
使いたいときはいつでも願いを込めて振ってみて。ひーちゃんの代わりに私が魔法を使ってあげる!

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「久しぶりの魔法界」
大きな出来事
メインキャラクター:みらい
目標
アイルの不吉な予言について探りつつ、ひーちゃんと一緒にいてあげる。
課題
リコがナシマホウ界に来ていたのは占い水晶のキャシーが魔法界に迫る新たな危機を予知したからだった。アイルのことを校長先生に報告するため、ひとまずみらいとリコは魔法学校に向かう。アイルが言い残した不吉な予言も気がかりだ。
また、みらいたちはアイルとのバトルの直後にはーちゃんそっくりな女の子と出会っていた。ひすい(ひーちゃん)と名乗るその子は一切の記憶が無いらしいが、どういうわけかみらいたちと一緒にいなければいけないことだけ確信していた。
未解決
再びの怪物の襲撃はアイルが予言した時間より早くに訪れた。それも、明らかにひーちゃんを狙っている。
ただ、それはそれとして、予言された時間にもアイルが言っていたとおりのことが起きた。てっきりその時間にアイルの襲撃があるものと予想していたのだが、まったく異なるかたちで予言は成就された。
全然予想と違っていたけれど、きっと未来視だったあの映像は、たしかにこのうえなく絶望を感じさせるものだった。
魔法文字解読
マホカ

「MAHOCA」
「TO MAHOKAI」
マホカ
魔法界行き
魔法版Suica。カタツムリニアの駅に入場するために必要なほか、車内販売などの決済サービスにも対応している。
時計

「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12」
ちょっと変わったデザインのアラビア数字フォントにも見えるが、これも魔法文字。
ピックアップ
ふたりの子ども

前作放送当時ネットで流行ったネタ。「ふたりの奇跡!」「ふたりの魔法!」と来て、みらいとリコに育てられて大きくなったはーちゃんがプリキュアに変身するなら「ふたりの子ども!」と名乗るだろとかナントカ。
いや、ふと思い出したので・・・。
ちなみに前作劇中では、はーちゃんにはみらいとリコとモフルンの3人のお母さんがいるという言及があった。
『魔法つかいプリキュア!』は、世界に祝福され周りの大人たちに守られていたみらいたちが、やがて世界やあまねく生命を祝福し守る側にまわるまでの成長を描いた物語でもあった。その彼女たちがひーちゃんを守ろうとしている様子はそれだけで感慨深いものがある。
カタツムリニア

ナシマホウ界と魔法界を結ぶ交通機関。「カタカタ・・・カタカタ・・・」とつぶやくカタツムリが牽引している。ナシマホウ界で乗車したいときは駅の改札にマホカをかざせばよい。
今回は日をまたがずに魔法界に到着しているから急行列車を利用したものと思われるが、時間に余裕があるときは各駅停車便でのんびり移動するという選択肢もある。車内に寝具も完備。
冷凍みかん

ぬっくい島特産のピーカンみかんを、ひゃっこい島に棲むアイスドラゴンのため息で凍らせた、という大層な設定があるおやつ。魔法でほどよく解凍して食べる。
魔法界の至る所で売られている名物で、魔法学校の校長先生の好物でもある。前作終盤の決め技を使うために必要なアイテム“レインボーキャリッジ”の依り代にもなった。
公式タイアップ商品であるいちごメロンパンがあるというのに、何故か劇中隙あらば同じくらいの猛プッシュを受けていた謎アイテム。
過去映像

前作第2話のタイミングっぽい新規描き下ろしシーン。
この会話の前提となる“モフルンはどうして動いているのか?”という話はたしかに当時カタツムリニア乗車中の話題に出ていたのだが、その後、劇中では魔法界に入るまで一度も場面転換することなく進行していた。
つまり、前作の流れにこのシーンを差し込めるタイミングは無いわけだが、何か意味があるのか、それとも単なる設定変更か。
校長先生

特に説明もなくなんとなく長寿でなんとなくイケメンな人。一説によると4000歳を超えているとか。
闇の魔法を研究してしまった親友のクシィと悲しい離別を経験している。
将来リコに校長先生の座を奪われると予知されている。
ジュン

