
明日ここに足を運んでくれる5000人のキミ1人ひとりと一緒につくる特別な一日。いつものキミが5000倍ですね!

「けってい!キミとのライブ!」
大きな出来事
メインキャラクター:うた
目標
ライブのタイトル(コンセプト)を決める。
課題
アイドルプリキュアの単独ライブを行うことになった。会場やセトリはすんなり決まったものの、一番肝心なライブタイトルが決まらない。こころが言うにはタイトルはライブの顔だという。自分たちのライブにふさわしいタイトルで名付けたい。
解決
ゲネプロの日、会場のたくさんのスタッフががんばってくれている様子を見ていて、この人たちがいてくれるおかげでステキなステージが実現できるんだということを実感した。その感動を込めて、今回のライブタイトルは『You & I = We’re IDOLPRECURE』とした。
バトル
駆け出しスタッフを素体としたロケ弁型ダークランダー。
苦戦
前から攻撃しても後ろから攻撃しても、あるいは距離を取っても反撃してくる、対応範囲が広い敵だった。
勝利
みんなそれぞれできることで敵の反撃を退け、倒すことができた。
ピックアップ
初ライブ
本来は第17話のはなみちタウンフェスが初ライブになるはずだったのだが、結局あのあとリベンジ開催などはなかったようだ。
というか、Pretty Holic主催のイベントでファンの前に立つ機会があった(第29話)はずだが、あのときって舞台挨拶だけで歌っていなかったのね。
ライブタイトル

当然ながら本来は真っ先に決めるもの。コンセプトが決まらなければセットリストもステージ演出も決まらない。また、広告面でも、たとえばポスターのデザイン・印刷に1ヶ月はかかるため、どんな小規模のライブでもそのくらいまでには決めておく必要がある。
リハーサル

ライブ前日とのことなので、いわゆるゲネプロだと思われる。本番と同じ出演者,衣装,ステージ演出,タイムスケジュールを揃えて、お客さんを入れずに本番同然のパフォーマンスを行う。
劇中でも軽く描写されていたとおり、出演者のパフォーマンス練習だけならこんなことをしなくても自前のスタジオで何度でもできる。ゲネプロの主役は裏方スタッフだ。
イベントの企画や広報,ステージ設計,演出プラン作成,機材の搬入出などは専門のイベント会社が取り仕切るし、会場備えつけの照明・音響機材その他設備の操作は通常会場側の技術スタッフが担当する。ライブステージを成功させるためには大きく分けても出演者,イベント会社,会場スタッフという、それぞれ母体の異なる3者が協力しあわなければならない。だから3者の連携を確認するために本番同然のリハーサルが必要になる。
とはいえ現実には時間が足りなくてフルでのパフォーマンスが確認できなかったり、出演者のスケジュールが合わなくて代役を立てたりすることもしばしば。この場合、まあ、スタッフはものすごく困る。照明プランは1人1人の体格や挙動によって変わるし、音響のボリュームも出演者の声量に合わせて細かく調整しなきゃならんのよ。
『You & I = We’re IDOLPRECURE』

