サイト改修中です。しばらく記事が崩れたり見た目がコロコロ変わったりします。ごめんなさい。

超人女子戦士ガリベンガーV 第56話感想 このなかにひとり星博士がいた。残り2名はボケ倒していた。

この記事は約13分で読めます。

生徒役:電脳少女シロ、御伽原江良、燦鳥ノム

シロにとって英二は一等星だよ!

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ → YouTube公式チャンネル

「我々同じおうちに住んでるから、英二の家のエアコンもクリーンだよ。・・・英二、大丈夫? 現実生きてる?」
「生きてるよ! こっちのセリフだろ! ヤバイだろマジで。妄想同棲は」

 休日はだいたい家事しているかゲームしているかのどっちかだという専業主婦みたいな幼児。先日、後輩のアイドル部に家の合鍵を預けて寝込みを襲う許可を出していましたが、身も心も間違いなく英二に捧げています。つまり同棲している小峠教官の寝首も掻きほうだいということですね。
 「いるだけで○○な子」という表現がこれほど似合わない人物もなかなかいないでしょう。いればだいたい何かしています。傍若無人に暴れてみたり、賢く機転の利くトークを繰りひろげてみたり、斜め上にカッ飛んだ名言を連発してみたり、他の共演者を気遣ったり、イジりたおしたり、あるいはゴキゲンにキュイキュイ笑っていたり。ちょくちょくワケワカンナイこともやりたがりますが、そういうときは「シロちゃんの動画は為になるなあ!」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、ああ見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

御伽原江良

「・・・何の話でしたっけ?」
「もういいです」

 現代に蘇ったシンデレラ。清楚ながら少しばかり夢見がちなところがあり、いつか王子様が迎えに来てくれることを夢見ていました。大学では手芸サークルに所属しており、料理や掃除も含め何でもこなすことができる家庭的な女性でした。デビュー後30分くらいまでは。
 実態はとりあえずよく叫ぶ人。リアクション芸の総本家・にじさんじに所属しているとてもやかましいバーチャルYouTuberです。設定崩壊上等のにじさんじにおいてひときわ早くバーチャルな自分をかなぐり捨て、過去の自分の痴態を古傷として胸に戒めながら、札束風呂に入ったり小学生アイドルに大興奮したりコオロギの姿揚げを食わされたりと好き勝手生きています。
 ちなみに、料理できる設定の虚勢として「得意料理はビーフストロガノフ」みたいなことをでっちあげていましたが、あんなもの厚めにスライスした牛肉をタマネギとマッシュルームと一緒に生クリームでテキトーに煮込めば簡単にできあがるお手軽料理なので、今度ぜひつくってみてください。

燦鳥ノム

「アアァーッ! ぱたっ」
「回復のキスをどなかたー!」

 言っていることは常に清楚なのに、どういうわけかいかなる胡乱な共演者を相手取ってもキャラを崩すことなく対応できる絶対的勝者。むしろ負けそうになると強引に相手を負かしにかかります。今回、星に詳しいという新たな一面を開示してみせたわけですが、別に意外でも何でもないあたりがまた本当に清楚。
 楚々とした佇まい。凜として朗らかな人柄。そして明け方の瑠璃鳥のような爽やかな歌声。まるで清楚という言葉が正しい意味で(!)具現化したかのようなキャラクターです。一方で茶目っ気も相当強く、一切打ち合わせしていないゲームのルール説明を同僚に丸投げしたり、お笑いタレントの持ちネタを強奪して本当にあちこちで披露してみせたりと、数々の武勇伝を持っています。
 実は(※ 実はも何も衣装にロゴが入っていますが)大手飲料メーカー・サントリーの公式バーチャルYouTuberだったりします。クラフトボスや特茶などのキャンペーンキャラクターに起用されたり、デカビタCのweb CMに出演したりと、そちらの方面でもなかなかの活躍。気がつけば日本最大の広告賞であるACC TOKYO CREATIVITY AWARDSにおいて、ちゃっかりシルバー賞まで受賞していました。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:星の謎を解明せよ!

