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キミとアイドルプリキュア 第20話感想 キミの行く先を、私は知らない。

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もしかしたら何かを思いだしかけてるのかも! 見つけなきゃ、絶対!!

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「プリ~!思い出さがしのピクニック!」

大きな出来事

メインキャラクター:うた

目標

 プリルンに記憶を思いだしてもらう。

課題

 田中とメロロンから伝えられた情報により、今のプリルンはうたたちと出会ってからの記憶を失っていることがわかった。ハートキラリロックにより封印されたこの記憶は、よほどの奇跡でも起きないかぎり、もう二度と蘇ることはないという。
 納得できないうたはプリルンをピクニックに連れ出し、想い出と重なるような出来事にたくさん触れさせて、記憶を呼び起こそうと考えた。

失敗

 うたにとってどんなに大切だったと思える出来事に触れさせても、プリルンの記憶が蘇りそうな兆候は見られなかった。
 挫けそうになる気持ちを自分で鼓舞しながら辛抱強くプリルンに接したうただったが、結局何もできないまま疲労で倒れてしまった。

 唯一、キュアアイドルを応援したいという気持ちだけは今でもプリルンの行動原理に刻まれているようだった。ただし、それも彼女はどうして自分がそうしたいのかについて理解できていないようだ。

バトル

 トレイルランニングを楽しんでいる人を素体としたトレイル装備型クラヤミンダー。

苦戦

 水筒の水を攻撃にもスタミナ回復にも使うタフな敵だったが、特に苦戦することはなかった。

勝利

 応援してくれるプリルンの記憶を蘇らせるきっかけになりたくて、うたたちの士気はいつも以上に旺盛だった。
 途中からメロロンたちも参戦し、敵を圧倒した。

ピックアップ

ツツジ

 今話に登場した2つの花はどちらもツツジ。共通する花言葉は「節度」「もろさ」などで、さらに赤色には「恋の喜び」など燃えあがる情熱を表す言葉が加わり、反対に紫色では「慎み深さ」のように抑制的なニュアンスがより強調される。

メロロン

 記憶だけでなく恋心までしっかり残っているらしい。

 ただ、今話の文脈からすると前話の感想文で私が書いたことはそう的外れでもなさそうだ。
 うたたちはみんなプリルンが失った記憶のためにばかり奔走して、メロロンには目もくれない。メロロンも何かを封印していることははっきりしたというのに。

スロー演出

 何のシーンだよこれ。

 ザックリーの嘆きはこれでもかとよく伝わってきたが、結果、ますますコイツよくわかんない情緒してるなあという印象が強まった。連勤よくない。

 「世界中をクラクラの真っ暗闇にしやがれ。――ィヤァ!」

 びっっっっっくりするくらい暗い話だな、オイ!(ウキウキ)

軋んだ破片

 「なんでずっとキュアアイドルばっかりメロ・・・? メロロンだって・・・」

 悲鳴にも似たメロロンのモノローグ。
 口調だけは落ち着いているのが、余計にひとりぼっちでいることに慣れていた彼女の半生を偲ばせます。

 「あれは・・・、咲良うたメロ。――どうもしないメロ! 見なくていいメロ。ねえたまはメロロンといるのメロ。せっかく2人きりになったのメロ」(第19話)

 凄絶な決意のもと、プリルンの願いを叶えるために自分の願いは贄と捧げたはずでした。
 結果、プリルンの願いは叶えられ、対してメロロンの願いは永遠に叶えられなくなりました。

 納得したはずでした。

 なのに、プリルンの記憶が失われた一方で、メロロンの記憶は今も残ったまま。
 これは伝説のハートキラリロックがくれた慈悲でしょうか?
 今こそ諦めたはずの思いを真に叶えるときだというのでしょうか?

 いいえ――。

 「はい。咲良家特製弁当はプリルンの大好物! さて、何でしょう?」
 「わかったプリ。答えはカニさんウインナープリ!」
 「カニさんもいいけど、これはタコさんウインナー」
 「いただきますプリ! ――おいしいプリ!」

 プリルンは記憶を取り戻す兆候もないまま、うたがつくったお弁当をおいしそうに頬張っています。

 「――これがタコさんウインナーメロ?」

 下半分にザックリと切りこみを入れるだけでつくれるタコさんと違い、カニさんウインナーは相当に手間がかかります。
 まず入れなきゃいけない切りこみの数が段違い。さらに表面に傷をつけるだけの浅い切りこみと、ウインナーを裂く深い切りこみの2種類を使い分ける必要もあります。(今回は2人とも赤ウインナーを使っているから関係ないですが、普通のウインナーでもとりあえずそれっぽくなるタコさんと違い、カニさんはちゃんと皮がよく縮む赤ウインナーを使わないときれいに仕上がらない点も厄介です)
 私が子どものころ母にせがんだときは面倒くさすぎて断られました。朝っぱらからンなもんやってられっか!

