スイーツでみんなが笑顔になれば楽しいのにー。
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(主観的)あらすじ
キラキラパティスリーの開店準備を始めるいちかたち。とりあえずそれぞれが自分の個性に合った仕事を担当してみますが、結果は大惨事。挑戦したものが形になるどころか、お店メチャクチャ、気持ちバラバラ、意気消沈。
そんなところに初めてのお客さんがやってきます。探しているものは、好みがバラバラな友達みんなが喜ぶスイーツ。とても難しいオーダーでしたがいちかは快く引き受けます。
いちかの前向きさに押されてキラキラパティスリーが動きはじめます。個性がみんなバラバラなら、協力しあえばもっといろんなことができるはず! 今度はみんな大成功! お店はキラキラになったし、お客さんが喜ぶワンダフルアニマルスイーツもできあがりました。
だからこそ、みんなで協力した成果をかすめ取る悪い妖精たちは許せません。キラキラプリキュアアラモードは全員で力を合わせてキラキラルを取り返します。
メンバー紹介と背景設定解説を済ませ、今話から本格的に物語が動きはじめます。前話でリスタートを宣言したのはちょっと先走りすぎでしたね。
どうやらキラキラプリキュアアラモードはバラバラの個性が集まってスゴイことをする、といった感じの物語になるようです。それ自体はチームものヒーロー番組によくあるテーマ。使い古されたテーマの中で輝くキラキラプリキュアアラモードの独自性は春映画でその片鱗を見せたとおり、協力しあう前提に諦められない「個人の楽しみ」があって、けれどそれは「ひとりでは達成できない」ことにあるのでしょう。
近年のプリキュアが代々引き継いできた個人主義は、それ以前のプリキュアたちが描いた協調主義に回帰し、そして調和します。・・・え、じゃあ来年何やるの?(鬼が笑う)
あなただからできること、あなたにはできないこと。
「私はスイーツの材料を買いに行きます」
ひまりの個性はスイーツの知識。だから材料調達は彼女の個性が最大限に生きる仕事です。
「みんなプリン。みんなプリン。みんなプリン。みんなプリン。みんなプリン。みんなプリン・・・」
けれど彼女は気弱すぎて、いざ店頭に出向くと思うように買い物ができません。
「じゃあ私テーブルつくる」
あおいの個性はパワフルさ。だから重い家具づくりは彼女の個性が最大限に生きる仕事です。
「ごめん、勢い余ってテーブル飛んでっちゃって」
けれど彼女は大雑把すぎてテーブルの脚を揃えられず、おまけにお店の壁に大穴まで開けてしまいます。
「あきらさんが接客してくれたらお客さんいっぱいかも」
あきらの個性は人当たりのよさ。だからギャルソンは彼女の個性が最大限に生きる仕事です。
「みんなの意見じゃなくて、あなたの意見は?」
けれど彼女は他人を尊重するあまり自分の意見を固められず、お店を開く以前に仲間の輪を取り持つことができません。
「どう? 食べられないけどステキでしょ」
ゆかりの個性は・・・いっぱいありますが、とりあえずここでは美的感覚。だからインテリアづくりは彼女の個性が最大限に生きる仕事です。
「これ、何に使ったらいい?」
けれど彼女は気まますぎて、つくったものをどう活用するかまでは考えていません。
「私はスイーツづくり。お店にいっぱい並べたいもんね!」
そしていちかの個性はひらめき。だからスイーツづくりは彼女の個性が最大限に生きる仕事です。
「全然キラキラじゃなくなったペコー」
けれど彼女はヘタッピすぎて、良いひらめきが降りてこないときはだいたい失敗してしまいます。お店全体を汚してしまうくらいの派手な爆発が日常茶飯事です。
こうして見てみると、みんなそれぞれちゃんと自分の個性を踏まえた役割分担をしているんですよね。普通のチームものならこの時点でちゃんと成功しそうなものです。
けれどこの物語はキラキラプリキュアアラモード。今さらそんな手垢の付いた着地点には降りようとしません。
番組タイトルの「アラモード」は直訳の「モダンな」という意味ではなく、プリンアラモードから取ってきているのだと思われます。プリンを中心に様々なフルーツやクリームを賑やかに盛り付けたスイーツ。それぞれの個性を生かした上で、さらにそれを組み合わせることこそが肝要です。
あなたのしたいこと、あなたの始まりの気持ち。
5人は失敗の数々にすっかり意気消沈してしまいます。4話の再現ですね。
スイーツづくりは難しい。お店づくりもやっぱり難しい。失敗するとションボリします。どうして頑張ろうとしていたのか、自分でもよくわからなくなってしまいます。失敗は・・・やっぱり、あんまり楽しいことではないですもんね。
「ムリですムリですお店をやるなんて無謀ですー!」
「確かに。やってみると結構メンドイんだね」
「あら、私お店をやりたいなんて言ったかしら?」(←「そうね」って明らかに賛同していましたよ?)