 山岡均先生は国立天文台の広報室所属准教授です。もちろん研究者ではあるのですが、どちらかというと広報や教育活動を本業としているかたですね。宇宙についての学問は理論や数学の話が多くなってしまって小難しく、せっかくの画期的な発見があっても私たち一般市民にその重要性を理解させられなければ次の研究予算はなかなか下りません。その点、山岡先生はよく工夫されていて、2回目以降の授業からは徹底的に数式の話を省いてロマンだけを取り扱うようにしています。授業に絡めて必ず国立天文台の実績をアピールするのも先生の特徴のひとつ。
 改めて科学研究費助成事業データベースを検索してみると、本当に星の死に関する研究を専門にしているみたいですね。星の進化テーブルとか突発天体現象とか、用語が独特すぎて、今回までこれが全部超新星爆発(など)の研究だとは気付けませんでしたよ。

 今回の授業テーマは星。意外にも、過去3回の授業では恒星の話題はほとんど扱ってこなかったんですね。1回目第15話は宇宙の成り立ちについての授業。2回目第32話は宇宙規模での安全保障についての授業。そして3回目『ヒロイン危機一髪!筋肉&妖怪大進撃!!』では惑星についての授業でした。
 恒星の話題なんて天文学におけるメインディッシュみたいなものなのに、どうしてこんなにも出し惜しみされてきたのかといえば・・・、それはやっぱり、この話題こそ数式を避けては通れないメンドクサイものだからですね。山岡先生、なんかうまいことそういうの避けきっていますけども。

前哨戦:星って何?

 「私はね、下、履いてない。上しか着てない」
 「俺も下履いてねえよ。履いてないです、私も」
 「おそろいー! ペアルック、ペアルック!」
 「いやいやいや。ルックがねえんだよ。ペアかもしんねえけどルックではねえだろ」

 一瞬何のこっちゃと思いましたが、これあれか、リモートワークのときは上だけスーツを着て下はラフな格好でもバレないとかそういう話か。ビデオ会議が流行したおかげで5月ごろはそういう話題をやたらよく聞きましたね。なるほど、たしかにルックがない。
 ちなみに私は普通に毎日出社していたので若干疎外感を感じていました。私も下半身パンツ一丁で会議に出てみたかった。

 「虫を食べたり――」
 「もういいよ。虫食いのやついるんだよ。多いだろ、1番組に2人虫食いいたら」
 「私はでも1回しか食べたことないです」
 「1回くらいで虫食い名乗るんじゃねえよ。俺でもあるよ、そんな1、2回は」
 「コオロギ食べたんですよ、コオロギ! あの、なんかシャリシャリしたやつです。そう、なんかスナックみたいな。そのままの形のスナックの。ドッグフードみたいな味がするやつです!」
 「あー、はいはいはい。あるね、そういうやつね。――あるってもう認めてんじゃねえかよ!」

 御伽原江良の鉄板ネタがのっけから潰されるあたりガリベンガーVという番組自体たいがいですが、それにしてもこの1ネタに対するガッつき具合は久しぶりにいかにもバーチャルYouTuberですね。初出演のときのヤマトイオリも同じような失敗をしていました。
 彼女たちが普段している生配信だと尺やテンポの管理がテレビ番組ほどシビアではありませんし、視聴者も基本的に彼女たちの話に興味津々です。たくさん話せばそれだけたくさんリアクションをもらえて話題がさらに膨らみ、盛り上がることができます。多少ダレても切り抜きと呼ばれるファンメイドの編集動画が後からつくられますしね。むしろ1つの話題をいかに膨らませられるかが腕の見せどころみたいなところがあります。でも、これって結局YouTubeの無編集生配信というメディアに最適化されたスキルでしかないんですよね。ところ変われば要求されるトークスキルも当然変わります。
 とはいえ彼女たちは下地となる会話術がよく磨かれているので、ヤマトイオリがそうだったように、おそらく2回目からは万全に適応してくるでしょうけれども。

 さておき本題。
 天文学における「星」とは何か。

 「私、本で読んだんですけれども、ギリシャ神話に登場されたかたがたが神様によって空に上げられたものです」
 実はこの回答があながち間違いではありません。
 今回は燦鳥ノムがずいぶん詳しいらしく、いつもカルロ・ピノがよくやっているような迂遠で大喜利めいた正答を多々繰り出しています。

