魔法つかいプリキュア!第6話感想 魔法を使うために必要な願いとは。

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お願い、壊れないで。

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(主観的)あらすじ

 今日の授業はいつものアイザック先生に代わって、リコの姉であるリス先生が受け持ちます。課題は魔法の杖を使って水を望みの形に10秒間固定すること。実技です。もちろんみんな苦戦。優秀な姉に思うところのあるリコに至っては、緊張しながら無謀な高難度に挑戦し、造形すら満足にできません。ついには姉のようにできない自分に苛立ち「私にはできないの!」 と投げだしてしまいます。
 授業を抜け出していじけるリコに、みらいはリズが心配していたことを伝えます。それを聞いては姉への複雑な思いを打ち明けるリコ。「憧れだった」「お姉ちゃんのように立派な魔法つかいになる」 その一方で「(魔法ができない姿を見られるのが)恥ずかしかった」「このペンダントにふさわしいのは、やっぱりお姉ちゃん」「プリキュアだってお姉ちゃんの方が・・・」 けれどその言葉はみらいにとって看過できるものではありません。「リコがこのペンダントを持っていたから私たちは出会えたんだよ!?」「私はリコじゃなきゃ嫌だ!」 リコを苦しめるものの象徴は、同時にかけがえのないものをももたらしていたのでした。
 そんな矢先に現れるスパルダ。彼女はヨクバールによってリズを傷つけ、侮辱して嘲笑います。「私の大好きなお姉ちゃんをバカにしないで!」 キュアマジカルの素直な思いがリンクルストーン・アクアマリンの銀魔法を発現、そのままヨクバールを浄化します。
 授業の続き。リコは造形を思い出のペンダントに変えて再挑戦。「お願い、壊れないで」彼女の強い願いは水を固定するよりさらに高位の魔法、氷の魔法を成功させます。今回の課題はリコを含めてみんな揃って合格です。

 オープニングは恒例の劇場版宣伝仕様。背景で歴代パパママが踊ってるわ、竹ノ内先生やらカオルちゃんやらがアップで出るわ、ハートダイナマイトやアルティマソードなんてレア技使うわ、キュアラブリーがハニーリボン使ってるわ、敵がラスボスオールスターズだわ、ただでさえミュージカルなのに予算と時間配分どうなっているんでしょうね。ものすごく楽しみです。もっといえば劇場で小ネタ全部拾える気がしないのでBDください。

 本編の話をすると、世界設定がおおむね語られたところで今回脚本がバトンタッチしましたが、依然補習シリーズは物語のチュートリアル的な位置づけの様子。近年のプリキュアでいうとメンバーの覚醒回かその次の当番回のような雰囲気ですね。ひとりひとりが胸の内になにか課題を抱えることで、プリキュアの物語は鮮やかに色づいていきます。

なりたいと、そう言ってしまったのだから。

 1日目からそうでしたが、みらいのように人一倍積極的に授業に取り組む生徒は教師にとってありがたい存在ですね。彼女のように自分から授業を動かしてくれる生徒がいるとクラス全体の授業理解度が向上します。老練なアイザック先生なんかはそれをよく理解していて、2日目の補習では授業のまとめにみらいのアイディアをうまく取り込んでいますね。クラス替えのときも彼女のようなタイプは全クラスにうまく散らばるように配分するそうな。他に運動が得意な子とかクラス委員気質とか、あるいは友達をつくれない子と相性の良い子みたいな組み合わせまで配慮するようですね。
 リズ先生はアイザック先生ほど巧みではありませんが、生徒に対して否定ではなく肯定的な言葉を選んで話していたり、背の低いモフルンを紹介されて目線を下げて対応したりと、愛情のにじみ出る仕草を見せていますね。ステキな先生です。
 子どもの生きる世界は多くの人の様々な願いに包まれています。ちなみにここまでの話は単に大学で習っただけの聞きかじりです。

