ゼノブレイド つながる未来 プレイ日記 その4「家族のために」

私の心がそうしたいと告げているのだ。ただそれだけだ。それが理由であり、私の出した答えだ。

※ 注意:本編最終話までを含むネタバレに関して、このブログは一切配慮しません。
※ そのくせ本編での描写がところどころ頭からすっぽ抜けている可能性もありますが、それはそれです。

(主観的)あらすじ

 幸と不幸はコインの表裏。皇都外にまで伸張してきた空間の亀裂はテレシアの防衛網を抜けて巨人肩全土に霧乃獣を生みだしましたが、一方でシュルクたちはそのメカニズムの観察から霧乃王の防護を抜く方法を看破。いよいよ霧乃王討伐の算段が整いました。
 しかし、霧乃獣が跋扈する現状でシュルクたちがグランデルを留守にするのはあまりに危険。メリアは岬の野営地の兵士たちを説得して連れ戻すことに決めました。

 岬の兵士たちのリーダー・マクシスは、実のところ、霧乃獣出現を見てグランデルが危機にさらされていることを予感していました。それでも救援に向かうことができなかったのは、やはりグランデルに残した市民たちとの確執が心に引っかかってのこと。
 メリアはマクシスを説得するべく言葉を重ねていくなかで、彼に二の足を踏ませている思いの正体にたどり着きます。
 それは後悔と不安。理由はどうあれ、本来市民を守るべき兵士がその任を放棄してしまった。彼らに申し訳が立たないし、許されるかもわからない。
 メリアはマクシスに「見誤るな」と告げました。己の過去に呪縛されて、為すべきと信じることを躊躇するべきではない。真に後悔することになるのは大切な者の命が永遠に失われたときだ。それでなお不安が残るというのなら、これまで家族同然に暮らしてきた彼らとの絆を信じろ。
 マクシスは決断します。家族のために、行こう。

 こうしてグランデルの市民と岬の兵士たちは和解。後顧の憂いはなくなりました。
 シュルクたちはいよいよ霧乃王討伐のため、皇都アカモートへ出発します。

 ノポンジャー最終ミッションやバーン再謀含め、見つけられる限りのクエストをクリアしました。地図も完全踏破。あとはナカマトークをいくつか回収して霧乃王を倒すだけです。ここまでプレイ時間20時間ほど。レベルはリザーブ経験値も含めると79相当。ちょこちょこ全滅したり無駄にお散歩したりしていた割には予想どおりのプレイ時間に収まった感じです。
 いやあ、それにしてもメリア操作は楽しいなあ! ザコ狩りではサモンボルト重ね掛けでゴリ押し。ユニーク戦では敵に合わせてバフを張りつつ、アーツのリキャスト状況を見て継続ダメージメインで攻撃、ネネの回復が追いついていなさそうならヒールギフト、危険な攻撃が来そうだったらスターライト・ニーでキャンセル。ほどよく忙しく、ほどよく味方に丸投げしている感じがとても良い。『ゼノブレイド2』には補助系のアーツがほとんどなかったので、ちょっと懐かしいプレイ感覚です。敵の範囲攻撃が届かず、かつネネにバフが届くギリギリの位置取りを保つのも楽しい。
 そしていつの間にか倒れているキノ。蘇生しようにもノポンジャーの群れに埋もれてどこにいるのか見つけられず、そうこうしているうちに戦線崩壊・・・。それもまたよし。即再戦!