 “手間がかかっている”という一点だけでお弁当に込められた愛情の大きさを推し測るのはナンセンスですが、少なくともうたよりメロロンのほうががんばってつくったことは明らかでした。

 なのに、プリルンはどちらも同じようにおいしそうに食べます。
 今のプリルンの心にはうたとの大切な想い出なんて残っていないはずなのに。ひいきなんてしない、フラットな目線で比べてもらえているはずなのに。

 メロロンの思いは、どんなに献身的になっても、プリルンに届かないのです。

 「プリルン、何か忘れてるプリ?」
 「・・・ねえたまは――」

 でも。うたもうたで辛そうにしている手前、メロロンだけ悲劇のヒロインぶるわけにいきません。

 「メロロン、ありがとう」
 「メロ? 急に何メロ?」
 「メロロンはプリルンの願いを叶えてくれたんだよね。だから、ありがとう。プリルンが私のこと忘れちゃったのはさびしいけどね」

 メロロンにとってうたはプリルンの隣を奪おうとしてくるライバルでしたが、でも、この子がすごくいい子だってことくらいはメロロンもわかっていました。
 なにせ、押しかけ気味に居候になったメロロンのことを快く受け入れてくれたくらいですし。
 今回だって、みんながプリルンの記憶のことにばかり視線を集中させているなか、メロロンのがんばりと思いやりに気付いてくれたのは唯一、うただけでした。

 うたこそ、誰よりも一番プリルンの記憶を取り戻したいと思っているはずなのに。

 「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話)

 まるで、うたがプリルンみたいでした。

 キラキランドがチョッキリ団にメチャクチャにされて、仲よしだった友達もみんな水晶に閉じこめられ、自分だって本当はすごく辛いはずなのに、それでもメロロンのために気丈にふるまってくれたねえたま。

 今日のうたは、まるであの日のプリルンみたいでした。
 プリルンみたいなうたの願いを、・・・だけど、メロロンは叶ってほしくないと思ってしまうのです。

 「プーリー! ・・・プリ?」
 「ねえたま。いくメロ!」

 だって、もしまたプリルンがうたの隣に行ってしまったら、メロロンはどこにいたらいいんですか?

 結局、どうせ叶いっこない、封印したはずの願いにいつまでも未練がましくしがみついているメロロンは、気高いとすら思ううたの切実な気持ちを、どうしても踏みにじってしまうのです。

 心が軋むようでした。

A Step Away

 「プリルンはキラキライトで私のこと、前みたいに応援してくれた――! もしかしたら何かを思いだしかけてるのかも! 見つけなきゃ、絶対!!」

 口調だけは落ち着いていたメロロンと対照的に、うたの胸中に渦巻く思いはまさしく絶叫でした。

 限界でした。

 「プリルン。このポシェットに見覚えない? ・・・覚えてないかあ」

 「オオ、あれは何だ!? あれはまさかの桃がどんぶらこ! 拾うしかない! プリルン、何か思いださない?」
 「思い、おもい、・・・重いプリ」

 「ほら、プリルン。見て。誰かさんにぴったりのサイズだよ!」
 「キュアアイドルの服プリ! 本当プリ。メロロンにぴったりプリ。きっとメロロンのプリ!」

 「プリルン、この人は?」
 「くり・・・。思いだしたプリ! おやつにクリ持ってきてたプリ。あげるプリ」

 「プリティホリックのリップだよ!」
 「面白いプリ!」
 「うた先輩。はみ出てます・・・」

 「はい。咲良家特製弁当はプリルンの大好物! さて、何でしょう?」
 「わかったプリ。答えはカニさんウインナープリ!」
 「カニさんもいいけど、これはタコさんウインナー」
 「いただきますプリ! ――おいしいプリ!」
 「・・・これもダメかあ」

 今日丸一日、プリルンの記憶を取り戻すために、思いつくことは全部試してみました。
 全部ダメでした。無意味でした。

 でも、やっと一筋の光明が見えた気がしたのです。

 まるで真っ暗闇の海原のまんなかで、ふと波間に浮かぶ1本の稲わらを見つけたみたいに。
 ただ輝いて見えるだけ。
 それ自体は何の救いにもなっていないかもだけど、でも、光は光。可能性は可能性。
 もしかしたらこれが本当の奇跡につながるかもしれないって思って、ぎゅっと握って絶対に離したくなくなってしまう、虚ろな希望。

