謎解き戦士!ガリベンガーV 第2回感想 腸活の決定版、便移植。

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ガリベンガー

電脳少女シロ

「5歳だよ!」

所属プロダクション:どっとライブ

番組出演回数:レギュラー

鷹嶺ルイ

「一番大好きな食べものなんでぬか床あります」

所属:ホロライブ

番組出演回数::1回目(再放送・前後編等除く)

黄花はてな

「私の希望は100パーセン――、え?」

所属プロダクション:テレビ朝日

番組出演回数::2回目(再放送・前後編等除く)

菊池桃子

「そうなんだ! よし! おうちでつくってます」

女優(『人生の楽園』ナレーション)

番組出演回数:2回目(再放送・前後編等除く)

石原良純

「小峠さんは・・・、じゃがいも?」

俳優,気象予報士

番組出演回数:1回目(再放送・前後編等除く)

特別講師&教官

新藏礼子

東京大学 定量生命科学研究所 教授(医学博士)

直近の科研費研究課題:選択的IgAクラススイッチ誘導によるアレルギー治療

番組出演回数:1回目(再放送・前後編等除く)

小峠英二

お笑いコンビ バイきんぐ のツッコミ担当

番組出演回数:レギュラー

知っているようで知らない腸の謎

第1章 腸と免疫の深~い関係

 「腸の管のなか。これは体の中でしょうか、外でしょうか?」

 こう聞かれるということは外だろうなと察しがつくでしょうが、もちろん正解は外です。
 この場合の中か外かというのは、自身の体物質以外の物質に触れることがあるかどうかで定義されます。吸った空気、食べたもの、飲んだものなどですね。だから腸だけでなく、口腔や胃、肺なども外と見なすことができます。
 (結果的にではありますが)皮膚もしくは粘膜で覆われている部分が外だという見かたもできるでしょう。それらの組織は外界から身を守るためにあるので。

 そもそも地球上の動物はほとんど全てが管状の体を持っている、という話は以前の授業でも何度か出てきたことがありましたね。ウチのブログで記事にしているかはちょっと覚えてないですが。
 動物の体はまず口と肛門からつくられます。体外物質を取り込み、栄養分だけを吸収して残りを排出するというのが動物の生命活動の根幹。動物というのは最低限摂餌のためにだけは外界と関わらなければ生きていけないわけです。
 人間の場合、口から取り入れた食物はまず2~3時間ほどかけて胃で消化され、次いで5~8時間ほどかけて小腸で水分と栄養分の大部分を吸収、その後15~20時間ほどかけて大腸で残りの水分を吸収します。人体の免疫細胞のうち60%以上が腸に集中している理由がわかりますね。

 「どうなんです? あんたたちは便秘みたいなのはあるんですか?」

 やや余談気味になりますが、便秘の原因は主に3つです。ひとつはこの授業のテーマでもある腸内環境の乱れ。ひとつはダイエットなど極端な食生活によりそもそも出るものが溜まっていないパターン。そして最後のひとつは腹圧不足、つまり腹筋の衰えです。一般に男性のほうが食生活に無頓着そうなものなのに女性より便秘になりにくいのは、腹筋の強さでふり絞っているからだったりします。
 鷹嶺ルイは便秘がちだとのことですが、ぬか漬けやらを常食していてそれなら腹筋の問題である可能性が高いですね。とはいえ歌やダンスを伴う仕事をしていて腹筋が鍛えてられていないというのもずいぶん珍しい話ではありますが。

第2章 善玉菌と悪玉菌って何?

 「お花畑のように色々なお花、色々な菌が住みついてる場所。腸内フローラっていうふうに」

 人間の腸には様々な菌が住んでいて、腸内フローラ(花畑)と呼ばれるコロニーを形成しています。番組に出てきた花畑のイメージ画像を見てください。普通、花畑は品種ごとに分けられて植えらるものですよね。それと同じように、腸内細菌も種ごとにきれいに別れてコロニーを形成しているんです。だから花畑に喩えられているわけですね。

 さて、そうして腸内に住みついている菌はその性質から善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分けて語られます。
 ただし、あんまり厳密に考えないほうがいいです。先生がいうように腸内細菌の働きにはまだまだわかっていない部分が多く、今は悪玉菌とみなされている菌種も5年後10年後には有益な働きが見つかる可能性が充分ありえます。
 日和見菌も、善玉菌・悪玉菌いずれかが優勢になるとそちらに味方する傾向があるということでこう呼ばれているのですが、普段全く働いていないのかというとやはりそこらへんはまだよくわかっていなかったりします。