魔法学校1年生の春、みらいとリコと一緒に補習を受けていた3人組の1人。
やや素行不良だが芸術家肌で好奇心旺盛、魔法の成績も優秀な生徒だった。補習を受けることになったのはナシマホウ界に行ってみたくてたびたび学校をサボっていたため。なお、魔法学校の生徒が許可なくナシマホウ界に行くことは校則で禁止されている。
いつかナシマホウ界に行けたらあちらの世界のファッションを勉強したいと語っていたが、どうやら叶ったようだ。
なんというか・・・、暇な大学生みたいなおちょくりかただな! アイルの予言! 生身で来ないのかよ!
時間は進みつづける
「いい腕だな、みらいちゃん。俺のあとを継いでくれねえかな」
「またまた。跡継ぎだなんて」
「もういい歳だし引退を考えているんだ。今日明日のって話じゃないがな。はっはっは」
「え・・・」

魔法商店街はリコにとって特別な場所でした。
フランソワさんの服飾店も、グスタフさんのほうき屋も、リコが今のひーちゃんくらい小さなころから通っていた昔馴染みのお店ばかり。
みらいと出会うまで、リコは劣等生でした。
勉強だけなら学年で一番なのに、魔法の実技になるとてんでダメという極端な成績。お姉さんのリズは1,2を争う優秀な成績を残して卒業したというのに、それに比べて自分は魔法のほうきから落っこちてばかり。ついには進級がかかった春の補習授業まで受けさせられ、みじめな気持ちでいっぱいでした。
「またほうきで落ちたでしょ。女の子は身だしなみが大切よ」
「お、落ちてないし。・・・ありがとう」
「おい、リコ。そのほうき――、穂先は荒れて柄は傷だらけ。さてはまた派手に落ちたな? 直しに来たんだろ。お嬢ちゃんのと一緒に仕上げておくからよ。・・・しかし、リコが友達と来るなんて。初めてじゃねえか?」
「落ちてないし! と、友達っていうか・・・」(『魔法つかいプリキュア!』第3話)
そんな、精神的に一番弱っていた時期のリコに対して、魔法商店街の人々はまるで遠慮というものがありませんでした。痛いところをズケズケ刺しに来ました。
だけど、暖かでした。歯に衣着せぬ言葉に親しみと思いやりがたっぷり込められているのは明らかで、余裕がなかった当時のリコでも怒るに怒れません。そんなリコの複雑そうな顔を見て、彼らはまたひとつ笑うのです。心底楽しそうに。
みらいという友達ができたことをまるで我がことのように喜んでくれて、そのころまだはっきりとみらいへの友情を自覚できていなかったリコにしてみれば、ずいぶんくすぐったい思いをしたものでした。
いつでも、ここに来れば会えて当たり前の存在でした。
だけど気付かないうちに街は変わっていきます。
時間は1秒1秒、どんな瞬間にも無慈悲に平等に、とめどなく過ぎ去っていきます。
フランソワさんのお店にはまるで弟子みたいにジュンがお手伝いに入っているし、グスタフさんなんかもう引退を考えているそうで。
嬉しいときも、苦しいときも、いつも優しく見守ってくれていたみんな。
いつか、気軽に会いに行けなくなる日が来てしまうのでしょうか。

「もう休んだら?」
「でも、ナシマホウ界とまた行き来できるように調べないと!」
何年もの間、みらいやはーちゃんと会えない日々が続いていました。
そういうときはいつもリズお姉さんが心配そうに見守ってくれていて。
愛されていました。
本当に。たくさんの人に、ただ幸せだけを望まれていました。
世界中みんなに祝福されていたあのころ。
大人になれたような、まだ全然子どものような
今は愛されていないのか、といえば全然そんなことないんですけどね。
みんな昔と変わらず優しくて。校長先生なんて、アイルの予言について相談してみたら、学校を挙げて身辺警護まで引き受けてくれましたし。
でも、何も変わらないのかと周りを見渡せば、それこそ魔法商店街のみんなみたいにいつの間にか変わっていく姿も見えるわけで。
それに、自分自身も――。
「お名前は?」
「わかんない」
「おうちはどこ?」
「わかんない」
「困ったモフ」
「・・・わかんないけど、みんなと一緒にいないとダメなの!」
突然現れて不思議なことばかり言うひーちゃんのこと、自然と守らなきゃって思いました。
「魔法の杖!?」
「はい。魔法は使えないけど、使いたいときはいつでも願いを込めて振ってみて。ひーちゃんの代わりに私が魔法を使ってあげる!」
わがまま放題、ちょっとナマイキなところもあるひーちゃんのこと、それでも自然と優しくしてあげたくなりました。

