超人女子戦士ガリベンガーV 第24話感想 ヒグチ先生とかいう『学校であった怖い話』でいうところの細田枠。

生徒役:電脳少女シロ、キミノミヤ、メリーミルク

すいません、先生。教官の顔がちょっとうるさくて集中できないです。

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→ TVerアーカイブ配信(放送後1週間限定)

→ 未公開シーンが投稿されているYouTube公式チャンネル

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ → YouTube公式チャンネル

「シロには鼻は点ぐらいしかありません。見て。無い。出ない」
 先日の生誕祭では会場に駆けつけたファン“を使って”思う存分楽しんでいたバーチャル2歳児。「友好的な動物のみなさんは一瞬黙ります」という新たなパワーワードが生まれた一方で、「みんなが作ってくれた場所でずっと待ってるからどうかまた会いに来てください」という彼女の2年間を象徴する名言も刻みました。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

キミノミヤ → YouTube公式チャンネル

「My English is program!」
 名古屋を拠点としてステージイベントに出演したり英語圏向けの日本文化(オタク文化)紹介動画を手がけたりしているご当地バイリンガルバーチャルYouTuber。もうこの時点ですでに情報過多。あるいは魅力過多。
 地元中京テレビにレギュラー番組を持っており、海外ファンへの訴求力を評価されて愛知県から観光サポーターにも任命されています。出身地を名古屋市大須としており、招き猫をモチーフにしているとのことなので、元ネタはおそらく大須商店街の巨大招き猫ですね。この巨大招き猫は左手を上げているのでまさしく千客万来。Welcome to Japan! HANJO! HANJO!
 上記のとおり普段は英語で様々な紹介動画を出しているわけですが、これが教材として丁寧なつくりのうえ、ちょこちょこ交える素直なコメントに愛嬌があって、日本人が見てもなかなか楽しい作品に仕上がっています。以前ガリベンガーVに出演した富士葵やときのそら、ヒメヒナなどを紹介している動画もあるので、是非とも一度ご覧あれ。

メリーミルク → YouTube公式チャンネル

「あ、あいあむめりーみるく。あいらいくぶれっど」
 儚げな印象そのまま、ここのところとみに力強さばかりを増しつづけている、守ってあげたい系パワープレイヤー。好きなものはパンとコーギー犬。コーギー犬のお尻は見た目食パンそっくりなので、実質ただのパン中毒者ですね。あとフリルも大好きです。なんやおら。
 得意なことはイラストとデザイン。あと力押し。おおむね1時間ちょっとでラフ画からカラーイラストに仕上げるパフォーミングアーツを心得ています。多少うまくいかないことがあっても強引に押し通す! よくわかんない部分があってもGoingMyWay! でも描きたいフリルは気が済むまで描ききる! だいたいそういう子です。
 ちなみに、羊モチーフのデザインではありますが、キャラクター設定としてはあくまで人間なんだそうな。長らく絵本のなかで暮らしてきましたが、最近絵本の世界がアイドル部の通う学校の近くにつながりました。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:体液の謎を解明せよ!

 自分の専門と微妙に異なる分野でも面白く授業してくれるヒグチ先生、3回目の登壇です。ただし隙あらば専門の筋運動の話にシフトさせてきます。油断してはいけません。よく考えたら鼻詰まりのメカニズムはトピック丸ごと体液の話ですらありません。いい先生です。 

トピック1:なぜヤケドをすると水ぶくれになる?

 「ズバリ自然の絆創膏を体がつくっているんだと思います」
 ヒグチ先生が細かく頷きながら聞いているときは正解のサインです。このトピックでは電脳少女シロが正解しました。
 水ぶくれの中に入っているものは血液の主成分のひとつである血漿。この血漿というのは免疫機能があったり、細胞の活性化を促す作用があったりします。深いヤケドをして一定範囲の細胞が死滅したとき、人間の体はこの血漿を滲出させて新しい細胞の成長を促しているわけですね。

 ・・・というのがヒグチ先生による解説。
 せっかくなのでもうちょっと詳しく見てみましょう。

 実は血漿というのは、ヤケドしていなくても普段から血管を染み出して出ていったり戻ってきたりしています。
 血漿には元々全身の細胞に栄養を届けるという大切な役割があるのですが、よく考えてみてください、ただ血管を通っているだけでは血管に直接接触している細胞にしか栄養を届けられないはずです。血漿が血管を自由に出入りできる成分だからこそ、私たちの身体の細胞は全身くまなく栄養を行き渡らせることができるんです。
 宅配便に例えるなら、血管は各地の集配センターをトラック便で繋ぐ高速道路、血管から染み出た血漿は1軒1軒荷物を配ってまわる宅配のお兄さんですね。
 私たちの皮膚の下には常に血漿が染み渡っているんです。だから、ヤケドなどで皮膚の深層まで傷が入ったとき、血漿はまるで湧き水のようにその傷口を伝い外へ流れ出てしまうわけです。流れ出る血漿が外皮によってせき止められてしまう現象が、水ぶくれ。
 実は水ぶくれというのは、自然治癒機能の一環として人体がわざと生成しているものではなく、たまたま結果的に血漿がせき止められてしまっているだけの現象なんです。

