地球人にでもなったつもりか? 異なる星の者が理解しあうことなどできはしない!
(主観的)あらすじ
商店街でハロウィンの仮装コンテストが催されるそうです。ララがチラシをもらってきました。それを見てひかるやカルノリ、クラスのみんなが自分もやりたいと言いだし、桜子がクラス参加を取りまとめました。
きっとこの日も楽しい一日になるでしょう。みんなでUMAに変身です!
一方、カッパードは過ぎ去った昔日を思い出していました。清らかな水の恵みとともにあった賑やかな故郷。あのころは誰もが笑顔でした。
けれど、別の星の人々がやって来てから諍いが増えはじめ、故郷の星は変わってしまいました。ついには大切な水資源を独占しようとする者まで現れる始末。幼い時分のカッパードは失望しました。違う星に生まれた者同士、共存することなど不可能なのだと。
商店街の仮装コンテストでもカッパードの故郷と同じ光景が見られました。
誰もが楽しそうな笑顔を浮かべるなかで、けれど一部では些細なことで諍いが生じ、醜くお互いを罵りあう人たちもいました。カッパードは思います。どうせこの星も、やがては破滅へと進んでいくのだろう。
一方で、ララは異星人ながら地球の仮装コンテストを心から楽しんでいました。知らなかった星のことを知るのが楽しくて、体験したことのない文化を体験するのが楽しくて、ララはいつからか地球で暮らす毎日が大好きになっていました。
もちろんララはカッパードの知るような醜い現実を知りません。本当にそのような未来が待っているのか、それとも違うのか。だから肯定も否定も言いきることができません。カッパードの嘆きに応える言葉を持ちません。今は、まだ。
ただ、少なくとも今日は本当に楽しい一日でした。ララや仮装コンテストに参加した誰もが心からそう思いました。
今日の仮装コンテストの優勝者はなんとカッパード。みんな、優勝賞品を受け取る彼の姿を見ることができず、そのことだけは少し残念に思うのでした。
昨日から『映画スタートゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』が公開開始となりました。あなたはもう観てきたでしょうか?
すっごい残念なことに私はまだ観られていません。公開初日に観に行けなかったのなんて何年ぶりでしょう。超悲しい。今年から新しい街に引っ越してきたのですが、いやまさか、最寄りのあの映画館にはプリキュアが来ないだなんて! 調べてみると一番近い映画館で片道40分くらいかかる様子。・・・まあ、そもそも土曜出勤だったので、夜間上映の少ないキッズ映画を観るのは最初から望み薄だったんですけどね。
ただ、悪いことばかりではなくて、そのちょっと遠いところにある映画館では19時開始の上映スケジュールがあるようです。やったね! 体力と業務量に余裕さえあれば今年は平日でもプリキュアを観に行けそう。
今年の映画、予告を観るだけでも絶対面白いって期待できる出来ですからね。この感想文を書き終わったらさっそく行ってみるつもりです。
あ。私のようにこれから映画館へ行くって人は、ちゃんとお風呂に入って、洗いたての服に着替えて、隣に座る子どもたちにくれぐれも不快な思いをさせない身だしなみを心がけましょうね。何がどうしてこうなったってくらいヒドい臭いのオッサンオバサン、残念なことにたまに見かけます。
思いやりは異なる立場の人たちと共存するための第一歩です。異星人同士だろうが、オッサンオバサンと子どもたちの関係だろうが、そこだけは絶対に変わりません。私もあなたも名前も知らない誰かであっても、みんなが楽しく過ごせるのが一番ですよ。
確定未来
「いい気になるなよ! 優勝はうちの家族がもらった!」
