超人女子戦士ガリベンガーV 第25話感想 ジャーナリストとはだいたいみんなオタクである。

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生徒役:電脳少女シロ、ピンキーポップヘップバーン、北上双葉

アイドルのポスター貼ってるのと一緒スか、じゃあ。

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「あ、電脳パワハラだ! 電脳セクハラだー! 逮捕しまーす!」

 世界で一番最初に電脳少女シロのファンとなったお豆腐さん。ファンの数が7万人を突破した今もなお、そんじょそこらのお豆腐さんには負けない深い愛と優しい視線で、第一線から自分とファンの仲間を応援しつづけています。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

ピンキーポップヘップバーン

「やあ、諸君! ピンキーポップヘップバーンよ。よろしくお願いしまーす」

 ビビッドなカラーリングと高飛車な物言いが特徴的な、新進気鋭のバーチャルYouTuber。今年の初頭に彗星のごとく現れ、超新星爆発のごとく急速にファンを獲得していきました。愛称はPPH、もしくは平田。もちろんそのなだらかなモデル体型に由来しているアダ名です。
 平田などと呼ばれていることからもお察しのとおり、見た目の印象とウラハラ、どちらかというとイジられタイプのキャラクターです。テンポ良く編集された動画をミラクルジーニアスなテンションで煽って煽って盛り上げて、最後にガッカリな素のキャラでズドンと落とすのが十八番の芸風。今回の出演もそうでしたが、本来の彼女は見た目に反してびっくりするほど低姿勢&控えめな性格です。コトウゲ教官の前で立派に「やあ、諸君!」ができたことを褒めてあげましょう。
 ちなみに、もこ田めめめの病的なファンであることでも有名です。バレンタインチョコレートのお返しに“spicaめめめ”と名付けた星をひとつ贈ったこともありました。今度ついに宿願だった共演が決定しましたが、何分で気絶するのか、はたまた召されるのか、続報が待たれます。

北上双葉

「行き当たりばったりで見つけると思います。だって海って生物いっぱいいるから、たぶん大丈夫だと思いますよ」

 昔から自分に自信がなく、今も本当はそんなに自信がないらしい、どこにでもいそうな等身大の女の子。けれど、大舞台の上から見渡したたくさんのファンたちの声援は、彼女に本気でアイドルを目指すための勇気をくれました。見た目はゆるふわですが、なにかとドラマチックなキャラクターです。
 今はやりのASMRを得意としており、kawaii癒やしボイスと、それを生かす音響ノウハウによって、聞く者の脳を甘くとろけさせます。声という絶対的なアドバンテージを持つ彼女ですが、一方でその歩んできた道はけっして平坦ではありませんでした。人より多くのトラブルにぶつかり、人より多くのことに悩んできました。挫折し、膝をつき、けれどそのたびに凜と立ち上がる姿はまさにアイドル。
 近頃はまるで自分探しでもしているかのように色々なバーチャルYouTuberとの共演を重ねています。けれど彼女の生真面目さ、素朴な愛らしさは変わることがありません。大食いとオッサンみたいなセクハラトークはむしろチャームポイント。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:サメの謎を解明せよ!

 ヌマグチ先生は生粋のサメオタクです。元々一般企業に勤めていたのですが、元来のサメ好きマインドに身を突き動かされ、世界唯一のシャークジャーナリストとして独立を果たした人物です。普段は雑誌記事の執筆やテレビ出演の他、サメ好きのための情報発信やコミュニティ運営などを精力的に行っています。
 サメ。竜巻に乗って街に降り注いだり、頭が2つとか3つとかに増えたり、機械化したりゾンビ化したりタコと融合したりする、あのサメです。単純に強くてカッコいいので昔から男の子に人気の動物ではありましたが、昨今の悪ノリサメ映画ブームによってネタ度が加速し、局地的に大人気な一大ジャンルと化しています。今回の授業ではけっして凶暴なだけではない、めくるめくサメたちの多様な魅力を紹介していきました。ホホジロザメだけがサメだと思うなよ!

トピック1:この中でサメはどれ?

 これまでもいろんな先生が授業に取り入れてきたクイズ形式のフォーマットですが、今回はひときわマニアックというか、ほとんどカルトクイズの域に達していましたね。日頃からサメ好きのサメ好きによるサメ好きのためのお仕事をしている先生なだけあります。

 ホホジロザメは映画などに出てくるサメの代表格。攻撃性が高いうえ生息圏が人間の生活圏に近いため、少なからず死亡事故が起きてしまっています。なお、現在では絶滅危惧種のひとつでもあります。しばしばスポーツハンティングの標的にされているからです。

 ジンベエザメは身体の大きなサメです。エサもプランクトンや小魚で、海水から漉して捕食するということで、生態としてはクジラによく似ています。大量のプランクトン類を求めて海を回遊しているため、このジンベエザメのいる海域は魚群豊かな漁場として昔から知られてきました。なお、そのせいでしばしば漁網に巻き込まれがちでもあり、現在では絶滅危惧種に指定されています。

 サメの仲間を問う問題でノコギリエイを取りあげる先生の感性は相当マニアックではないでしょうか。ノコギリザメというサメがいることを知らないと選択肢として成立しません。いやまあ、ノコギリザメもそこそこ有名なサメではあるけれども。なお、種としては全然違う生きもののはずですが、ノコギリエイとノコギリザメはそっくりな見た目をしています。口先についたノコギリを振りまわすところまで同じです。

 コバンザメはサメではなくスズキの仲間です。よく見ると見た目も全然サメに似ていません。吸盤状の器官でサメやクジラなどに引っ付いて暮らしているので、その姿をサメの親子だと勘違いされたのでしょうか。引っ付く宿主を本能的に探し当てる習性を持っていて、一部の地域ではこれを漁業に利用しているそうです。

 チョウザメはキャビアで有名な魚ですが、実はサメではありません。コバンザメと違って見た目もそこそこサメに似ています。ちなみに、実はシーラカンスと同じで古くから姿が変わっていない古代魚の一種だったりします。

 ラブカは深海に生息するサメです。こちらも古代魚の一種で、ジュラ紀の地層から化石が発掘されています。見た目にゅるんとしていてウナギみたいですが、よく見るとサメらしく物騒な形状の歯を持っていますね。3年半も妊娠するとのことで、いったいどれだけ大きな子を生むのかと思いきや、意外と体長50cm程度だそうです。(母親は140cmほど)

トピック2:サメが獲物を見つける方法は?