 さて話を物語に戻すと、今回はリコの夢についてのお話。これまで繰り返し語られてきたリコの「立派な魔法つかい」像そのものである姉の登場です。
 リコは幼いころ姉であるリズに憧れ、「リコもお姉ちゃんみたいになりたい」 とリス本人に夢を語りました。それを受けてリズも「リコだってきっとなれるわ、立派な魔法つかいに」 と祝福とともにリンクルストーン・ダイヤモンドのペンダントを贈っています。リコにとって「立派な魔法つかい」は単なる個人的な夢ではなく、ある意味でリズとの約束でもあったのですね。
 であればこそ、リズが監督役の先生になることはリコにとって居心地の悪い重圧となるわけです。なにせあれから何年も経ったのに姉と並べていません。魔法学校入学前のリズにすら追いついておらず、それどころか魔法そのものがろくに使えません。彼女がリンクルストーンを贈られた思い出を約束と認識するならば、自分は大切なものをもらっただけで約束を破ってしまっている大嘘つきです。

 前回に引き続きみらいが魔法を成功させそうになると悔しそうな表情を浮かべますが、それが失敗したときにはずいぶんと複雑な表情を見せます。少なくとも安堵ではありませんね。先の悔しそうな表情から連続するならそういった気持ちが表出しそうなものですが。どちらかというと残念そうな表情です。
 それは、もしみらいが魔法を成功させた場合、みらいとペアを組んでいるリコは魔法を披露せずに済むからでしょうか。そうすればリズの前で情けない姿を晒さなくてもよくなります。問題の先送りでしかありませんが、少なくとも今はまだ自分を嘘つきにしなくて済みます。・・・けれど、彼女の胸の内はそれだけでしょうか。
 リコが挑戦したのは玉乗りするゾウ。リズが模範演技で見せたものと同じものです。今リコが達成しなければならない課題は、単に10秒間固定することではありません。なにせ彼女はリズのような「立派な魔法つかい」にならなければいけないのですから。リズと同じことができてはじめて目標達成です。どれだけ無謀でも、どれだけ緊張と不安で指先が震えていても、リズの前で魔法を使うのならこれだけは必ず成し遂げなければなりません。

 それが失敗した失望はいかほどでしょうか。約束を違えてしまった。嘘つきになってしまった。大切なペンダントを贈ってくれた姉の期待に背いてしまった。その重みがリコを打ちのめします。「落ちてないし」「失敗してないし」「緊張なんてしてないし」 いつも強がっていた彼女がついに「私にはできないの!」 と音をあげてしまう、その辛さ。

なりたいと願ったから出会えた奇跡。

 リコの夢も失望も、いってしまえばみらいにとって他人事です。そんな彼女に憧れるし力になりたいとも思うけれど、それが他人の問題である以上は、過ぎたおせっかいは自分も相手も不幸にするだけです。
 けれど、リコがペンダントを受け取ったことを後悔するようなら話は別です。それはみらいとリコをつないだ奇跡のきっかけです。2つのリンクルストーンがあったからこそ、ふたりでプリキュアに変身したからこそ、みらいはリコと一緒に魔法界にいます。みらいにとって全く他人事じゃありません。
 もっというならリコが劣等感に苛まれたから、どんな手を使ってでも立派な魔法つかいになりたいと願い、行動したからこそ出会えた奇跡です。もしリズがリンクルストーンを持っていたとしても、優秀な彼女にはナシマホウ界へ赴きエメラルドを探す理由はなかったでしょう。ほうきで空を飛びながらナシマホウ界の人間に声をかけるなんてドジも、さすがにやらなかったでしょうしね。
 他人事ではないみらいだからこそ、強くて飾らない言葉が出てきます。「そんなの嫌だよ!」「リコがこのペンダントを持っていたから私たちは出会えたんだよ!?」 リコがどれだけ夢を持ったことを後悔したとしても、その夢はみらいにとっては出会えた奇跡のきっかけで、かけがえのない大切なものです。
 人と人との繋がりは、時折自分にとっては思いもよらないものごとで、誰かの運命を大きく変えてしまいます。自分にとってはそれほどのものでなかったとしても、誰かにとってそれがステキであるなら、もう少し大切にしてもいいかなという気持ちになりえます。それが友達ならなおさら。「手をつなぐ」というテーマが回りはじめました。
 友達であるみらいにとって大切なものであるなら、そしてみらいの言うそれが自分にとってもかけがえのないものであるなら、ペンダントを受け取ったことは到底後悔できることではありません。さあ、もう少し好きになるための努力をしてみましょう。

