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超人女子戦士ガリベンガーV 第65話感想 内耳は筋肉じゃないけど本当にいいんですか?

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生徒役:電脳少女シロ、もこ田めめめ、北上双葉

毛がないけど怪我ないように。

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「英二、ビーチフラッグ寝起きでやってたよね。アレお腹抱えて笑っちゃった。かわいかったね」
「やってましたやってました。ありがとうございます。他の局のなんでやめてくださいね」

 大浴場に大欲情するバーチャルシロエロか(?) やたら踏まれたがったりベッドルームに連れ込みたがったりするので女の子は気をつけましょう。隙あらば母親を口説こうともするので男の子も気をつけましょう。オッサンはせいぜい自宅の鍵から締め出されるくらいですので安全です。
 「いるだけで○○な子」という表現がこれほど似合わない人物もなかなかいないでしょう。いればだいたい何かしています。傍若無人に暴れてみたり、賢く機転の利くトークを繰りひろげてみたり、斜め上にカッ飛んだ名言を連発してみたり、他の共演者を気遣ったり、イジりたおしたり、あるいはゴキゲンにキュイキュイ笑っていたり。ちょくちょくワケワカンナイこともやりたがりますが、そういうときは「シロちゃんの動画は為になるなあ!」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、ああ見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

もこ田めめめ

「そっか。ヒツジだもんね」
「そういうこと。まあキメラなんだけどね」

 記念すべき10回目の出演(未公開SPとか含めるともうちょっと多い)となったボクらのマスコットキャラクター。ヒツジとアルパカと人間のキメラだとのことですが、私はウサギも混じっているんじゃないかと若干疑っています。共演者がいるときと単独で舞台に立つときとで露骨にポテンシャルが違ってくる寂しがり屋さんですし。
 キャラクターとして無敵のかわいさ大勝利って感じです。まず「もこ田」ときて、直後「めめめ」ですよ。めめめ。めめめめめ。はいかわいい。はいわかりやすい。ふわもこヘアー&シュッとしたスタイル、ピコピコお耳にピコピコBGM、そして忘れちゃいけない靴下ときた。とにかくマスコットに求められるもの全部がバランスよくまとまっているキャラクターです。いるだけでもうかわいい。すっかり大抜擢にも慣れてきたようで、どこにいてもリラックスした様子が見られるようになりました。とはいえ、そもそも頭の使いかたが草を食むようにまったり進行なこの羊。相も変わらず口癖でありつづける「えっとねー」に酔いしれろ。
 ところで人間よゆめゆめ忘れるな。めめめは強い。つよいぞ。

北上双葉

「なんでー? めめめちゃんなのにー。めめめなのにー」
「なんだようー」

 ワルいことをしているときがいちばん輝いているゆるふわスイーツガール。なんと、ひとりで寿司を出前してひとりで全部食べちゃいます。あと銃で人を撃ったり自動車で対向車にぶちかましたり女の子のスカートを覗いたりエンドレス性転換に敗北を喫したりもします。早く明朝体になりたーい! (※ なってますが!)
 今はやりのASMRを得意としており、kawaii癒やしボイスと、それを生かす音響ノウハウによって、聞く者の脳を甘くとろけさせます。声という絶対的なアドバンテージを持つ彼女ですが、一方でその歩んできた道はけっして平坦ではありませんでした。人より多くのトラブルにぶつかり、人より多くのことに悩んできました。挫折し、膝をつき、けれどそのたびに凜と立ち上がる姿はまさにアイドル。
 そんなわけで外見から受ける印象とウラハラ、意外と精神的には成熟していたりします。気がついてみればいつの間にか貴重な常識人枠に。大食いとオッサンみたいなセクハラトークはご愛嬌。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:身近な体の謎を解明せよ!

 樋口桂先生は文京学院大学に在籍している解剖学の教授です。特に筋運動に関する論文を多く書いています。バズーカ岡田先生が外から見える筋肉・アウターマッスルの専門家なら、樋口先生はインナーマッスルの専門家ですね。禁呪めめめもみもみの詠え手でもあります。
 第10話でのどちんこなど、第17話でおしっこ、第24話で体液、第42話で骨格と、なんともイロモノな授業ばかり手がけてきました。後半2つはいうほどイロモノか?と問う意見もあるかもしれませんが、講師が樋口先生なのでイロモノで間違いありません。どうせどんな授業も気付いたら筋肉の話になってるし。ただし、全部最終的には自分の専門領域に引っぱり込むだけあって、授業内容自体はガチです。

 ・・・とか言ってたら、まさか筋肉が一切出てこないだと!? 樋口先生なのに!!???