見誤るな

 「我らがあそこを出た理由を知って言っているのか?」

 本来なら市民を守るべき兵士がその責務を放棄して遠くに野営している。
 マクシスたちのしていることは結果だけを見るとただただバカげていますが、そこに至るまでの彼らの決断ひとつひとつは正しくもあります。

 皇都を守るため、あるいは奪還するため、命を賭して霧乃王に挑んだ。
 皇都奪還を諦めるよう進言したラダムに怒りを表明し、断固として拒絶した。
 ラダムに怒りを示しつつも彼を排斥するようなことはせず、むしろ無用の摩擦を避けるために居を分けた。

 全て、本質的には守るべき市民のためでした。
 皇都はハイエンターにとって単なる居住地という意味を越えた大切な故郷。彼の地には1年前の大戦の折、テレシア化した同胞たちに市民を惨殺され、あるいは逆に危険な怪物として討伐しなければならなかった呪わしい記憶が眠っています。
 シュルクたちの手によって全ての元凶は打ち倒されましたが、それで死んでいった同胞たちが蘇るわけでも、テレシア化した者たちが元の姿に戻るわけでもありません。戦災復興というのはそういう意味で難しいもの。単に戦争を終わらせただけでは元の日常は帰ってこず、むしろ戦時中と違って“何を失ってでも絶対に為し遂げなければならない悲願”とでもいうべきものが存在しないため、自分たちがこれから何をすれば幸福な日々を取り戻すことができるのか、道を見失いがちです。
 だから、戦後にこそ希望というものが必要になります。大きな目標を掲げ、“これさえ為しとげられたら自分たちは幸福になれる”そう確信する何かを胸に抱くことこそが、たくさんのものを失った人間たちがそれでも挫けず前を向いて歩んでいくための原動力となります。
 巨神肩に住むハイエンターにとって、それが皇都でした。皇都を復興し、華やかな日常風景を取り戻し、血塗られた記憶を幸福な毎日によって雪ぐことで、きっと彼らはやっと平和が帰ってきたんだという実感を得られるはずでした。幸福な日々を夢見て辛いことを乗り越えていけるはずでした。
 だからこそ、マクシスたちは皇都を絶対に守らなければならず、また、絶対に奪還しなければなりませんでした。同胞たちの胸に燃える希望の炎を絶やさぬために。

 ラダムの進言してくれたことは絶対に正しく、そのおかげでマクシスたちが全滅せずに済んだことは事実です。ただし、その一方でマクシスたちが彼の言をあくまで拒絶しようとしたこともまた正しかったと、私は思います。
 ラダムの言うとおり皇都奪還を諦めた結果、巨神肩に住む人々は希望を失いました。
 人はパンのためだけに生きるのではないといいます。ただ命だけ繋ぎとめたとして、それだけで人間は生きていけません。幸福でなければ。希望がなければ。未来を信じる前向きな気持ちがなければ。早晩、人は自分が何のために生まれてきたのかも実感できないまま、ただただ不幸に塗れた死体だけを晒す運命を辿るでしょう。何も夢見ず、何も為そうとしないのであれば。
 たまたまメリアがこのタイミングでこの地を訪れていなかったら、きっと彼らは――。

 市民を守るという使命を持っていればこそ、ラダムの進言を簡単には受け入れなかったマクシスたちの判断は正しくもありました。
 それでいて、現状のとおり皇都奪還を諦めていなければメリア到着を待たず全滅していたわけですから、これまた現実的にはどちらが正解だったともいいがたい難しい話ではあるんですが。

 ただし――。
 「ここも襲われたんだ。当然グランデルも、とは考えた」
 「であれば、近衛として何をすべきかということもわかっているのであろう?」
 「わかっているさ。だが、お前が言うほど簡単じゃないんだ」
 これまで彼らが“市民を守る兵士として”正しい判断をしてきたのであればこそ、ここで新たな歩みを躊躇することだけは間違っていると断言できます。

 なぜなら、
 「俺たちはあいつらを見捨てたんだ。今さらどの面下げて・・・」
 なぜなら今マクシスたちが判断の根拠にしようとしているものは、今回のこれだけに限っては、市民を守ろうと思う気持ちから出てきたものではないからです。
 これまで彼らがしてきた、しようと抗いつづけてきたことに対して、今回のこれだけに限っては絶対に、ふさわしくないからです。

