私の大切なみんなの街に、なんてことしてくれるのよ!
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(主観的)あらすじ
魔法学校に入学することになったみらいのため、みらいとリコのふたりは魔法商店街へ出かけます。商店街のお店はどこもリコの昔なじみ。みんな親切でいい人たちです。休憩中、ふたりのおしゃべりは将来の夢の話へ。リコはみんなに認めてもらえる立派な魔法つかい。みらいはまだ考えたことはなかったけれど何か見つけたい、と語ります。
そこへ現れる新たな敵・スパルダ。みらいのリンクルストーン・ダイヤを奪い、ヨクバールの力で街を壊しながらふたりを追い詰めます。変身できない大ピンチ。振り返ると壊された街で困り果てる住民たちの姿。「私の大切なみんなの街に、なんてことしてくれるのよ!」リコの激昂に呼応してリンクルストーン・ルビーが姿を現し、プリキュアは新たな力を手にします。
あなたを好いてくれる街
前話はどちらかというとみらいを中心に描かれた物語でしたが、今回はリコがメイン。ある程度重心を偏らせてももう片方もしっかり物語に参加できるのが2人構成のいいところ。
魔法商店街の人々はごく自然にリコへ親切を尽くしてくれる一方で、リコの劣等感を刺激する言葉にも遠慮しません。まるで家族のような距離感です。リコの方も幼い頃から通っているだけあってそれで怒るような真似はせず、せいぜい居心地の悪さを感じるだけ。暖かな空気を感じます。
彼らの明け透けな言葉はある意味で相手を傷つけるものとも言え、ともするとネガティブな印象を与えかねませんが、信頼関係とタイミングによっては相手の素直な気持ちを引きだす力を贈ることもあります。
商店街でさんざん自分の恥ずかしい姿をバラされてしまったリコは、さらにもうひとつ、みらいに恥ずかしいことを打ち明けます。「エメラルドを見つければ校長先生やみんなに認めてもらえる。立派な魔法つかいになれるって思ったの」 前話では補習を回避するためと話していた彼女でしたが、今回もう一歩踏みだしました。現在の姿が夢から遠ければ遠いほど、夢の形は自分にとっての弱みとなりえます。
前作GO!プリンセスプリキュアの春野はるかもそうでした。花のプリンセスになるという夢を幼馴染みにからかわれた彼女は、それ以来自分の夢を口に出すことができなくなりました。「なれるよ」 と祝福してくれるカナタと出会ったことで夢そのものを捨てることはありませんでしたが、それでも夢を問われて口ごもるほどに、物語開始当初の彼女にとって夢は恥ずかしいものでした。
成績不良のリコにとって、「みんなに認めてもらえる」「立派な魔法つかいになれる」 とはどれだけ遠く切実な夢なのでしょう。それを打ち明けたリコの勇気、背中を押した商店街の人々への信頼はステキです。
そして果たしてみらいは打ち明けがいのある相手でした。「すごいな、リコちゃんは!知らない世界に、たったひとりで飛び込んで、叶えたい夢があるんだもん」 みらいはリコの夢を祝福します。はるかにとってのカナタのように。夢を祝福したうえで、現在の努力まで賞賛してくれます。
きっとこの祝福はリコにとって大きな支えとなるでしょう。そこへ導いてくれた商店街の人々の暖かさとともに。「でも立派な魔法つかいってどんな魔法つかいなの?」 輪郭のぼやけた夢は近い将来の挫折を予感させますが、彼女には支えてくれる大切な人々がいます。
プリキュアはなにと戦うのか
ヨクバールは積極的に街を破壊します。みらいたちと無関係に建物を叩き潰したのはプリキュアシリーズでは案外珍しいことで、例年なら街が破壊されるのはプリキュアと戦った余波によるもの、あるいは素体の個人的な動機に限定されていました。街への被害が各話のテーマに繋がることも稀なため、プリキュアが破壊される街に気を払うこともそう多くありませんでした。
今話、リコは街への被害を目の当たりにして激しく憤ります。破壊されたこと以上に、破壊された街を見て人々が何を思うかを慮り激昂します。前話ではみらいがそうでした。リコの通う校舎が壊されようとするのを嫌がった彼女は身を挺して校舎を庇いました。
どうせ戦闘後修復されるとか、力不足で全ての破壊行為は止められないとか、そういうことは彼女たちには関係ありません。彼女たちにとっては大切な街が破壊されること、大切な人々が悲しむこと自体が許せないことなのです。つまり、ヨクバールは完全な外敵です。道理で、久々に変身バンクから笑顔が消えたわけですね。
今作のテーマは「手をつなぐこと」 だそうです。フレッシュやスイートのようにその対象を敵にまで拡張するかまではまだわかりませんが、いずれにせよ今代のプリキュアは大切な人々を増やし、大切な人々を守るために当面戦うものだと思われます。「もう勝手な真似はさせない!」「この街から出て行きなさい!」
おまけ:ルビースタイルについてヤボなこと
フレッシュ以来の胸のあるプリキュアが登場しましたね。いやまあよく見るとバストの裏地にボア素材が仕込まれているだけなのですが(笑)。ただでさえ炎を扱うスタイルなのに暑くないんでしょうか。
特性に関しては以前記事にしたとおりパワーストーンがらみから造形されているようですね。必殺技のシンボルがハートなのは石言葉の「純愛」から?石言葉は宝石を受け取る人に抱いてほしい印象を言語化したもので、その性質上大半の石にひとつくらいは恋愛がらみのワードが入るので、早々にハートが使われたのは意外といえば意外。
・・・と、思いきや聞くところによるとどうやらサファイアは空中戦型だそうな。以前の記事では採用しませんでしたが、サファイアの空中要素はどちらかというと石言葉の方。「徳望」は青い宝石→青空の色→主神の坐すところ→信仰する心、と連想されて繋がるんです。あれー?
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