「何言ってるの? 私はこの衣装に3ヶ月もかけたんだから!」
「ああ? 時間かけてれば偉いのかよ!」
「その程度で優勝を狙うとかいい気になってるのはどっち?」
醜く罵りあう人々の姿。
彼らはいったい何のために口論しているのでしょうか。
そもそも衣装を審査するのは彼らのどちらでもない第三者であって、いくらお互いを攻撃しあったところで足を引っぱることすらできないというのに。
自分の心に不快な思いを募らせ、相手の心にも不快な思いを押しつけ、それで彼らにいったい何の利益があるのでしょうか。
怒りは自然と湧きあがるものでしょう。不満を口にしたくなる日もあるでしょう。けれど、実際にそれを実行したところで、あなたは本当に快い気分になれるでしょうか。今吊り上がっているあなたの目が、ひととおり暗い思いを吐き出したあと、優しく微笑んでいたことはかつてあったでしょうか。
考えてみるべきです。
かつてのあなたの姿を。今のあなたの姿を。
一度踏みとどまって、最善を考えてみるべきです。
他ならぬあなた自身の幸せのために。自分の行為の結果が自分自身に何をもたらすのかを認識するために。
思いやりの心は他人のためだけにあるのではありません。優しいあなたが大勢の他人と関わりあうなかで、いつも健やかに生きられるようにするための処世術です。
だから、考えてみてください。
考えることを忘れないでください。
思考を止めた先の悲劇は自分自身の身に降りかかります。
カッパードの故郷のように。
「俺の星は全てを奪われた! 違う星の者が共に暮らすなど不可能なのだ!」
星の水資源を独占し、最終的に破滅の引き金を引いたのは「違う星の者」虫型宇宙人たちです。けれど、彼らとて最初からこんな強硬手段を取ってはいませんでした。
最初は彼らも元々この星に住んでいた人々と同じく、手桶で水を汲んでいました。けれどいかなる問題によるものか、どうやら他の人種との間で諍いが生じたようです。どちらも同じように目を吊り上げて、激しく口論しあうようになりました。その関係性の破綻の果てに起きた悲劇。
カッパードの故郷の星は破滅しました。
どちらが悪かっただとか、どうすればよかっただとか、今さら論じ直してみたところで賑やかだったあの星は帰ってきません。その点においてこの論に今さら意味はありません。
だからカッパードは仮装コンテストの会場で醜く罵りあう人たちを見つめ、苦虫を噛み潰したように顔を歪ませたまま黙ります。
その思考に意味はない。
この先の未来はどうせ決まっている。
なんとバカバカしいことか。
「カッパード!? なんでこんなところに!」
この先の未来はどうせ決まっている。
考える意味なんて無い。悲劇はすでに確定している。
正義ヅラしたプリキュアたちすらも自分を見ればいつも同じ反応しかしないのと同じように。
「――まあいい。今日こそお前を連れて行く!」
不確定未来
今日も思いもよらなかったことが起きました。
「ララ。何見てるの?」
「お。仮装コンテストか! ララルン」
「なになに?」「仮装コンテスト?」「私たちも出たい!」
「出るからには――優勝!! これしかありませんわよ!」
たまたま商店街でもらってきたチラシ一枚をクラスに持ち込んだことで、みんなが大盛り上がりしています。どうやらハロウィンの仮装コンテストというのはそれほどに楽しい催しもののようです。
きっかけは本当に偶然でした。
まさかクラスみんなで楽しむイベントがその場で立案されるだなんて考えてもいませんでした。
だって、仮装コンテストが楽しいってことも、みんながそれを好きだってことも、ララは知らなかったんですから。
なのに、こんなにもステキなことが起きました。
何も知らなかったララのおかげで。
なんという奇跡!
