魔法つかいプリキュア!! MIRAI DAYS 第7話感想 過去を変える魔法。

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きっと会えるよ、今よりゴキゲンな壮太に!

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「刻をつかさどるもの」

大きな出来事

メインキャラクター:はーちゃん

目標

 時間の流れを止めようとするクロノウストに対抗する。

課題

 暗躍していたアイルが過去の時空間へ消え、刻の魔獣クロノウストの所在につながる手がかりは失われた。
 街では最近、謎の石造物を残して人間が消える、神隠しが流行っているらしい。明らかにクロノウストの仕業だ。その魔の手は今や壮太にまで及ぼうとしていた。

解決

 現在に失望し未来を拒絶して過去に引きこもろうとする壮太に、はーちゃんは呼びかけつづけた。
 壮太にとってはーちゃんはサッカーを好きでいつづけさせてくれた盟友だ。はーちゃんが大丈夫だと言ってくれるなら、壮太の未来は絶望ばかりではない。

魔法文字

アイルの蔵書の表紙

「-SIDE」

 これ自体は読める部分が少なすぎて何の情報にもならない。ただ、魔法界と接点がなかったはずのアイルが魔法文字で書かれた本を入手できたことを表してはいる。
 すぐ上の英語アルファベットに「Nashimahoukai」とある。アイルが集めた本は闇の魔法に関するものばかりだというから、この本は魔法界の研究者がナシマホウ界側に散らばる闇の魔法の手がかりについてまとめたものなのかもしれない。

アイルのお母さんの名前

「ERINA」

 エリナ

 水晶さんがそう読んでいるから間違いないはずだが、Rの字形が魔法文字の活字体と少し異なる。アイルのお母さんの癖字なのかもしれない。

 魔法界ではナシマホウ界が文化的に多様で楽しい場所というイメージが広まっている一方、魔法学校の生徒が無断でナシマホウ界に行くことを校則で厳しく禁じている。
 「40年前魔法界を抜け出している」というと穏やかじゃないように聞こえるが、実際のところ好奇心で後先考えず遊びに行って、帰るに帰れなくなってしまったのだろう。

受験勉強中のリコが読んでいた本

 「WATASITACHI TO SEIKATSUKEN WO TOMONISURU SYOKUBUTU HA OTAGAI NI TASUKE ATTE IMASU」
 「SYOKA NI SAKU KONO HANA KAWAII CHIISANA HANAWO SAKASEMASU」
 「KONO HANA NO NAMAE HA NEZUMIMOCHI TO IIMASU」
 「KOREHA KINI SAKU HANA DESU」
 「WATASITACHINO SENZOHA KONO HANA WO KUSURI TOSHITE TUKATTEIMASITA」

 「KONO MI HA KUWA NO MI DESU」
 「KUWANO HA HA KINU NO ZAIRYOU NI NARU KAIKO NO ESA TOSITE YUUMEI DESU」
 「-YOUN- -EN TO WATASITACHI HA OTAGAI -UKE -KITEIMASU」

 「SHIZEN NO YAKUWARI」

 「MORI NO KIGI HA SIZENKAI DE OOKINA YAKUWARIWO SITEIMASU」
 「SORE HA SIZENKAI NO BARANSU WO KENZEN NI TAMOCHI WATASITACHINO SEIKATSU WO YUTAKANI SITE KURERU TAISETSU NA Y-KUWARI DESU」

 「TAKUSAN NO YOUSOGA SI- -KYOU WO TUKURI WATASHITACHI HA SO- -KETE IKITEIMASU」
 「SIZEN NO ONKEI WO -AIG-」
 「MAHOU TO SIZEN TOHA KO- SASAE SONZAI DEKIRURUMONO D-」

 私たちと生活圏を共にする植物は、お互いに助けあっています。
 初夏に咲くこの花の名前はネズミモチといいます。これは木に咲く花です。私たちの先祖はこの花を薬として使っていました。
 この実はクワの実です。クワの葉は絹の材料になるカイコのエサとして有名です。
 このように、自然と私たちはお互い助けあって生きています。

 『自然の役割』

 森の木々は自然界で大きな役割をしています。
 それは、自然界のバランスを健全に保ち、私たちの生活を豊かにしてくれる、大切な役割です。

 たくさんの要素が(自然環境?)をつくり、私たちはその(恩恵を?)受けて生きています。
 自然の恩恵を~(※ 読めない)
 魔法と自然とは、(このようにお互い?)支え、存在できるものです。

 写真の下のキャプションは字が小さすぎて読めないため省略。左ページは「ネズミモチ」と書いてあるっぽいが、右ページの長いやつは完全にお手上げ。AIでも使ってノイズなく拡大すれば読めそうな感触もあるのだが。