 「えっと、ニオイを『もおお』って嗅げる、みたいな。なんかどこにいてもお前の居場所すぐわかるぜ、みたいな勢いなのかなって」
 『ジョーズ』などのサメ映画の影響で、サメは血の臭いに敏感なんだとよくいわれます。1kmも離れたところからたった1滴の血の臭いすら嗅ぎつける・・・なんて。
 実際のところはどうやらまだよくわかっていないようです。映画ほどじゃないにしても強力な嗅覚を持っていると主張する研究者もいれば、並みの魚と同じ程度しか血の臭いに反応しなかったという実験結果もあり。もしかしたらそもそも普通の動物とは異なる成分を臭いとして嗅いでいるのかもしれない、という説まであるようです。

 今のところ有力とされているのは、サメは獲物の生物電流を感知しているのではないかという説です。サメの頭にはロレンチーニ器官と呼ばれるものが備わっており、きわめて微弱な電位差をも感知できるとされています。
 あらゆる生物は生物電流というものを発します。これは筋肉が動くときの摩擦であったり、体内のイオンバランスの電位差によるものだったりと、原理は様々です。私たち人間にはこの微弱な電流を見たり聞きとったりすることはできませんが、サメの持つロレンチーニ器官でならこれを感知することができるようです。
 なお、このサメが電流を感知するという習性を利用して、潜水士向けにサメの嫌う電磁波を発生させる装備(シャークシールド)が開発されています。

 「先生。サメは体が大きいのに、なんでそんなに速く泳げるんですか?」
 電脳少女シロから質問があって、話題がトピック外の方向へシフトします。
 この質問に対する答えは、鮫肌の凹凸が一定方向に向かって整えられていて、水の抵抗を極限まで抑えることができるから。
 10年くらい前にレーザー・レーサーという競泳水着がこの鮫肌の形状を取り入れて一世を風靡しましたね。あまりに圧倒的な結果を叩き出したので公式大会での着用を禁止されちゃったほどです。そのくらいサメの持つ鮫肌というのはすごいんです。

 さらに話はサメの歯についてのものに移ります。
 サメの歯はとても物騒な形状をしていて、そして意外とすぐ生え替わります。サメの歯はウロコが変化したものだからです。これによってサメは、まるでカッターナイフのように、いつでも新しくて鋭い歯を使って狩りを行うことができるんです。

トピック3:サメはどうやって生まれてくるの?

 「卵で出てくると思います」
 北上双葉のびっくりするくらい平凡な回答は実際そのとおり。サメはあくまで魚類なので、卵から生まれてくることには間違いありません。
 ただ、普通の魚が卵を体の外に生み落とすのに対して、一部のサメはメスの体内に卵を宿して、体内で孵化させるというユニークな生態をしています。(ただし哺乳類と違ってサメは胎盤を持たず、従って幼体は母体から栄養を受け取るのではなく、あくまで最初に生み落とされたときの卵黄の栄養のみによって育ちます)

 「親のお腹のなかに入った状態で生まれて、臓器とかハラワタを食い破って出てくるんだと思います」
 逆にびっくりするくらいグロテスクな回答をした電脳少女シロでしたが、実際のサメの生態もこれに負けず劣らずスプラッタ。
 シロワニというサメの幼体は母親の子宮内でお互いに共食いしあい、最後に生き残った1体のみが体外へ出ててきます。(子宮が2つあるので合計2体) 上でも書いたとおり、母体内のサメはあくまで卵黄の栄養のみによって育つため、1つの卵によって得られる栄養には自ずと限界があるわけです。かなり珍しい例ではありますが、これも種を守るための生存戦略。

 「埋めといて、こう、地面からニョキニョキって」
 ちなみにネコザメやトラザメのように、普通の魚類と同様、体外で卵を孵化させるサメももちろんいます。

 「ふたりとも合ってる! 双葉ちゃんも合ってる!」
 「みんな正解ー」

トピック4:ダルマザメの捕食方法は?

 「お口ちっちゃいけど、エサがくるのをひたすら待つ。双葉みたいに」
 目の付けどころが良かったのは北上双葉。ダルマザメの口は小さいというところがポイントです。

 「自分のことだけ見てほしいから、相手の目玉だけ食べて逃がしてあげるんだと思います」
 そしてよくわからない謎のニアピン賞を飾ったのが電脳少女シロ。

 ダルマザメはマグロやイルカなどの体表一部分だけをえぐり取って食べます。食べられた動物は身をえぐられてもそのまま生き残るため、時折そのえぐられた体のまま水揚げされることがあり、漁師を驚かせます。
 どうしてこんな不思議な捕食方法を採るのかといえば、それはこのサメがエサの少ない海域に生息しているから。自分の体の大きさに見合った獲物を必ずしも確保できず、さりとて自分より大型の獲物を仕留めきるまで戦うのはリスクが大きすぎるため、こうやって大型回遊動物の一部分だけ囓り取ってさっと逃げるわけです。かしこい。

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