サイト改修中です。しばらく記事が崩れたり見た目がコロコロ変わったりします。ごめんなさい。

スタートゥインクルプリキュア 第44話感想 さよならを感じて。

この記事は約12分で読めます。

ずっとずっと、一緒だよ!

stpre1.png

→ TVerアーカイブ配信(放送後1週間限定)

(主観的)あらすじ

 クリスマス前夜にサンター星人がやって来ました。サプライズプレゼントでみんなを喜ばせるのが大好きなノリノリの宇宙人です。
 実はサンタクロースの正体はこのサンター星人。ところがプレゼントを配るためのロボットが壊れて困っているようでした。ひかるたちはお手伝いに名乗り出ます。サンタクロースになってみるのも楽しそう!

 楽しい時間を思うと、話題は次第に将来のことに移っていきます。毎日がクリスマスだったらいいのに。それが叶わないなら、せめて来年もまたみんなと一緒に。
 でも、えれなはすでに留学することを決めていました。まどかは保留中ですが卒業までには進路を決めることでしょう。ユニもいずれ惑星レインボーへ帰ってしまいます。ララは・・・?
 来年もクリスマスの1日くらいはみんな予定を合わせて集まることもできるでしょう。けれど、今年みたいにずっと一緒というわけにはいきません。みんな自分のやりたいことに向きあった結果がこの決断なんですから。
 「フワがいるから大丈夫フワ」 しんみりした空気をフワが破ります。だって、フワのワープがあればお互いどこにいてもいつでもまた会えるんです。来年もまたみんな一緒にいられるはず。

 襲撃。
 ついにダークネストが直々に襲いかかってきました。もちろんフワが狙いです。強大な力を前にプリキュアが次々撃ち落とされていきます。フワを守らなきゃいけないのに!
 プルンスやフワ、サンター星人、ロケットのAI。プリキュア以外にもたくさんの援護があって、プリキュアたちも全力で力を合わせて、それで辛くもダークネストを打ち破ることに成功しました。

 ・・・と、思ったら。
 なんとダークネストだと思っていた敵の正体は新型の鎧を着せられただけのノットレイ。ダークネストの不気味な計画が人知れず静かに進行していました。

 だいぶ前から着ているはずのひかるの冬服が今話やたらとかわいく見えたので、いったいどうしてかな?と思ったのですが、比べてみると袖口と襟元がいつもよりゆるゆるに開いていたんですね。シルエット自体もいつもより布地ルーズ気味なのか、胸元部分がぺたんと薄くなってて、そのぶん腰まわりにたっぷりと。
 ・・・お洗濯失敗しました? 風邪ひかないでくださいね。
 でもかわいい。胸のふくらみを強調する必要がない、女の子向けアニメならではのデザインですね。この冬服こんなにかわいかったのか。

 さて、いよいよひかるのトゥインクルイマジネーション完成に向けたストーリーが始まりました。
 「みんなで新しい世界を知ったりとかさ、とっても、とーっても! キラやばー!なんだよね! だから、みんなで一緒にもっといろんなところに行きたいんだ!」(第26話)
 ひかるにとって、イマジネーションとは自分をたくさんの友達と結びつけてくれたという意味でかけがえなく感じているものです。
 かつてひかるはひとり遊びが好きな子でした。それはそれで楽しい時間でした。ですが、フワと出会って、みんなと出会って、もっともっと毎日がキラやばー!に色づいていきました。

 「違う! 歪んでなんかいない! 私、何も知ろうとしていなかった。姫ノ城さんのこと。でも、今は少しだけわかる。私、もっと知りたい! 彼女のこと!」
 「同感だ。敵を知れば弱点もわかる。倒すのに好都合というものだ」
 「違う! 私は、私のことも知ってほしい!」(第35話)
 ひかるの思う、今自分がやるべきことは、もっともっとたくさんの人たちとわかりあいたい! というもの。だってララたちと交流を重ねて友達になれたことがとっても幸せだったから。そういうことをもっと続けていきたいと思えたから。
 けれど、気付いてみればいつの間にか、みんながそれぞれのやりたいことに向きあうたび、お別れの気配が忍び寄ってきています。彼女たちみんな、ひかるというサザンクロスに導かれて、追いかけて、そのおかげでそれぞれのやりたいことと向きあえたというのに。なのに、最後にはひかるのもとを離れてそれぞれの目的地へ去ろうとしています。
 やりたいこととやるべきことの合致が、崩れつつあります。