 要は星座を構成しているような小さい光の点が、天文学において通常「星」と呼ばれるものに該当するんです。別の表現では恒星(star)とも呼びます。いつも夜空の同じ場所に同じ並びで並んでいて、移動するときは天球とともに動くのでこう呼ばれています。
 太陽や月、流れ星、それから明けの明星などの惑星は見えかたが大きく異なるため、伝統的にこれらは他の星と区別されてきました。実際、これらはどの星座にも組み込まれていません。
 なお、太陽も恒星ではありますが、見かけ上の動きは他の星とやはり異なるため、単に「星」と呼ぶ場合においては太陽はこれに含まれません。見かけ上の動きが異なるということは、学術的にも観測方法が異なるためです。

 「流れ星とかでよく聞いたことあるのが、ゴミ。流れ星はゴミがピューってなってるって聞いたことがあるから、星は全部ゴミかなって」
 御伽原江良の回答は間違いではありますが、授業全体を見ると良い誤答です。次の出題で電脳少女シロがミラーボールの例えを挙げるのと併せて、これで流れ星と惑星を網羅できます。他に「星」の定義に含まれないのは太陽と月(を含む衛星)くらい。

トピック1:なぜ星は光っているの?

 「恒星はミラーボールときっと一緒で、反射材が張られているから、見る者が輝いていれば恒星を通して人は己の輝きを見ることになるんですよ」
 恒星だつってんだろ。ちなみに先生、さっき自ら光っているってところまでは説明していましたよ?

 「地上から見ると星って明るさが違うじゃないですか。それぞれに毎日がフェスティバルで、火をくべていて、盛り上がりのピークのときに青白く光っているのではないでしょうか」
 聞かれるまでもなく色まで言及しているあたり、完全にわかっていてボケていますね。正解です。

 恒星は自ら燃えているから光って見えます。赤い星、白い星、青い星があるのは表面温度の違いによるものです。赤いものは温度が低く、青いものが温度が高い。
 ただし、地球上でよく見る炎と違って、燃料を酸素と結びつける燃焼作用によって燃えているのではありません。
 恒星のひとつ、太陽がどのようなメカニズムで光と熱を生み出しているのかは長らく謎とされてきました。もし何らかの燃料を燃やしているなら、人類史わずか2000年程度の間にも太陽と同質量以上の燃料をとっくに消費しているはずだからです。これを説明づける理論が立てられたのは1920年代になってからのこと。

 恒星は核融合反応によって光や熱などのエネルギーを生み出しています。核融合とは、2つ以上の原子が衝突してより大きな原子に結合する反応のことです。たとえば太陽は水素原子2つをぶつけあわせてヘリウム原子をつくっています。核融合反応によってエネルギーが得られる理屈は私ごときド文系の脳みそでは説明不可能なので省略。
 ほとんどの恒星は太陽と同じく水素を材料にヘリウムをつくっていると考えられていますが、大きな恒星のなかにはヘリウムから炭素を、炭素から酸素を、酸素からケイ素を・・・と、次々合成していくものもあり、どこまで大きな原子を生み出せるかはその恒星の質量に依ります。核融合を起こすためには大きな原子であればあるほど大きな圧力(重力)が必要なためです。太陽の質量ではヘリウムまでが限界。
 小さな原子から大きな原子をつくる仕組みのため、反応を起こせなくなるまで材料となる小さな原子(※ 太陽の場合は水素)を消費しつくすと、星はそれ以上光ることができなくなります。山岡先生の言葉を借りるなら、これが星の死です。

トピック2:太陽はどうやって死ぬの?

 「太陽さんはとっても大きいので、耐えきれなくなって、『もうダメだ』ってなって2人に分かれる。重すぎて、中の物質が大きすぎて、ひとつじゃ支えきれなくなって、ボロボロってなってしまうのではないでしょうか」
 おそらく燦鳥ノムが言いたかったのはベリリウムの崩壊のことですね。太陽の質量で生み出せるのはヘリウムまでだという話を↑でしましたが、より正確にはヘリウム2個を結合させてベリリウムまでは生み出せるんです。ただしこのベリリウム、非常に不安定な物質なので、合成された矢先からすぐにヘリウムへまた戻ってしまいます。これにより太陽内での核融合反応は袋小路に陥り、結果的にそれ以上の反応が進まなくなるんです。
 このあたりの説明、解説サイトを読みながら書いている私でもうまく説明できている気がしないのに、口頭で説明しようとした燦鳥ノムに至ってはむべなるかな。そりゃ途中でぶん投げたくもなるでしょうとも。
 「もうこの際何個でもいいかなって思いました」