 ちなみに今回内耳のお話です。

トピック1:なぜぐるぐる回ると歩けない?

 「えいっ! あのねー。なんか、平衡感覚が死ぬっていうじゃん」
 「『死ぬ』とはいってないですよね。『失う』とはいいますけど」
 「だから、ぐるぐる回ったら平衡感覚ってヤツが一時的に死んじゃうんだよ」
 「いや、死にはしないのよ」

 最近あのねー。えっとねー。コンボがご無沙汰していますが、そこ封印してもなおアホっぽさド健在なもこ田トーーークの恐ろしさ。日本よ、これがもこ田めめめだ。
 平衡感覚は内耳にある三半規管と平衡斑という2つの器官が司っています。このうち、跳んだり踊ったりといった激しい動きに対応して平衡感覚を保とうとしてくれるのが三半規管。ぐるぐる回るとこの三半規管の能力限界を超えてしまうからまっすぐ歩けなくなるんです。
 そうです。
 つまり。
 その「平衡感覚が死ぬ」ってのがどういう状態なのか考えろって言ってるんだよォ!

 「目が回るから」
 もこ田めめめ並みにどうしようもない回答でかぶせてきた北上双葉。その「目が回る」ってのがどういう状態なのか考えろって言ってるんだよォ!
 よくよく考えたらこの子もたいがいいっつもアレな回答ばっかりなような気がします。声に気を取られて忘れがちだけれども。
 ちなみに、目が回る症状が出ているときは本当に眼球が回転していたり横揺れしたりしている場合があります。北上双葉に好意的に解釈するなら、彼女はこのあたりの知識を踏まえたうえで、「眼球が回転しているからまっすぐ歩けなくなる」のだと言いたかったのかもしれません。
 なお、眼球が回転するのは三半規管に異常が起きているとき特有の現象なので、この説だとしても原因と結果が反対になっています。

 「脳みそが回転しつづけて、止まりきってないから指示系統がうまく機能しないんだと思う。もう脳みそぐるんぐるん!」
 電脳少女シロはしばしば考えかた自体はドンピシャなのにトンチキ極まる回答をしがちなわけですが、さて今回はわざとだと思いますか? それとも天然だと思いますか?
 私は今回は天然だと思います。

 キーワードはリンパ液。
 平衡感覚を司る三半規管はその名のとおり3本のループ状の組織で構成されています。この3本のループはそれぞれ前後方向、水平方向、垂直方向に伸びており、この形状によってX軸Y軸Z軸を感知するセンサーとして機能する構造になっています。
 また、3本のループの内側はリンパ液で満たされています。リンパ液は液体です。液体なので、容器である三半規管が急に大きく動くとその動作に追従しきれず偏りを生じさせます。水を入れたバケツを抱えて走るイメージで考えてみるといいでしょう。きっとバケツの中では水面が揺れに揺れて、やがてバケツの縁を飛び越えてこぼれてしまうことでしょう。これはバケツの動きと中の水の動きが一致しないからこそ起きる現象です。三半規管はこの原理によって平衡感覚を感知しているんです。
 さて、今度は水を入れたバケツを縦に大きく振りまわすイメージで考えてみましょう。今度は水はこぼれません。バケツが逆さまになった瞬間ですらこぼれません。これはバケツの中の水が遠心力によって押さえつけられ、バケツと同じ動きをしているからです。これがぐるぐるバットで体を回しているときの状態。
 ここで振りまわしていたバケツを急に止めてみましょう。バケツの回転が止まっても中の水は慣性によって動きが止まらず、派手にこぼれるはずです。これがぐるぐるバットのあと立っていられなくなる状態。容器としての三半規管は静止しているのに、中のリンパ液がぐちゃぐちゃに暴れているせいで、ただ立っているだけでも平衡感覚がわからなくなってしまうんですね。

 人間含め、生きものの体というのは、こんな感じでちょこちょこ人間の設計する機械そっくりな仕組みが組み込まれています。生きものは神秘によって生命活動しているのではなく、機械と同じように物理法則に従って動いているんです。
 樋口先生の教える人体の仕組みというのは、全体的にこう、冷めているというか、ある意味突き放したような、客観的な視点を感じさせます。ネタキャラの権化みたいな言動を繰り返していますが、この人もやはり一流のサイエンティストなんですね。

トピック2:なぜ大きな音がすると顔をしかめるの?

