超人女子戦士ガリベンガーV 第26話感想 Muscle Carnival for You !!!!!

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生徒役:電脳少女シロ、斗和キセキ、夜桜たま

ヤバいね。マトモな人がひとりもいないね。

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「シャシャッちゃった」

 大人びた衣装に着替えてからこっち、ますます幼女っぽさに磨きがかかってきたバーチャルリトルレディ。0歳児のころはあんなに大人のお姉さんぽかったというのに、女子三日会わずば刮目して見よというやつですね。来年はいよいよ胎児になっているかもしれません。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

斗和キセキ

「斗和はハードゲイナーじゃないよ。斗和もうバキバキよ」

 斗和キセキは今年のデビュー以来、数々の伝説を巻き起こしてきたバーチャルYouTuberです。最初は(特に深い設定などなく背中にひっつけている)三角形がガンダムアストレイレッドフレーム改に似ていると、ガンダムファンの間で話題になったことが始まりでした。彼女はガンダムをまったく知らないなりに、その斜め上の話題性に上手に乗っかり、彼らガンダムファンをそのまま自身のファンにしてしまいました。
 普段の活動では、バーチャルYouTuber文化に縁の薄いオッサンたちとお喋りしたり、スタッフにタブレット端末を運んでもらってぷらっと旅行したりしています。やたら実写映像が多いことが彼女の動画の特徴です。
 彼女の魅力はなんといっても盛り上げ上手に聞き上手。彼女は自分の知らないことを素直に「知らない」と言える人物です。知らない話題にムリに合わせようとしたり、知ったかぶったりせず、相手の話を聞いての感想を等身大の自分の感覚のまま素直に返します。他人の領分をムヤミに侵さず、自分は自分のままサラッと寄りそってくれるコミュニケーション。その距離感が心地よくて、ついつい話を弾ませてしまいます。

夜桜たま

「え。言わすんですか? ・・・おしっこの回」

 頭のいい人特有の、一周回ってバカ丸出しな言動をたびたび繰り出すバーチャル生徒会長。ちゃんと順序立てて話を聞いてみれば大抵納得できる論理的な思考パターンをしているをしているものの、いかんせん本人がイタズラ好きなため、どうでもいい話題であるほどわざわざわかりにくい切り口から話したがります。
 バーチャルyouTuberとしてのメインコンテンツはとにかく麻雀。麻雀と名のつくものであればなんでもござれ。対局すれば4面打ちもソツなくこなし、実況すればあらゆる打牌の意図を解説することができます。その一方で女子力は皆無。葉物野菜の区別がつかなかったり醤油とポン酢の違いがわからなかったりとやたら大雑把ですが、本人はまったく悪びれません。
 なんだか麻雀を知らない人お断りって印象を受けますが、実際のところ彼女の配信は麻雀を知らない私が見てもとても楽しい。彼女がクレバーな人物だからです。“夜桜たま”というキャラクターがどういう視聴者層にどんな期待をされているか逐次分析しつつ、どうすれば楽しんでもらえるかをいつも工夫しています。意外とプロデューサー寄りの才覚じゃなかろうか。今日も今日とてまずは自分をプロデュース。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:筋肉の謎を解明せよ!

 筋肉はお好きでしょうか? 筋肉を好きになるのはステキなことです。私はマッチョメンではありませんが、心からそう思います。
 なんといっても筋肉は人を傷つけない! ハゲやバカを笑う冗談はときに意図せず人を傷つけてしまいかねないものですが、ところがどっこい筋肉を笑ってもマッチョメンは悲しまない! 筋肉とは誇りです。彼らは筋肉をつけるために並々ならぬ努力を重ね、そして筋肉をつける喜びのために日々の苦難を耐え忍ぶのです。その汗と涙の結晶を衆目にさらしたとて、一体何の恥があろうことか! 筋肉あるところ、それすなわち誰もが笑顔でいられる平和な世界といっても過言ではないのです!
 さあ、今こそ筋肉に対するリスペクトを高め、なんなら自らも筋肉を実践するために、筋肉への理解を深めましょう! 学ぶことも筋肉と同じくらいステキなことです。

 バズーカ岡田先生は日本体育大学の准教授であり、オリンピックチームにも参加した理学療法士兼アスレチックトレーナーでもあります。研究者としての専門は腰痛と筋肥大、減量。トレーナーは指導力だけではなく実践力もあるべきだ、との信念のもと、自身が培ってきたトレーニング知識を自ら実践して近年ボディビルダーとしてデビューを果たしました。
 肉体美のインパクトがとっても強烈な先生ですが、実は研究者、指導者としての下地があったうえでのボディビルディングなんですね。説得力がすごい。

トピック1:どうして腕を曲げると力こぶができるの?

