キラキラプリキュアアラモード第9話感想 私とあなたの真ん中に、いつもスイーツがありますように。

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僕は気持ちをもらったんだ。

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(主観的)あらすじ

 ついにオープン! キラキラパティスリーは初日からさっそく閑古鳥! ・・・というわけで、お客さんを求めてあちこち立地を変えるいちかたち。けれどなかなかうまくいきません。やっと来てくれたお客さんにも、探していたスイーツを用意してあげることができませんでした。
 お客さんが探していたのは思い出のクッキー。小学生のころ好きだった女の子からもらったものと同じくらいおいしいクッキーがあれば、最近再会したあの子に思いを伝えられるのに。その思いを叶えるべく、いちかたちは心を込めてクッキーをつくります。
 ところがせっかくのクッキーは悪い妖精に奪われ、取り返す戦いのさなかバラバラに割れてしまいます。けれどお客さんはいちかたちがクッキーに込めた思いを受け取り勇気に変えて、初恋の人に告白します。思い出話に花を咲かせるふたり。キラキラパティスリーオープン初日は大成功です。

 クッキー回。スイーツづくりがテーマなのに頑なにクッキーをつくらなかったいちかたちがついにクッキーに挑戦しました。満を持してのパンダクッキー、その難易度はなんと星3つ! ・・・クッキーはスイーツづくりに挑戦する人の最初の1品目ってイメージなんですが、相変わらずキラキラプリキュアアラモードは容赦ありませんね。
 物語としては料理もののフォーマットに忠実な告白お手伝い。料理ものとして少々異端だったこれまでの物語と若干毛色が異なりますが、キラキラルの設定を考えると第三者のために思いを込めることこそ本流と思えなくもありません。(ふんわり) 今後はこのパターンが主軸になるのか、それとも今回を例外として独自路線を模索していくのか・・・。はてさて。

いちごいちえ

 保育園が掲げる標語としてはちょっとツッコミ入れたい気分になりますが、今話の物語にはぴったりですね。
 一期一会。これが一生に一度の出会いであると思って、心を込めておもてなしすること。二度と巡ってこないこの瞬間を大切にすること。
 お店を開くというのはおそらくそういうものです。店頭に立ったことがないので想像ですが。個人同士が「好き」という気持ちで直接繋がる友達関係と違って、店員さんとお客さんの関係には、「スイーツが『好き』」というワンクッションがはさまります。お客さんが好きなのはスイーツであって、私じゃない。だから今この瞬間は「好き」という共通の思いで繋がっているけれど、次があるかはわからない。お客さんは私に会いに来るわけではないのだから。

 これまでいちかたちは自分のためにスイーツをつくってきました。スイーツに込める思いは自分のもので、食べる人も自分か自分の大切な人に限られていました。
 前話のえみるちゃんはいちかたちと初対面の第三者でしたが、彼女につくったワンダフルアニマルスイーツに込めた思いはあくまでいちかたちの個人的な(内輪の)ものでした。いちかたちが本当の意味でお客さんのためのスイーツをつくったのは今回が初めてとなります。
 お客さん・・・自分たちとは無関係の第三者のためのスイーツに思いを込めるなら、これまでの方法論は通用しません。さて、どうしましょう?

キラキラル

 「そう、その笑顔! 私も見たかったんです」
 答えはきわめてシンプル。お客さんは「スイーツが『好き』」で、私も「スイーツが『好き』」なんだから、そこに私の思いを込めてしまえばいい。どんなお客さんであっても、その一点において気持ちが繋がっているんだから、思いはそこを通じてちゃんと伝わるはず。

 いちかにはお店を開く以前からそのための素質がありました。
 「スイーツでみんなが笑顔になれば楽しいのにー」
 自分の気持ちが主ではなく、スイーツが主で自分の気持ちは従。スイーツの力でお客さんが笑顔になれば私も嬉しい。要はスイーツへの信頼です。スイーツは私もあなたも笑顔にしてくれる、そういうもの。だから私はスイーツが力を発揮できるように諸々頑張りさえすればいい。