「その言い方はよくないな。みんな頑張ってるんだから」
前話の前向きな気持ちはどこへやら。
そんなときは初心を思い出すことです。
まりこお姉さんが教えてくれましたよね。「女の子はね、『大好き』から気持ちが始まるの。だからときどき思い出すのよ。気持ちが始まったそのときを、大切な思いの始まりを。思いは女の子の輝く力になるの」って。
幸運なことに、わんことにゃんこに導かれるようにして、初心の運び手えみるちゃんが訪れてくれます。
「えみるね、明日お友達の家に集まってお茶するの! でも何を持っていったらいいかなあ? みっちゃんはクッキーが好きだし、あゆみちゃんはタルト、まいたんはシュークリームが好きだし・・・」
その気持ちはいちかたちとそっくり同じ。「私、ここをみんなが集まる場所にしたいの!」 個性バラバラでも、それが楽しそうだとみんなそろって思ったからこそ、いちかたちは全員でお店づくりに挑戦しました。今日のいちかたちの「大切な思いの始まり」はそこでした。
「わかんない。わかんないよ・・・。ごめんなさい」
いちかたちと同じ初心を持つえみるちゃんは、いちかたちと同じようにうまく思いを形にできず、いちかたちと同じようにすっかりしょげてしまいます。
そう。これこそが今のいちかたちの姿。彼女たちは本当にお店づくりに乗り気じゃなかったわけではありません。失敗の連続にションボリして、ただ初心を見失ってしまっただけです。
だったらこれを乗り越えられる方法はひとつ。まりこお姉さんの言っていたとおり。
「明日、友達みんなが喜ぶスイーツ、私届けまーす!」
初心を思い出すこと。えみるちゃんはお茶会を楽しみにしていました。お茶会をもっと楽しくするためのスイーツを探していました。それがあなたの楽しみ。あなたの大切な思いの始まり。それを思い出して。一度思い出したら、もうそれを絶対諦めたくなくなるでしょう?
「本当!」 ションボリしていたエミルちゃんにはち切れんばかりの笑顔が戻ります。どんなに難しい障害にぶつかったって、それでも輝きを失わない確かなものは、いつだってあなたの胸の中に隠れています。
「あの子のションボリ顔が笑顔になったら、メッチャ嬉しい!」
ごく個人的ないちかの楽しみがみんなを初心に立ち戻らせます。打算も勝算もなく、純度100%気持ち先行。それでも初心さえあれば前向きにはなれる。
初めに初心を取り戻したのはゆかり。アンニュイな日々を送る彼女を楽しませたのは、次が読めないいちかの言動と、ままならないスイーツづくりでした。
次はあきら。妹への手土産を失いションボリしていた彼女を笑顔に変えたのは、いちかの共感と諦めない思いの強さでした。
さらにひまり。彼女の寂しい毎日を変えたのは、大好きなスイーツづくりをとことん一緒に付きあってくれるいちかとの出会いでした。
最後はあおい。歌詞が決まらず悶々としていた彼女を救ったのは、いつかの日の青空に似たらいおんジェラートの爽やかさでした。
気持ち先行、大いに結構。女の子は『大好き』から気持ちが始まって、そしてその気持ちこそが女の子を輝かせるのだから。あとは結果が付いてこい!
