クレヨンしんちゃん 第1233話感想 しんちゃんもプリキュア。

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プリッと参上! プリッとお解決! キュアオシリィ! どうぞ、お見シリおきを。

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異文化コラボ

 「うーん・・・。でもあの遊びかたがちょっと変かも。よし! 正しい遊びを教えてあげよう!」

 今回エピソードのストーリーは実質的にいろはが主人公。
 『クレヨンしんちゃん』は野原しんのすけのキャラクター性がかなり強固に安定しているので、しんちゃんが物語の中心にいること自体は間違いないものの、主人公というより対役(主人公の心情変化を促す重要キャラ)と呼ぶべき役どころになっていることが元々多いアニメです。『ドラえもん』の主人公がのび太であるのと似ていますね。

 いろはは歴代プリキュアのなかで比較的頭が固いキャラクター。
 『スタートゥインクルプリキュア』の羽衣ララのように常識に囚われすぎることが物語上重要なキャラクターというわけではないので普段はそこまで強調された描写をされるわけではありませんが、初登場時から自分の常識の範囲外の出来事に適応するまで少し時間がかかる子でした。パートナーのこむぎがそもそも人間の常識を知らない(犬なので)ことの対比として機能しています。
 いろはならまあ、しんのすけの奇行ひとつひとつにツッコミを入れたくなるでしょうね。

 「ねえ、君。それそうやって遊ぶんじゃないよ」

 いろは的には親切心のつもり。

 今日、しんちゃんはシロと一緒にフリスビーで遊んでいました。
 器用にお尻に挟んだフリスビーを投げて、シロに投げ返してもらったフリスビーをまたお尻で受け止める遊びでした。
 この体勢からフリスビーを横回転で投げるとかつくづくしんちゃんの身体能力どうなってんだと感心させられますね。犬なのにフリスビーを拾ってくるんじゃなく、当たり前のように受け止めて投げ返しているシロも大概ですが。まあ、今さらですね。

 普段から『クレヨンしんちゃん』を観ている子どもたちにしてみれば完全に見慣れたいつもの日常。
 視聴者にしてみればこの時点でいろはのほうがおかしいことを言っているように感じるはずです。

 いいですね。とてもわかりやすい仕掛けです。

 「おお! 犬が喋った! すごーい! もしかして英語も話せる?」
 「わ、わんだふる・・・」
 「おお」
 「あれ? あっさり受け入れてくれた? ま、いっか」

 少し頭が固い印象のいろはに対して、しんちゃんは徹底して柔軟なキャラクターとして描かれます。

 つまるところ今話は思い込みに囚われず自由な考えかたをしよう、という物語です。

 プリキュアシリーズのほうでも毎年色々と取り組んでいることですね。今回、キュアオシリィとキュアワタアメという2人の男性プリキュアが誕生したわけですが、プリキュア側の視聴者としてもそのことに今さら違和感を持つ人は少ないでしょう。去年の『ひろがるスカイ!プリキュア』キュアウィングや、『HUGっと!プリキュア』のキュアアンフィニなど、もはやプリキュアも男性というだけでは型破りと感じなくなってきました。
 私もどっちかというとキュアオシリィのおへそが見えることのほうが珍しいなあと思ったくらいでした。

 『クレヨンしんちゃん』も言わずもがなしんちゃんの常識に囚われないイタズラや悪ふざけを楽しむアニメ。コラボレーションするにあたって両者の共通項を探ったとき、第一に考えられたのがこの部分だったということなんでしょうね。

 ちなみに、あまり知られていないことかもしれませんが、シロはオスです。しかもかなり惚れっぽい子。こむぎと出会ったとき顔を赤くしていたのはそういう理由だったりします。

思い込みの外

 「ガタガタを倒すゾ! アクションビーム!! ――出ない!?」
 「キュアオシリィ。ビームは出ないの。ていうか倒しちゃダメ。ガルガルだってほんとはいい子なんだよ。元の姿に戻る方法があるはず」

 基本的には考えかたが柔軟なしんちゃんですが、唯一、ガルガルをやっつけずに元に戻すという発想は自力で思い至らなかったようですね。まあ、こむぎやいろはと違ってガルガルの様子を観察する機会がなかったので当たり前なんですが。

 そもそもしんちゃんにとって変身ヒーローといえばアクション仮面です。普通にパンチ,キック,アクションビームで悪の組織の怪物たちを倒す、仮面ライダー的な特撮ヒーロー。
 何気にキュアオシリィの変身シーンのBGMも「アクション仮面の唄」でしたね。あーくしょーんーかーめーんー、せいぎのかーめーんー。ゴーゴーゴー、レッツゴー。懐かしい・・・。
 そういうヒーローに憧れているしんちゃんにとって、怪物をやっつけない『わんだふるぷりきゅあ!』のヒーロー像はどれほど「思ってたのと違う!」ことだったでしょうか。
 いかに嵐を呼ぶ園児といえど、全ての方面で完璧に破天荒でありつづけられるわけではないってことです。それでもすぐ適応できるあたり、やっぱりしんちゃんはすごいんですけど。

 「ワタアメ! プリキュアは飛べないの!?」
 「飛べないんじゃ・・・?」

 飛べません。
 少なくとも、『わんだふるぷりきゅあ!』のプリキュアたちは残念ながら飛ぶことができません。

 賢いシロはどこかでそのあたりの“常識”を察したらしく、飛べないだろうと予想を立てます。

 まあ、実際には飛べるわけですが。

 シロって昔からそういうところあるよね。
 何でもできる便利キャラのくせに、自分の可能性を自分自身が把握してないというか。思い込みで自分には限界があると思っていることが多々あって、試しにやってみたら案外壁を越えられたパターンが昔からちょいちょいあった記憶があります。

 ギャグ描写とはいえ私もびっくりしました。今年のプリキュアが空を飛べるなんて可能性、考えもしていませんでした。
 やっぱり『クレヨンしんちゃん』っていいなあ。どこかで絶対に意表を突いてくるもん。しんちゃんやシロに驚かされるたび、自分もまだまだ常識に囚われている部分があるんだなって実感させられます。

 ガルガルとのバトル自体はしんちゃんの熱いキッスで無事解決。
 こむぎといろはもちょっと前までハグで浄化していたので妥当な解決ですね。まあ、ガルガルの正体であるぶりぶりざえもんがゲンナリしていたのは“らしい”オチだったけれど。

 最初から最後まで『クレヨンしんちゃん』と『わんだふるぷりきゅあ!』らしさがうまく融合された良いコラボでした。

 「しんちゃん、シロちゃん。さっきは遊びかたが変なんて言ってごめんね。あなたたちにはあなたたちなりの絆があるんだってよくわかったよ」

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