 このままでいいのでしょうか?
 この結末を、今のひかるは幸せなこととして心から喜べるのでしょうか?
 そうじゃないのなら――、ひかるは、まもなく訪れようとしているさよならの瞬間を、どういう気持ちで受けとめたらいいのでしょうか?

やさしい時間の果て

 「せーの! メリークリスマース!!」
 「ララもユニも、初めてのクリスマスだね!」
 「サンタクロースっていうのがプレゼントを配る日だって、本で読んだルン」
 「私は大きなケーキを食べる日だって」
 「どっちも正解!」
 「楽しみフワ!」

 毎日が楽しかった。
 今日もとっても楽しかった。
 明日も楽しければいいのに。
 ずっとずっと、楽しければいいのに。

 「毎日がクリスマスだったらいいのに」

 その願いは叶いません。
 その願いを叶えるためには、自分以外の他人の協力がどうしても必要だからです。

 「毎日はムリニャン」
 「来年もまたみんなでサンタするルン」

 その願いは叶いません。
 その願いを叶えたくても、自分以外の他人というものは、必ずしも自分に都合のいいように動いてはくれないものだからです。

 そういう現実を覆しうるのがトゥインクルイマジネーション。自分ひとりでは実現不可能な夢を叶えるために、本来ままならない存在であるはずの他人と力を合わせられる奇跡。
 ・・・だけど。

 「来年・・・。私さ、決めたんだ。ママみたいな、みんなを笑顔にできる通訳になるって。だから、私、留学してもっと勉強しようと思う」

 その願いは叶いません。
 その願いのために奇跡を行使するわけにはいきません。
 他人を自分の夢に付きあわせるのは――、大好きなえれなのやりたいことを邪魔してまで、ひかるのやりたいことに協力させるのは、ひかるにとっても本意ではないからです。
 えれなだけではありません。まどかにも、ユニにも、きっとララにも、それぞれにとってのやりたいことがあるはずです。だったら、自分だけワガママなんてとても言えません。みんなが大好きだからこそ、みんなの力を借りるわけにはいきません。

 「そっか。・・・うん。だよね! ちょっと寂しいけど、そうなるといいね!」

 ひかるは友達みんなが大好きだからこそ、友達の協力が必須条件となる奇跡<トゥインクルイマジネーション>を行使することができません。

 我慢です。
 ひかるさえ我慢すれば、他のみんなは何も気にすることなく自分のやりたいことだけを追いかけることができるはず。
 大丈夫。ひかるは元々ひとり遊びが好きな子でした。友達とさよならすることになったって、ひとりでもちゃんと楽しく毎日を過ごすことができます。
 それで全部丸く収まります。
 ひかるひとりさえ、ちょっとだけ我慢すれば。

 ・・・本当に?

 強がるひかるを見つめて、ララが何か真剣な表情を浮かべています。

取ってつけた奇跡

 「フワがいるから大丈夫フワ。みんなといつでも会えるフワ!」

 意外なところに別の奇跡が見つかりました。
 フワ。ひかるが出会った一番最初の友達。たしかに、この子の力を借りるなら今ある問題全部が解決できるでしょう。そしてフワ自身心から協力したいと願ってくれています。
 「守るフワ! フワも、プリキュアを守るフワ!」(第32話)
 最初はひかるたちが一方的に守ろうとしていたこの小さな友達は、少し大きくなった今、自分もひかるたちの力になりたいとがんばってくれるようになりました。