 「いいっすか、ちょっと触っても。うわあすげえ! 堅い堅い! うわあすげえ!」
 「いいなー。触りたい」
 「触りたい!」

 人はどうして立派な筋肉を見るととりあえず触りたがるんでしょうか。
 きっと、自分も持っているはずの筋肉なのに、まるで違う触り心地だからでしょうね。身近なものにたぐいまれな個性がある。紙とペンさえあれば誰でも描ける絵画であっても、優れた画家の作品なら特別な価値が生まれるのと、きっと同じです。筋肉とは芸術なのでしょう。

 さて、力こぶができる理由は単純な話、筋肉が収縮するからです。
 樋口先生ののどちんこの授業でもさらっと出てきましたね。弛緩しているときは横に長く伸びている筋肉なんですから、腕を曲げるため筋肉を収縮させると、その長かった分の筋肉は行き場を失って必然的に縦に太くなるわけです。
 バズーカ岡田先生はこれを水袋に喩えて説明しました。水が入った袋を左右から押してあげると、袋は縦に太くなります。

 バズーカ岡田先生はさらに、“アクチンフィラメント”と“ミオチンフィラメント”という用語を使ってもう少し詳しい原理も説明していました。
 力こぶができる原理自体はさっきの水袋の喩えで充分説明できるので、このあたりの小難しい内容は必要ないといえば必要ないかもしれません。ですが、実はこのあたりの知識は後々もっと深く筋肉を学んでいくための基礎になります。先生は学びの発展性を考慮して、あえてこのタイミングで言及したのでしょう。
 人が筋肉に力を込めようとすると、筋肉中のアクチンフィラメントとミオチンフィラメントが互いに結合をはじめます。その結果、両フィラメントにくっついている筋繊維同士の感覚も狭まり、つまり筋肉全体が収縮するわけです。
 水袋の例でいうところの左右から押してやる力の原理についての説明ですね。

 ちなみにこのアクチンフィラメントとミオチンフィラメントを結合させているのは“ATP”と呼ばれる物質です。
 トレーニング理論を学ぶうえで避けては通れない最重要ワードですね。ここにつながる話だからこそ、この両フィラメントについての言及は重要なんです。

トピック2:どうして腹筋は割れているの?

 ここにきてバズーカ岡田先生、唐突にポージングしはじめましたが、あれは腕の動きも含めて、最も腹筋に力を込めやすい合理的な姿勢なんです。別に酔狂でああいうポーズを取っていたわけではなく、あくまで腹筋を見やすくするために必要な手段だったので、そこは誤解なきよう。
 それにしても首元や肩まわりがメリッとハリッとしていて美しい。

 「貼ると筋肉ができるシールがある」「ペタってお腹に貼るとドクンドクンなって――」
 電脳少女シロの言っているのは、おそらく電気刺激式トレーニング器材の『シックスパッド』のことですね。ただし、そこからどうして体に筋肉を貼り付けるという発想になるのかはさっぱりわかりません。為になるなあ!

 「内臓が6個に割れているから。だからその、内臓に筋肉がつく、みたいな」
 斗和キセキの回答が(「筋肉が内臓についている」という肝心の中核部分を除けば)いい着眼点です。
 「板チョコって、ちょうど筋肉みたいに割れているじゃないですか。あんな感じで、各部位ごと成長しやすいように区切ってあるのかなって」
 夜桜たまの回答も(板チョコ云々の喩えがいまいちピンと来ないものの)同様にいいとこ突いています。

 人間の腹筋が割れているのは生まれつきです。皮下脂肪に隠れてしまっているだけで、実は赤ちゃんですらしっかり割れています。
 腹筋(正確には腹直筋)は、まず体の左右に分かれてついていて、さらに腱画と呼ばれる腱によって上下に仕切られています。人体が持つ腱画の数は一般的には2本。左右に分かれた腹直筋がさらに2本の腱で区切られているので、合計6分割になります。
 ただし、生まれつき腱画を1本しか持たない人もいれば、3本や4本持っている人もいます。このあたりは生まれつきの体質です。

 「エイト相当うらやましいっス。エイト相当いいっすよ。いーやズルいっス。エイトズルいっス」
 それを理解したうえで、なおバズーカ岡田先生がエイトパックをうらやましがるのは、やっぱり見映えがいいからなんでしょうね。
 腹筋は比較的トレーニングの成果が見えにくい筋肉だそうで、鍛えはじめのうちは腱画による区切りがなかなかきれいに浮かび上がらず、まずは4分割に見えるんだそうです。先生のようにきれいにシックスパックが見えるようになるためには、そこからさらに相当なトレーニングを重ねなければなりません。
 鍛えれば誰でもエイトパックになれる、という誤解が生じるのは、このようにシックスパックまでのトレーニング成果が段階的に見えてくるためなのでしょう。もっと頑張ればさらにもう一段階割れるはず、なんて。
 エイトパックは多くのボディビルダーにとってただの幻想であり、そして見果てぬ夢なんですね。だからこそ、生まれつきの体質によってエイトパックを実現できる一部の人が垂涎の的になるわけです。