楽しいことは、どこにどんなかたちで隠れているのか、見つけるまでわかりません。
今日のこの瞬間、地球上にまたひとつ楽しいことを見つけたララは目を輝かせます。
これは思いもよらなかった幸せな奇跡。
けれど、そんな奇跡の連続こそがララにとっての地球の日常でした。
故郷の惑星サマーンでは大人扱いしてもらえていませんでした。
けれど地球に来て最初に出会ったひかるはララを大人として見てくれました。
と、思いきや、彼女は思った以上にわけのわからない子で、なにかと勘に障ることもありました。
けれど打ち解けた今となっては一番の友達です。
楽しそうだと思った学校に行ってみて、逆に辛い目にあったことがありました。
けれど自分らしさを隠さなくていいと気付いた今では毎日楽しいところです。
宇宙人である自分以上に周りとの些細な違いを気にする変な子と出会いました。
けれど自分なりの考えを伝えてみたところ、彼の迷いを晴らす役に立てたようでした。
そうしているうちに、いつの間にか故郷でもちゃんと認めてもらえる立派な自分になることができていました。
「最初はわからないことばっかりだったルン」
毎日が意外なことだらけで、周りの全部が予想外。
「でも! スターたちと一緒にいるうちに、だんだんとわかるようになってきたルン」
けれど、総じてララの地球での毎日は幸せなものでした。
「今は地球のこと、もっと知りたいルン。だから、だから仮装コンテストも出たいと思ったルン!」
だからどんどん知りたくなりました。
知ることがもっともっと楽しくなっていきました。
「本でプルンスか。アナログでプルンスなあ。AIに聞けば何でも教えてくれるでプルンス」
「ルン。でも、自分で調べてみたかったルン」
いつかのあのとき、自分の思ったことはけっして間違いではありませんでした。
あのときは裏目に出て辛い思いもしてしまいましたが、それでも今はこれが良いことだと確信できます。
「つけていかないのですか?」
「ルン。学校は勉強しに行くところルン」(第13話)
知るのって楽しい。心の宇宙がどんどん広がっていく。
「あれ見て。みんながね、最初の日直を私と一緒にやればララも安心だと思うって。ララはね、もうこのクラスのララなんだよ」
「・・・ルン。これが――『羽衣ララ』ルン」(第13話)
その喜びを教えてくれるたくさんの人たちと、この地球で出会いました。
「ララちゃんの故郷にも仮装はあるの?」
「無いルン。ここに来て初めて知ったルン」
「どうだい。初めての仮装は」
「楽しいルン!」
「それは良かった!」
今日も思いもよらなかったことが起きました。
毎日そんなのばっかりです。だって、まだまだ何も知らないんですから。
知らなくて、知らないことが楽しくて、だからもっと知りたいと思います。
その思考に意味がある。
この先の未来はわからないことだらけ。楽しいことも、辛いことも、きっといっぱい待ってる。その不確定さ自体が面白い。
わからないことについて思考を重ねるほどに、毎日がもっともっと楽しくなる!
「今に・・・裏切られるぞ」
・・・だというのに、どうしてあの人はあんなにも頑なに悲しいことを言うんだろう?
トロイメライ
「カッパード!? なんでこんなところに!」
聞いても教えてもらえませんでした。
「訳がわからん」と対話を一方的に切り上げて、いつものように武器を振り上げてきました。
「今に・・・裏切られるぞ」
言っても納得してもらえませんでした。
まるで自分はあなたと違うと言わんばかりにいつも「そんなことない」と。こちらの言い分は常につっぱねられてきました。
あなたの気持ちが伝わってきません。
私の気持ちが伝わっていきません。
だって、そもそも私とあなたはそれぞれ全く別の人生を経験した、それぞれ全く別の他人なんですから。
だから仕方ない
・・・わけあるか!
私は最近思うんです。
「仕方ない」で終わる思考にいったい何の意味があるのかと。
世のなかを理解したふりして、自分の主観から観測した世界観に基づいて、勝手に悲観して勝手に失望して、そして拗ねて。語るだけ語って、自分の行動の指針にしない、あるいは誰かに行動を促さない言葉に、いったい何の意味があるのかと。
誰の心も前へと動かさない、むしろ誰もをその場に踏みとどまらせようとするネガティブな言葉は、はたして本当に思考しているといえるんだろうかと。
あなたは何のために生きていますか?
何だっていいです。私は天命などというものを信じません。あなたの人生の意義はあなたが好きに決めたらいいと思います。
そのうえで訊ねます。
あなたが今生きているのは、悲しむためですか? 嘆くためですか? 悲しませるためですか? 嘆かせるためですか?
もし本気でそういうことを考えている人がいたらごめんなさい。私はそんな人この世にいるわけないと思っています。
私は誰もが幸せになりたいだろうことを信じています。
私は誰もが幸せになれたらいいなと祈っています。
だから、考えてみるべきです。
あなたにとっての最善を。
たとえ何度失敗したとしても。何度目かの失敗をするたびに。
あなたは、あなたが幸せになれる未来のために、今何をするべきですか?
カッパードは自分の故郷が破滅したことを大いに悲しみました。
その結果、宇宙中あらゆる人々に恐怖をもたらし思考停止を推奨するノットレイダーに与するようになりました。
筋が通りません。第一言動からしてチグハグです。
それならいったいどうして言い争う人たちを見て憎々しい表情を見せるのか。
それならいったいどうしてバトルのたびに思想戦をふっかけてくるのか。
「『楽しい』だと? そんなものは今のうちだけだ! いずれ違いが諍いを呼び、破滅をもたらす」
その言葉を赤の他人であるプリキュアに聞かせて、あなたは何を望んでいるんですか。
放っておいても楽しい毎日が終わり、破滅へ進んでいくというなら、それをわざわざ教えてやる意味は何なんですか。
あなたには今やっていることとは別に、本当はもっと他のやりたいことがあるんじゃないですか?
今話、プリキュアはカッパードの言葉に対してまともに反論していません。そもそもできません。彼の過去を、彼の思いの源泉を知らないからです。そして彼が何を求めて言葉を紡いでいるのかわからないからです。
ただ、なんとなく違和感だけを感じ取りました。どうして彼がここまで強く主張してくるのか。単にフワを連れ去りたいだけじゃないのか。どうしてそんな怒ったような目で睨んでくるのか。
今話はここまで。
ララに限らず、今、プリキュアたちは知ろうとすることの喜びを学んでいます。そこにそれぞれの本当にやりたいことがあると、やるべきことがあると、徐々に気付きはじめています。
だったら知らなければなりません。たとえ向こうがちっとも教えてくれるそぶりを見せなかったとしても。それでも知ろうとすることを諦めてはいけません。あくまで自分のために。みんなで毎日を楽しく過ごすために。考えて。考えて。考えて。
その思考に意味があります。
広い宇宙はわからないことだらけ。楽しいことも、辛いことも、きっといっぱい待っているでしょう。それらひとつひとつを知っていくことがとても楽しい。
「地球人にでもなったつもりか? 異なる星の者が理解しあうことなどできはしない!」
違うからこそいいんです。お互いこれから知っていくことができるから。
わからないことについて思考を重ねるほどに、最初は女の子ひとり分ぽっちしかなかった心の宇宙が少しずつ広がっていきます。大きく広がっていくうち、やがてはこれまで知りえなかったことの答えに届く日も来るでしょう。
そのとき、あなたはまたひとつ、思いもよらなかった幸せと巡り会うんです。
コメント
人と宇宙が ひとつになれる
軸が交わる ポイント 探せば
夢が あふれる 世界 生まれる
たった ひとつの 輝く世界
(KISEKI/ゲーム『ポケットモンスターX・Y』エンディング曲)
星どころか国、地域、あるいはもっと限定して家庭環境とか遺伝情報……地球人なんか人間同士つまらないことでぶつかってるので「何を今更」というのが本音ですね。
でも戦争とかはありますけど、この国際化社会はまあそこそこ上手く回ってます。
ならば、ノットレイダーが侵略なんかしなくても上手くやってける術は広い宇宙のどこかにあるはずです。
あと単純に、楽しんでるところ水さすのはカッコ悪い。
どうして同じ地球上で同じ人間同士がたくさんの国々に分かれているのか、と考えてみれば、それはお互いどうしても譲れないものがあるからなんですよね。隣国ほど仲が悪いのも当然。だって、相容れないからこそわざわざ国境線を引いているんですから。
そういうわけで戦争というのはどうしても無くならないものなんですけど、それでも一昔前までと比べたらずいぶん少なくなりました。「お互い核ミサイルで牽制し(脅し)あっているだけだ」と見る向きもありますが、個人的にはそれでいいと思っています。結果的に戦争で流れる血が減りました。
人と人との間にはどうしても違いがあります。お互い譲れないものが違います。仲よしが一番とはいうけれど、住み分けなければいけないことってやっぱりあります。
それが何か悪いことですか?
それはつまり、どんな人にもどこかに居場所があるということです。どんな人でも多様性の一部として存在できるということです。主義主張の合わない隣人ともうまくやれば共存できるということです。むしろ、国ごとのカラーがあるおかげでスペシャルな技術やユニークな文化が生まれ、世界中に共有されていくことだってしばしばです。
私たちは誰かを攻撃するためにそれぞれの立場に分かれているんじゃない。
カッパードの故郷は「多民族の共生に失敗し民族衝突の末に破綻した星」であるらしい。だから彼は言う。異なる民族同士が共存することなど不可能だ、と。
同じようなことを考えた方が他にもいらっしゃいましてーーーーーー惑星レインボー文明の創始者・オリーフィオ師、なんですけどね。
他民族からの迫害を受けることの無い、自分達一族だけの楽園を創るべく、人跡未踏の惑星に一族郎党と共に降り立ち、苦難の末に”単一民族の鎖国国家”を樹立したオリーフィオ。その楽園が破滅を余儀なくされた理由は実のところ「たまたまスターカラーペンがレインボーに落ちてきて、それを追うアイワーンの襲来に見舞われた」という一種の”自然災害”みたいなもので、オリーフィオの鎖国政策が災いした……とは言い難いんですよね。
そうなると、カッパードの慟哭に対する作中ベストの(完全無欠ではなくとも望み得る最善の)回答は「鎖国しちまえば良い」ということになってしまうんですが……(実際ユニが復活させようとしているのも”従前通りの”鎖国国家・レインボーなんですよね)。
果たして、オリーフィオが掲げた”鎖国政策”が、民族同士の諍いに苦悩する宇宙の諸民族に与えられる”終局的”解決策となってしまうのか……?その疑問を解く鍵を握る人物が、次回登場のネコ形占い師・ハッケニャーン師なのかも(例えば「オリーフィオの鎖国政策に反発して惑星レインボーを飛び出した人物」とか)しれない……とかなんとか(全然違っているかもしれんけどな!)。
今回の話と直接的には関係ありませんが、オリーフィオが不老長寿ということは歴史の生き証人ということだと思うんですよね。
オリーフィオの知る過去の出来事が何らかの意味を持つのかもしれません。
オリーフィオさん、相当ろくでもない目にあっていそうなんですよね。あの穏やかな性格でガッツリ非暴力・非服従の思想に浸りきっているというのがまた。
それこそ歴史の生き証人というだけでも歓待する価値のある人物だと思うんですけどね・・・。
あくまで惑星レインボーが滅んだ原因は、たまたまやって来たアイワーンという個人が暴虐だっただけです。指導者・オリーフィオに過失があったわけではありません。
ただ、私、実はオリーフィオの方針も最善だったとは思っていないんですよ。
現在、アイワーンによって持ち去られた惑星レインボーのお宝は、素晴らしい宝飾品として宇宙じゅうにたいへんな人気を集め、さかんに闇取引されています。惑星レインボー開拓民にとっては本来ただの手慰み、趣味で作っていた品々でしかないのですが、見る人が変わればその価値も大きく変わるわけです。もしオリーフィオのもとで正式に輸出されていたなら、と(他人事の視点で)考えると、ちょっともったいない。
過去に迫害されてきた歴史があるので仕方ないこととはいえ、完全に外部との交流を絶ってしまうというのも、たとえばこんな感じで輝かしい可能性の芽を摘んでしまうことがあるわけです。
昔のひかるはひとり遊びに興じる子で、そういう過去があるからこそ彼女は誰とも違うユニークなイマジネーションを獲得することになりました。けれどその貴重な才能が誰かに愛され、認められ、今のひかるに揺るがぬ自信を与えてくれているのは、あくまでララたち友達と出会って初めて為されえたことです。
その意味で、鎖国政策――ひとりぼっちが最善だという結論は、『スタートゥインクルプリキュア』の文脈においてもおそらく無いでしょうね。それはトゥインクルイマジネーション的じゃないです。