 「人間には見えてないんですけど、衝撃波が出ているので、その衝撃波によって顔がたわんでいるんですね」
 顔の筋肉が歪むレベルの衝撃を浴びたら全身に圧力を感じるんじゃなかろうか。台風のなか外を出歩いているときみたいに。
 ただ、よくよく考えてみると衝撃波から身を守るための反射反応という意味ではあながち間違いじゃないんですよね。意外と。

 「おっきい音で人間は本能的に銃で撃たれたのでは? と思って、避けようと思って、顔をぎゅっと」
 銃声だと思うかどうかはさておき、野生動物も大きな音には警戒しますよね。大きい音=危険だと感じる本能は実際あるでしょう。昔の火縄銃なんか、弾が体に当たる直接的ダメージよりも恐ろしい音によって戦意を挫かれる被害のほうが大きかったともいわれていますし。

 「大きな音が出ると、人は『ヤバイ! 狩られる!』って思って臨戦態勢に入るから、殺意が満ちあふれて顔がギュッとなるんだよきっと」
 このマトン、昔からなんかこういうところありますよね。狩られる側に立ったとき何故か好戦的になるんですよね。普通、殺意がみなぎるのは狩る側になったときだろと。
 でももこ田めめめの場合は実際追い詰められているときのほうが戦意昂揚しますからね。三下のチンピラみたいな情けない虚勢張りつつなんだかんだで勝ちに行くんですよね。だからこういうとき、はたしてボケているのか本気なのか判断に困る。

 キーワードはアブミ骨筋。
 アブミ骨というのは鼓膜の内側にある小さな骨のひとつです。鼓膜が捉えた音波、つまり空気振動を骨振動に変換し、人間の聴覚センサーとでも呼ぶべき蝸牛に伝える役割を持ちます。アブミ骨筋はこのアブミ骨に付着している小さな筋肉で、鼓膜から大きすぎる振動が伝わってきたときアブミ骨を押さえ込むことによって、骨振動を和らげ蝸牛を保護しています。
 このアブミ骨筋に命令を出しているのは、実は顔面神経なんです。だからアブミ骨筋が動くときは表情筋も動きますし、(特定の)表情筋を動かすときはアブミ骨筋も動きます。

 このため、顔面神経に麻痺を患っているかたには大きな音に強い苦痛を感じる、聴覚過敏の症状がしばしば出ます。
 この話題、実はただの雑学ではなく顔面神経麻痺や聴覚過敏の診断材料として実際に使われているものでもあるんです。

トピック3:なぜ録音した声は違う声に聞こえる?

 カラオケ好きな人にはよく知られている話ですね。個人差もありますが、自分の声というのは他人が聞いているよりもおよそ1オクターブほど低く聞こえているんだそうです。(※ 高く聞こえるという人もいます)
 自分で聞いている声のほうがどうしても聞き馴染みがいいので、録音した自分の声にショックを受けて、無闇に低い声を出そうと誤った発声の癖を身につけてしまう人も少なくありません。ぶっちゃけ小手先で声色を変えるより、自然な発声のまま腹式呼吸を練習したほうがよほど魅力的な声になりますよ。喉に力がかかっているとどうしても苦しそうな印象に聞こえてしまいますから。金剛いろはの「オミズノムー!」が普段の声より妙にかわいくない気がするのはこのせいです。

 「機械で録音するから、やっぱり拾える音に限りがあって、生だと聞こえるけど機械を通して再生するときに削れちゃう音があるのかなあ」
 あるにはあります。ただ、身近なCDの規格ですら人間の可聴域全体をカバーしているので、よほど劣悪な収録 / 再生環境以外でならそこまで劣化はしないはずです。とはいえハイレゾ音源にCD音源にはない深みを感じるのもまた事実ですので、人間の耳というのはつくづく不思議なものですね。

