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ゼノブレイド つながる未来 プレイ日記 その3「想いは同じ」

この記事は約8分で読めます。

未来。――守れなかった。

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

(主観的)あらすじ

 古代都市グランデル。厚い城壁で囲われたその遺構に、皇都から落ちのびた市民たちが細々と暮らしていました。幸い城壁は今も使用に耐え、モンスターの侵入を防いでくれています。しかし、食料生産まで考えると城壁のなかはけっして充分な広さがあるといいがたく、さりとて城壁の外まで足を伸ばすには戦士の数が足りず。今はまだ生活が成り立っているものの、もし何か、ほんの些細な事件でも起こったなら、またたく間に立ちゆかなくなってしまうでしょう。
 風前の灯火のようなその集落にシュルクたちが訪れていました。テトの研究の助言をしているという、ラダムというマシーナの男を訪ねて。

 ラダムはこの集落の戦士――岬の野営地にいた皇都兵たちが居を分かつきっかけをつくってしまった人物でした。故郷に執着し、霧乃王との戦いでいたずらに損耗していく彼らを黙って見ていられず、皇都奪還を諦めるよう進言したのが彼でした。
 皇都兵たちも残された市民もその主張の正しさは理解しています。ただ、感情の部分でどうにも整理が付かず、穿たれた溝は塞がらないまま、どちらもお互いの欠けた生活にじわじわと追い詰められつつあるのでした。
 折り悪く、皇都で見た空間の亀裂が皇都外にまで伸張。モンスターを凶暴化させる黒い霧の影響は、いよいよ巨人肩全体に及びつつありました。

 ラダムの考察を助けるためテトの研究資料を借りに研究所へ戻ったシュルクたちは、そこでゲルガーがテトたちを襲撃しているところに鉢合わせます。ゲルガーは強硬な混血至上主義者。テレシアと化した純血ハイエンターを元に戻すためのテトの研究が、彼には目障りだったのです。
 シュルクたちの活躍でテトたちの生命は守られたものの、研究所は燃やし尽くされました。テトの研究にハイエンターの未来を見ていたメリアは激しく落胆し、守りきれなかった己の無力さを嘆きます。

 厳しい指摘がなされました。
 「歩みを止めてしまうことこそが罪」。その考えかたは正しいかもしれないけれど、一方でそもそも人命が潰えてしまったら元も子もありません。
 「俺たちもバカじゃない。やれることはやったんだ。だがな、故郷に帰りたい――、そんな叶わぬ夢を見てたくさんの命を失ったんだ」
 「最初、この地には数百人いたのです。ですが今はみなさんが見てきたとおりです。なので彼らにもうやめろと伝えたのです。人がいなくなればそれで終わりだと」
 「この馬鹿が! なぜ飛び込んだのだ! ハイエンターの未来を守るんじゃなかったのか?同胞を故郷へと連れて帰るんじゃなかったのか? 導くべき者が命を落とすことの意味をよく考えろ!」

 その指摘は絶対に正しい。

 絶対に正しいけれど、その結果あとに残るものは、閉塞感。

 話は変わりますが、このゲーム、タンクの攻撃が当たらなくてヘイト管理できなくなると敗北一直線です。今回上級者設定がついたおかげで適正レベル以下でボスに挑むチャンスが増えましたが、その場合にまず真っ先に頭を悩まされるのがこの命中率問題。
 私も久しぶりのプレイですっかり忘れていて、ゲルガー戦でエラい苦労させられました。そうだよ。サモン・ボルトをレベル10まで上げて3枚重ねする脳筋プレイだけやってりゃいいってゲームじゃないんだよ、そういえば。
 ネネをジェムで補強するか、もしくはメリアのサモン・ウインドで素早さにバフをかけてあげるといいでしょう。レベル差補正がキツいことで知られる『ゼノブレイド』ですが、実はタンクの攻撃さえ安定して通るようになれば意外とジャイアントキリングできるゲームでもあります。

閉塞

 「グランデルの者たち、相当無理をしているな。自分たちの故郷がどうなったのかわからず、しかも帰る手段もない」
 「うん。でもマクシスさんたちもそこに故郷があるのに帰れない」
 「ああ。だが、必死になるあまり手を取りあえなくなっている」

 岬の兵士たちからは食料をはじめ物資調達を目的としたクエストを多く依頼されます。
 グランデルの市民たちからは城壁の外で鉱物や草花などを集めてくるクエストをよく依頼されます。アルマ用の牧草を足りなくして城壁の外へ出かけ、モンスターに襲われていた女性なんかもいましたね。

 それが彼らの現在置かれている窮状です。
 岬の野営地には農地がなく、そもそも耕作の知識を持つ農民もいません。
 グランデルは城壁内だけで生活物資の全てを賄うことはできず、アルマが霧乃獣と化した一件のような不測の事態にきわめて脆弱。
 市民と戦士、本来ならお互いの専門技術で支えあいながら社会を営んでいくはずなんですから、そりゃあ袂を分かてばこういうことにもなります。

 これが一時的な話なら耐え忍ぶこともできましょう。けれど、分かれて暮らすようになったきっかけは霧乃王の討伐失敗であり、従って霧乃王討伐に成功するか本当に皇都をすっぱり諦めるかするまで、この状況は動きません。誰もがこの問題は長期化すると肌身に感じています。
 それでも彼らがこのジリ貧の現状を耐えていられるのは、心のどこかに楽観があるからです。彼らは離れて暮らしていながら、それでもお互いのことを信頼しています。仮に問題が解決しなくても、案外何かのきっかけで事態が好転するかもしれないと、どこかで期待しています。

