、協力してくれるメンメンを信じることに。結果、うどんのレシピッピを見つけるだけでなくちゅるちゅるフェスティバルの成功やブンドル団撃退など、ふたりで協力したからこそより多くの成果を得られるようになりました。
 対人関係を少し苦手としていたオタク少女。けれど彼女は周りに頼ることを覚え、その結果むしろ自分が周囲に働きかけるための力をいっそう増しつつあります。“おいしい”を独り占めしたくない。当初プリキュアになるとき志した、その願いのとおりに。

誰かに頼るという選択

 「まずいわ!」
 「そんなに泣いたらふやけちゃうパム!」
 「レシピッピが泣きすぎるとお料理にも影響が出ちゃうメン!」

 君たちはいったい何を言っているんだ。

 まあとにかくそういう設定です。もしおむすびのレシピッピが泣いたらお粥にでもなってしまうのかもしれません。一大事ですね。
 けれど折り悪く今日はちゅるちゅるフェスティバル当日。うどんのレシピッピを探しに行きたいのはやまやまですが、らんはお店のお手伝いもやらなければなりませんでした。さて、どうする?

 「落ち着け。千里の道も一歩から。らんはやるべきことをやるんだ」
 「えーと、えーと・・・」
 「らんちゃん。フェスティバルの準備メン!」

 ちなみに、ここにあまねが居合わせられたのは、逡巡する彼女の手をらんが引いてあげたからという面もあります。情けは人のためならず、ですね。

 らんはキュアスタだとか発明だとか、なにかとマルチな才能を発揮している子ですが、裏を返せばそれは何でも自分ひとりの力で解決しようとしてきた結果でもあります。
 らんは自分ひとりの力で解決できる事態なら大概どうにかできるセンスを持っています。第27話でコメコメが自分の耳と尻尾に悩んでいたときも「自分自身の気の持ちようだ」という方向性で解決に導きましたね。その一方で第21話のはごろも堂のように、そもそもらんの働きかけではどうにもならない問題に対しては、自分に何ができるかの見定めすらままなりませんでした。
 うどんのレシピッピを探してあげなければならない。けれど同時に、ちゅるちゅるフェスティバルのお手伝いもしなければならない。両立不可能な2つの問題を前にして、らんの頭はたちまちパンクしてしまいます。

 「麺の問題は麺のエナジー妖精のボクがなんとかするメン。ボクもパンダ軒のラーメンをみんなに食べてほしいメン。だかららんちゃんはフェスティバルに集中してメン!」
 「みんなで協力してうどんのレシピッピを見つけよう!」
 「麺のお料理を守って、フェスティバルを成功させるのよ!」

 もしらんが片方だけを選んでもう片方を諦める選択をするなら、これまでのように独力で乗り越えられた状況かもしれません。けれど彼女はプリキュア。プリキュアは二者択一の選択肢を強いられることを好みません。プリキュアは2択の選択肢を前にしたら2つとももぎ取ることを良しとします。
 そのために自分は何を考えるべきか。答えはメンメンたちが教えてくれています。
 頼りましょう。何も目の前にある問題全部に自分ひとりで取り組む必要はありません。昔のらんがどうだったかはともかく、今のらんには信頼できる友達がいます。

 「うん! ――頼んだ、メンメン!」

全力を尽くすために

 「あわ、あわ・・・。いないいない――、ばあ!」
 「ピィッ!?」

 人選ミスじゃないかな。
 いや、なんのかのいって励ますことはできていたけれども。

 「こうなったらメン占いをするしかないメン。きっと手がかりが掴めるはずメン。だけど・・・、メン占いは奥の手メン。でも今はそんなこと言ってる場合じゃないメン!」

 人員配置のツッコミどころはさておき、メンメンには奥の手がありました。リスクも大きく、おいそれと使うべきではないものでしたが、今この瞬間こそが使いどころ。

 それは何故か?

 メン占いの弱点は手持ちのエナジーのほとんどを使い尽くしてしまうことにありました。つまり、一度使ってしまうと次何か起きたときに対処できなくなってしまうというリスクです。
 けれど、今この瞬間に限ってそのリスクは必ずしも致命的なものではありませんでした。
 なぜなら今、メンメンはひとりじゃなかったからです。らんと役割分担をしたおかげで今のメンメンはひとつの問題にだけ全力を注ぐことができました。もし力を使い尽くしたあとで何か起きたとしても、メンメンにはらんがいます。らんならきっとなんとかしてくれるはずです。

 リスクヘッジを信じられるからこそ、メンメンは後顧の憂いなく全力を尽くすことができます。
 手分けして協力することの意義は二者択一を2つとも総取りできることだけでなく、こういうふうにお互いひとつのことに全力を尽くせるという点にも表れるわけですね。

そしてチームプレイ

 「ごめんメン。ボク、メン占いでいっぱいエナジーを使っちゃったメン。レシピッピを探すため特別な占いをしたメン。それでエナジーが――」

 「何言ってるの! うどんのレシピッピ見つけてくれたじゃん」
 「でも、戦えなくなっちゃったし・・・」
 「ヤムヤムが麺だとしたら、メンメンはそれを受け止めてくれるスープ。麺だけよくても、スープだけよくてもダメ。ラーメンはお互いが絡みあって最高になれるんだ。ヤムヤムが動けないときはメンメンががんばってくれた。メンメンが動けないならヤムヤムががんばる!」

 気持ちの問題として申し訳ない思いでいっぱいになるのはどうしようもないことですが、実際メンメンは正しい判断をしました。
 あの場面でメンメンが全力を尽くしてくれたおかげで目の前にあった問題は片付き、今、らんはブンドル団をやっつけるという1つきりのタスクに集中することができます。

 エナジーが枯渇していていつもどおりの戦いはできないかもしれません。でも、メンメンが選んだパートナーは器用な子なんです。少なくとも、ひとりの努力で解決できるような事態ならたいがい上手くこなせるタイプの子なんです。
 今度はらんが全力を尽くす番。

 「すごいメン! ヤムヤムは麺のエンターテイナーメン!」
 「メンメンは豊かに包みこむまろやかスープだよ!」

 言わんとしていることはわかるけど、急に何言いだすの。

 “協力する”というと、みんなで集まってひとつのことに取り組むイメージが強いですが、今回のように手分けしてそれぞれにがんばるというのももちろん“協力”にあたります。
 そしてこの場合でもひとりでがんばるより高いパフォーマンスを発揮できるものですよ、というのが今話のお話の趣旨ですね。

 キュアヤムヤムは“おいしい”の独り占めを許さないプリキュアです。
 らんはこれまでもキュアスタなどを活用して、自分が見つけたおいしいごはんの情報をたくさんの人向けに発信してきました。
 でも、それだけでいいのでしょうか? らんひとりががんばっていればこの世に“おいしい”の独り占めは起きなくなるものなんでしょうか?
 そんなわけはありません。おいしーなタウンの人々はみんな食べ歩きが大好きで、らん以外にも日々新しくおいしいごはんを発見する人たちがたくさんいるはずです。彼らからの協力を得ずして、らんの願いははたして達成できるものでしょうか?

 きっとそういうことなんでしょうね。当初は『キラキラプリキュアアラモード』の有栖川ひまりのようにオタク気質を突き詰めていく流れかと思われたこの子が、むしろ『ドキドキ!プリキュア』の相田マナに似てきたのは。

 らんの願いは自分ひとりだけの努力ではけっして達成されることがありません。
 周りにいるみんなの協力が不可欠で、らんは今、その協力を得るやりかたを学んでいる最中です。

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    コメント

    1. 亀ちゃん より:

      今日はうどんのレシピッピが迷子になって、みんなで頑張って草の根分けながら探し求める話でした
      らんらんがデリシャスパーティプリキュアのあまねに対して「あまねん。こっち、こっち」と言い放ったのはシックリ着ました!!☆☆♬
      2年連続となる女児向けプリキュアの感慨深さで、プリキュア的にも感慨深さが続きました!!☆☆♬
      芙羽 ここねがいないいないばぁ~と繰り出すと、パムパムが「顔が怖いパム」というセリフもシックリ着ました!!
      数パーセントプリキュア的に感慨深いセリフでした!!☆☆♬
      さらにメンメンが「らんちゃんの分まで頑張るって」というセリフにもシックリ着ました!!☆☆♬
      フレッシュプリキュアでは美希タンが絶対に受かるオーディションを受ける第9話にて、ラブ(キュアピーチ)はミユキさんに対して「アタシ達。美希(タン)の分まで」と言い始めるとブッキーも揃って「頑張ります!!☆☆♬」と公言する話がありました
      それに私は現職の会社の勤務時間外(休憩時間など)では、ご当地高校野球の応援や、一人で遠出しながら楽しむ際は、「私の現職の会社のメンバーの分まで」としょっちゅう使い込みますね
      だから女児向けプリキュア的には13年ぶりとなる感慨深さで、私の経験談的にも感慨深いセリフでした!!☆☆♬
      で、キュアヤムヤムやメンメンに対して「メンメン。大丈夫?」と安否確認するセリフもシックリ着ました!!☆☆♬
      また女児向けプリキュア的にも総合プリキュア的にも感慨深さが続きましたね!!☆☆♬
      もちろんこれはいとこのお姉さんの次女にも直接感想を送る際、ありのままにいとこのお姉さんのスマホに向けて、LINEを発信出来る内容でした!!☆☆♬
      で、私のお母様は前半だけは視て、2回面白いと口にしました!!☆☆♬
      しかも2回目の時は笑い終えてから面白いと口にしました!!☆☆♬
      で、次回は本編が終わってからトイレに行くと、また視ることが出来ませんでしたが、今度は動画サイトでチェックしようとハラに決めます

      >で、我が子もいなければ甥っ子・姪っ子もいない男である大の大人がプリキュアの店で欲しい物は
      クールタオルの他に、バスタオル(大人向け),キラキラプリキュアウォッチ,ティッシュ,びっくらたまご,ガマ口型のサイフですね
      CDやDVDなら買う大人も多いはずです
      来年のエープリルフールに行った時は、該当商品が1つでも多くあって欲しいものです

      >で、プリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談は
      今秋の東北地区大会は山形県開催で、秋田県の能代松陽が春休みに開催される甲子園に来年初出場して欲しい気持ちが大有りでした!!☆☆♬
      だから岡山から今秋の東北地区大会の決勝では、仙台育英(宮城県2位)を応援したカイが大きめにありました!!☆☆♬
      仙台育英は2015年の春休みに開催された甲子園の2回戦でも木更津総合(千葉県)に引き続き、アルプスで赤のメガホンを使いながら応援したチームでした!!☆☆♫
      で、今秋の東北地区大会では仙台育英が東北高校(宮城県1位)にリベンジして、優勝し、神宮再出場も遂げて、素直にうれしいです!!☆☆♬
      仙台育英には今年の神宮では聖光学院(福島県)に応援されることをパワーに換えながら、これまで通り全国大会における勝利を目指して頑張って欲しいですね
      一方、能代松陽は来年に向けて、春休みに開催される甲子園初出場する時の応援を、応援団の皆様が頑張り放題で本当に良いですよ!!☆☆♬

      • 疲ぃ より:

         すっごいどうでもいい話ですが、そういえば『フレッシュプリキュア』ってあだ名に“~たん”使ってたんでしたね。当時ついにここまで伝播してきたかと震えた覚えがあります。オタク界隈で“~たん”が流行ったのは2000年代最初期でしたかね? 『青い海のトリスティア』あたりでも物珍しい呼び方として取り上げられてましたし。

         らんとメンメンの相棒感、いいですよね。パムパムのここねシンパっぷりもあれはあれで大好きなんですが。

    2. ピンク より:

      3人寄ればもんじゃが美味しいとはよく言ったものです。

      レシピッピ、まさかのああいう誰も悪くない事故が起きるときは起きると……クッキングダムにあった屋内プールみたいな施設が、今になってめちゃくちゃ重要な場所に思えてきました。
      料理の味が落ちたり記憶が消えたりする現象、ある程度はブンドル団側が企むまでもなく勝手に発生するのかもです。
      ちょうど「料理を独り占めしたい」「誰かと分け合う必要性が無い」というゴーダッツやセクレトルーの思惑に合致するから利用してるんでしょうか。

      そういえば、プリキュアとクックファイターが被害から自動的に守られるのは、記憶に関する部分だけのようでした。
      食べ物自体に被害が出る場合はもれなく影響を受けてますし(スピリットルー出撃回が顕著)、ナルシストルー出撃回は基本的にその料理に思い出があるゲストキャラを出しています。どのみちハートキュアウォッチで警告音鳴りますし。
      らんらんに限らずプリキュアが美味しいものの独り占めをしないよう、スタッフさんも色々知恵を重ねてるみたいですね。

      • 疲ぃ より:

         もんじゃ焼きを食べるのは楽しいですからね。あれはたしかに独りで食べるものじゃない。(お酒があれば別)

         プリキュアの場合、レシピッピとかプリキュアの力とかあのへんの設定は割とフレキシブルというか、描きたいテーマありきでいくらでも変化するものなので意識しすぎるとアレがアレです。
         おっしゃるとおり、諸々の設定が生えた結果どういう展開になったか、という部分に注目したほうが意図がつかみやすい気がしますね。全ての麺類がふやけるとか現実に起きたらすげーイヤな現象ですけど、ブンドル団が起こす事象と違ってそれそのものには物語としてのメッセージ性を感じないっていう。

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