あなたにならできること、あなたと一緒ならできること。
「あきらさんがお店の人にしっかり話をしてくれて」
ひまりの個性はスイーツの知識。けれど気弱なせいで、買い出しではそれをうまく生かせませんでした。
そこにあきらの個性をレッツ・ラ・まぜまぜ! 人当たりのいい彼女なら気弱なひまりの弱点を補い、スイーツの知識を存分に生かしてやることができます。
「そう、私が失敗したテーブル。朝一番に来てカウンター用にリフォームしたんだ」
あおいの個性はパワフルさ。けれど大雑把なせいで、テーブルをきちんと完成させられませんでした。
そこにゆかりの個性をレッツ・ラ・まぜまぜ! 美的感覚に優れた彼女なら大雑把なあおいの弱点を補い、得意の力仕事だけを受け持たせてあげることができます。
「期待してるわよ、無謀な店長さん」
ゆかりの個性は美的感覚。けれど気ままなせいで、せっかくのセンスを完成品にまで仕上げることができませんでした。
そこにいちかの個性をレッツ・ラ・まぜまぜ! キラキラパティスリーに込めた彼女の願いはゆかりの弱点を補い、インテリアの方向性を定めてあげることができます。
「やっぱり悲しい顔をしてる子、ほっとけないよ。これは自分の意見」
あきらの個性は人当たりのよさ。けれど他人を尊重しすぎて自分の意見を固めきれませんでした。
そこにひまりの個性をレッツ・ラ・まぜまぜ! 彼女が気弱で助けを必要としてくれるからこそ、他人を尊重しすぎるあきらの弱点を補い、自分なりの意見を構築する一助となります。
「みんなバラバラだったけど、みんなひとつになって・・・。うん! キラッとひらめいた!」
いちかの個性はひらめき。けれどヘタッピすぎていつもだいたい失敗ばかりしていました。
そこにみんなの個性をレッツ・ラ・まぜまぜ! みんなが協力しあってお店をキラキラにしていく光景はいちかに強烈なインスピレーションをもたらし、5人のアニマルスイーツ全部乗せのワンダフルアニマルスイーツを完成させます。
気持ちだけでは結果が付いてこないことも多々あります。何も失敗しない日なんてめったにありません。これが大好きなんだって気持ちが、どうしても諦められないんだって気持ちがいくらあなたを奮い立たせても、力不足ならただ失敗を繰り返すだけ。あなたの願いはどうやったって叶いません。
けれど、本当に気持ちだけではどうにもならないのかというと、これまたそうでもないんです。周りを見渡せば、きっとあなたと思いを同じくする友達がどこかにいます。気持ちの細かい部分は違っても、「楽しいことをしたい!」って、あなたと同じことを考えている友達が。
だから気持ち先行、大いに結構。その気持ちはあなたを奮い立たせるだけでなく、どこかの誰かとあなたを繋いでくれます。あなたを楽しくするために。
「ときめくわけは、カラフルにみんなおそろい。『大好き』が一番のマストアイテム!」
昨年、魔法つかいプリキュア!の感想文において、私はそれを「祝福」と呼んでいました。今年は何と呼びましょう。今作では適用される範囲が幾分か拡大されていて、そのためおそらく「祝福」という言葉だけでは適切じゃない場面も出てきそうなのですが。はてさて。
キラキラプリキュアアラモードに至って、ドキドキ!プリキュア以来連綿と受け継がれてきたプリキュアの個人主義思想は、それ以前からの流れである協調主義についに合流を果たしました。個人の楽しみとみんなの楽しみは両立します。
・・・なんて書くと、すっごい当たり前のことでしかないわけですけどね。だってここからこの物語がどこに着地するかなんてさっぱり予想できませんし。今はまだここまでしか書きようがありません。1月を楽しみにしましょう。
いちかたちのスイーツづくりはプリキュアの歴史に新たな物語をもたらします。
その他こまごましたことをとりとめなく
ケーキ失敗。なぜ爆発するのか。そしてゆかりさんはいったいどこまで逃げたら爆発から無傷でいられるのか。いちかたちの目から逃れた瞬間、ハリウッドばりの全力疾走で建物から飛び出してくるゆかりさんの姿が目に浮かびます。制汗スプレーを忘れずに。
スポンジン。ケーキ担当にはガミーもいるはずですが、微妙に担当が違うのでしょうか。それとも今後も全話別の妖精がやって来るんでしょうか。
オープニング。太もも&腋特集。・・・いやあ、心と目が汚れた大人にはなりたくないものですね。
ダンディ。透けているのは相変わらずなので、姿が変わっても結局お飾り以外の何者にもならないじゃんよ。とりあえずお飾りとしての役目を果たすためにも、歩け。
キラキラルポット。来たぜビーズメーカー(税込4644円)! 毎年無茶な販促のねじ込みっぷりが輝くこのおもちゃですが、今年はついにビーズを出すこと自体を放棄しやがりました。でも確かにこの出しかたの方が売れると思います。劇中のキラキラル雲での遊び方が何気にビーズで再現可能なんですよね。
「ギャルソンはどうジャバ?」 いや、今相談しているのはキラキラルの使い道なんですけど。
「ごめん、勢い余ってテーブル飛んでっちゃって」 実に生き生きとしたジャイアントスイングでした。かわいい。敗因はテーブルの脚がむしろ長くなりすぎたというのになぜか引っ張り続ける謎がんばり。壁の穴はキラキラルでどうにかしました。
「なんですとー!」 テンドンかわいい。
「うーん・・・オッス!」 気弱かわいい。
「あら、私お店をやりたいなんて言ったかしら?」 この人はホント、今までにいなかったタイプのプリキュアですね。ヒーローの一員のくせにいくらでも憎まれ口を叩けるキャラというのも珍しい。メンドクサイキャラ大好きです。
ところで何度でも言いますが、あなた前回「そうね」って明らかに賛同していましたよね? この人の発言は全体の半分くらい本心と真逆になっています。
えみるちゃん。なんかこの子、言動がいちいちカワイイ。再登場のあかつきにはぜひ河野作画でお願いします。将来あざとイエローになれる逸材ですね。
それにしても「えみる」とはいったいどういう結来の名前なんでしょう。『少年の日の思い出』のエーミールとか、北欧神話のユーミルとか、いまいちアレなモチーフしか思いつかないのですが。とりあえず漢字は「笑未瑠」とかそのあたり?
