おお、アン! ママを許しておくれ・・・。
エルフの女王
冒険の書3
商人マソホ記す。
「信頼」という言葉について考える。
ノアニール村に眠りの呪いがかけられたのは、村人の男がエルフのお姫様と駆け落ちしたせい、とのこと。
エルフの女王様はお姫様が騙されているんじゃないかと疑って、報復のつもりであんなことをしたみたい。
でも、駆け落ちしたふたりは実際のところ地底湖に身投げしていた。
私だったらきっとそんなことしない。
結婚を認めてほしい人に認めてもらえないなら、たぶん結婚自体諦めちゃう。これは私が燃えるような恋をまだ知らないだけかもしれないけど・・・。
恋人とお母さん、大切な人2人を天秤にかけることになったら、そうやって葛藤する気持ち自体が萎えちゃうんじゃないかな。
自分が嫌になってきた。
話を戻そう。
エルフの女王様は、お姫様がゆめみるルビーを持ち去ったまま何日も帰って来ないから、娘は男に騙されているんだと確信した。
ノアニール村に住む男の母親は、息子が駆け落ちしたことを知ったうえで、帰ってきたら迎え入れてやるつもりだった。でも眠りにつくまでにふたりが帰ってくることはなかった。
時系列として、駆け落ち→受水→眠りの呪いの順番だ。
駆け落ちしたふたりはその足でまっすぐ地底湖へ向かったんだ。最初から死ぬつもりで。
一旦距離を置いて、落ちついたころにもう一度説得に行ってみようとか、そういうことは微塵も思わずに。
女王様はお姫様の恋人のことを最初から信じるつもりがなくて、そしてお姫様もお姫様でこれ以上女王様が説得を聞いてくれると信じられなかったから、こうなった。
お互い大切に思いあっていた親子だからこそ、その間にあったはずの信頼が壊れて悲劇に変わっちゃった。
・・・私、このままでいいのかな?
ルイーダさんの酒場でヒイロに「どうして着いてくるの?」って聞かれたとき、つい「商売のためだよ」ってとっさに答えちゃった。だって私、戦士としてはヒイロやシュアン先生たちみたいに強くないから。「ヒイロの旅を手伝いたいんだ」なんて言っても変に思われちゃう。
ロマリアで「まだ着いてくるの?」って聞かれて正直傷ついた。でも、どう考えたって全部私が悪い。
ヒイロに、いつか旅の仲間として信頼してほしいなって思う。
でもその裏で、信頼されることが怖いって思う自分もいる。
だって、私にはヒイロに対等な仲間として向けてもらえる信頼に応えられるような実力なんてきっとないから。
ヒイロに失望したって思われてしまうかもしれないことが、すごく怖いんだ。
私はいつも中途半端だ。
冒険の書4
魔法使いソーリョク記す。
イシス地方は装甲の硬い魔物が多いようだ。不謹慎な言いまわしになるが、やっと私も勇者の旅に貢献できた気がする。
勇者一行は優秀な者ばかりだ。アリアハン一の剣術師範シュアン氏の武名は前々から伺っていたが、その弟子のヒイロとマソホの剣閃の鋭さには舌を巻くばかりだ。剣のことには詳しくないが、後ろで戦いぶりを見ているぶんにはすでに師に並んでいるように見える。
今年成人したばかりだというのにすさまじいものだ。特にヒイロは、これほどの境地に至るまでいったいどれほどの修練を己に課してきたのか。
私は勇者を支えるべく王の命により一行に参加している。無論、宮廷魔術師の一角として私にもこの大任にふさわしい能力はあるつもりだ。だが、それにしても果たしてこの少女たちに私の力が本当に必要なのか、ときどき疑問に思ってしまう。
そういえばこの旅の仲間はマソホが中心になって集めたのだという。
無謀にも勇者殿自身は独りで旅立つつもりだったらしい。たしかに腕は立つが、一人旅の難しさはそれとはまた別の話だろう。