 「ヤケドしたとき、こう、熱い!ってなるから皮膚がふくらんできて、で、人間たちは体液があるからそこに水がたまっちゃう」
 その意味では、実はキミノミヤの予想のほうがさらに精確な認識だったりします。
 ヒグチ先生、彼女の予想を聞いているときも首をコクコク細かく動かしていましたね。

 もちろん血漿に細胞を活性化させる機能があること自体は本当です。なにせ栄養を運んでいますから。そして活発な細胞は乾燥を嫌いますから。
 ただ、ヤケドの治癒のため水ぶくれパンパンになるほどの血漿が必要かというと・・・別にそんなことはなかったりします。むしろ多すぎるとかえって自然治癒の妨げにすらなります。
 そのため、近年のヤケド治療の現場では、水ぶくれは穴を開けて潰したほうがいいとされているようです。(傷口を乾燥させるのが一番マズいので水ぶくれの皮は破らずそのまま残します)

トピック2:なぜ梅干しを食べると唾液が出るの?

 「あのう、頭の脳が梅干しを見てウワーってなって、あのう、梅干しに辿りつきたくて――」
 「『ウワー』の部分がほしいんだよ」
 的確極まる小峠教官のツッコミどおり、ここではなぜ人体が唾液を出そうとするのかにフォーカスを当てていきます。ガリベンガールズ、原因ではなく結果に意識を囚われがち。

 人間の身体は弱酸性に保たれており、本来強い酸や塩基は有害です。特に歯の表面を覆っているエナメル質にとって酸は大敵。そのため、もし酸性の食品が口に入ってきたときは唾液を大量に分泌することで酸を薄めようとするわけです。
 また、梅干しの写真を見ただけでもヨダレが出てきますが、これも人間の身体の防衛機能の一環だとされています。酸を薄める目的の唾液なんですから、梅干しの酸が口内に直接接触するより前に対策するのは理に適っていますね。

 ・・・と、提示された超難問に対するアンサーならこれだけで充分だと思うのですが、そこは例によってのヒグチ先生。すかさず発展的な学びに繋げてきます。隙あらば筋運動。
 「酸っぱいときって顔がぎゅーってなるじゃないですか。水を含んだスポンジみたいにぎゅーってやるとこう、水が出る。水分が出てくる」
 キミノミヤが答えていたこの部分のお話です。これもヒグチ先生頭ぶんぶんポイントでした。

 唾液を分泌する器官には大まかに耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあるのですが、いわゆる酸っぱい顔(;;≧ж≦)をしているときこの3つ周辺の筋肉は収縮しています。筋肉は収縮すると横に太くなるので、そのすぐ近くにある唾液腺が圧迫されて強制的に唾液が分泌されるんです。それこそまるでスポンジを絞るかのように。そういう反射的な筋肉の動きがあの表情(;;≧ж≦)として見えているんですね。
 キミノミヤの回答自体はメリーミルクと同じで「ウワー」じゃないところに着目してしまっているのですが、そういう回答もそれはそれで、このように別の学びにつながることもあります。特にガリベンガーVでは本当によくあること。

 それにしても小峠教官は健康そうな舌をしているなあ!

トピック3:どうして鼻水はしょっぱいの?

 先生の解説としては「塩化ナトリウムが含まれているから」となっていますが、これだけではおそらくピンとこない人も多くいるかと思います。

 鼻には元々ムチンを多く含んだ粘液が分泌されています。ムチンは前回の授業にも出てきましたね。ウナギのヌルヌル成分と同じ仲間です。というか粘性物質全般をムチンと呼んでいるだけともいう。
 ウナギの場合と同様、このムチンは鼻の内壁の乾燥を防ぎ、同時にウイルスなどの体内への侵入を防いでくれています。
 ところが、たとえば一度に大量の埃が鼻に入ってきたりすると、ムチンを含む通常の粘液だけでは対応しきれません。そういうとき人間の身体は血管から滲出液(先ほどの血漿ですね)を分泌させ、物理的に洗い流そうとするんです。
 ご存じかと思いますが、人間の血液にはそれなりの量の塩化ナトリウムが含まれています。鼻水がしょっぱいのは、単に鼻水が血液とほぼ同一のルーツだからということですね。

トピック4:なぜ片方だけ鼻がつまるの?

 冷静に考えてみると体液の話と全然関係ない最終トピック。

 普段は意識することが少ないと思いますが、実は鼻の通りのよさは何もなくても左右で違っています。右がよく通れば左は詰まり、左が通れば右が詰まる。これを2~3時間ごとにスイッチしています。この不思議な仕組みをネーザルサイクルと呼んでいます。
 また、これとは別に、ウイルス等の攻撃を受けているときも鼻粘膜は左右交互に炎症を起こすことで、気道を確保しつつ自然治癒にあたっています。
 人間の身体に鼻の穴が2つあるのはお互いをバックアップにするためなのかもしれませんね。

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