 腹直筋が腱画によって仕切られている理由はわかっていません。進化のなごりにすぎないのかもしれませんし、腱を持つことで運動効率を上げているのかもしれません。いずれにせよ検証困難です。シックスパッドの人とエイトパッドの人とで比較実験してみるにしても、腱画の数以前に運動能力の個人差がありますしね。

 ところで。
 「カンガルーっていうのはすっごいジャンプしますよね。アキレス腱がぶっとくて長いんですよ。だからびょんびょんびょんびょん、あのバネの作用でボッカンボッカン跳んでいくんですよ」
 この体育会系特有のラフなオノマトペの使いかた好き。(ただの個人的嗜好)

トピック3:筋肉を大きくする食事方法は?

 食事するタイミングについてのトピックです。

 「運動してから30分後に燃焼がはじまるって聞いたことがあって、一番いいのは食べながら運動するのが一番いいのかなって」
 とりあえず運動しながら食べるのはお腹を壊すだけなので論外として、夜桜たまが言っているのはおそらく脂肪燃焼の話ですね。運動開始からだいたいそのくらいの時間差を挟んで皮下脂肪の分解がはじまります。
 元々体についている脂肪の話なので、ぶっちゃけ食事の話とはあんまり関係ありません。

 「ジム終わったあととかみんな食べるかなー」
 「いつもはその後にプロテインを飲んでます。そう、30分以内に」

 斗和キセキは実際にジムに通って、周りの人たちが運動直後に食事しているのを見ているようです。自分でも実践しているようですね。
 先生の説明とは異なる説になりますが、運動後30分以内に食事を摂ることが重要だとする意見があります。負荷がかかって傷んだ筋繊維を修復するため、このくらいの時間帯は筋肉が平常より何倍も多くアミノ酸を吸収するという研究データがあるためです。
 ゴールデンタイムなどと呼ばれているようですね。

 「運動する2時間前と運動した2時間後にシロは食べます。なぜなら2時間おきにお腹が空くからです」
 バズーカ岡田先生の支持する学説に最も近い回答をしたのは電脳少女シロ。・・・でもそれだと食事間隔4時間になっていません?
 トレーニングで筋肉に負荷がかかり、より筋力を高める必要があるかもしれないと感じた人体は、平常より活発に筋蛋白質合成を進めるようになります。この反応はトレーニング後だいたい3時間経ったあたりからはじまり、48時間ほどかけて徐々に平常状態へと減衰していきます。
 つまり、この期間は体がいつもより筋肉の材料を多く欲しがっているということになります。マメに蛋白質を補給することで、より効率よく筋肉を太らせることができるでしょう。

 なお、先生は食事間隔を3時間程度と説明していましたが、これは食べたものが胃を通過するまでにそのくらいかかるためです。(電脳少女シロが2時間おきと言っているように、これも個人差があります) そのあと腸に入って栄養素の吸収がはじまるわけですが、胃で消化された食べ物が腸を通過し終わるまでにかかる時間は案外短いので、胃が空っぽになった時点でまた新しい食事を追加しても体にそこまで大きな負荷はかかりません。
 もちろん、きっちり3時間ペースを守ろうとして、寝る直前にまで食べるのはよくないですけどね。寝ている間は胃腸の働きが鈍るので。

 先ほど運動後30分以内の食事が重要という説もありましたが、私としてはバズーカ岡田先生の支持する学説の方が正しいと思います。
 ・・・いや、だって、そもそも運動直後に蛋白質を補給したところで、それは筋肉に届くどころか、あと2~3時間は胃のなかにいるわけですし。
 運動後30分以内のアミノ酸吸収が重要なのが真実だとしても、その期間に間に合わせるにはトレーニング“前に”食事を摂るべきって理屈になると思います。腸で吸収がはじまる時間を考えると、遅くとも3時間前くらいでしょうか。
 ただ、視点を変えると、トレーニング直後に食べた食事は、ちょうど先生のいう筋蛋白質合成の期間に吸収がはじまるということになります。結果的には良いタイミングなのかもしれませんね。あくまで理屈がアレなだけであって。

 ・・・というところで、次週のお休みを挟んで来月もマッスルカーニバルが続きます。

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