CMも流れていた、来週現実に開催される『キミとアイドルプリキュア』のライブイベント。
昼夜全2公演行われる。昼の部は主に子どものファン向けのステージになり、夜の部はどちらかというとオッサンオバサンファン対象のステージになるようだ。開演時間の間隔を見た感じ、おそらく各公演2時間くらいだろうか。オンライン視聴チケットは各公演3800円だから割と安いほう。
正直言うと私は声優をアイドル扱いする文化がどうしても好きになれないから今日まで情報を集めていなかった。ただ、改めて公式サイトを見てみると、応援用のペンライトカラーにプリキュアや歌手陣の色指定はあっても声優のものは無いらしく、もしかしたら声優の生身の出演は無いのかもしれない。
ファンが求めているライブってどんなのだろう?
「タイトル?」
「はい。ライブのタイトル、すごく大事です」
「こころはどんなタイトルにしたいメロ?」
「うーん。そう簡単には思いつかないけど――。ライブタイトル、それはライブの顔。ライブの全てと言っても過言ではありません」
今話はうたのライブステージについての気付きを3段階に分けて、物語が進行していきます。
具体的な達成課題はライブのタイトルを決めること。要はテーマ決めですね。
こころはただポスターに書く文字列を決めろと言っているのではなく、もう少し踏み込んで、いったいどういうライブにしたいのかと聞いています。だからこそ、うたが提案した『キラッキランラン祭』ではダメなんですね。これだと漠然としすぎていて、どういうライブなのか誰にも伝わらないから。
「やろうよ、アイドルプリキュアのライブ! うん! 直接会える生のライブ!」
「たしかに、ファンの人たちは今までネットの動画でしかライブを見たことがないから」
そもそもの、ファンのために生ライブをやろう!というのはすんなり決まりました。
会場も田中がパシフィコ横浜を押さえてくれました。(お前の営業力どうなってんだ)
宣伝のほうもカッティンとザックリンがうまいことやってくれています。
セトリやMCを挟むタイミングもあっという間に決まりました。
「はい。ということで今日はアイドルプリキュアのどんなライブが見たいか、みんなで語りたいと思います!」
「私、そういうの大好き! やっぱり最初は5人そろって、どーんと登場して盛り上がる曲で始まるの!」
「だよねー!」
「トークコーナーもほしいなあ」
「うんうん」
「アンコールは何度でも!」
「わかるー!」
「じゃーん! このマグネットを使ってセトリの流れを決めていきましょう」
「集めた意見も参考にするメロ」
「トークで裏話を聞きたい。ダンスレッスンをしたい。アイドルプリキュアからのファンサがほしい――、だって」
アイドルプリキュアのファンは自分の推しが歌っているところを生で見たことがありませんが、その正体であるうたたちはファンのすぐそばで生活しています。ファンの生の声を、いつでも聞くことができる立場です。
それ抜きにしても、そもそもアイドルプリキュアはこれまでファン1人ひとりに寄りそって活動してきました。現実に喩えるなら地下アイドルみたいな活動スタイル。ファンとの距離がすごい近いから、アイドルとして何をしてほしいと思ってくれているのか、ファンの気持ちが手に取るようにわかります。

だから、第1段階、ライブにどういうコンテンツを盛り込めばいいのかは簡単にわかるんです。ここは悩むところではありません。答えが明らか。
そこまではぽんぽん決まっていくのに、なのにどうしてだか、ライブのタイトルだけがいつまでも定まりません。
いったいどうしてでしょうね? うた自身、自分がどうして決められずにいるのかよくわかっていません。
「5000人のライブ会場かあ・・・。やっぱり想像つかないや。ライブタイトルもまだ全然思いつかないし」

頭のなかにぼんやりモヤがかかっているのを実感したまま、今一度自分たちがやろうとしていることに思いを馳せます。
5000人規模のライブ。よっぽどです。相当です。日本有数です。5000人って、いったい何人くらいになるのか全然ピンと来ません。
そう。これは今まさにわからないこと。
ということは――、この答えさえはっきりしたら、自ずとライブタイトルも決められるようになるんでしょうか?
5000人に見せるライブってどんな感じだろう?
「それなら行ってみようよ、パシフィコ横浜!」
「お姉様の言うとおり。考えてもわからないなら、実際に会場へ行ってみればいいの」
なら、今の自分が何をするべきなのかは自明です。
わからないことがあったら調べればいい。
「うわー! こんなに広いのー!?」