 さて、太陽の質量ではヘリウムを材料にしても核融合が起こせないため、これは実質的に燃えかすのようなものとしてただただ溜まっていきます。また、ヘリウムは水素よりも重いため、重力に引かれて太陽のより中心に近い領域に集まっていきます。
 するとどうなるかというと、水素を材料とした核融合反応が太陽の中心部分より少し離れた周縁で起こるようになるんです。中心部はヘリウムでいっぱいなので。
 ただし、第32話で学習したとおり、星の重力というものは中心部が最も強く、外縁へと離れるにつれて弱くなっていくものです。従って、ある程度ヘリウムが溜まった後の太陽では核融合反応の効率が悪くなっていきます。もちろん温度も下がっていきます。
 これが赤色巨星。中心から離れたところで核融合するので星全体が大きく膨張し、また、温度が下がるので赤く見えるようになるわけですね。

 さらに、星全体が膨張するということは、それだけ重力の薄い外縁部にまで水素原子が広がってしまうということであり、やがてそれら水素原子は星の重力から抜け出して宇宙空間へと拡散していくようになります。こうなると星にはいよいよ中心部の燃えかす(※ ヘリウム)以外残らなくなり、活動をほぼ終了することになります。
 これを白色矮星といいます。星の死体とでもいうべき段階ですね。

 「シロは常々思っています。社会的に忘れ去られたときに死ぬ社会的死が一番恐ろしいと! なので、人類が滅亡したら太陽を記憶する人がいなくなって、太陽の心が折れて死にます」
 「そこまで深くは思ってなかったけど、人がいなくなったら太陽が存在する意味がなくなっちゃうから・・・」

 ちなみに。
 電脳少女シロと御伽原江良の回答は主観論者である私としてはたいへんに好き。(※ だから何だ)

トピック3:ベテルギウスはどうやって死ぬの?

 ベテルギウスはオリオン座の右肩に相当する位置にある赤い星で、近年急速に光量を失っている、つまりまもなく寿命を迎えるといわれている星です。質量が太陽の約20倍なのに対し、直径は約1400倍。赤色巨星ですね。

 「オリオン座さんは長く生きていらっしゃるので、肩に四十肩のような爆弾を抱えていて、それが爆発してしまうんではないでしょうか」
 というわけで、この星は爆発します。

 元の質量が大きい恒星は核融合反応がヘリウムまでで止まらず、炭素、酸素、ケイ素・・・と、次々に重い原子をつくりだしていきます。恒星の質量にも依りますが、最大で鉄原子までつくることができるようですね。
 太陽の場合と同じように、こうしてつくられた重い原子は星の中心部分に溜まっていき、最終的に白色矮星として残ります。もちろん、太陽のものよりも質量の大きい白色矮星ですね。

 ところが、とある偉い天文学者さんが導き出した数式によると、現在の太陽質量の1.4倍ほどの規模の白色矮星になると重力とそれに反発する力のバランスが完全に崩壊し、極端な重力によって核融合反応が暴走するんだそうです。つまり、爆発。
 この規模の白色矮星になりうる恒星ということで、逆算して太陽の8倍以上の質量を持った恒星が最終的に爆発するものと考えられています。
 これを超新星爆発といいます。

 観測上では、あるとき突然明るい星が現れたように見えるので“新星”。けれど詳しく観察してみるとどうやら新しい星が生まれたのではなく、むしろ爆発四散しているようだとわかったので“超新星爆発”と呼ばれるようになりました。(※ 普通に新しい星が生まれたケースもあり、そちらはただの新星と呼ばれます)

 さらに、太陽の40倍以上の質量を持った星の場合は超新星爆発のあとにブラックホールを残すともいわれていますね。

 超新星爆発では通常の恒星活動の比ではない圧力下で核融合反応が行われるため、鉄よりもさらに重い原子がつくられ、そして宇宙中に拡散していくことになります。
 やがてはこれら飛び散った各種原子が岩塊状に集まって、地球のような資源豊富な惑星になっていくのでしょう。

 「シロは、たいへんお世話になった星だと思うので、幸せに死んでほしいから、北斗に看取られながら死んでほしい。北斗七星さんとか、いろんな天体を彩るお友だちに看取られて死んでほしい」
 北斗に看取られながら死んでいく――、というよりは、普通にたくさんの子どもたちへ次世代を引き継がせて逝去していく感じですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました