キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~ 第1話感想 変身したあとの私より。

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叶えたい夢があるってすごいことなんだよ。やりたいことを全力でがんばってる人は輝いてる。希望を捨てず、がんばりつづければ、きっと夢は叶う。私はそう思う。

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「ミライノカタチ」

大きな出来事

メインキャラクター:のぞみ

目標

 親の都合で転校することになったるみちゃんが大好きなダンスを続けられるようにする。

課題

 プリキュアとして戦っていた時代から十数年。のぞみはあのころの夢を叶え、小学校の教師になっていた。
 ある日、のぞみは教え子のるみが転校することになったことを知る。父親が事業に失敗してしまったそうだ。るみはダンス部の活動に熱心に取り組んでいたこともあり、無念そうにみえる。転校先の学校にダンス部は無い。

 のぞみはるみが転校しないで済むよう方々にかけあってみる。しかし、超常的な力を振るえていたプリキュアと違って大人の世界は世知辛く、のぞみにできることはほとんどなかった。

解決

 るみは自分のために力を尽くしてくれたのぞみに感謝し、転校先でも自力でダンス部をつくって活動を続けると約束してくれた。

 しかし、結局のところのぞみが何もしてあげられなかったことに変わりはない。のぞみは己の無力さを痛感することになった。
 今の自分にプリキュアみたいな力があったなら。そう思わずにはいられない。

ピックアップ

地球温暖化

 地球の年平均気温が上がりつづけること。現代の大人たちにとって最も身近な、最も解決が困難な課題。
 一番わかりやすく影響を観測することができるのは北極と南極の生態系への影響だが、地球全体の気温が変わるということは地球全体の気圧バランスが変わるということでもあり、すなわちこれまでになかった強風がこれまでになかった方向に吹く現象が発生する。これにより単純な気温の上昇だけに留まらない、様々な予測不能の異常気象が、地球各地で観測されると予想されている。
 災害で多くの人が死ぬだろう。天候不順で多くの作物が枯れるだろう。この地球規模の課題を解決できなければ、人類は早晩滅亡することになると考えられている。

 私たち現代の大人が全員死ぬまでの短い期間ではこの課題は完全に解決することはできない。私たちは近い将来この負債を次の世代に押しつけることになる。
 これをムリヤリにでも私たちの代で解決しようとするなら――、私たちはきっと、むしろ子どたちにこそ数多くの犠牲を強いることになるだろう。

 これはシンプルな方法論では解決不能な課題だ。化石燃料の使用をやめればいい? 電力の全てを再生可能エネルギーだけで賄えばいい? あるいは古い時代の生活様式に立ち返ればいい? そんなことをしたらなおさら、いったい何十億人の人類が死ぬことになるだろうか。
 科学と文明の発展は一昔前まではありえなかったほど多くの人類を養ってきた。私たちみんなの幸福を守ってくれた。子どもたちの日常を守るために今の文明水準は不可欠だ。
 地球温暖化は遅効性の毒かもしれない。しかし、科学と文明の放棄は即効性の毒だ。

 それを踏まえたうえで。さて、私たち大人は子どもたちの未来のためにいったい何をするべきだろうか?

ダークナイトライトちゃんねる

 なにやってるんすか、満さん薫さん。

 もとは『ふたりはプリキュアSplash Star』に登場したプリキュアの味方。全ての世界と命を滅ぼそうとするダークフォールの戦士として生まれながらも、人と交わるなかで命に対する慈しみの心を強くしていった。

Cafe & Bar Time

 『ふたりはプリキュアSplash Star』に登場したプリキュアのクラスメイト、健太と優子が切り盛りしている。どうやら無事に結ばれ、子どもも生まれたようだ。
 ただ、もともと飲食業に興味があった優子はともかく、健太は中学生当時コメディアンを目指していたはずだが・・・?

Beer

 原材料:麦芽、ホップ、米、スターチ。どうやら発泡酒などではない正真正銘のビールのようだ。子どもを私立学校に通わせているだけあって、事業が傾くまではそれなりに余裕がある生活だったものと思われる。

 パッケージデザインはキリン風でメーカーはカントリー、そして原材料表示はアサヒスーパードライという見事なゴチャ混ぜ感。なにせNHKは特定商品を想起させる表現を嫌うからね。

 もしかしたらタイトルコールの背景画像やアイキャッチでのジングルに感動した人が一番多かったかもしれない、オトナプリキュア’23の開幕です。

 のぞみ、ちゃんと学校の先生になれたんですね。専門書もたくさん読んでたくさん勉強して、児童たちに慕われる良い先生をやれているようです。
 (のぞみは自分の教え子のことを「生徒」と呼んでいますが、細かい話をすると小学校に通う子どもは学校教育法上「児童」と呼称されています)

 「のぞみ先生かっこいいー!」「スラスラと出てくるなんてさすがです!」
 「・・・今のは私の実力じゃありません。これは都合のいい夢ですね。――私の将来の夢は学校の先生になることです。夢を叶えるにはもっともっと勉強しなければなりません。こんなふうに本当に教壇に立てる日が来るようにがんばります! 楽しい夢をありがとう」

 「どうしてですか? 楽に夢が叶うならそれでいいじゃないですか」
 「ううん。夢は叶えばいいってものじゃないよ。だって、夢は“なりたい自分”になることだから。だから、自分の力でがんばらなきゃ!」
(『映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』)

 ほんと、あの日の誓いそのまま。
 昨今は担い手不足で教員として採用されるハードルは急激に低くなりました。私が採用試験を受けたときなんて(やる気がなくてほぼほぼ記念受験でしたが)倍率20倍近くあったのに、去年の倍率は2倍とか3倍とかですよ。これだと当時のろくすっぽ勉強してなかった私の成績でも余裕で合格圏内。・・・いや、面接が致命的にダメダメだったから今の水準でも足切りされるか?
 だけどそんな世情関係なしに、のぞみはちゃんと自分に必要な努力をして、ちゃんと“なりたい自分”になれたんですね。立派です。

 さて。子どものころなりたかった大人のイメージをほとんど叶えつつある今ののぞみが、それでもぶつかってしまう障害。
 大人の世界って世知辛いですね。教員の領分でできるかぎりのこと全部で足掻いてみても、家庭の事情ばかりはどうしようもありません。
 プリキュアだったころは目の前にわかりやすく敵がいました。パンチして、キックして、プリキュア・シューティング・スターすればみんなの夢を守ることができました。そういうシンプルな解決が、今はもう、できない。
 るみちゃんのお父さんが失職した事情に、どうやら新たな敵は関与していないようでした。

 キボウノチカラ。
 プリキュアとは夢の前借りです。
 子どものうちはできないことが多いから、将来ステキな大人になれた自分の力を夢現の狭間で借りて、行使する。プチ大人体験。そういうちょっとした奇跡。
 大人になったら今よりずっとできることが増えるはず。子ども心にそういう期待があるからこそ、プリキュアは強いんです。
 なのに、大人になってもできないことはできないというのでは興ざめです。夢も希望もありゃしない。

 これではプリキュアの危機です。かつてより根源的な。
 大人がなんでもできる存在であるからこそ、子どもが変身するプリキュアも超常的な力を持ちうる。大人たちが希望を語ったぶんだけ、子どもたちも夢を見ていられるんです。

夢見るため生まれた、翔べるよ、がんばる女の子

 「私・・・、もう踊れないんです。転校、するんだって。お父さんのお仕事がうまく行かなくて、田舎のお婆ちゃんの家に引っ越すことになったんです。・・・転校先にはダンス部がないから。――もう、いいんです。しょうがないですから」

 小学5年生が口にする諦めの言葉は、のぞみにとって到底見過ごせるものではありませんでした。

 「人の応援より、のぞみはどうなの? やりたいこと見つかったの? 先週、手芸部に入ったって言ってたよね。――『エヘ』じゃない! まったく、次から次へコロコロと」
「だって、見つからないんだもん。『これがやりたい!』ってものが」
(『Yes!プリキュア5』第1話)

 かつて、のぞみは自分の夢を持つことができない女の子でした。
 極度にぶきっちょで、要領が悪くて、何をやらせてもうまくできなかったから。友達のりんや、うらら、先輩のこまち、かれんと違って、のぞみには「これぞ」という自分だけの特技がありませんでした。もし何か、ひとつでも誇れる才能があったなら、それを頼りに夢見ることだってできたでしょうに。残念ながらひとつも得意なものがなかったから、のぞみはいつまでも自分の夢を持てずにいたのでした。

 「ココ。私ね、将来の夢を見つけたの。私、学校の先生になりたい。――前に『可能性は気球みたいに膨らむ』って教えてくれたよね。私、自分の可能性をうーんと膨らませるんだ! みんなとココにいろんなことを教わって、夢を叶えるための本当の勇気をもらったから、自分に自信を持つことができたの。だから、私もココみたいな先生になって、誰かの力になりたい」(『Yes!プリキュア5』第49話)

 だけど、夢ってそういうものじゃないってわかったから。
 プリキュアとしてたくさんの人たちの夢を守る日々のなかで、のぞみは学びました。“なれる”からなるんじゃない、“なりたい”からなるんだって。のぞみに足りなかったものは特技とか才能とか、そういうものじゃなくて、ただ自分の可能性を信じるための小さな勇気。
 周りのみんながまぶしく輝いて見えていたのは、夢を見ることのできる特別な才能を持っていたからではなく、ただ、みんな夢に向かって一生懸命がんばっていたから。
 全方位満遍なく不器用だったのぞみは当然のごとく勉強も苦手でしたが、それでも先生になろうと決めました。自分に向いているからではなく、ただ、憧れの職業だったから。

 「夢、諦めちゃうの? るみちゃん。叶えたい夢があるってすごいことなんだよ。やりたいことを全力でがんばってる人は輝いてる。希望を捨てず、がんばりつづければ、きっと夢は叶う。私はそう思う」

 のぞみは先生になりました。
 勉強は苦手だったけれど、たくさんたくさん勉強をして。本当になれるかわからなかったけれど、それでもがんばりつづけて。
 いつか大切な人に教えてもらった大切なことを、今度は自分が大切な教え子たちに伝えるんだって。そういう、あの人みたいな大人になりたくて。

 「先生が力になるから。一緒にがんばろう」

 プリキュアだったころ、のぞみはみんなの夢を守るために戦っていました。
 大人になった今、子どもだったころよりもいくらかできることが増えた今、やるべきことはひとつです。

 「片桐さんの夢はダンスの大会で優勝することです。我が校のダンス部を盛り上げるためにも、その夢を学校を挙げて応援するのはいかがでしょうか」

 「私立の小学校に通う生徒の支援制度はある。失業された人を支える制度はある。方法はある。親御さんだってるみちゃんの夢を叶えるために受験してうちの学校を選んでくれたはずだから。解決方法を提案すれば、きっと思い直してくれるはず・・・!」

 戦うんだ。

 もうプリキュアじゃなかったとしても。敵がナイトメアやエターナルじゃなかったとしても。
 誰かの夢を守るため、戦うべき瞬間はなくならない。

ほら。朝露をほほえみに変えて咲くのよ、バラは

 「では、夢原先生。君が生徒の学費を払うというのですか? 無理でしょう。理想を追うのもいいですが、君も子どもじゃないんだから現実を見なさい」

 「じゃあアンタ、俺の会社を助けてくれるのか? 借金を返してくれるのか? 取引先を見つけてくれるのか? ええ!? できないくせに偉そうなことを言うな!! 放っておいてくれ!」

 「諦めない、負けない」がプリキュアの合言葉。
 プリキュアはどんな強敵にもけっして負けることがありませんでした。
 諦めずに最後まで食い下がったからです。負けなければ、勝つ。あのころの世界はシンプルでした。

 「プリキュア――。プリキュアだったときって、できないことなんてないと思ってた。がんばればどんなことだってできるし、不可能はない。・・・そう、信じてたな」
 「まあ、めちゃめちゃ大変だったけど、たしかにね。あのときは子どもだったし」
 「プリキュアなら、るみちゃんのことなんとかできたのかなあ?」

 無いものねだりは子どもの特権。子どもの力じゃどうにもできないことがあるからプリキュアがいるんです。奇跡を起こしてまで、子どもには持ちえない超常的な力を行使してみせるんです。
 代わりに大人はぼんやりと空想します。現実にはなんの力も持ちえぬ空虚。大人は奇跡を信じません。

 プリキュアなら――、るみちゃんを助けてあげることができたでしょうか?
 どうやって? 倒すべき敵もいないのに。
 プリキュアに学費を払うことはできません。プリキュアは会社を建て直すことができません。
 だけど、きっとどうにかして、どういうかたちでかはわからないけど、助けてあげられたように思う。
 だってほら、プリキュアは「諦めない、負けない」から。

 「・・・がんばったんだけど、何も変えられなかったよ」

 大人になってしまった今の自分とは、違う。

 プリキュア・メタモルフォーゼ。
 いっそ自分ではない誰かに変身できてしまえればいいのに。
 それがどんな姿であれ、何もできなかった今の自分よりは、きっと、マシだから。

 のぞみは――、あのときどうして自分が蝶に選ばれたのか覚えているでしょうか。
 恐るべき怪物を前に、自分が何を思い、何のためにプリキュアの力を必要としたのか覚えているでしょうか?

 「ごめん・・・。ごめん、るみちゃん。私、力になるって言ったのに何もできなかった・・・!」

 情けないほどに無力な今の自分。

 そんなカッコ悪い大人の泣き顔を見て、なのにるみちゃんは呆れた様子もなく、こう宣言します。

 「先生。私、ダンス続ける。学校にダンス部がないなら私がつくるよ。先生教えてくれたでしょ、『希望を捨てずにがんばりつづければ、きっと夢は叶う』って。ありがとう、のぞみ先生!」

 これがプリキュアなら、きっとるみちゃんを助けてあげられたでしょう。
 たとえばそう、こういうふうにして。

 プリキュアに学費を払うことはできません。プリキュアは会社を建て直すことができません。プリキュアの超常の力を使ってできることといえば怪物をやっつけることくらい。
 根本的には子どもです。プリキュアの力があったとてできることはそう多くありません。
 だから、それでもプリキュアがるみちゃんを助けてあげられたとしたら、きっとこういうふうにして助けてあげたことでしょう。

 励まして。
 勇気づけて。
 前向きな気持ちにさせて。
 こういうふうにして。

 かつてのぞみはプリキュアでした。
 プリキュアとは夢の前借りです。子どものうちはできないことが多いから、将来ステキな大人になれた自分の力を夢現の狭間で借りて、行使する、子どもだけが使えるちょっとした奇跡。
 そして今、のぞみはステキな大人になっていました。

 「るみちゃん、また会おう」
 「・・・また会える?」
 「会えるよ。私、会いに行くから! それまでもっともっとがんばって、いい先生になる!」
 「もういい先生だと思うけど?」
 「もっとだよ! もっと、もーっと! 頼れる先生になりたいの!」

 もしここにプリキュアだったころののぞみがいたとしても、るみちゃんのためにしてあげられたことは今とそう大きく変わらないでしょう。プリキュアが戦う以外でできることなんて、励ましたり、勇気づけたり、前向きな気持ちにしてあげたりすることくらい。
 のぞみはどうやら自覚していないようですが、彼女の心は今もプリキュアのまま。いいえ。むしろ大人になった今こそがプリキュアとしての完成形なのかもしれません。

 のぞみはもうひとつ自覚していません。
 彼女は昔より欲ばりになりました。
 プリキュアだったころの彼女なら、るみちゃんが笑顔を取り戻した時点で満足していたはずです。大人になったからこそ、まだ何かしてあげたい、もっと幸せになってほしい、そう願うようになっているんです。
 昔よりもたくさんの願いを叶えようとしている。だからつまづく。これまで届かなかった限界にもぶち当たる。

 だけど、そう。彼女が本気で願うのなら、その思いはいつか必ず叶うのでしょう。
 プリキュアは昔から「諦めない、負けない」ものなんですから。

 「世界は今きらめくよ。私がそう決めたから」(OPテーマ『ときめき』)

 大人になったプリキュアたちの物語の始まりです。

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    コメント

    1. ピンク より:

      やはり大人の世界の世知辛さマシマシながら、そのまま日曜朝のシリーズに出しても案外違和感なくいけそうな塩梅。
      おタカさんやココなら、片桐さん親子にどう接したんでしょうか。

