魔法つかいプリキュア!第18話感想 花と海と。みんなまとめて魔法つかいプリキュア!

誰かを思う気持ちだって、強さなのよ!

魔法つかいプリキュア! Blu-ray vol.1

(主観的)あらすじ

 ガメッツに呼び出され、みらいたちは再び魔法界へ。人魚たちにペガサス親子、ふたりが以前助けた人々が、今度はふたりのために力を貸してくれます。
 そうしてたどり着いた最果て島では、魔法戦士としての真の力を解放したガメッツが待ち受けていました。強大な戦う力によってなすすべなく打ち倒されるプリキュア。とどめを刺そうとするガメッツに、今度ははーちゃんが立ち塞がります。人魚やペガサスたちがプリキュアに勇気をもらったように、はーちゃんもまた人魚やペガサスたちに勇気をもらったのでした。
 再び立ち上がるプリキュア。人魚たち、ペガサス親子、そしてはーちゃん。たくさんの誰かを思う気持ちに支えられたプリキュアは、ガメッツの戦う力なんかよりもずっと強いのです。

 注文の多い亀さんとの決着。3幹部の中でもとりわけ各話テーマに忠実だった彼は最後まで職務を全うしました。彼の尊ぶ「戦う力」はだいたいの道徳心と反発するので、物語を噛み砕くために大変ありがたい存在でした。ニワトリにとっての砂肝みたいなもの。
 世界の外敵から日常の悲しみへ、シリーズを経てプリキュアの戦う敵はその姿を変えてきました。必然、プリキュアは彼女たちの力だけでは今の敵に勝つことができません。敵の本質は他人の手の届かない、日常に生きるひとりひとりの心の中にあるのですから。
 だからみんなで戦いましょう。どうして? どうやって? ・・・なにと? 大丈夫、プリキュアはいつかそれを見つけてくれる物語です。

プリキュアの強さ

 アジサイの花言葉は「移り気」。一見ネガティブな言葉に見えますが、不安に思うことはありません。アジサイの花が次第にその色を変えていくように、人の心だっていくらでも変わっていきます。それが必ずしも悪いことでしょうか。
 里に篭もっていた人魚たちは空を飛ぶ練習をはじめました。人に懐かないペガサスたちはみらいたちをその背に乗せました。みらいたちが使った奇跡の魔法の成果です。憧れや優しさ、友達になりたいという気持ち。誰かを思う気持ちは、誰かの生き方を変えうる強い力を秘めているのです。
 生き方が変わった誰かが、その変化を歓迎すればこそ、変えてくれたみらいたちへの恩返しをしたいという気持ちが湧いてくるものです。変わることは必ずしも悪いことではありません。

 そしてあなたが手をつなぎ、気持ちを伝えたならば、相手だって手を握りかえし、気持ちを伝えかえさずにはいられないもの。恩返しというと貸し借りの話めいて面倒くさく感じることもありますが(私だけか)、実際は思いのほか素朴なものです。誰かに親切にされて嬉しかったから、自分も誰かに親切にしたい。その対象がたまたまあなただっただけのこと。
 みらいとリコ、ふたりの間で散々やりとりしあった彼女たちならその親切を自然に受け入れることができるでしょう。偶然だか運命だかで出会った彼女たちの縁を今でも続かせているのは、他でもない彼女たち自身の善意と好意によるものなのですから。

 「ふたりの強さが私たちを変えたのよ」 ロレッタ先生の言葉に「そんなことないよ」「私たちはみんなの強い思いに支えられて、これまで頑張れただけ」 と返すみらいたちは自分たちを正しく認識できていますね。
 彼女たちはただ大好きな人が、街が理不尽に巻きこまれるから戦っているだけです。近年のプリキュアのように「愛」だとか「夢」だとかといった、自身の中に確固とした信念を持っているわけではありません。魔法つかいプリキュア! は思想的に脆弱です。プリキュアの戦いは本質的に思想戦です。オールスターズでケチョンケチョンにされたのもむべなるかな。
 それでもロレッタ先生はみらいたちを強いと評します。だって彼女たちは、人の生き方すらも変えてしまう奇跡の魔法の使い手ですから。みらいたちの中にはこれといった信念はありませんが、代わりに誰かの思いを尊ぶ心があります。人魚たちが外の世界を恐れるなら、たとえ変身できなくても外の世界から来た恐ろしいものに立ち向かいます。仔ペガサスが母ペガサスを救おうと願うなら、母ペガサスを傷つけずにヨクバールから引きはがします。そうやって誰かの強い思いに応えようとするからこそ、彼女たちの言葉は、行動は、誰かの心の強く響くのです。
 魔法つかいプリキュア! は自身の中に確固たる信念を持ちません。彼女たちの信念は自身の外側、誰かの大切な思いのそばに寄りそっています。それこそが奇跡の魔法の源泉。誰かの大切な思いを叶えたいと願う彼女たちだからこそ、誰よりもたくさんの人と手をつなぎあえるのです。