 「あ。でもそれあるよね。なんかさ、電話ってさ、実は実際の本人の声じゃないって聞いたことある」
 携帯電話の通話音声などに使われている分析合成符号化技術のことですね。
 CD音源や固定電話の音声などは波形符号化方式といって、生の音声を波形そのままにデータ化しています。波形が変わらないので音の劣化は少ないですが、データ圧縮が必要なとき可聴域の外の波形を切り落とすくらいしかできることがないので、あまり圧縮が利きません。
 これに対して、分析合成符号化方式では(ざっくりいうと)人間の声を、声帯でつくられる音色と、喉の開きかたや口の形などによる調律など、いくつかの要素に分解してパターン化しています。受話側は各要素のパターンだけ受信し、これを復号表に則って元の声っぽく再現するかたちですね。組み合わせパターンとしてデータ化できるので圧縮効率が高く、通信帯域が細くても高音質で聞き取りやすい音声を表現できます。
 元の波形のままじゃないという意味ではたしかに本人の声ではないかもしれませんが、声帯の働きや口の動きそのものを解析しているという意味では、むしろ分析合成符号化技術こそ人間の声の本質そのものをデータ化しているといえるかもしれません。
 いえまあ、携帯電話の通話とCD音源とを比べて後者のほうがはるかに音質がいい時点で本質も何もあったもんじゃないですけどね。ただ、それは符号化方式のせいではなく、あくまでシビアな通信帯域でやりとりしていることに原因があるわけです。

 「ふたばたちはバーチャルYouTuberだから、マイクによって声が違うことかな。めっちゃある。全然違う」
 特に北上双葉のようにASMRをやっている人だとマイクを何本も使い分けていて、ものすごくこだわっているとよく聞きますね。
 マイクというのは原理からしてスピーカーとほぼ同じ構造(※ イヤホンジャックにマイクを差すと音を出せます)ですので、メーカーや品番ごとにフラットだったりドンシャリ系だったり、味付けからして全然違います。ましてアンプを噛ませたりイコライザをいじったりもするわけですしね。高価格帯にいたってはそれはもう、オーディオの世界と同じ底なし沼ですよ。どこまでこだわってもきりがない。
 まあ、電脳少女シロの回答と同じく今回の授業とは関係のない話なんですが。

 「めっちゃ自信あるよ! 自分の声は耳から聞いてるんじゃなくて、骨伝導で感じてるからって聞いたことあるよ」
 自信あると言うだけあってもこ田めめめが正解です。厳密にいうなら骨伝導だけじゃなく耳からも聞いているんですが、そこはまあ重箱の隅でしょう。

 私たちは自分の声を、空気振動の音(気導音)と骨伝導(骨導音)の両方を通して聞いています。音というのは突き詰めていうと振動ですので、振れさえするなら導体は必ずしも空気だけとは限らないんです。
 ただし、空気はそこらじゅうに広がっているので音の拡散性も大変広いのですが、一方で頭蓋骨は自分以外の何かとつながっているわけじゃないので基本的に自分にしか音が伝わりません。音漏れしないという触れ込みで一時期骨伝導イヤホンが流行りましたね。
 また、気導音と骨導音では導体が気体か固体かという形態の違いもあるため、それぞれの音質にも違いが出てきます。骨伝導イヤホン、音質がイマイチだということで流行が収まるのも早かったですね。補聴器なんかの分野だと重宝されているんですが。

 ともかく、そういうわけで自分が喋っているときの声と、それを録音したときの声とでは、骨導音の有無に違いがあるので、人によってはまるで別人の声のようにも聞こえるというわけです。

 ちなみに樋口先生お手製の骨導音スピーカーですが、モーターをしっかり押さえつけることさえできていたら頭頂部からでもちゃんと音楽を聴けたはずです。指とかで振動を吸収せずに押さえつけるというのがその場対応だとちょっと難しかったわけですけどね。指で押さえるのじゃダメだからこそ歯で噛ませていたわけで。

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