第2段階、ライブの規模感を知ることもそう難しくはありません。
箱は押さえてあるんですから、見学しようと思えば打ち合わせついでに見学する機会はつくれます。この部分で難しいことがあるとすれば、“自分が会場の大きさについての実感を必要としている”という前提を認識しなければいけないことくらい。
学校の宿題なんかでも「何がわからないのかわからない」というのはよく聞く話ですよね。自分のなかの問題意識を明確にすることは課題解決にあたってとても重要なことで、そして案外、見落としがちなポイントです。でもまあ、今回うたはこの段階もすんなり突破しているわけですよ。
「・・・うーん。こんなおっきな会場でやるライブのタイトルだから、『おっきいビックビックコンサート』? うーん、『ウルトラでかーいライブ』? 違うなあ。うーん。うーん。 ――うわあ、なんか余計わからなくなってきたー!」
だというのに、当初からの課題だったライブのタイトルを決めることは相変わらずうまくいきません。
どうして?
わかりますよね。会場を見学する前と同じです。
何かピンと来ていないことがあるんです。頭のどこかにまだモヤがかかっているんです。答えを出すにあたって、知らなければいけないことがまだ何か残っている。
でも、「何がわからないのかわからない」。今度はお手上げ。自分のなかの問題意識を明確にすることは課題解決にあたってとても重要なことなんです。そして、これがはっきりしなければ調べに行くことも、自分なりに分析してみることも叶いません。
・・・たとえば、カイトはどういうふうに考えているんでしょうか?
ひとりで悩んで答えが出ないときは周りを頼ってみるのもあり。
第11話で将来の夢を考えてみたときも、それから第23話でファンサのあるべき姿を考えてみたときもそうでした。あのときもうたはななたち友達や、カイトの言動をよく観察して、そこから自分なりの答えを見出してきたんです。そうして出した答えはカイトも褒めてくれるほどでした。
「俺にとってのライブ? うーん。やっぱりライブは特別な空間ですね。同じ時間、場所、ひとつの空間にそのとき限りの人が集まる。直接気持ちを届けられるし、お客さんの気持ちも感じられる。そんなかけがえのない空間――、ですね」
“かけがえのない空間”。それがカイトのライブに対する考えかた。さすがレジェンドアイドル、なんだか含蓄深いことを言っている気がします。
「思いついたプリ! 『アイドルプリキュア 君にでっかい魔法かけちゃうプリ!』 どうプリ?」
しっかり感化されたプリルンなんかはカイトの言っていることの趣旨を正確に捉えた、いかにもそれらしいタイトル案を出してくれています。「プリ」は余計ですが。
・・・でも。

それはうたの頭にかかるモヤモヤを晴らす答えにはなりえません。
だって、最初は会場が大きいからうまく答えを出せないんじゃないかと思っていたんです。
それに、ファンと同じ時間、同じ空間を共有するなんて、そんなのうたも普段からやっていることです。ファンのほうは気付いていませんが、うたはいつも自分のファンに寄りそって、ダークランダーにされてしまった人たち1人ひとりのために心を込めて歌っています。気持ちを届けられている実感だってあります。
だから――、カイトはライブ会場を“かけがえのない空間”と評しますが、うたにその言葉はピンと来ません。それはむしろ、“いつもの空間”です。
プリルンは“魔法をかけちゃう”と言っていますが、それだって普段からやっていることです。カッティンやみこと――、うたのファンサで人生が変わったファンはすでに少なからずいます。
だったら、5000人も集まってもらえる、大規模なライブを行わなければならない理由になるとは、うたにはどうしても思えないんです。
「うた。大丈夫プリ? うたにはプリルンたちがついてるプリ」
「ねえたまの言うとおりメロ。みんなで考えればきっといいタイトルが思いつくメロ」
いよいよ頭がこんがらがってきたうたに、もう一度プリルンからの助言。仲間を頼れ。
たしかに。その発想があるからこそ、うたはカイトのライブ観を参考にしようとしました。
将来の夢やファンサのことを考えたときも、仲間を頼ったからこそうまく解決することができたはずでした。
「プリ! みんなでキラッキランランなライブにするプリ!」
「キラッキランランなライブ――」
「プリ! うたのキラッキランランが届いたら、会場はキラッキランランでいっぱいになるプリ!」
「キラッキランランでいっぱい・・・。私、早くライブしたくなってきた! ありがとう、 プリルン、メロロン!」
未だはっきりした答えは出ませんが、プリルンのその言葉で、なんだか頭のなかのモヤが少し晴れたような気がしました。
たぶん、今考えるべきことはこの方向でおおむね的を射ているのでしょう。この思考の先に、自分が求めている答えがある気がします。
収容客数5000人の大きなステージ。それを埋める、見渡すかぎりのファン、ファン、ファン――。みんな自分たちのライブを楽しみにしてくれていて、歌って踊ってファンサしたら、きっとみんな大喜びでペンラを振ってくれる。
それはきっと、私にとってもすっごいうれしいこと。