 キラキラルは人を元気にするエネルギーです。しかしその源泉はつくる人がスイーツに込めた思い。例えばいちかのお母さんがつくるケーキはいちかにとってキラキラ輝いて見えましたが、それはお母さんがいちかのためを思ってつくったからでした。
 裏を返せば、当人以外にとってはそこまでステキなエネルギーたりえないものなのでしょう。他人のスイーツを横取りする悪い妖精たちがろくなことをしないのと同じように。
 だからいちかたちがお店を開くなら、どういう気持ちを抱えているのかよく知らないお客さん相手であっても伝えられる思いを込めなければいけません。
 それが、「スイーツでみんなが笑顔になれば楽しいのにー」。少なくともお客さんがスイーツが好きなのはわかっているのですから、そこを通じてみんなが笑顔になれるよう思いを込めればいいわけです。
 「キラキラキラルン・おいしくなあれ!」

そこから先はあなたのもの

 今話のお客さんは思い出のクッキーを通じて、告白する勇気を求めていました。それはごく個人的な話であって、いちかたちにとってはどうしても他人事。彼の思い出のクッキーがどんなものかすらわかってあげることができません。
 「うん。味も形もわからない。それでもつくってあげたいの! とびきりのクッキーを」
 「あのお兄さんの探していたクッキーをつくろう」 と言うわりには、いちかは味や形の再現にこだわりません。彼の思い出のクッキーにアイシングなんてかかっていません。パンダの形なんてしていません。それでもいいんです。そこは問題じゃないんです。
 いちかの目指すところは思い出の再現などではなく、ただお客さんに告白する勇気を持ってもらうこと。彼が勇気をふりしぼる助けになるような、とびきりおいしくて、とびきり思いのこもったクッキーをつくることです。だからこそ勝手にパンダモチーフにしてしまうことにも意味が出ます。
 「ご希望の味になっているかはわからないけど、心を込めてつくりました。これで勇気を出してくれたら嬉しいなって」

 このクッキーはただのクッキーではありません。いちかたちの思いがこもったクッキーです。だから割れたってなんとかなります。それでもお客さんが勇気をふりしぼるための助けになります。
 「そうだ、あのときみどりちゃんは僕に優しさを分けてくれた。僕は気持ちをもらったんだ。今度は僕がみどりちゃんに気持ちを伝えなきゃ。このクッキーで!」
 いつかの日の思い出にいちかたちの応援を添えて、お客さんは勇気を出して告白に挑みます。
 割れようがどうしようが、スイーツに込められた思いは消えないし、伝わるんです。

 彼の告白が結局どうなったのか私たちは知りませんが、とにかくいちかたちがスイーツに込めた思いはちゃんとお客さんに伝わりました。その意味で、今日のキラキラパティスリーは大成功です。

その他こまごましたことをとりとめなく

 キラパティ。自分でキラキラパティスリーと命名しておいて、いきなり略称です。CMに至ってはキラパティショップと、かえって長い呼称になっていますが気にしちゃいけません。いかにかわいく呼ぶかが女子力ってもんです。
 ところでお客さんが来ないのは営業場所が不定なせいもあると思うんだ。初代のアカネさんもフレッシュプリキュア!のカオルちゃんも、屋台なのにイベント時以外は同じ場所で営業していたでしょ。(営業許可の問題もあるけれど)
 もちろん、一番の原因は宣伝不足でしょうけどね。ウチのブログもたまにtwitterや2chで紹介されるとそれだけでアクセス数が普段の2~3倍にふくれあがります。あと「作品名+話数+感想」あたりの検索ワードでgoogle順位10位以内に入ったときとか。宣伝大事。超大事。わかってるくせにあんまりマジメに対策したことないですが。

 キラキラパティスリーのショーケース。値札に値段が付いていないことからもわかるとおり、今作ではお金のやりとりを描写しないようです。レジ打ちもあれはあれで子どもの憧れなので、他のアニメだと架空通貨を使ってでもなるべく描写したがるものですが、それでもどうしても生臭くなっちゃいますからね。しないならしないでそれはそれ。
 ところでドデカりすプリン(劇中ではなぜか「どでかリス-」表記)のとなりに同じサイズのねこマカロンが並んでいるわけですが、こんなの実際に売ろうとしたら単価1000円超えちゃいますよ?
 あとスイーツショップやるなら廃棄率の高い生菓子だけじゃなくて、クッキーやマドレーヌみたいな贈答用の常温商材がやっぱり手堅い・・・って、いちかたちがやりたいのは商売じゃないからいいのか。

 苺坂保育園。まず敷地外で子どもたちを遊ばないでください・・・と思ったのですが、都市部だとなかなか充分な園庭を確保できないんでしたっけ? 田舎モンの私の感覚だとむしろ公園が珍しかったので、近所の公園に頼るより園庭をつくった方が安全だし安上がりだと思ってしまいます。子どもの遊び場は公園じゃなくて空き地。たまに家が建って他を探すことになったり。

 「もー、なんでこうなるの」 牛だけに。

 クッキーづくりの様子。青山作画監督の絵づくりは見栄えのする止め絵や口パクを挿入するセンスに秀でていますね。省力化は立派な技術。休みなく毎週続くシリーズ全体の疲弊を吸収する屋台骨です。今話単体で見ても、日常描写の工数を減らした分凝った戦闘を描けたわけですしね。
 クッキーがくっついちゃうのはよくあること。ホント空けすぎってくらい間隔を空けても生地の状態次第でビックリするくらい広がっちゃうんですよね。ラングドシャなんて生地の乗っていないところの方が広いんじゃないかないんだってくらい贅沢に間隔を空けます。
 ちなみにクッキーに空気抜きの工程はないので、あおいがやったように生地を叩きつける必要はありません。

 クッカクッキー。デザインがかわいいうえに戦闘ギミックも凝っていて、これまでの悪い妖精のなかでは一番よくできたキャラかもしれません。個性という意味ではマキャロンヌやフエールに比べると薄いけれど。

 「クッキーおいしいよね。私も大好き」 みどり先生わかっててやってません? 笑顔で「大好き」って対男性用としては一番お手軽な反則技ですよ。さすが保育士やっててロングヘアーと眼鏡を維持している女性は格が違う。

 「いらっしゃいませ、ようこそキラキラパティスリーへ!」 さりげなく公園の入口を占拠しているんですが。あとあきらさん、ギャルソンなんですから扉を開ける役は是が非でもあなたが担当しなさいな。

 「ZOO PATISSERIE」 今週のスイーツショップ。まあキラキラパティスリーなんですが。

 辰巳だいすけ。辰巳さん名字だったんですね。

 パンダクッキー。ようやく登場したクッキーは難易度星3つ。難易度の大半はアイシングと自作の型を使わせているところだと思われます。クッキー自体はバターと卵と砂糖と小麦粉を適当に練るだけで簡単につくれます。
 私の初めてのお菓子づくりはレシピを見ずにつくった材料目分量&トースター焼成のクッキーでした。あとで調べてみたら一般的なレシピより小麦粉の比率が倍も入っていましたが、まあ食べられなくもない味でしたよ。(おいしくもないけれど)
 ちなみに劇中のパンダクッキーが公式レシピと全く別物になっていますが、あれはおもちゃのアニマルスイーツ版デザインですね。キラパティショップのCMにも映っています。本来3枚のクッキーで構成されているデザインを1枚にまとめているせいで少し珍妙な見た目になっていますが、おそらくは見栄えの都合で意図的にやったことでしょうね。

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