キミとアイドルプリキュア 第33話感想 私とキミを巡るキラッキランラン。

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私たちはくりきゅうたさんを応援しています! キラキラな横綱になってくださいね! どすこーい! のこったのこったー!

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「どすこ~い! アイドルデビュー!?」

大きな出来事

メインキャラクター:くりきゅうた

目標

 相撲取りからアイドルプリキュアへ転身する。

課題

 マネージャーである田中やうたたちに自分のアピールポイントを売り込んでみたものの、どれもアイドルプリキュアとは関係ない特技だと指摘されてしまった。
 また、相撲取りとしての自分のファンである力くんにやめないでほしいとせがまれてしまった。

解決

 そもそもくりきゅうたがアイドルプリキュアに転身したいと考えたのは、幕下昇進を目前に怪我をしてしまい、横綱を目指す夢に挫けかけていたからだ。相撲そのものは好きだし、ファンの気持ちを裏切りたくないし、アイドルプリキュアを見ていると元気も湧いてくる。
 一連の出来事を経て、くりきゅうたはもう一度相撲の世界でがんばろうという意欲を取り戻した。

バトル

 くりきゅうたを素体とした臼と杵型ダークランダー。

苦戦

 四股踏みや突っ張りなど相撲の技が強力で、また、多少の攻撃ではびくともしない頑健さをあわせ持っている。

勝利

 キュアキッスとキュアズキューンの息の合った波状攻撃でなら辛うじて体勢を崩すことができた。
 また、自分たちのファンであるくりきゅうたに元気をお返ししたいという思い、力くんのために諦めないでほしいという願いから、うたたちは戦うことを諦めなかった。

ピックアップ

東堂泉

 東堂いづみ先生・・・。力士だったのか・・・。

三段目の外食

 くりきゅうたは「もうちょっとで幕下」とのことだから、現在は三段目ということになる。20歳で三段目は横綱を目指すキャリアとして標準的か、やや遅いくらい。

 相撲取りは身体づくりも仕事のうちであり、特に駆け出しのうちは所属部屋で提供されるちゃんこ(※ 食事全般のことであり鍋料理とは限らない)を食べて生活するのが基本。
 というか、そもそも十両(※ 劇中で言及があった「幕下」のもうひとつ上)昇進までは自由に使える給料が支給されないため、気軽に外食することはほぼ不可能。先輩力士の奢りで焼肉や寿司に連れて行ってもらえることならちょくちょくある。
 くりきゅうたがいる部屋はよほど規律が大らかなのだろう。

 (現実には部屋の栄養管理が甘くて外食なしでは必要カロリーや蛋白質量を賄えないケースもあるが、それはそれ。決まりは決まり)

ダッシュ

 足のケガを匂わせた直後に走るな!

化粧まわし

 化粧まわしは十両以上の力士のみ締めることを許される。弓取りなどの儀式で例外的に着用することもあるが、それもごく一部の幕下の話。
 このシーンは夢への第一歩を踏み出せたくりきゅうたの姿を描いた空想上のもの、あるいは未来の姿だろう。

 力士は十両に昇進してようやく一人前(関取)と見なされる。給料も月額0円から100万円に跳ね上がり、ライフスタイルが一変する。前述のとおり弟弟子の世話を焼く責任も負うようになる。
 まずはここまで上り詰めなければ、くりきゅうたは夢を叶えるスタートラインに立つこともできない。

ファンネーム文化

 歴史をたどると、どうやらマライア・キャリーのファンたちが2000年代前半に「The Lambily」を名乗るようになったのが最古のようだ。これはマライアの著名なエピソードから引用した呼称であり、現在のファンネームの決まりかたともよく似ている。それ以前のアイドルファンは「○○のファン」「○○の親衛隊」などと自称していた。
 同時期、音楽シーン以外でも、たとえばゲームブランドKeyの熱心なファンが「鍵っ子」と呼ばれるなど、ファンネーム文化の起源と考えられる潮流が相次いで発生するようになる。
 2000年代はインターネット上で匿名掲示板が流行した時期でもある。ファン同士の交流が場所を越えて活発になり、また、推しが異なるファンコミュニティが接触する機会も増えたため、自分がどこに属しているかを明示的にラベリングする必要性が生まれたのだろう。

 90年代に一世を風靡した光GENJIなどはファン層がいくつかのコミュニティに分かれ、「紫SHIKIBU」「清少納言」など各々異なる呼び名で自称していた。これは公式に「親衛隊」を自称することを禁止され、自称すべきラベルに混乱が生じたためであり、とっさの代用のようなかたちで発生・定着したものだ。
 結果としてファンネームに似た文化が生まれはしたが、現在のようにひとつのファンネームのもとでの一体感は形成されていなかった。現代のファンネーム文化がやはりインターネットの利用を前提にしていることがわかる。

 2010年代に入ると、東方神起などK-POPアイドルが公式側からファンネームを決定するようになった。
 ファンネームがあるとファンに帰属意識が生まれ、団結して推し活するようになるため、そういうファンのエネルギーを商業戦略に積極的に組み込みたいと考えたわけだ。SNSの普及によりハッシュタグ感覚で広まるようになったことも大きい。実際、この戦略は世界的なK-POPブームを巻き起こすため大いに役立った。

 2010年代後半にはバーチャルYouTuberが流行。
 このころにはもうすっかりファンネームとは活動を開始したら真っ先に決めるべきものだという認識が広がっていた。現在、事務所所属など商業的に活動しているバーチャルYouTuberに、ファンネームが決まっていない者はまずいない。大抵は初配信前後で自ら指定するし、そうじゃなくとも活動1年以内にファンコミュニティが自主的に決めていく。(正式なファンネームを持たない例を私は1人しか知らない)

私のファン!

 「ぼく、くりきゅうただよ」

 まさかの3回目の登場。3回目にしてついに相撲取りであることが確定しました。
 やたら自分の名前を名乗りたがるのは、三段目ではテレビ出演できないぶん、熱心にファン層を拡大しようとしいているのでしょうか?
 ・・・いやあ、自分で言っといてナンですが、関係ないと思うなあ。幕下以下の相撲取りのファン層って地下アイドル好きみたいなもので、基本、距離感の近さとストイックに努力している姿に惚れ込むものだし。ホットドッグを両手に持っている絵面は果たしてどうかな・・・? ウケるかな・・・?

 どうでもいい話はさておき。

 くりきゅうたはアイドルプリキュアのファンでもありました。
 よくわかんない謎のぬいぐるみに名前を間違われたことをきっかけに、後日たまたま実物を見かけて推すようになりました。
 推しとの出会いなんて案外そういうものです。

 映画でもやっていましたね。キラキラしているのは本質的にはファン自身であって、アイドルはその写し鏡でしかありません。ファンが応援してくれるからこそアイドルは輝ける。もっとも、これはアイドルがいてくれるからこそファンも熱心に応援したくなるんだという逆説でもあるのですが。
 いずれにせよアイドルがファンにキラッキランランを届けられるのは、ファンの心がキラキラ輝いているからこそ。鶏が先か卵が先かの議論は大して重要なことではありません。なんにせよ、鶏がキラキラしているなら卵だってキラキラしているというだけのこと。

 「ぼくは強いお相撲さんになるために毎日がんばっています。ときどき挫けそうになるけれど、アイドルプリキュアからキラッキランラーンをもらうと、すっごく元気が湧いてきて、苦しい稽古もがんばれます! アイドルプリキュアはぼくのヒーロー、ヒロインです。ぼくはいつか、お相撲さんのなかで一番強い横綱に――、キラキラな横綱になります!」

 彼が書いてくれたファンレターを読むと、うたたちまでキラッキランランな気持ちになります。
 本当にうれしい。カッティンやザックリンみたいに雑務でサポートしてくれるのもアイドル活動の助けになりますが、そんなことしなくたって、ファンとして応援してくれるだけでもすっごく力になります。
 お相撲、がんばってほしいなって心から思います。キミのがんばる力は、私にとってもがんばろうって思えるエネルギーになるから。

 ところが。

 「ぼく・・・、もうお相撲さんやめる。アイドルプリキュアになる!」

 そりゃまあ、アイドルなんてみんなが憧れる職業です。なれるものなら誰だってなりたい。(私は別になりたいと思いませんが)
 うただって、プリキュアに選ばれるまでは別にアイドルを目指していたわけじゃありませんでした。でも、なれたらなれたでとってもキラッキランラーン! ついつい浮かれすぎちゃうくらいうれしかったものです。
 だから、くりきゅうたがアイドルを志望することまでは理解できます。・・・でも、お相撲さんはどうするの?

 ファンレターをもらったとき、すっごくうれしかった。あの手紙には彼のキラッキランランな気持ちがたくさんこもっていると感じられました。
 ・・・それを、どうして急にやめるだなんて。

 「特技は餅つきです! くりきゅうた、餅つきます!」

 「くりきゅうた、次の特技いきます! くりきゅうた特製ちゃんこ鍋、めしあがれ!」

 「くりきゅうた、歌います! ♪ いくぞ見合ってはっけよい 土俵はステージ どすこい 力士 うわてを掴んで――」

 実際、アイドルプリキュアになりたいというくりきゅうたのアピールポイントはどれも、いかにもお相撲さんっぽいものばかり。しかもすっごく楽しそうでした。
 彼のことを知れば知るほど、やっぱり本当は相撲のことが大好きなんじゃないかって、違和感ばかりが増していきます。

 キラッキランランなアイドルはとてもステキな職業です。それはうたが一番よくわかっています。
 同時に、くりきゅうたが心からアイドルに憧れていることも伝わってきます。
 それはそう。誰だってそう。

 だけど、どうしても違和感は残るのです。
 いくら憧れているとはいえ、ずっとがんばってきた相撲を捨ててアイドルになるのって、本当に良いこと?
 もし違うとして、じゃあどうして彼がアイドルを目指しちゃいけないの?

 アイドルなんて、なれるものならみんながなりたいに決まってる。

キミのヒーロー!

 「きゅうたさん。お相撲やめるなんて言わないでください。僕、一生懸命お相撲取るきゅうたさんが大好きです! 悲しいことがあっても、応援してるとがんばろうって元気が出て、――きゅうたさんは僕のヒーローなんです!」

 違和感の答え。

 くりきゅうたにはファンがいました。
 アイドルプリキュアがくりきゅうたに応援してもらえているのと同じように、くりきゅうたにも力くんっていうファンがついていました。

 ファンの期待に応えるのが責務だと言いたいのではありません。うたたちだって、別にそういう壮絶な覚悟を持ってアイドル活動しているわけじゃありませんしね。
 ファンのことは、いてくれてうれしいなあって。たくさん元気をもらえるなあって。ポジティブな気持ちしか抱いていません。彼らのことを重く感じたことなんて一度たりともありません。

 でも、納得しました。
 だから彼がアイドルプリキュアになりたいって言いだしたとき、強い違和感を感じたんだってわかりました。

 「もうちょっとで幕下っていう、ひとつ上の地位に上がれるところだったんだ。だから大好きなアイドルプリキュアにファンレター書いて、自分に気合い入れて、一生懸命稽古してた。・・・そしたら怪我しちゃって」

 「また一から苦しい稽古をしなきゃいけない。それに、こうして休んでる間にライバルたちはどんどん強くなって、僕は置いていかれちゃうんだ。いつかお相撲さんのなかで一番強い横綱に、キラキラな横綱になりたいって思ってたけど・・・。その夢は諦めて新しい道に進もうって決めたんだ」

 くりきゅうたの心にあったのは“諦め”。

 相撲のことが大好き。本当はもっとずっとがんばろうと思っていた。でも、もうがんばれないと思った。がんばってもムダだと思った。どうせ横綱になんかなれっこない――。

 さっき、「土俵はステージ」って歌っていました。
 お相撲さんもアイドルも本質的にはそんなに変わらないって、彼もわかっていたはずでした。共通点のある職業同士だから、アイドルに転身しても夢の本質はそう大きく変わらないはずだって、きっとそういうふうに考えたんでしょう。
 人生、相撲ばかりじゃない。輝ける未来への道はきっといくつもある。そう表現してみれば、これはなにもネガティブなばかりの考えかたではないはずです。

 もうがんばれないなら仕方ありません。
 がんばるのはとてもステキなこと。本人が夢に近づけるだけでなく、その努力を見ている人まで元気をもらえちゃう。
 その道でどうしてもがんばることができないなら、別の、がんばれる道に移ってしまったほうがいい場合だってあるはずです。

 だけど。

 「ヒーロー――。くりきゅうたさんが私たちへのファンレターに書いてくれた言葉と同じ」

 がんばれるはずじゃないですか。
 だって、ファンがいてくれるんだから。今も応援してくれているんだから。

 ファンレター、すっごくうれしかったんです。「アイドルプリキュアから元気をもらっています」って書いてもらえて、「苦しい稽古もがんばれます」って書いてもらえて、こっちまでまたがんばりたいって思えたんです。
 だったら、力くんみたいなファンがいてくれて、がんばれないわけがないじゃないですか。

 別にね。ファンがいるからって、努力しなきゃいけない義務はありません。
 たとえば、どんなアイドルも月日が経てばいつか必ず引退するときが来ます。たとえば、取り返しのつかないケガを押してまで無理に相撲を続けることはファンも望まないでしょう。
 でも、応援されたら、もっとがんばりたいとは思うはずです。どうしても不可能じゃないかぎり、できるところまでがんばりたいって、心のエネルギーをもらえるはずなんです。
 努力しなきゃいけない、なんてことはないけれど、努力したいなって思うことはあるはず。

 くりきゅうたがお相撲さんで、力くんがそのファンであるかぎり。

 「これもまさしく推しができたときあるある。推しができると毎日が楽しくて、何でもがんばれちゃうんです」
 「あ、そうかも。キュアズキューンってカッコいいし、かわいいし。私もキュアズキューンみたいにキラッキランランになりたい。がんばろうって思う!」(第18話)

 ・・・それにね、うただってキュアズキューンのファン。
 ななとこころもキュアアイドルに憧れてプリキュアになったし、プリルンなんかキュアアイドルのファン第1号だし、メロロンは言うまでもなくキュアズキューン推し。
 うたたちはアイドルでありながら、ファンの気持ちもわかる子たちです。

 あの心のこもったファンレターを読んだら、くりきゅうたが本当はすごくがんばれる人なんだってことくらい、わかります。伝わってきます。だって、同じヒーローであり、ファンなんですから。

 うたたちがアイドルプリキュアで、くりきゅうたがそのファンであるかぎり。

 「ねえ。なんでそんなにがんばっちゃうわけ?」
 「だって、私たちくりきゅうたさんのお手紙からいっぱい元気をもらったから! くりきゅうたさんにもキラッキランランになってもらいたい!」
 「くりきゅうたさんもファンのために、力くんのためにがんばってほしい!」
 「だって、くりきゅうたさんは力くんのヒーローなんだから! 諦めないでほしい!!」

 だから、どうか。どうか。どうか――、もっとがんばりたいって思う、自分の心にウソをつかないでほしい。

 『キミとアイドルプリキュア』。この物語は、アイドルとファンがお互いにキラッキランランを与えあい、鏡のように反射して、あるいは増幅して、みんなでもっともっとキラッキランランになっていくお話。
 アイドルがキラキラしているのはファンが応援してくれるおかげで、ファンがキラキラしているのはアイドルがファンサしてくれるおかげ。その関係に鶏が先か卵が先かは問題となりえません。鶏がキラキラしているなら卵もキラキラしていて、卵がキラキラしているなら鶏だってキラキラしています。どうせなら両方キラキラしているのが一番いいに決まってる。
 みーんなキラキラで、みーんな幸せ。

 「力くんの応援に元気をもらって、アイドルプリキュアを応援して元気をもらって、ぼくはキラッキラな横綱を目指します!」

 キラッキランランな心のエネルギーが循環していきます。
 ここに私がいて、そこにキミがいてくれるから。

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    コメント

    1. ピンク より:

      そういえばいつの頃からか、『サブキャラクターがプリキュアになる?!』というネタを然程おふざけにしなくなったなあと。

      お相撲さん、一度だけ生で見たことあります。迫力あってドキドキしました。
      なんとなく堅苦しそうだったり年寄り臭いイメージこそあれど、まあスポーツ観戦みたいなものですよね。

      力くんは国技そのものというよりくりきゅうた個人のファンみたいですが、それはそれで納得というか。自分が置かれた状況を自然に分かりやすく伝えられる、気遣いの持ち主ですし。

      • 疲ぃ より:

         昔は誰が追加戦士になるかって謎かけで盛り上げていましたが、今はああいうのだいぶ早めに情報公開するのが定石ですからねえ。サブキャラクターがプリキュアになるって話が出た瞬間にフェイクだって冷められちゃうんでしょうね。

         幕下以下の力士と出会う機会といえば地方巡業か部屋の行事(朝稽古,餅つきなど)のどちらかってところらしいですが、力くんは近所の子なのできっと後者なんでしょうね。結構会話する機会もあるそうですし、人柄から入ってファンになるコースは充分ありそうです。
         案外、くりきゅうたが餅つきに自信を持っているのも力くんがファンになってくれたことがきっかけなのかもしれません。

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