きっとそれが、このライブでしかできない、このライブだからこそ私がやってみたいこと。
ライブってだれがつくっているんだろう?
今一度確認します。
今話はうたがライブステージについて、3段階で気付きを得ていく物語です。
最終的に到達すべき達成課題は、今回のライブタイトルを決めること。
そこにはライブの核心的なテーマが篭もるべきであり、すなわちそれは“うたがこのライブを通してやりたいこと”でなければなりません。
3段階に分けて少しずつ思考を深めていくかたちを取ったことで、今、うたは“自分がこのライブを通してやりたいと思っていることは何なのか”を考えるべきなのだという、課題の本質に気付きはじめました。
「何がわからないのかわからない」はすでにほぼ解消されています。
だからこそ、彼女はこんな何気ない瞬間から、欲しかった答えにすっと辿りつくのです。



「そっか。ライブって私たちだけじゃなくて、たくさんの人たちがいてできてるんだ」
アイドルプリキュアは1人ひとりのファンに寄りそって、これまで活動してきました。
今回だって、生ライブをやろうと思ったのは学校のアイドルプリキュア研究会の声を受けてのこと。
5000人なんて途方もない数字、どんなにすごいことか想像もつきません。
それでも、この客席いっぱいにアイドルプリキュアのファンが集まって、みんなでライブを喜んでくれたら、すっごくキラッキランラン!とは思います。
それは同様に、スタッフさんたちも。
「あ、すみません・・・。私、子どものころからPretty Holicのことが大好きで、だから私もPretty Holicのコスメでみんなを幸せにできたらいいなって思って」(第5話)
「それって管理のほうのマネージャー? それともアイドルのマネージャー?」
「どっちもです。あなたたちの“キラッキランラン”を私ももっと見たいと思いまして」(第5話)
初めてお仕事をくれたPretty Holicのお姉さんも、最初はアイドル活動に疑問を呈していた田中も、それからカッティンやザックリンも、それぞれの理由からうたたちのアイドル活動を一生懸命手伝ってくれています。
彼らと一緒にお仕事していると、本当にがんばってくれているのが伝わってきて、これもまたキラッキランラン!
今回も、ヤスさんって人がお弁当やらお茶やら持って絶えず走りまわっていて、この人もきっと何かやりたいことがあって不慣れな仕事にチャレンジしたんだろうなって。
スタッフさんたちは必ずしもアイドルプリキュアのファンとは限りません。今日はたまたまそれぞれの仕事のなかで、偶然同じライブの現場で交わりあえたというだけ。
それでも、彼らそれぞれの一生懸命な顔を見ていると、いいなって思うのです。
きっとみんな、お客さんに喜んでほしくて自分にできることをがんばっているのは同じだから。

「You & I。キミと私。キミがいるからこそ、私もいる。あのヤスさんもそんな“キミ”のひとりなんだね」
ファンと一対一の小さなつながりを越えて、5000人収容の大きなライブをやる今だからこそ実感できること。
うたはアイドルプリキュアです。
みんなに喜んでほしくてアイドルやってます。
自分の歌で誰かがキラッキランランになってくれたら、自分までキラッキランランになれるから毎日がんばっています。
それって、みんな同じなんだなって。
ファンは自分も推しも一緒に盛り上がれるように応援してくれるし、それと同じでスタッフさんたちだって、自分の仕事でみんなが喜んでくれるようにってがんばってくれています。
今回みたいに大きな舞台で、いろんな人たちが関わってくれていることが見えるほどに、ああ、自分たちがやっていることは全然特別なことじゃないんだ。みんながお互い当たり前にやっていることを、自分も同じようにがんばっているだけなんだって、実感します。
自分たちが、みんなの参加している大いなる善意の渦の一端に参加できていることを実感します。
「失礼します。――あの。私たち、必ず最高のライブにします! よろしくお願いします!」
これはリスペクトの精神です。
私も、キミも、本質的な部分で同じなんだって。
アイドルなんて特別なものじゃない、なんていうとまるで自己否定みたいになっちゃいますが、結局それがうれしいんです。
キミの優しさを実感できて。
キミの優しさを実感するほどに、きっと私の思いも届いているはずだって確信できて。
私は今日、このライブで、そういうことがやりたい。
だから――。
「あ。思いついた。私たちのライブタイトル! いっくよー! 『You & I = We’re IDOLPRECURE』!」
私とキミとで、今日はみんながアイドルプリキュア。



