ゼルダの伝説 TotK 感想その1 強くなろう、という最高にわかりやすい動機づけ。

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聖なる光の満ちた空間ならその手に力を取り戻すことができるはずだが――。そうだ、この島にある祠を周ってみてはどうだろう。きっと力を取り戻せるはずだ。

ラウル

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

きょうのできごと

ゼルダをさがして

出会った人:ラウル

目標

 行方不明になったゼルダ姫を見つける。

課題

 ハイリア城の地下からあふれ出る瘴気の調査を行っていたリンクとゼルダ姫は、そこで先史文明ゾナウの遺跡と、緑色に輝く腕に押さえこまれた黒いミイラを発見した。瘴気の発生源はこのミイラらしい。
 突然動きだしたミイラに襲われ、リンクはマスターソードと己の右腕を腐食されてしまう。さらに足元の床が崩れ、ゼルダ姫は奈落の底へ。懸命に手を差しのばすも朽ち果てたリンクの右腕では彼女の手を掴むことすら叶わず、離ればなれになってしまった。
 諸共落ちるところだったリンクは謎の緑色の腕によって引き上げられ、気がつくとひとりパンイチで天空の大地に立っていた。

 何が起きたのかわからず、勇者としての力は損なわれ、ゼルダ姫もいずこへか消えた。何をどうすれば何が解決できるのかすら不明な状況だが、とにかく為すべきことを為さなければならない。

解決

 リンクの朽ちた右腕は緑色の腕が代わりとなって補ってくれた。その緑色の腕の本来の持ち主であるというラウルの霊体に導かれ、リンクは破魔の祠の試練をいくつか突破する。そのたびに体の内の瘴気が少しずつ浄化され、失われた力が回復し、さらに新たな力を得た感触があった。
 導かれるままたどり着いた場所で、リンクは行方知れずとなったゼルダ姫の姿を垣間見る。ここではないどこか。今はまだ重ならない異空間。それでも、今度は彼女の手を握ることができた気がした。

 ゼルダ姫の所在はまだ見つからない。ただ、どこかにいるという事実だけは確かに感じられた。

たーのしー

 「リンク――。リンク。私をさがして――」

 おーけー、またそのパターンね。まかせて。

 私とリンクの、まるで危機感のない冒険がまた始まります。
 それにしてもこの勇者、なんだってまた全身ひん剥かれているんだろうか。フェチなの? 誰の?

 ゲームとしては前作に比べ、また一段と創造的なデザインになりました。

 ミラクルハンド・・・オブジェクトを宙に浮かべられるほか、自由に連結して橋や乗り物をDIYできる。
 スクラビルド・・・手持ち武器を組み合わせて強化できるほか、風を起こしたり火を吹いたりするアイテムを作成できる。
 トーレルーフ・・・天井がある空間ならいつでもどこでも上階へ上ることができる。
 モドレコ・・・指定したオブジェクトひとつだけ時間を巻き戻すことができる。
 ゾナウギア・・・扇風機や翼など、主に乗り物の材料になるそこそこ大きなオブジェクトを常時大量に持ち歩ける。

 よくこんなシステムを実装できたものです。
 特にミラクルハンドとモドレコ。あと地味にゾナウギア。登れない壁面があっても適当なゾナウギアを呼び出して連結するだけでハシゴになりますし、ゾナウギアをミラクルハンドで浮かせてから落とし、モドレコで逆再生すればリフト代わりにも使えます。ちょっとした難所くらいはショートカットし放題。
 また、モドレコはオブジェクトを“ひとつだけ”逆再生するので、歯車など相互に干渉しあうオブジェクトに使うと意外な挙動を示すことがあります。魔物相手に刻命館ごっことかできないかな?
 スクラビルドも強い。便利すぎるゾナウギアはさすがに祠で呼び出せないのですが、スクラビルドでつくった多種多様な道具は持ち込めちゃうので、今後せっかく用意された謎解き要素をいくつもぶち壊しにしてくれることでしょう。TRPGで有名な10フィートの棒を地で行くやつ。
 トーレルーフはよくもこんなものを実装する気になったものです。これがあるだけで城とか塔のてっぺんに重要イベントを配置できなくなるじゃないですか。シーケンス管理に恐ろしい手間がかかってそう。(まだ私の頭が追いついていないのでおとなしいですが)使いこなせばこれが一番猛威をふるうんじゃなかろうか。
 ・・・そりゃ当初DLCの予定だったゲームが完成まで5年もかかるわけだわ。

 画像はトーレルーフするのが正規ルートだったところ全然発想できなくて、翼のゾナウギアをリフトにしているところ。よくよく考えたら直接この方法でゴールまで行けばよかったっていう。

 制作側の手間がえらいことになっていそうなシステムの数々は、プレイヤーにとってはいくらでも悪だくみできちゃう格好のオモチャになることでしょう。私も小学生くらいの時期にこんなゲームを遊びたかった。
 頭が固くなった今だとどうやって攻略に役立てるかって発想になりがちですが、子どものころならこれらシステム自体をイジることが目的になって、自分なりの新しい遊びをいくつも思いつけたでしょうに。もしくは老後に脳トレ代わりにもう一度遊びたい。

 言い換えると、このゲームはプレイヤーにものすごく自由な発想力を要求してくるので、頭の固いオッサンオバサンにとってはそこそこ難易度の高いゲームになっています。

手をつなぐ

 「それが退魔の剣・・・。我が瘴気で砕ける程度の刃では役に立たぬ。――ゼルダ。退魔の剣を持つ者、リンク。ラウルの言う希望。この程度か・・・」

 ラウルの知りあいってことは後々協調関係になるんだろうなあ、このガノンドロフ。前作の厄災ガノンとはまた別の意志で行動していそう。

 まあそんなことはとりあえずどうでもいいとして。

 床が崩れ奈落へと落ちるとき、リンクはゼルダ姫の手を掴むことができませんでした。瘴気によって右手が朽ちてしまっていたから。
 ハイラル王国を救った英雄の、しかし、この力不足。弱いということがいかに残酷なことであるかをまざまざと見せつけられました。

 リンクが次にゼルダ姫の手を握ることができるのは、ラウルの右腕を装着し、さらにいくつかの試練を経てミラクルハンド他の新しい力を得てから。
 場所はよくわからない異空間。もしかしたら精神世界、あるいは妄想のうえでの出来事でしかないのかもしれません。私にもリンクにも今はまだ確かなことは何もわかりません。
 それでも、この借りものの右腕は、ゼルダ姫の差し伸べた手を握り返すことができたのです。

 前作と違い、ゼルダ姫が今どこにいるのかはわかりません。
 どうすれば探し出せるのかすら見当もつきません。
 ラウルやガノンドロフがリンクに何をさせようとしているのかもわかりません。

 わからないことだらけですが、唯一、リンクに力をつけさせることがゼルダ姫を見つけるための手段たりうるのだということだけは、この邂逅で確信します。

 一緒に強くなりましょう、リンク。
 大切なものに手を届かせられるようになるまで。

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