 未来に、希望を抱いています。
 特に根拠もなく。
 ただお互いを信じているという気持ちだけで。

 その儚い希望だけが、絶望的な状況下においてギリギリで彼らの生を繋ぎとめています。

 メリアがどうして希望なんていう曖昧なものにこんなにもこだわっているのかといえば、つまりそういうことなんです。

 未来を夢見ていられるかぎり、人は歯を食いしばって生きていける。
 耐えて。耐えて。耐えて。不断の努力を尽くした先に、きっといつか奇跡のようなとてつもない偉業を成すことができる。
 たかが夢ごときに冷たい現実を変えるほどの力はありませんが、それでも現実を変えることができるのは夢だけです。夢が努力を呼び、人の努力をもって現実世界に夢を顕現させるんです。

 けれど今、巨神肩の人々の未来への希望は枯渇しつつあります。
 彼らにとっての希望の象徴、皇都への帰還の夢が絶たれてしまっているからです。
 仮に兵士たちがグランデルに帰ってきたとしても、状況は多少マシになるだけで根本的な解決にはならない。いつまでもこのままこの地で暮らしていけるわけじゃない。根本的には絶望しかない閉塞した状況。

 それでも、お互いへの信頼だけが、ギリギリのところで彼らに現状を耐え忍ぶ力を与えています。

祖先

 そう考えたなら、メリアがどうしてテトの研究にあんなにも入れ込んでいるのかわかるでしょう。

 「貴様はこの研究の意味がわかっているのか? この研究にはハイエンターの未来がかかっているのだぞ!」
 「この研究が未来?勝手に滅んだ種の再生が未来など・・・。ハイエンターの未来は我々です! ハイエンターは須く混血であり、混血こそがハイエンターの真の姿!」
 「祖先がいなければ我らが生まれてくることはなかったのだぞ!」

 メリアは愛されて育ちました。
 必ずしも恵まれた生まれではなく、辛いこと、絶望しかないことを何度も経験しました。それでも彼女は折れず、立ち上がり、今やハイエンターの希望。
 それこそ巨人肩の人々がお互いの信頼感によってたくさんのことを耐え忍んでいるのと同じように。
 メリアは、人は、誰かとの暖かい関係性を一種の楽観に、未来の希望に変えることができます。

 家族をテレシアに変えられた人がいます。友達をテレシアに変えられた人がいます。
 もし再び人のかたちで再会し、昔と変わらぬ関係性を結びあえたとしたら。それはきっと、大きな希望となるでしょう。
 テレシア化した大切な人を討たなければならなかった人たちがいます。
 もしテトの研究が完成したとしても、そういう人たちまで帰ってくるわけではありません。それでも為すべき意味はあります。なぜならメリアは、あるいはタルコは、彼らに愛されたからです。彼らが凶暴なテレシアなどではなくあくまで人であったことを証し、彼らの系譜と自分の歴史をつなぎ直すことは、彼女たちが確かに大切な人から愛されていたことを証明することに他なりません。愛に報いる行為に他なりません。

 生者と死者の間にすら関係性はあり、愛があり、信頼があり。
 未来の希望はきっと、過去に巡り会った全ての人たちとの絆によって紡がれる。

歩み

 「この馬鹿が! なぜ飛び込んだのだ! ハイエンターの未来を守るんじゃなかったのか?同胞を故郷へと連れて帰るんじゃなかったのか? 導くべき者が命を落とすことの意味をよく考えろ!」
 「――守りたかった。どうしても守りたかったのだ」

 何よりもまず命が大切。命を落とせばそれ以上何もできない。
 そんなことはわかっています。絶対で普遍の正論。
 けれど困ったことに、その正論は時としてメリアの哲学と矛盾します。

 「答えを見つけられないことが罪なのではない。答えに辿りつこうとする歩みを止めてしまうことが罪なのだ」

 マクシスやラダム、タルコの考えかたは人の命を救いました。
 けれど同時に、巨神肩に生きる全ての人の心に深い絶望をももたらしました。

 霧乃王には勝てない。皇都は放棄するしかない。それらを諦めたなら命だけは助かる。
 でも、その先は?
 生きながらえたその先、これからどんな幸せなことが待っている?

 メリアはテトの研究を完成させることで、巨神肩の人々に希望をひとつ示せると考えていたようです。
 一度そう考えたなら、そう簡単に足を止めるわけにはいきません。なぜなら歩みを止めないことはメリアが父と兄の言葉から導き出した答えであり、彼らの意志を継いで、未来へと運んでいくための手段でもあるからです。

 諦めることで守れるものがある。
 一方で、諦めないことでしか繋げないものもある。

 「メリアさんたちが来てくれなかったら僕はもう研究を続けられなかったかもしれない。それにね――、これ! メリアさんが持ち出してくれた本。覚えてない? そう。僕の研究が始まった本。これがあれば僕とねぇちゃんは研究を続けられる。ね。タルコ姉ちゃん」

 研究所が燃えて目当てだった資料は手に入りませんでしたが、皇都外にまで伸張した空間の亀裂が考察の助けとなり、霧乃王を倒すための作戦自体は無事に立ち上がりました。その作戦のために必要な特別なエーテル鉱石は、グランデルの人々に聞き込みした結果、ひとりの老婆から有力な情報を得ることができました。
 今は亡き良人との想い出話。
 蘇った過去が、未来に希望を紡いでいきます。

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