 うたは疲れ果てていました。
 もう、どうしたらいいのかわかりませんでした。

 「プリルンはキュアアイドルを守りたいという願いを叶えるために、一番大事なもの――、うたさんとの想い出を封印したのです」

 真相を暴いてみれば、全部自分のせいでした。

 「プリルン、といいましたなあ。お主ダメダメですなあ。こんな『イェーイ!』などと浮かれた者を頼りにするとは。お主がこやつを選んだせいで、世界はクラクラの真っ暗闇になるのですぞ」
 「プリルン、ダメダメプリ・・・? プリルンの、プリルンのせいプリ・・・?」(第2話)

 いつも、いつもそうでした。

 うたに至らないところがあれば、割を食うことになるのはいつもプリルンでした。
 だから、救世主なんてガラじゃないのに、アイドルやってファンと一緒に盛り上がったほうがはるかに充実感があるのに、それでもうたは救世主を続けてきたのに。
 うたがチョッキリ団に勝てなかったから。だから、プリルンは――。

 誰も救えませんでした。

 むしろ反対に、自分がプリルンに救ってもらっていたのでした。

 「ピクニックで思いだしてもらおう大作戦!!」の道すがら咲いていたのは、「節度」や「もろさ」という花言葉を託されるツツジ。
 「お花かわいいプリ!」とプリルンも気に入った様子でした。

 プリルンと一緒の楽しい毎日を壊してしまったのは、どうやらうた自身だったようでした。

 「いくらがんばってもムダメロ。だって、ねえたまは誓いによってもう願いを叶えたメロ。だからねえたまがあなたたちのことを思いだすことは絶対に無いメロ」
 「そんな・・・」

 そんなはずないんです。だって、ほら。プリルン、キュアアイドルを見たら無意識にキラキライトを振って応援しはじめてくれたし。
 咲良うたのことは何も覚えてなくても、キュアアイドルを守りたいって気持ちだけは覚えていてくれたし。
 だったら、キュアアイドルの正体である、私、咲良うたのことだって――、いつかは――!

 覆水盆に返らず。一度やらかしてしまった失敗は、どうしたって取り戻すことはできません。
 心が挫けそうになったとき、とりあえず空元気を絞り出してみたところで、自分自身の心は結局救われないのと同じ。ただの気休めのことを希望とはいいません。
 おべんとおべんとランランラン。ランランラン。ランランラン――。

 稲わらは、稲わら。

 お盆に溜まっていた水は、ひっくり返されてそのまま、うたの頭上に降りそそいできました。
 ツツジもついには泣きだしました。

 ――いいえ。

 それでもうたは、うただけは泣くわけにいきませんでした。

 うたはプリルンの救世主なんだから。
 救世主でいないといけなかったはずなんだから。

 「うーん・・・。よくわかんないけど、決めた! プリルンが忘れちゃったなら、私たちが思いださせるしかないっしょ! そうだ、みんなでピクニックはどう? 名付けて『ピクニックで思い出してもらおう大作戦』!」

 いつの時代も「諦めない、負けない!」こそがプリキュアの合言葉。

 「プリルン。あったよ、これ――」

 うたが強くありつづけなければまたプリルンを苦しめてしまいます。

 だけど実際には、うたが必死の思いで偽装した“プリルンのための救世主”は今日もまた無力。プリルンの記憶を取り戻すに至らず。

 みんな幸せのなかで暮らす「めでたし、めでたし」は、未だうたの空想のなかにしか存在しえないのでした。

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    コメント

    1. ピンク より:

      プリルン、まさかの記憶失ってる自覚すら無いとは。
      本人がいちばん苦しんでない(結果周り全員が振り回される)ってのは、なかなか厄介な話でしたね。

      とはいえうた=キュアアイドルと知ったことと、他ならぬ彼女が体調崩したことで、結局プリルンも苦しむ立場に放り込まれるわけですが。

      • 疲ぃ より:

         次は自分が何も知らないことについて苦しむことになるわけですね。
         今のプリルンはキュアアイドルを守ることが唯一の存在意義みたいになっているので、守ることに失敗した自責の念も加わって、それはもうしんどいことになりそうです。

    2. 亀ちゃん より:

      今日は前週の木曜は夕食を機嫌が悪くなったがために絶食して、それでその翌日となる前週のm金曜から今日の昼過ぎまで調子が悪くても、やっと回復したことで、TVerにて見返した亀ちゃんです
      3週間以上続きが気になるところで終わりましたが、私の現職の会社の後輩とソイツの妹の姪っ子には2週間連続で
      さいごまでみてよかった
      とはいえないキミとアイドルプリキュア♪でもありました
      最年少のいとこの姪っ子もプリキュアにハマっていると、そんなことが言えます
      プリルンが‥私のことを思い出そうとしている
      これは私が好きなチャンピオンの中学野球漫画にて、
      アッ、あの自信家のエースが‥あの自信家のエースが…自信を失っている
      という主人公の新人戦の第2戦のキャプテンでもあるキャッチャーが心の声で言い放つセリフが読み応え大有りで、私が好きな二次元作品的なつながりも感じ取れました

      ★イガイガさん
      大阪では桃山学院さんの3回戦を観に行こうとハラに決めていましたが、実は仕事の日にしていました!!(笑)
      それでも雨天順延となった場合は、是非是非その3回戦を岡山から大阪市内まで観に行きたいですね

      • 疲ぃ より:

         ウソは良いものですよ。むしろ不満を正直に吐露しても相手を不快にさせるだけで、いいことは何もありません。まだ今話を視聴していないようですが(というかウチのブログ本文どころかその題材すらチェックせず何をしに来たんですか?)、今回うたもプリルンに本音を隠して上手に接しています。
         大事なのは、ウソをつく(もしくはつかない)ことにした目的を自分でよく考えることです。悪意を持って他人にウソをつくのはもちろんいけないことですが、何も考えずただウソをつかないことこそが正しいと盲目的に信じることも、同じくらい罪深いと思いますよ。

    3. 亀ちゃん より:

      今日は(まだ)TVerで観ていませんが、いずれプリルンも咲良 うたのことだって思い出すのは女児向けプリキュア的に当然なことのはずです
      そのことは私の現職の会社の後輩とソイツの妹の姪っ子に見てもらいたくて、ソイツのスマホにメールしました
      私は現職の会社の後輩とソイツの妹の姪っ子にも、プリキュアのお兄ちゃんとは言葉を間違えることはあれどウソはつかない大人の男だと判って欲しいです
      それからいつかまた最後まで視て良かったプリキュアの話もその内また出て来るものであることもメールしました
      だからいとこのお姉さんの長女も小1の時の11月まではどの日も年齢的に幼くて、プリキュアへの愛着もやっぱり復活したものだと確信が持てるものです
      ちなみに最年少のいとこの姪っ子に関しては、まだプリキュアにハマり始めたと物語る情報は昨日も耳には入りませんでしたが、その内彼女もプリキュアにだってハマることはあるものだと思います
      で、咲良 うたも最後の最後は疲労でバタンキューと倒れ込みましたが、これはフレッシュのプリキュアが路上でバタンキューと倒れ込んだ時以来でしたね
      それを今さっき思い出しました
      でも疲労で倒れたのであればすぐに回復するし、大人のプリキュアファンなら心配することもないはずです
      しかし咲良 うたも歌を歌うことが上手いだけじゃなく、運動神経もある方で、天は二物を与えることもあるものですね
      逆に咲良 うたのお母様の上のお姉様の三女である咲良 うたと同い年の従姉妹は中学生になって以後1番得意な科目が数学なのに、歌を歌うのが苦手で、しかも下手なので
      「私‥音楽は嫌い」
      それから
      「スイートプリキュア♪の第3話に向けての次回予告の時も響(キュアメロディ)さんが『私。音楽嫌い』と言い放ったのもうなずける」
      と中学生に上がってから音楽の授業がある日は2回目以降音楽の授業には欠課し続けるものです
      しかもその音楽がある日に数学もセットでない日は丸一日学校を欠席しようとすることもあるほど音楽嫌いな咲良 うたと同い年の従姉妹でもあります
      それを私もプリキュアちゃんねるにて、咲良 うたのところには相談に行こうとする話もやっぱり交えたくてウズウズしていますね

      ★イガイガさん
      来週の土曜は今年の7月最初の土曜でもあり、やっぱり明石トーカロ野球場に行って、今夏の兵庫大会の開幕試合を観たいですね
      甲子園に出たこともある統廃合によって閉校も決定した姫路公立勢をメインに
      その後のプランもやっぱり広島県の地域と隣り合わせな岡山公立高校OBである私の現職の会社の元同僚である連れのためにも一肌脱ぐつもりで、行ってあげるところもバッチリ抑えましたし、あとはやっぱり天気予報通り、試合日和な天気であり続けられるかどうかですね

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