えみるちゃんのお友達。写真左上のショートボブがウサギのともちん。右上のサイドテールがネコでクッキー好きのみっちゃん。左下のウェーブがリスでタルト好きのあゆみちゃん。右下の内巻きシャギーがライオンでシュークリーム好きのまいたん。そしてえみるちゃんがイヌです。
えみるちゃんが途中で言い直した都合からか、画面ではえみるちゃんとまいたんの担当動物が逆になっていますけどね。
「ワンペコ」 初代のポルン並みに油断も隙もあったもんじゃないですが、今年は世界の方も寛容なのでへーきへーき。
「明日、友達みんなが喜ぶスイーツ、私届けまーす!」「ええっ!」 こういうときひとりだけ驚いていないのがゆかりさんの魅力のひとつ。聡明な彼女は常にみんなより一歩先を行っています。万能の才媛はダテじゃない。そのくせ意外と遠くには届いていないのがまた。いやあ、メンドクサイ人だ。
ワンダフルアニマルスイーツ。要は全部乗せなわけですが、元のレシピだとそれぞれかなりサイズ感が違っていたような。特に5号ホールなうさぎショートケーキ。再現しようとしたらどう考えても面倒くさすぎるので、さすがにレシピはありません。
ちなみに今回のスイーツノートは文章は全てスポンジケーキで写真がババロアやホットケーキと、なんとも混沌としています。去年もちょくちょくあったことですね。気にしたら負けです。
プリキュアの戦う理由。感想文中で語りきれなかったのでこちらで。今作の敵の立ち位置は魔法つかいプリキュア!と同じ、純然たる外敵となっています。誰かの大切な思いが込められたスイーツを横からかすめ取る悪いヤツら。
スイーツを食べて元気になるのは当事者(つくり手/贈り先)であろうと悪い妖精たちであろうと変わりありませんが、ただ、キラキラルは誰かの(もしくは誰かのための)指向性を持った元気の源です。誰を思ってつくったのか、何のためにつくられたのかを重要視しているわけですね。
だからその思いと無関係である悪い妖精がそれを食べてしまうのは、絶対に看過できない悪行という論理になるわけです。思いが届くべきところに届かないのは、(その対象が自分であれ誰かであれ) やっぱり悲しいことですから。
本来彼らが食べていいのは、彼らが自分の願いのために自らつくったスイーツか、もしくは誰かが彼らのことを思ってつくったスイーツだけです。・・・いつかそういうスイーツが出てきたとき、彼らはどんな反応をするんでしょうね。
「ここだよ、えみるが言ってたカワイイお店は!」 いや、あなたが訪れたとき、ここはでっかい食品サンプルが山積みになっていただけの廃墟でしたよ?
モフルンさくらマフィン。難易度は星2つ。トップページではなぜか星1つと表記されていますが、まあ実際どちらにすべきか微妙なスイーツではあります。ドーナツ同様、ホットケーキミックスでも似たようなものはつくれますからね。
サクラケーキだいふく。難易度は星3つ+。・・・もういっそ5段階評価に変えた方がいいんじゃないかな。スポンジケーキを省略すれば多少難易度も下がるでしょうが、スポンジの土台がなければ今度はきれいにカットする難易度が上がりますし、何より食味がトロトロ感(水っぽさ)偏重でバランスが悪くなるのが悩ましいところ。私はこんなのつくれません。金魚模様をイチゴふたつで表現するのは白眉のナイスアイディアですね。
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