コメント
最初に番組タイトルが発表された時「『ひみつのアイプリ』と被るから『キミと』がくっついた」なんて言われたものですが……改めて、とんでもない!
今回定義づけられたライブのコンセプトを踏まえると、5人曲は『We are!You & IDOL PRECURE♪』がピッタリだなと思いました。
分かりやすいコーレスがたくさん出てくる、まさにああいう一体感を求める場には相応しい楽曲かなと(ただし劇中の練習風景を見るに、少なくともアンコールは『キミとシンガリボン』のようで)
『キラキラプリキュアアラモード』の時代からその手のネタは尽きませんね。(当時『キラキラプリキュア』というオリジナルプリキュアのSSが存在していたとかだったかな)
ウチのブログのドメインも、さすがに「キュアブレッシング」なんて宗教臭い言葉なら公式と被ることはないだろうという理由で決めたものだったりします。
劇中に出てくるサビ部分だけだとわからないですけど、あれゴリゴリに自己紹介ソングなんですよね。私ああいうの好き。アイドルマスターは『団結』から入りました。
今回はプリキュアたちよりむしろ、スタッフのヤス青年に着目しました。
こちらはコンサート後の撤収時が舞台で、今回のリハーサルや設営の逆ではありますが、かの青年を見て、ふと、長渕剛の「ローディー」を思い出しました。
ここらはもう、今のプリキュアの主力視聴者層の祖父母の時代の曲になってしまいますが、今年の映画の昭和のアイドルやその舞台なんかもまさに、昭和50年代の「カックラキン大放送」や「八時だよ、全員集合」の歌コーナー(志村さんのギャグの出るところではないです~苦笑)で見たような、そんな場面でしたから。
ヤス青年と同じ仕事をした経験はないですが、私のような昭和40年代半ば生れの人ならだれもが形を変えて経験していることには違いない。まさに、昔の自分自身を人と姿と舞台を変えて見せられているような気になりました。
あの程度の失敗なんて、誰もが通過儀礼の如く通っていくことですな。
私の場合は、大学の先輩にコンビニでタバコと飲み物その他刈って来いと言われて煙草を買ってきたのはいいが、途中落として自転車で踏んでしまっていて、それでしょぼんと下宿に持って帰ってきてお渡ししたところ・・・、
しゃあないな、もったいないやろ、ってことで、つぶれた煙草を詰め直してセロテープで貼って吸われていました。
「うまいですか」
と恐る恐るお聞きしたら、怒るどころか大笑いしながら、
「アホ、美味いわけないやろ」
と返ってきました。確かその煙草はセブンスターだったと思いますが、その方曰く、
マイルドセブンのライトみたいでなぁ、薄味にもほどがあったで。
とのこと。
もっとも私はその後も煙草を吸ったことがないため、酒特にビールはともかく、煙草については味の違いまではわかりません。
もう一つ申すと、1960年の新型ブルートレインになったばかりの「さくら」号を舞台にした東映の映画「大いなる驀進」においても、主人公の車掌補が「この列車には何人ものスタッフが乗車して、それでこの列車を動かしているんだ」云々と述べるシーンがあります。
かの青年のような立ち位置の人は、昔も今もいて、いろいろな経験、特に失敗をして成長していくものであるということを、あらためて痛感させられました。無論今回の監督さん的な年配の方のようないい人ばかりでもないけど、その真逆の悪い人ばかりでもない。そういう世界を、かのヤス青年もこれから泳ぎ切っていかねばならないのですな。
~ それは、アイドルプリキュアの諸君も立場は違えど一緒ですが。
別に怒鳴られているわけではないし、ちゃんとわかりやすく大事にしてもらっているっていうのはイマドキですよねえ。一昔前のシゴキだって、結局はさりげない一瞬で自分は大事にしてもらっているんだって実感させてもらえたからこそ続けられたもののはずで。育てる側視点では多少メンドクサイ気持ちもあるにはあるんですが、まったくもって合理的。