      正直『水無月家に助けてもらう』という手段が一瞬浮かびましたが、まあお互いにそんな義理無いですよね……。
      それはさておき、のぞみ以上に非力な立場ながら希望を捨てなかったるみちゃんはえらいです。そのきっかけを与えたのぞみ先生も充分立派でした。

      • 疲ぃ より:

         たしかに。当時の大人キャラが今作に出てきたらどういう活躍をするんでしょう?
         プリキュアシリーズの大人がやたら問題解決能力が高いのはストーリーが子ども視点で描かれているからこそですし。年上なぶん、のぞみよりもう少しうまく立ちまわってくれそうですが、当時と違って完全な解決には至らないような気もします。
         そういう意味でも今後出てくるであろうココとナッツがどういう役回りになっているのか楽しみですね。よっぽどのことがなければ王様になってるはずで、少なくとも落ちぶれている姿は想像できないですし。

         るみちゃん、今後の展開次第ではプリキュアにもなりそうなくらい強い子ですよね。

    2. ユキ より:

      のぞみが壁にぶち当たっても諦めずなんとかしようとする姿を見て、「いつものプリキュア」の延長線上の話だなとなりました。

      • 疲ぃ より:

         想像していたよりだいぶプリキュアらしいストーリーでしたね。
         のぞみの理想通りにはいかなかったとはいえ、ちゃんと夢や希望を信じる思いの力で現実を変えることができましたし。
         大人向けなのは間違いないですが、これなら小学生くらいからの幅広い年代が楽しめそうだと思いました。

    3. 東堂伊豆守 より:

      夢原のぞみの変身アイテムは何故消失したのか?
      それはたぶん、変身している時だけ戦っていれば済んだコドモプリキュアと違って、誰かの夢(=未来)を守るためにフルタイム戦わねばならない常在戦場の存在=「オトナ」になったから、なんでしょうね。
      変身している時だけ戦っていればいい、スーパーパワーが有効に作用する相手とだけ戦っていればいいコドモプリキュアは、あえて言えば所詮プリキュア“ごっこ”で――――大切な人の未来を奪う脅威が現れたならば、何時だろうと相手が何者だろうと戦わねばならない「オトナ」こそ“本物の”プリキュア――――と、東堂いづみは主張したいのかもしれません。
      オトナプリキュア・夢原のぞみが、プリキュア20年の歴史で初めて黒星発進を強いられたのも、彼女が変身出来なくなって弱体化したからではなく、コドモプリキュア時代とは比べ物にならぬ程困難な戦いに身を投じているからで……そういう厳しい“本物の”戦いを是非一度「プリキュア」にさせてみたい。プリキュアが“本物の”戦士であることを実証したい。そして……そういう“本物の”戦いに赴く世のオトナ達は皆「プリキュア」だと伝えたい――――東堂いづみのそういう願いが、変身アイテム=「スポンサー様から提供された商品」で戦うプリキュアが負ける脚本を書くことは許されない(一方で新商品投入直前には負けなければならない)(さらにスポンサー様の商品に頼らずに勝つことも許されない)という“オトナの”事情を背負う民放ではなく、皆様の受信料で成り立っている日本放送協会を「オトナプリキュア」の戦場に選んだ理由、なのかも。
      ま、次回以降のぞみ達が変身して戦うことになるかもしれんのであまり迂闊な事は言えんのですが……たぶん“夢オチ”みたいな形で超絶作画の変身バンクが登場する程度じゃないんかなぁ、たぶん。

      • 疲ぃ より:

         OPとEDでのキュアドリームの扱いからして、そんなしょっちゅう登場することはないし、まして今の年齢で変身することもないと予想はしているのですが、はてさて。

         子どものころ夢を守るための戦いに勝って、自分の夢もしっかり叶えて、そこまでしてみせた子が大人になってから弱体化してしまうとかあるわけないじゃんね。子どもより大人のほうがすごいと信じられるからこそ、将来の可能性を夢見る価値が出てくるんですから。
         どんどんステップアップしていけ、どんどん高望みしていけ、夢原のぞみ。

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