 これはフワにとってのやりたいことであり、そのためにフワ自身がやるべきだと感じていることです。
 だったら何ら問題ないはずです。フワに頼っても、フワに迷惑をかけてしまうことにはなりません。誰にも迷惑をかけないまま、ひかるは安心して自分のやりたいことを叶えることができます。
 よかった。これでひかるは我慢しなくて済みます。

 「フワ! ずっとずっと、一緒だよ!」

 ・・・いいえ。
 残念ながら、いいえ。

 「器・・・。器をよこせ・・・!」

 一抹の不安が奇跡を脅かします。
 フワはダークネストに狙われていました。これまでもひかるはフワを守るためノットレイダーと戦ってきました。けれど彼らは段々手強くなってきて、今回ついに親玉であるダークネストまで襲ってくるようになりました。プリキュアひとりひとりの力ではまったく歯が立たない、みんなで力を合わせてやっと倒せる恐るべき敵。しかも、実はこの強さですらも本物のダークネストのものではないというのです。近い将来の大苦戦が予想されます。ひかるはフワを・・・守りきれるでしょうか?

 しょせんはフワという個人にのみ依存した奇跡。トゥインクルイマジネーションと違って儚いものです。
 もしフワがいなくなってしまえば、ひかるはやはり我慢しなければならなくなります。

 「フワとはずっと一緒にいるんだから!」

 あなたは今、何を恐れていますか?
 何のためにフワを守ろうとしていますか?
 「わかったんだ。・・・宇宙って広いんだなあって。いろんな人たちがいて、いろんな考えかたがあって、まだよくわからないし、あなたのこともメチャクチャ恐い。でも――、フワを守りたい。あの気持ちだけは変わらない。てか、変えられない!」(第32話)
 かつてあなたはノットレイダーを怖がるフワのため、純粋にあの子を守りたいがためだけにプリキュアに変身しました。友達になったから。大好きな友達を守るために必要なことだったから。
 けれど今、フワという存在はあなたのやりたいことにとっても生命線となりました。あなたはフワのためだけじゃなく、自分の都合のためにも、あの子を守らなくてはならなくなりました。

 「器を、渡すのだ・・・!」
 「器なんかじゃない! フワは、フワだよ!」

 本当に?
 あなたにとってのフワは、ダークネストにとってのフワとは違うと、絶対の確信をもって言えますか?

 これは難癖です。別に劇中でひかるにそんな邪な思いがあると描写されたわけではありません。
 ですが、たったひとりの力に頼るというのは、つまりそういうことなんだと私は思います。
 実際のところ、フワはひかるに頼られても重荷に感じることはないでしょう。
 ですが、ひかるのほうは――自分が今後フワに依存することを不安に、あるいは申し訳なく感じずに済むでしょうか?

 その思いは、えれなたちを自分のやりたいことのために付きあわせてしまうことをイヤだと思った気持ちと、何か少しでも違うところがあるでしょうか?

輝かしい思い

 サンター星人を手伝ってプレゼントを配ってまわるのはとても楽しいことでした。(宇宙法違反には目をつぶりましょう)

 「相棒いないと今晩じゅうにプレゼント配れないじゃーん! サプラーイズできないんじゃサンター星人失格じゃん! どーする、俺!」

 それはサンター星人にとっては望外の善意。想像だにしなかった、まるで奇跡のような申し出でした。

 「あ、そうだ! じゃあ私たちが手伝うよ! ね」
 「いいね。任せて!」
 「ルン!」
 「楽しそうです」
 「しかたないニャン」
 「フワープでひとっ飛びフワ!」

 けれど、それはひかるたちからしたら、第一に自分たちがやってみたいと思ったこと。楽しそうだと思ったこと。サンター星人のために迷惑を負ってあげるつもりなどではなく、単純に自分たちがやりたかったからやっただけに過ぎません。

 「サンタさんになるのって楽しい!」
 「だろー? 朝起きてみんなが喜ぶ顔想像するだけで、もう、サプラーイズ!」
 「わかる。明日の朝の弟たちの笑顔、すっごく楽しみ」
 「ワクワクします」
 「するじゃーん!」

 それがわかるからこそ、サンター星人はひかるたちの善意に申し訳なさなどを感じたりはしません。むしろ一緒になって楽しむことすらできました。
 これも小さなトゥインクルイマジネーションといえるでしょう。
 ひとりの力じゃできないことを、みんなが力を合わせて実現してくれる奇跡。誰かの個人的な“やりたいこと”のために、みんなが喜んで手伝いたいと思える不思議なつながり。

 ひかる。
 トゥインクルイマジネーションって、きっとそういうものなんですよ。

 「・・・しまった!」
 「ご無事ですか?」
 「AIさん!」
 「このチャンス、逃がさないルン!」

 ひかるのピンチにロケットのAIが駆けつけます。他のプリキュアも続々集まってきます。
 別にひかるが頼んだわけじゃないのに。みんな、ひかるの力になりたくて、当然のことのように精一杯の力を貸してくれます。
 プルンスも。フワも。サンター星人も。みんな、誰に頼まれたわけでもなく、自分から進んでプリキュアの助けになろうと力を貸してくれます。
 それを申し訳なく思う必要があるでしょうか?

 あなたはいつもこうしてきました。
 あなたがピンチのときは友達が当然のように助けてくれて、あなたもまた友達のピンチを当然に助けつづけてきました。
 そもそもあなたが初めてプリキュアになったきっかけからして、フワを守りたいという自分の思いに従ったがためでした。
 「わかったんだ。・・・宇宙って広いんだなあって。いろんな人たちがいて、いろんな考えかたがあって、まだよくわからないし、あなたのこともメチャクチャ恐い。でも――、フワを守りたい。あの気持ちだけは変わらない。てか、変えられない!」(第32話)
 あなたはあなたのやりたいことに従って、あなたの友達もそれぞれ自分のやりたいことに従って、これまでずっと戦ってきました。
 “力ある者の責任”などというものを問われたこともありましたが、そんなのどこ吹く風。あなたはあのとき、結局自分のしたいことを為すために戦うことを選んだはずです。
 “責任”は、自分のやりたいことのために負うべきです。

 勝手に他人に対して責任を負おうとするな。

 ひかるは今こそ知るべきです。
 みんながどうしてあなたの友達になってくれたのか。
 みんながどうしてあなたを助けてくれるのか。
 たぶん、今のひかるなら簡単に気付けるはずです。なにせ自分自身がいつも思っていることなんですから。

 「違う! 歪んでなんかいない! 私、何も知ろうとしていなかった。姫ノ城さんのこと。でも、今は少しだけわかる。私、もっと知りたい! 彼女のこと!」
 「同感だ。敵を知れば弱点もわかる。倒すのに好都合というものだ」
 「違う! 私は、私のことも知ってほしい!」
 「敵に自分を? はっ。何のためだ」
 「わかりあうため!」
 「『わかりあう』だと? くだらん。そんなことに意味はない」
 「意味なくなんかないよ、きっと。そこからきっと生まれるんだ。キラやばー!なものが!」(第35話)

 今、ひかるはたくさんの人ともっとわかりあいたいと考えています。それが今のひかるにとってのやるべきことです。
 だったらもっと知るべきです。あなたの周りにいる他人が、あなたにどんな思いを抱いているのかを。
 あなたが他人に対して抱く思いと、他人があなたに対して抱く思いは、必ずしも一致するわけじゃないんだってことを。そして、一致する奇跡みたいな瞬間もまたありうるんだってことを。
 今こそ知るべきです。私はそう思います。あなたが友達を大切に思うのならなおさら。あなたの我慢してしまう姿を見て、友達がどう感じるかをわかってあげてほしいから。

 ひかるの願いは叶いません。
 奇跡でも起きないかぎり。

コメント

タイトルとURLをコピーしました