 「まあすっごく役に立つやつがいて、コイツ絶対悪いよねってやつもまあまあわかってるし、あとなんかぼけーっとなんだかよくわかんないなコイツってやつもいて、その割合としてはどういうもんなんですか?」

 石原良純の質問に対して、先生は「善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割くらいがちょうどいいとwebにはよく書いてある」という微妙な表現をしていました。実際のところ食習慣だったり単純な個人差だったり、あるいは人種や地域風土なんかでも異なる傾向が出ているので、これに関しては一概にこれが正しいといえるものはありません。
 また、善玉菌・悪玉菌なんて表現をしてはいますが、腸内では日和見菌も合わせて相互に影響しあい複雑な関係性を築いているため、安易に善玉菌だけ増やすという考えかたも少々危険。あくまでバランスを保つことが重要だといえるでしょう。

 「良純さんは石原家の悪玉菌ですよね」
 「それはまだわからないな」

 ちょうど喩えとして秀逸なやりとりがありましたが、つまりそんな感じなんです。

第3章 善玉菌って増やせるの?

 第2章ではとりあえず腸内細菌のバランスを保つことが大事という話になっていましたが、実は加齢とともに、善玉菌のひとつであるビフィズス菌の勢力割合が減っていくというデータがあります。
 実際問題高齢者ほど便通が不順になったり体調を崩しがちだったりするので、これは自然状態ですでにバランスを崩している状態にあると考えるべきでしょう。
 というわけで、こういった場合に今流行りの腸活なんてものをやる必要が出てくるわけですね。

 「だけども安心してください。善玉菌を増やす努力はできます」

 基本的にはビフィズス菌が好む食事を取り入れることですね。ビフィズス菌は乳酸菌の一種なので、水溶性食物繊維と発酵乳を好むといわれます。
 なお、番組では食事として発酵食品から直接善玉菌を摂取するのがいいと語られていましたが、これは明確に誤りです。発酵食品に含まれる乳酸菌は胃液で死滅するので腸まで届きません。そもそもぬか漬けはともかく味噌や納豆は乳酸発酵ですらありません。
 ただし、現実に腸内環境が改善された例は枚挙に暇がないので、食べても無意味というわけではありません。ヨーグルトやぬか漬けなどの乳酸発酵食品には多数の乳酸菌が住んでいる=乳酸菌にとって都合のいい環境だということなので、食品内の乳酸菌自体は死んでしまったとしても、その食品自体が腸まで届けば腸内にいたビフィズス菌が数を増やしやすくなるという寸法です。

 最近ではシールド乳酸菌とかいって胃液に負けない乳酸菌を含んだ食品も販売されていますが、あれって実際のところどうなんでしょうね? 別に、普通のヨーグルトでもちゃんと整腸作用はあるわけですから、そこまで躍起になって乳酸菌そのものを腸へ送る意味が果たしてあるのかどうか。

 ちなみに先生のオススメはぬか漬けだそうです。乳酸発酵食品なうえ、野菜なので水溶性食物繊維も豊富ですね。

特別授業 進化し続ける! 腸活研究

 たまーに腸内フローラを壊滅させてしまったという症例があります。重い病気で抗生物質をたくさん摂取した場合であるとか、あとはニンニクを一度に食べ過ぎちゃったとか。
 こうなると腸活で菌を増やそうにも元になる菌がいないので再建が困難です。

 「あるものを移植して腸内細菌をよくしようって研究がされてますけど、何を移植すると思います?」

 「お婆ちゃんを腸の中に入れます」

 ようやくガリベンガーVらしくなってきたな!
 でも真面目に考えると高齢者こそ腸内フローラが乱れがちなので、実際試したところであんまり効果ないかもしれません。どうやって試すかはさておき。

 そして先生が用意していた答えは便移植。ウンチです。
 ガリベンガーVらしくなってきたな!

 聞いたことがある人も少なくないんじゃないかと思います。
 実際、多くの動物は母乳から母親の持つ体内菌を受け継ぐということをよくやっていますし、コアラなんかそのままズバリ食オホホイ!によってユーカリを分解できる菌を腸に棲まわせるなんてことをやっています。他人の持っている菌を体内に移植するという発想はきわめて合理的なんです。
 もっとも、人間はコアラと違って食オホホイ!できる体のつくりになっていません(※ 免疫系が病原菌に負けてボロボロになる)。そして、それはつまり腸に直接ウンチを移植した場合も予想外の健康被害が起こりうる可能性が高いということでもあります。

 将来的にウンチを移植できるようになるのは、そのあたりの課題が解決できるようになってからですね。

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