 ネズミモチもクワも実在する植物。魔法界の生態系はナシマホウ界と全然違うはずなのだが、そもそも魔法文字で書かれた文章自体割といつもテキトーだから整合性とか考えなくていい。今作の過去回想がうさん臭いとかそういう以前の問題。
 自然界との共生をテーマにした話の割に人間側からのアプローチが書いていないのも、魔法文字だからそういうものなんだと思うべき。ローマ字綴りのせいで魔法文字は情報密度が小さい。

ピックアップ

壮太

 みらいの元クラスメイトで、当時サッカー部の部長だった子。特にはーちゃんと仲がよく、「はーちゃん」「壮太」とお互い呼びあっていた。
 なんとなくぞんざいに扱われ気味なキャラクター性が登場するたびそこはかとなく強調されていき、前作終盤では試合中の見せ場をなぜか見逃されがちという謎の個性を獲得していた。

クッキー

 はーちゃんにとっては初めて手づくりした想い出の料理。砂糖と塩を間違えて入れてしまったのだが、みらいとリコはおいしいおいしいと言って食べてくれた。

チクルン

 デウスマストの眷属に弱みを握られ、みらいたちのところにスパイとして潜伏していた裏切り者の妖精。モフルンの優しさに絆されて改心し、故郷である妖精の里で再び暮らすようになった。
 背中に負っているのは大きさからしてリンクルスマホンだろうか。

 「この怪物の感じ・・・。今までのと似てる」
 「そう。あいつらを出していたのは我だワン」

 モンスターを召喚していたのもクロノウストだったかー。
 そういえばアイル、モンスターをコントロールできていた印象なかったですもんね。
 
 ということは、アイルはデウスマストの眷属とクロノウストの使い走りをやっていただけで、自分では特段何の力も使っていなかったってことになりますね。
 バッティを上回る知識を持っているなら闇の魔法自体は使えるんでしょうけど。あれ厳密には魔法じゃないので杖も必要ないはずですし。

 「厳密にいうとこの体は傀儡だワン。本当の我はさてどこにいるでしょう?」

 どうせプリキュアの手が届かない過去世界にいる、とかそういうやつなんだろうなあ。
 未来予知や過去改変ができてるってことは、四次元的に時間軸を自由に行き来できる存在ってことしょうし。

ブリューナク

 「刻の魔獣は全ての時を止める存在。蘇れば全宇宙の時が停止します!」

 はーちゃんの言いかただとクロノウストが過去改変や未来予知を可能とすることの説明がつきませんし、なにより「世界を混沌に変える」という野望を持つデウスマストの眷属が彼に協力する理由がなくなります。

 「僕は人々に与えようとしているんだ。人生という物語の、好きなページを繰る力を」(第6話)

 おそらく、より正確には本来あるべき時の流れを淀ませる力なのでしょう。
 過去→現在→未来と一方向に整然と流れていた時間を、誰もが自由に行き来できるようになる力。
 いつでも自由に時間を行き来できるようになれば、人は未知なる未来に挑戦する意志を萎えさせてしまう。アイルのように一番幸せだった瞬間に永久に留まり、何度も同じ時間を繰り返しては耽溺し、それ以上を求めなくなる。
 全ての人が未来を追い求めなくなった結果、全宇宙で新たな時の流れが生まれなくなってしまう。

 前作第48話でデウスマストが見せた混沌の世界と同じです。
 ナシマホウ界と魔法界の常識が融合し、誰もがお互いを完璧に理解しあい、完璧に許容しあえるようになる代わり、未知なるものへのワクワクは永遠に失われてしまう。誰もが既知に溺れて未知に興味を持たなくなる。
 誰かと出会える喜び。何かを見つける楽しさ。そういったものが失われた結果、世界から“個”の概念が消失しかけました。

 デウスマストは空間を、クロノウストは時間を混濁させようとしているわけですね。
 いずれにしても後に残るのは停滞した混沌となるから協力しあえる、と。

 「彼奴は不幸な未来を拒んだ。幸せだった過去に浸っているワン」

 壮太は今、あまりうまくいっていませんでした。

 所属している津成木大学のサッカーチームに自分を越えるエースストライカーが現れ、ベンチ入りを余儀なくされる毎日。中学のころから友達に自分の活躍を見逃されることはよくありましたが、最近では活躍する機会自体がなくなり、いよいよ誰にも見向きされなくなりつつありました。
 別にバーの仕事が好きでバイトをしているわけではありません。サッカーをやるために進学し、サッカーをやるためにバイトしていたはず。なのに、今はバイトばかりしていて、肝心のサッカーは思うようにやらせてもらえないのです。
 やがてはサッカーと関係ない会社に就職し、つまらないサラリーマンとしてときおり遠巻きに、街頭モニタに映るかつてのチームメイトの活躍を羨むことになる――。そんな未来予想図が現実味を帯びつつありました。

 壮太は昔、サッカーが好きでした。サッカーが上手でした。中学校では部長までやらせてもらっていました。
 あのころが一番楽しかったなあ。
 あのころが一番輝いていたなあ。

 「がんばれ、壮太!」

 「ナイスシュート!」

 あのころの声援が耳にこだまします。

 自分が一番強くて、自分が一番活躍できていた、あのころ――。

 ・・・はーちゃんがどうして自分を応援してくれるようになったのか、覚えているでしょうか?

 「サッカーはいろーんなことができるからワクワクだよね! 明日の試合も楽しみ。だって、さっきの壮太君みたいなワクワクのプレーがいっぱい見られるんでしょう? 部長さんがみんなをワクワクさせたら、みんなもきっとワクワクのプレーをしてくれるよね!」(『魔法つかいプリキュア!』第32話)

 当時、サッカー部の新部長になったばかりの壮太は練習を厳しくしすぎて、他の部員からの求心力を失いかけていました。みんなに練習に戻ってきてもらえるよう声をかけてまわるも、なかなか応じてもらえず、自信を失いかけていたあのころ。

 壮太ひとりぼっちのグラウンドに、不意に、転入してきたばかりのはーちゃんが乱入してきたのでした。
 シロート丸出し、隙だらけのドリブル。壮太がちょっかい出して軽くボールを奪ってみせると、はーちゃんは目をキラキラさせて、まるで魔法でも見たみたいに喜んでくれて――。反対に、今度ははーちゃんもボールをセグウェイみたいに乗り回すっていう、魔法そのものみたいな芸当を披露してくれて――。

 すっごく、楽しかった!

 そのときの感動のまま、サッカー部の練習でもワクワクを大切にする方針に変えたら、チームがひとつになりました。
 翌日の練習試合の結果は引き分け。だけど、壮太も含めて誰ひとり不満そうな顔はしていませんでした。「サッカーって楽しい」って、チームみんなでひとつの気持ちを共有できていました。

 壮太は昔、サッカーが好きでした。サッカーが上手でした。中学校では部長までやらせてもらっていました。
 だけど、上手くできていたからサッカーが好きってわけではありませんでした。
 誰よりも強かったからサッカーが好きってわけではありませんでした。

 そうじゃなくて、サッカーって、楽しかった!
 サッカーそのものが楽しかったから、部活でうまくいかないことがあってもがんばれた。
 挫けそうになっても、サッカーの楽しさを思い出して、またがんばることができた。

 「壮太、平気? ・・・私たちがついてるよ。だから大丈夫。悪いことだけじゃない。きっと会えるよ、今よりゴキゲンな壮太に!」

 はーちゃんは、壮太にサッカーの楽しさを思いださせてくれた、大切な友達だったのでした。

 「壮太、戻ってきて! ――戻ってきて! 壮太!!」
 「・・・え?」

 現在の時間が過去を書き換えます。

 逃げ場として都合がよかっただけの過去に耽溺している壮太の耳に、その過去が本来持つかけがえない意味を覚えていてくれたはーちゃんの声が、届きます。

 過去→現在→未来と、整然と進んでゆく時間の流れ。

 現在から見た過去は、ともすればひとつきりだったように感じられます。
 だけど、視点が変われば見えるものも変わる。見かたを変えればひとつひとつの出来事が持つ意味も変わっていく。過去はけっしてひとつじゃない。

 幼いころ家族からはぐれた迷子が、不思議と楽しそうに笑っていたように。
 本当は怖くてさびしくて、暗い夜道でひとり、モフルンを抱きしめて泣きじゃくっていたように。
 だけど、モフルンの瞳に反射して見えた満天の星空がキラキラきれいで、見上げているとどんどんワクワクしたように。

 現在のあなたがどう見ようとするかで、過去はいくらでも変わっていきます。
 クロノウストの力なんか関係なく、過去は日々刻々その意味を変えていきます。
 だったら、未来だって。

 過去と現在と未来はいつだって連続しています。

 つながっているから、私たちは今、ここにいます。

 「いやー、なんか悪い夢を見ちまったよ。ま。こうしてみんなに会えて、全部悪いってわけでもなかったかも! ははは!」

 それが、みらいたちがクロノウストを否定しなければならない、大切な理由。

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