よっぱらいのたわけごと。

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 ひとり酒なう。
 誰かと一緒に飲んでいるときこういう話をすると、なんでかお酒を取りあげられちゃうんですよね。

 私たちはいつだってそうしてきました。囚われの姫がいたら、伝説の勇者様を導いて彼女を救ってきました。当たり前の日常を守る女の子たちがいたら、彼女たちをそっと応援してきました。死を待つヒーローがいたら、彼が満足していると納得できるまでその半生を聞き届けてきました。
 どんなに高い壁が行く手を遮ったとしても。どんなに冷たい風がその身を切り裂いたとしても。どんなに深い絶望が世界に渦巻いていたとしても。

 なんてキレイゴト。

 実際のあなたは必ずしもハッピーエンドを希求しない。
 どうせちょっとメンドクサイと思ったらお姫さまを諦めて投げだすだろ。どうせ誰かの痛み苦しむ表情が大好きだろ。どうせ悪いやつが嘆き悲しむのを嘲笑うのが楽しいんだろ。
 オタクなんてのはろくでもない。自分が楽しければそれでいい。つくりものの登場人物なんざどうなろうが、物語が面白くなりさえすればどうでもいい。むしろ苦しめば苦しむほど、悲しめば悲しむほど、たくさん死ねば死ぬほど、そこに心揺さぶるドラマが生まれることを知っている。誰かが泣くのを待ちわびている。それでつまらなければ全部まとめてポイだ。
 全くもって業が深い。オタクなんてものは人間のクズだ。どうせフィクションならどんなえげつないことだって許されると思っているんだろう。現実から目をそらし、物語に耽溺し、それでうまくいかないならまた別の物語に移っていく。
 妄想まみれのジコチュー野郎ども。オタクはそう罵られ唾棄されてしかるべきだ。根暗な私たちにはいっそその方が具合がいい。

 だからこそ、悪い宇宙人と友達になれるのはきっと私たちです。
 私たちはいつだって面白い物語を求めてきたのですから。ハッピーエンドだろうがそうじゃなかろうが、私たちが求めてきたのはいつだって面白い物語だったのですから。
 宇宙人と戦争して、どちらかが滅ぶまでひたすら殺し合う・・・そんなつまらない物語じゃあなたは満足できないはずです。そんなありきたりな物語はもう見飽きたでしょう。オタクはいつだって面白い物語が大好きで、いつだって面白い物語に飢えています。
 あなたには現実を変える力があります。現実を変えようとする祈りがあります。なぜならあなたは誰よりも物語に親しんできたのですから。ゲームやアニメに比べたら目の前の現実がクソくだらないってことを誰よりも知っているのですから。

 だから、もし最悪につまらない現実が目の前に訪れたとき、そいつを最高に面白くできるのはオタクだけです。
 現実を物語に変えてしまいましょう。いつものように。ゲームをしているときのように。アニメを見ているときのように。
 物語にはそういう力があります。物語とはすなわち夢。夢とはすなわち希望。
 四六時中白昼夢ばかり見ている私たちほど希望に満ちた人間なんてどこにもいませんよ。世の中をもっと面白おかしくしてやりましょう。

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