三ツ星カラーズ 第11話感想 上野駅前で散り散りになったカラーズは斎藤のおサボりのおかげで再会を果たすかもしれない。

ちょっと殴った。

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 結衣をクレイジーだと認識すればするほどに、さっちゃんがだんだんマトモに見えてきて、そして琴葉のキャラが薄くなるジレンマ。

 ののかを袋叩きにするシーンとかね。
 さっちゃんは明らかに加減して小さくポコポコ叩いているのに、結衣は思いっきり拳を振り上げて叩きつけてますからね。その一方で琴葉はそこそこ腰が入っているものの結衣ほど全力には見えず、さりとてさっちゃんのように手加減しているようにも見えず。

 まあそもそもこの状況をつくったのは琴葉なんですけどね。

 この子の魅力はやっぱり年上と話しているときにこそ表れるんですよ。
 今話でいうと、ももかと会話しているときの琴葉はすごくカッコよかったです。

 「修行じゃないよ、カタキ取るの」
 「裏技だからな、裏技!」

 結衣やさっちゃんだと話したいことだけ端的に言っちゃうので、どうしてもわけわからなくなっちゃいがちなんですが、
 「ののかの花粉症のカタキ」
 「あれ、のの、花粉症って認めたの? 絶対認めなかったのに」
 「病は気から、とか言ってたぞ」
 「そうそう。のの、いっつもそれ。でもよく認めさせたね」
 「ちょっと殴った」
 「殴った!?」

 などなど、琴葉ならちゃんと会話が成立するよう、相手に合わせた取っかかりを示しつつ話せるんですよね。

 特に「花粉症って認めたの?」と驚かれて、間を置かずぱっと「病は気から」発言を思い出せるのはなかなかのものだと思います。
 私だったらたぶん「もう民間療法に頼ったりしません」あたりの、もっと直接的な発言を引っぱってきちゃうだろうなあ。でも冷静に考えるとこの発言を引っぱってきても話題はふくらみっこないんですよね。琴葉のセンスが正解です。
 しみじみ聡い子ですよね。(私がコミュ障なだけの可能性も大いにありますが) もしカラーズとおしゃべりすることがあれば、私は琴葉を頼りたい。

 大人相手の渉外が琴葉の得意分野なら、さっちゃんの得意分野は内輪のとりまとめ。
 ともするとエリアが広すぎて成立しなさそうなハイパーかくれんぼで(とりあえずは)3人とも合流できたのはさすがの手腕でしたね。
 いやほんと、駅前だと隠れられる物陰なんていくらでもあるわけで、いくらトランシーバーがヒントになろうが本気で隠れたなら見つけられっこないんですよね。さっちゃんと琴葉がしていたように、身を隠さずただ待機しているくらいでやっとゲームとして成立します。

 その意味で、自然な流れで結衣をオニに任命してみせた慧眼はおみごと。
 あの子、絶対そこらへんの危ういゲームバランスを理解せずにそこらのあまり目立たない植え込みに身を潜ませるタイプだと思います。クレイジーだからとかそういうのじゃなくて、あの子何事にも真剣に取り組んじゃうから。

 残る琴葉にも
 「私の隠れっぷりは二段階あるからな。難しいぞ」
 と、牽制を仕掛けておいて万全の構え。実際にはめっちゃ見通しのいい横断歩道沿いでめっちゃ目立つ着ぐるみを着て待機していました。
 良い企画屋です。いろんな方面に配慮が行き届いています。

 惜しかったのはオニ役の主導権が琴葉に移ったらどうなるのか読み切れなかったことですね。
 琴葉の推理は論理パズル的で、集められた情報すべてが真実に対して何かしらのヒントになっていることを前提に組み立てられています。ゲームだとかオヤジが用意する虚構の事件だとか、ああいう解かれるために設えられた謎に向いた思考法です。
 ですが現実というのは真実に対して集められた情報が整然とした意味を持つとは限らないものでして。
 さっちゃんの「難しい」宣言はオニ役に対してはほとんど意味がない、フェイントですらないものでした。どっちかというと一緒に隠れる琴葉の思考を誘導する狙いが主で、本来のオニ役である結衣に対しては“解いたらわかる”類の演出的意図以上の意味はありませんでした。結衣なら難しいと宣言されようがされなかろうがどうせ一生懸命探すだけですしね。
 「琴葉の推理が外れるなんて・・・」
 論理的秩序を期待する思考法と、そんなもの一切用意していない真実とはみごとにチグハグし、結果、さっちゃんがちゅーちゅーかぶりらの蒸し暑さに倒れ伏してもなお琴葉は彼女の居場所を突き止めることができません。結衣も手元にさっちゃんの居場所を示す決定的な証拠を握りながら、しかし琴葉の賢さを全面的に信じているので自力で考えることを放棄してしまいます。
 哀れさっちゃんは二匹のパンダに見つめられながら干物となる運命。まあこんな展開、なかなか予想できる人はいませんわな。私も無理だ。

 なんともとりとめのない文章になってしまった気がしますが、結論としては今話は琴葉の地味な魅力が爆発したエピソードだったということで。

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