キラキラプリキュアアラモード第7話感想 楽しいことをしよう。あなたが大好きなことを。

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ペコリンは私の最初のスイーツの先生。だから大丈夫!

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(主観的)あらすじ

 今日も今日とてスイーツづくりを楽しむいちかたち。そんないちかたちの様子を眺めて長老はいちご山のスイーツ工房を懐かしみます。そこではたくさんの妖精たちが楽しく仲よくスイーツをつくっていました。ところがキラキラルを狙ってやってきた悪い妖精達のせいでイチゴ山は爆発、妖精たちも散り散りになってしまったのでした。
 仲間のことを思い寂しがるペコリンを、いちかがスイーツづくりに誘います。スイーツづくりの楽しさに次第に元気を取り戻すペコリン。できあがったドーナツを持っていちかとペコリンはいちご山に出かけます。いつかまたみんなでスイーツをつくれる日が来ることを祈って。
 ペコリンの思いを受けて、いちかはお店を開くことをひらめきます。いつでもどこでもみんなが集まれるように。キラキラパティスリーの立ち上げです。

 メンバーが揃ったところでリスタート。ドキドキ!プリキュア7話やGo!プリンセスプリキュア6話に相当する、プリキュアチームの動機付けのお話です。特に今作はメンバーそれぞれの個人的な動機がバラバラなので、チームとしての目標設定は大変重要です。
 とはいえ過去作とは少し違っていて、戦う動機ではなくお店を開く動機として語られるのがキラキラプリキュアアラモードらしいところ。いちご山の件も悪い妖精たちをやっつけたところでどうにかなる問題ではなく、別のアプローチ(お店づくり)が必要になるという構図はよくできていますね。プリキュアたちの動機付けが徹底的に戦闘から遠ざけられています。

今日のいちかはお姉さん

 持ち上げて励ますというのはよく取られる手段ですが、これがなかなかどうして難しいものです。
 まず課題が簡単すぎても難しすぎてもいけません。褒めどきを見極めて細かく褒めることも大切です。それから見落とされがちですが、励ましたい子の特技ではなく夢に合わせて課題をつくることが何より重要だったりします。
 ペコリンは決してスイーツづくりが得意な子ではありません。むしろ落ちこぼれの部類です。スイーツづくりを通じてこの子を持ち上げるのはそれなりに難しいことです。
 空を飛べることとか、キラキラルを視認できることを褒める方がよっぽど簡単でしょう。けれどそれではペコリンは納得しなかったと思います。だってそれらはペコリンにとって当たり前にできることです。呼吸すること、まばたきすることを褒められているようなものです。努力していないことを褒められて嬉しい子がいるでしょうか?

 賞賛は努力を伴って初めて心に響くものです。ペコリンの場合、それがスイーツづくりでした。
 「やる気と元気は一番ヌン。すごいヌン」 失敗したペコリンをあっという間に元気にしてくれた、在りし日の魔法の言葉。彼女はスイーツづくりが大好きだし、だからそれを褒められるのももちろん大好き。
 「ペコリンは私の最初のスイーツの先生。だから大丈夫!」 あの日の思いをいちかが辿り直してくれます。大好きなスイーツづくりでペコリンを褒めてくれます。

 いつものキッチンが今日だけはいちご山のスイーツ工房。ここにいるのはスイーツづくりがヘタクソだけれど、スイーツづくりが何よりも大好きなふたり。声をかけあって、笑いあって、楽しくスイーツをつくりましょう。こんなに楽しい時間が他にあるもんか!
 レッツ・ラ・クッキング!

笑顔見たくてスイー・ツー・ワン!

 スイーツづくりは楽しいものです。そりゃあもう、絶対的にあからさまに言うまでもなく当然な、スイーツづくりの大前提です。楽しくなければつくるもんか! ・・・ええと、このフレーズ何回目でしたっけ?

 ペコリンを励ますために行われる優しいスイーツづくりの様子が、それも細かい心情描写を得意とする河野作画監督の手で描かれるとはなんたる幸福!
 いちかのわざとらしいお姉さん演技がステキ。それに何といってもペコリンが元気になっていく感情の流れがキレイでいいですね。
 極端すぎる表情の演技に加えて、やたらと横方向にぶらっぶら揺れるいちかの仕草。ペコリンは落ち込んでいたいのに、ダイナミックに目まぐるしいいちかのせいでおちおち下を向いてばかりいられません。
 失敗作のドーナツの山に視線誘導されたかと思えば、突然ガッと肩を掴まれ「ペコリンだけが頼りなの!」 ビックリ。この大げさお姉さんときたら、視線どころか感情すら自由にさせてくれません。
 「無理ペコ。ペコリン上手にスイーツつくれないペコ」 逃げどころがなくて自分からネガってみても、例の殺し文句で逃げ道を塞ぎやがります。「ペコリンは私の最初のスイーツの先生。だから大丈夫!」
 「レッツ・ラ・クッキーング!」 諦めて不承不承いちかのペースに。
 「薄力粉に、お砂糖・・・」 お前何度目だよ学習しねーなー仕方ねーなー全くー。ツッコミどころに全力待機されてはさすがに我慢できず、「いちか、これ忘れてるペコ」 ついにペコリンは主体的にスイーツづくりに参加してしまいます。
 「お?」 この期を逃すいちかお姉さんではありません。「うわー! ベーキングパウダー! ありがとうペコリン!」「また忘れるところだったよ!」「これでバッチリ!」 畳みかけるような感謝の言葉の乱打。こんなくすぐったい言葉を浴びせられて暗い顔でいられる子はいません。まだ元気を取り戻したわけではありませんが、とりあえずペコリンを半笑いの微妙な顔にしてやることに成功します。変な顔!
 「キラキラキラルン・キラキラル。キラキラキラルン・キラキラル。キラキラキラルン・キラキラル。キラキラキラルン・おいしくなあれ!」 ほら唱えよう。さあ唱えよう。一緒に唱えよう。いちか渾身、トドメのおまじない合唱。ちなみにいちかはさっきから視線をペコリンに合わせっぱなしです。これ絶対唱えるまでループしてくるヤツだ。
 「おいしくなあれ!」 けれど不思議なもので、こういうのはやってみると自然と気持ちが付いてくるものです。いちかの術中。賑やかなお姉さんの傍にいて楽しくならない子なんていない。おまじないを唱えてウキウキしてこない子なんていない。スイーツづくりをしていて笑わない子なんていない。
 ほら、ドーナツできあがり! ペコリンの笑顔もできあがり!
 「わあー、ペコリンペコー! ペコリンもやりたいペコ!」 さあ、ここからはお子様のメインステージ、デコレーションタイムです。存分に楽しめ―。

 ちょっと前までシュークリームやらマカロンやら、スイーツづくりの難しさばかりフューチャーされていましたが、基本的にスイーツづくりは楽しいものです。難しくても頑張って続けているいちかたちがなによりの証拠。まして元々それが好きな子なら言わずもがな。
 この番組第6の主人公・スイーツさんは、今日はしょんぼりペコリンを笑顔にしました。

ウタカタ・アリシヒ

 できあがったドーナツをいちご山に持ってきたいちかとペコリン。そのドーナツはスイーツ工房で一緒だった妖精たちに似せてデコレーションされていました。ずらっと並べてみると、まるでスイーツ工房が蘇ったよう。
 「みんなー! ペコリン、いちかと一緒にドーナツつくったペコー!」 その呼びかけに意味はありません。応える人がいないことはわかりきっています。これはペコリン自身の気持ちの問題です。

 もっとも、実は応える人はちゃんといるんですけどね。それはドーナツさん。いちかとペコリンが、ペコリンを元気づけるためにつくったスイーツ。スイーツに込められたキラキラルは「人を元気にするエネルギー」です。ドーナツさんのキラキラルはペコリンを元気にするために存在します。
 ・・・妙に回りくどい性格はどうかと思いますけどね。
 ドーナツさんは、ペコリンではなく、いちかに在りし日の幻像を見せてくれます。「またここでみんなと一緒に楽しくスイーツをつくれるといいね」 いちかからこの言葉を引きだすために。ペコリンが元気を取り戻すための最後の1ピース、思いやりに満ちた言葉。

 ドーナツさんの妙に回りくどい祝福は、ついでに思わぬ副産物を生みだします。
 「ここでお店やろうよ!」 キラキラパティスリーの立ち上げ。そのアイディアの源は先ほどの幻像です。「ペコリンの仲間のみんなもここに来るかもしれないでしょ」
 いちご山の事件は(いつものように)ワルモノをやっつければ直ちにどうにかなる問題ではありません。トランプ王国のキングジコチュー、ブルースカイ王国のクイーンミラージュ、ホープキングダムのディスピアなどのように、敵の首魁が占拠して封印しているわけではないからです。
 悪い妖精の去就なんて関係ない。それとは別に、いちかたちは散り散りになった妖精たちをいちご山に呼び戻さなければいけません。
 キラキラパティスリーはそのために必要な救済手段。戦うばかりではないプリキュアのヒーロー性のかたち。・・・もちろん今後妖精たちを呼び集める展開が来るかどうかなんて知りませんけどね!

 キラキラプリキュアアラモードは、拳ではなく、スイーツによってみんなの幸せを守ります。

その他こまごましたことをとりとめなく

 高校生組。喋ってないで手伝え。放送前はてっきり揚げ物などの危ない工程を担当するものかと思っていましたが、どうやらそういうわけでもない様子。まあ揚げ上がりという見せ場を主人公から取り上げるわけにもいけないでしょうけれど。それはそれとしてとりあえず手伝え。

 「ゆかりさんは一目見たときからわかっていたんですね、あきらさんが女の人だって」 一目見るどころか名前を聞いた時点でわかっていました。むしろ見つかることを警戒して一目見られることすら避けていました。
 ごらんください、この満面の笑顔。「ああー! だったらなんで言ってくれなかったんですかー!」 この子のこの表情を見るためだけに、この人は今まで黙っていました。私も至福。

 オープニング。まさかの前説からのピックアップ。この子どもがふざけているような、大人があやしているような、どっちともつかない怪獣ごっここそモフルンの真骨頂だと思います。
 狛犬と戦っているところは何気に各プリキュアの個性が出ていて面白いシーン。特にキュアマカロン、キュアマジカル、キュアマーメイドの頭脳派メンバーは力の乗せ方に工夫が見えます。逆にダメなのは振り回されきっているキュアホイップ。え、キュアフローラ? ・・・ああ、あの子ね。

 ベーキングパウダー。実際は入れ忘れることはあんまりない気がしますが、量を間違えたり古すぎて気が抜けていたりはよくありますね。たまにしか使う用事がなくなってからはメンドクサイので買い置きすることすらやめて、もっぱらメレンゲで代用しています。

 いちご山。なるほど、全体をカップケーキに見立てたときイチゴの位置にあるからいちご山。ではその下にあるのはケーキ山?
 いかにも何かありそうな洋館が1軒だけぽつんと建っているのがワクワクどころ。

 いちご山のスイーツ工房。何のためにスイーツをつくっているんだろうと眺めていたら、なんと自分たちで食べ始めました。キラキラプリキュアアラモード独特のノリをなめていましたよ。スイーツづくりは自分の楽しみのため。

 カーテンで仕切られた廊下。なんでこんな妙な間取りに、と思っていたら、ショップ用のエントランスだったんですね。長老たちが毎回どこから覗き見していたのかもこれで解決。なるほど、パティスリーが開店したらあののぞき窓が使えなくなるからぬいぐるみのフリを覚えたんですね。小癪な。

 ペコリンが見上げる鳥。2羽が先に飛んでいき、鈍くさそうな1羽がそれを追う。ペコリン、あなたは置いて行かれたわけではありませんよ。

 ドーナツを守るペコリン。食べてしまえば解決、なんて意見もあるでしょうが、こんな慌ただしい場で食べてもおいしくないので本末転倒です。食べるTPO込みでこそのスイーツです。おいしいものは楽しいときに。

 フエール。ドーナツ担当なのに名前が全然関係ないのはベーキングパウダー由来ということでしょうか。

 「あのままホントにいなくなると思った?」  前回勘違い片思いを堪能するために姿を隠してそのまま戦闘に遅刻しちゃったお姉さんがいまして・・・。って、この子たちも遅刻していますね。

 ペコリンドーナツ。難易度は星1つ。揚げ物なのにこの難易度というあたりでいかに簡単なのか察しましょう。ねえ、いちかさん?
 レシピ的にはケーキドーナツと呼ばれるものですね。ミスタードーナツでいうと今はなきホームカットです。成分的にはホットケーキと大差ないので、ミックス粉を固めに練るだけでもそれっぽく仕上がりますよ。ちなみにオールドファッションはクッキードーナツ、ハニーディップはイーストドーナツです。
 モチーフが非アニマルなのもあってバリエーションをつけやすく、いつも以上にデコレーションが楽しそうなスイーツですね。

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