マソホから王宮へ呪文の使い手を見つけてほしいとの陳情があり、それに答えるかたちで国王自ら私を指名なされた。しかし、初めてマソホと顔合わせしたときはあからさまに落胆されたものだ。どうもマソホは癒やしの呪文の使い手を、と希望していたらしい。
王があえて私を選んだ理由はわからない。賢明なる我が主のことだから何かお考えがあるのだとは思うが・・・。
マソホといえば、彼女は武勇に優れるだけでなく、我々の二歩も三歩も先を見て旅の計画を考えてくれているようだ。
魔物の巣窟として悪名高いピラミッド内にキャンプと道具の補給が用意されていたのには驚かされた。
ピラミッドの探索は長丁場が想定されていた。特に仲間の傷の手当を一手に引き受けているヒイロの消耗は早く、頻繁に休憩する必要があるということに我々はもっと注意を払う必要があったのだ。マソホがいなければこの探索が成功することはなかっただろう。
なにせ、ピラミッドの最奥にはバラモスの尖兵まで待ち構えていたのだ。イシスの街で事前に集めていた情報のなかには影もかたちもなかった魔物だ。万全の状態で挑めたからこそ辛うじて勝てたようなもの。つくづくマソホの慧眼には感謝しかない。
ちょっと戦闘に歯ごたえが出はじめるととたんに輝きはじめる商人の特技「おおごえ」。
『ドラゴンクエスト3』はもともとボス戦よりも探索中の消耗に多くのリソースを割かれるゲームバランスなので、ダンジョン内でも好きなときに宿屋を呼べるというだけでハチャメチャにバランスブレイカーなんですよね。
・・・とかなんとか余裕をかましていたら、なんかピラミッドに新ボス「ナイルのあくま」がしれっと追加されてたっていう。こっちはヒーラー(しかもホイミ)が1人しかいないってのに毎ターンバギとか鬼か。あげくバギマまで使ってくるとか悪魔か。悪魔だったわ。
2回くらい全滅してようやく勇者がマホトーンを持っていることを思いだしました。成功率体感で9割。ああ、これ使えってことだったのね。ドラクエシリーズでボスにマホトーンを撃ったの初めてかもしれない。噂によるとラリホーも有効だったようで。
キャラクター設定
マソホ(商人;ぬけめがない)
【過去】――何が自分をつくったのかという認識
1【誰の役に立ちたいか】(A+C)
ヒイロ。
マソホはヒイロの幼馴染みだ。商人の家の生まれながら、第6子であり家の仕事を継ぐことを求められていなかった彼女は、将来兵士になるつもりで12歳までヒイロと同じ道場に通っていた。
同い年の彼女が弱冠12歳で師匠を超え、並々ならぬ決意で勇者の使命を継ぐつもりでいることに気づいたとき、マソホは今さら追いつけそうにない剣の腕以外のところで彼女の使命を支える手段を考えるようになった。
2【誰に支えられているか】(B+D)
兄や家族。
マソホの家はアリアハンで一番の商家である。ただし、現在のアリアハンには他国との通商がほぼ無いため、そこまで大きな商売をしているわけではない。家業を継ぐのは長男と他に1~2人の補佐がいれば充分だった。
そのため、マソホは読み書き程度は習っていたものの、12歳まで商売を教わったことはなかった。
マソホが商人の心得を一から学ばせてほしいと頼み込んだとき、すでに家の跡取りと決まっていた長男自らが面倒を見てやると言ってくれた。他の家族も、多忙な跡取りがそのような役目を引き受けることに反対しなかった。むしろ、それぞれできることの範囲で彼の負担を分担してくれた。
3【嬉しかった想い出】(B+C)
幸せの靴を買い取ったこと。
アリアハンを旅立つまでにつくることができた、商人として唯一の実績である。
幸せの靴はもともと、船でアリアハンに来た珍しい外の国の旅人が、酒場の女店主ルイーダを口説くために見せびらかした一品だった。ルイーダは友人であるヒイロの母親から、自分の娘が勇者として旅立とうとしていることをひどく気に病んでいることを打ち明けられており、彼女の心労を少しでも和らげるため、旅人に体を許してでもこの神器を手に入れようと考えていた。
ルイーダから事情を聞いた当時15歳のマソホはすぐさまアリアハン王に面会した。次代の勇者のため国庫から資金を供出してくれる確約を引き出し、さらに自分の家からも融資を取りつけたうえで、莫大な金銭と引き換えに旅人から幸せの靴を買い取る交渉に成功した。
王様とマソホ自身の意向により、この買収の件はヒイロに伏せることとし、幸せの靴は彼女の16歳の旅立ちの日にルイーダから手渡される段取りとなった。
4【傷ついた出来事】(A+D)
12歳のヒイロが本気で勇者を目指していることに気づけなかった。
マソホは道場に通う近い年齢の子どものなかではヒイロに次ぐ2番手の実力者であり、彼女のライバルかつ親友であるつもりだった。それが、ヒイロがたった12歳で師匠を超える剣の実力を示してみせたとき、自分は彼女のことを何も理解していなかったのだとイヤになるほど思い知らされた。
ヒイロが人並み外れた努力をしていたことは知っていたが、まさかそこまで鬼気迫る思いで打ちこんでいたとは想像もしていなかった。自分の生半可な剣の腕では彼女と同じステージに立つことすら憚られるように思われた。
それがどうにもくやしくて、マソホは剣術を磨く以外のところでヒイロを支えるための道を模索しはじめるようになった。何でもいいから彼女を上回れる分野をつくりたかった。
【現在】――自分は何者なのかという認識
A【がんばっていること】(1+4)
自分の存在意義を見つけること。
ヒイロが旅の仲間を必要としていないのはよくわかっている。彼女に置いていかれないためには、何かひとつでも彼女には絶対にできないことで貢献してみせなければならない。そう思う。
B【任せてほしいこと】(2+3)
この旅の渉外を受け持つこと。
ヒイロは本質的に他人への興味が薄い人間だ。勇者の責務として旅先で出会う人々に愛想よく接し、頼まれごとも快く引き受けてはいるが、彼女個人の関心は魔王バラモスにしか向いていない。
本人も気づいていないところでストレスを感じていることだろう。できるだけ誰かと接する役目は代わってあげたいと思う。ヒイロはきっと、自分のこの立ち回りにすら興味を持たないだろうけれど。
C【よく気がつくこと】(1+3)
人の善意について。
ヒイロを手助けしたいという人は、おそらくヒイロ本人が思っているよりはるかに多い。たとえば彼女の母親やルイーダ、アリアハン王だってそうだ。旅先でも彼女の人柄を気に入って援助してくれた人はたくさんいる。
それはヒイロが世界を救う勇者だからではなく、彼女がひたむきで善良で、ともすると触れただけで壊れてしまいそうなくらい、いつも張りつめているからだ。放っておけないのだ。彼女は。
D【耐えがたいこと】(2+4)
いつか自分がほどほどのところで満足してしまうかもしれないことを怖れている。
マソホが旅の準備をはじめたのは12歳の時分であり、出立のときであるヒイロ16歳の誕生日まで4年間しか猶予がなかった。
本当は傷を癒やす僧侶になるべきだと考えていたが、街の神父に相談したところ、たった4年では修業が間にあわないと告げられてしまった。かといって自分の剣の腕ではヒイロの役に立てそうにない。家業を頼り、商人の道を選んだのは苦肉の策でしかなかった。
自分はいつもそうだ。何事も中途半端で、仕方なしに手元にあるカードのなかから取捨選択してばかりいる。
【未来】――これまでの総括とこれからの夢
α【自分の手で守りたいもの】(1+2+3+4)
未公開。
β【自分にまだ足りないもの】(A+B+C+D)
未公開。
γ【いつか叶えたい理想の自分】(α+β+1+A)
未公開。
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