なりたいと、そう願うのだから。

 簡単な話です。「リコもお姉ちゃんみたいになりたい」 それは、リズのことが好きでなければ出てこない言葉なのですから。少し素直になるだけで、ペンダントを受け取った思い出はいくらでもステキなものになります。リズはリコの夢を祝福してペンダントを与えてくれました。魔法商店街の例があったように、リコは祝福してくれた人を嫌いになれる人間ではありません。
 「私の大好きなお姉ちゃんをバカにしないで!」 前回も述べたとおり、アクアマリンは自己表現を助け、円滑なコミュニケーションを取り持つ石です。あなたが素直になればなるほど、あなたに与えられた祝福は、その願いのとおりにあなたの力となるでしょう。

 授業の終わり、リコはみらいが課題を達成したにもかかわらず自分も挑戦する機会を望みます。今までもそういったことを訴えていましたが、彼女のリズへの思いを考えるなら、これは前回までと理由が異なります。リズの前でなければそれは自分の力を磨くためでしかありませんが、リズは自分の能力を披露すべき目標です。幼いころの約束のため、過程ではなく結果を見せたい相手です。
 許可されてリコが選んだ造形は、思い出のペンダント。彼女にとってリズへの思いを最も込めやすい形です。「お願い、壊れないで」 なにを壊したくないと? 前回まで魔法を使うこと自体にばかり気を向けていた彼女が、はじめて誰かへ思いを届けるためという目的を持って魔法を使います。
 そして彼女の魔法はこのうえなくその願いを叶えました。眺めるだけの水ではなく、大切な人に手渡しできる氷の魔法。奇しくも彼女が幼いころ憧れたリズの魔法は、彼女がリズを思ったときはじめて発現したのでした。
 授業の初めにみらいが魔法を失敗したときも、もしかしたら姉に自分の魔法を見てもらえる機会が来たことを喜ぶ気持ちがほんの少しだけ、リコの中には初めからあったのかもしれませんね。

 「魔法学校の先生なんて大したことないね」 もしそんな大切な人を侮辱しようものなら。負けん気の強いリコなら当然にこう言い放ちます。「私はお姉ちゃんを、大好きなお姉ちゃんをいつか超えて、もっともっと立派な魔法つかいになってみせるんだから!」
 誰よりも立派な人の、さらにその尊敬する人をいったい誰が侮辱できましょうか。
 彼女は生まれながらに星に祝福され、そして成長する過程でさらに多くの人々の祝福を受けてきました。その祝福に応えるため、彼女は改めて「立派な魔法つかい」を目指します。

(追記)
 リズが目覚めたとき咲いていた花について言及するのを忘れていました。
 葉の形はサクラの仲間。なかでも花びらが尖っているのは桃の特徴・・・だそうな(google情報)。その花言葉は「あなたのとりこ」「天下無敵」「比類なき資質」あたりでしょうか。物語の流れからすると3つめのが適当ですかね。
 リズはリコの中に眠る比類なき資質を信じました。どうか彼女に祝福によって芽吹いたリコの資質が、いつか立派な魔法つかいとして花開きますように。

今週の魔法文字

回想・積まれた本の山の右、上から:「ABCDEFG・・・」「12345678900/CHILLI」「123456」「A」「BIG」「08679」
回想・積まれた本の山の右、左から:「OMELIT 1」「-LL YAM GLV」「(逆さ)RICE- BRIJ-」「KAAM」「TIE」
思った以上に大したことが書いていないという。ちなみにCHILLIはイギリスつづりの「トウガラシ」であって「冷気」ではありません。

回想・板書:「MAHO HIWOTUKE S?NJI」「MAE」「ATO」
走り書きぎみで1文字読み取れませんが、「魔法火を付け損じ」? なにその予言。

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