小さなプリキュア

 けれど人魚たちやペガサス親子と交流した当時まだ赤ん坊だったはーちゃんにとって、変化を歓迎するあり方や他人から親切を受けることは、少しだけ新鮮なもの。ナシマホウ界では人前に姿をみせられないので、直接コミュニケーションする相手も身内に限られていましたしね。
 「プリキュアが・・・みらいさんとリコさんが、私たちに勇気をくれたの」 勇敢ではあってもプリキュアではなく、あくまでみらいたちに庇護される側だったはーちゃん。みらいたちのしてきたことがどういうことか、大切なことを彼女はこのとき初めて教わります。
 「はーちゃんにもありがとうって言ってるモフ」 それからもっと大切なこと。奇跡の魔法はプリキュアだけの特別な力ではありません。みらいたちだってプリキュアに変身して誰かと仲よくなっているわけではありませんからね。一緒にパンケーキを食べた、たったそれだけでも手と手をつなぐきっかけとしては充分です。「女の子は誰でもプリキュアになれる」 とはかつて胡散臭い男の人が言ったセリフですが、まさにその通り。はーちゃんだって、実は知らず知らずのうちにプリキュアと同じことができていたのです。

 だから、プリキュアのピンチにはーちゃんは立ち上がります。体は震え、涙も零れそうになるけれど。それでも守りたい大切な思いがあるのですから。人魚たちやペガサス親子の願いをプリキュアが守ってくれたように、プリキュアが困ったとき人魚たちやペガサス親子が手助けしてくれたように、はーちゃんがが困ったときプリキュアが助けてくれたように。だから、プリキュアがピンチのときは自分が助けてあげたい。
 だって、はーちゃんはプリキュアですから。人魚たちやペガサス親子がそうであるように、みらいたちと出会ったみんなが、手と手を繋ぎあい、心と心を交わしあう、奇跡の魔法の使い手なのですから。
 恐いけれど、恐れることはありません。プリキュアが人魚たちに与えた勇気が、人魚たちを経てはーちゃんの中にも伝わっているのですから。
 だからはーちゃんは勇気あるプリキュアです。たとえ吹けば飛ぶようなか弱い力しか持たなくても。誰かを思う気持ちさえあれば小さなプリキュアは負けません。「プリキュアは強い、強いの!」 絶対に負けません。

 ・・・だって、そこに誰かの強い気持ちがある限り、キュアミラクルとキュアマジカルは必ず力を貸してくれますから。

 アジサイの花言葉をもうひとつ。たくさんの装飾花がひとかたまりに集まる様子から、この花は「仲よし」という言葉を託されることもあります。
 「ホントは超楽しい! 犬喋ればワンダフルでしょ。だから君も仲間ね、もう。魔法つかいプリキュア!」 たとえプリキュアでも、そうでなくても、妖精でも、人魚でも、ペガサスでも、みんな手と手を繋ぎ、心と心を通じ合わせたなら、誰もが奇跡の魔法を使いこなすプリキュアです。仲よしのみんなでプリキュアを応援し、ときには自らプリキュアとなって、みんなの大切な想いを守りましょう。
 大丈夫、あなたの背中はいつだって、仲よしのみんなの大切な思いが支えてくれているから。

今週の魔法文字

ガメッツの果たし状:「SAIHATEJIMA DE MATU GAMETS」
ガメッツの遺言状:「DOKUROKUSSI SAMA KATTEWO OYURUSIKUDASAI GAMETS」

 内容は例によって音読されていますが、さりげなくガメッツさんとドクロクシーさんの綴り初登場。公式サイトのPHPファイル名と違ってローマ字書きではありません。ただしなにぶん魔法文字なので、はたして本当に信用していいかどうかというと・・・どうでしょうね。
 それにしてもアレですね。つくづくこの文字の草書しづらそうなことよ。起点と終点の位置がバラバラなので流れよく文章を書こうとすると文字列がぐにゃんぐにゃんにひん曲がっちゃう様子。

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