 「見誤るな、マクシス。今大事なのは、そなたたちが守ってきた命が再び危機にさらされているということだ」

ひとりの少女の小さな祈り

 「迷いは誰の心にも生まれるものだ。あの戦いで誰もが道を見失った。皆も、そなたも。私もそうだった。・・・いや、今もそうだ。迷いを払拭したなどと胸を張って言えたものではない」
 迷えるタルコに語りかけます。
 「惑う心から答えを見つけるにはしばしの時が必要だ。大切なものを失ったあとであれば、なおさらに、な。だが、タルコ。そなたは強い。いずれきっと答えを見つけられるはずだ」
 いつか希望は見つかるのだと。
 いいえ。本当は希望が見つかると確信して言っているのではありません。
 実質的には、これはただの祈り。見つかるんだという保証はどこにもないけれど、それでもいつか見つかるんだと信じてほしい、そしていつか本当に見つけてほしいんだという、メリア自身の個人的な祈り。

 ハイエンターの希望と呼ばれた少女は、同胞たちの心に希望が絶えないことを祈ります。

 「なぜそうまでして私に固執する? 皇太子としての義務か? それとも落伍した私への憐れみか?」
 「タルコ――。それ以上自らを貶めるのはよせ!」

 祈ります。後ろばかり気にして歩みを止めるのではなく、前を見て、それでも未来へ向かって次の一歩を踏み出してくれることを。
 どうか、愛する同胞たちの心に希望が絶えませんように。ハイエンターの希望と呼ばれた少女は、いつかそういう未来が訪れることを希望します。

 「私の心がそうしたいと告げているのだ。ただそれだけだ。それが理由であり、私の出した答えだ」

 メリアは今回のことを通して自分の為すべきことを見出しました。
 “ハイエンターの希望”として自分は何を為すべきか。それは、とても単純で、きっと誰もが思う、ありふれた答え。

 「見誤るな、マクシス。今大事なのは、そなたたちが守ってきた命が再び危機にさらされているということだ」

 ただ、己の為したいと思ったことを為せ。たったそれだけの陳腐な言葉を伝えてあげること。
 心のどこかで歩みを再開したいと願っている人たちに寄りそって、そっと背中を押してあげること。

 ラダムの言うように、現実には希望ばかり守りつづけるのが難しい局面もあるかもしれません。ですが、それでも祈ります。
 それでも、諦めないでほしいと。辛いことを耐え忍んだその先で再び心に希望の炎を灯してほしいと。

 「マクシス。我々は幸せだ。戻れる故郷がある。――そこに故郷はある。今は住めなくともな」
 「今さら、などということはない。生きてさえいればな」
 「マクシス。大切なものの価値――、失ってから気付くのでは遅すぎるのだ」

 ハイエンターの希望は、希望します。
 いついかなるときも同胞たちの心に希望が絶えないことを。
 なぜなら、そうあってくれたら彼女自身が嬉しく感じるからです。愛する人たちがそれぞれ幸せになろうと努力して、そしていつかきっと幸せになってくれる。それ以上に幸せなことはありません。
 「父上や兄上が望んだ未来とは何だったのだろうな」
 「そんなの未来視が使えなくたってわかるさ。――メリアが幸せでありますように、さ」
 だって、メリア自身もそういうふうに愛されたのですから。
 その大いなる愛を受け取れたことに幸せに感じているメリアは、だから祈ります。希望します。

 誰もが自分が為したいと心から思えることを、為せますように。

 「・・・しょうがねえな。付きあってやるか。だが、お前に説得されたから行くんじゃない。家族のために行くんだ」

 人が生きるためには希望が必要です。未来に大きな目標を掲げ、“これさえ為しとげられたら自分たちは幸福になれる”と確信する何かを胸に抱くことこそが、どんな辛いときでも挫けず前を向いて歩んでいくための原動力となるからです。
 人は、自分が幸福に生きるために生きているんだと思います。私はそう思います。そうあってほしいと思うし、そうであると信じています。
 だから、どんなときにも希望があってほしいと、私も希望します。

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