昔からそうだったといえば、そうでした。
変わっていないというなら、何も変わっていないのかもしれません。
たとえば、中学2年生のころ、はーちゃんを赤ちゃんから育てたことがありました。
「はーちゃんは不思議な子だけど、私たちと同じなんだよね。いつも元気で明るくて、でも、さみしいって気持ち、悲しいって気持ちもちゃんとある」
「ええ。だから私たちがもっとしっかりしなくちゃ。はーちゃんにとっては私たちがお母さん代わりなんだもの」
「はーちゃんにはお母さんが3人いるモフ?」(『魔法つかいプリキュア!』第15話)
だけど、あのときの自分たちは、自分がはーちゃんの立場だったらどう思うかって方向で想像していて。
はーちゃんの気持ちと自分の気持ち、考えてみれば何も変わらないはずで、同じなんだってあのときは感じられて。
やがてはーちゃんが大きくなったとき、お母さん代わりのままのような、対等な友達になれたような、不思議な関係性にもなって。
「キュアップ・ラパパ! 怪物よ、あっちいけ! ・・・あっちいけ! あっちいけ! あっちいけ! あっちいけ! あっちいけ! あっちいけってば――!」

あのころはーちゃんに感じていた思いと、今ひーちゃんに向けている思いは、似ているようで全然違う。
「キュアップ・ラパパ! 怪物よ、あっちへ行きなさい!」(『魔法つかいプリキュア!』第1話)
みらいとリコがひーちゃんと同じ魔法を唱えたときは、自分自身がプリキュアになって戦いました。
みらいとリコ、偶然出会ったふたりが、偶然同じリンクルストーン・ダイヤを持っていて、偶然心をひとつにできて。そんな、なんだか色々と出来すぎていた運命の出会いではありました。そもそもあの奇跡はきっと、世界からの祝福があったからこそ。・・・なんだろうけれど。
それでも、だからといって、ひーちゃんにもあのころの自分たちと同じように怪物と戦ってほしいとは思わない。
せっかく戦える自分たちが傍にいるなら、ひーちゃんに代わって自分たちが戦ってあげたいと、当たり前のように思う。


たとえばあのころの校長先生。たとえばあのころのリコのお父さん。
その場にプリキュアがいるにも関わらず、むしろみらいやリコを戦わせないために、率先して怪物に立ち向かっていった勇敢な大人たち。
今感じている気持ちは、きっと、あの大人たちにこそよく似ているのでしょう。
「さあ、君たちが見た未来だ」

たとえば、戦えるはずの自分たちが地に伏していたとして。
たとえば、ひーちゃんが自分たちの代わりにアイルに対峙している光景があったとして。
「次に会うのは14時間と4分後。キュアミラクル。そのとき君は、絶望した自分と向きあうことになる。魔法の杖の音を聞き、『あなたの言うとおりだった』――その一説を聞きながら、ね」(第1話)
ああ。
それは絶望だ。
それはたしかに絶望だ。
はーちゃんがキュアフェリーチェに変身して助けてくれたときとはわけが違います。
・・・いったい何が違う?
違うのは、あのころと今の、みらいやリコの心のありかたです。
コメント
大人向けにリニューアルした魔法つかいプリキュアの第2話は
「(前略)いるのよ」が聴き応えあるセリフでした!!☆☆♬
たまごっちの映画でもヒミツのここたまと同時上映の時、
「(前略)狙っているのよ」
というセリフもあり、女の子が好きなアニメ的のシリーズ的に聴き応えがありますね
それからみらい・キュアミラクルがひすいに「ひーちゃん。あそこに隠れてて」も聴き応えがあるセリフでした!!☆☆♬