「おいしい」「うれしい」「ありがとう」って笑顔になるとこの子たちは現れる。レシピッピって「ごはんは笑顔」そのものだなって。私の大好きな言葉です。
↓dアニメで全話配信中!↓
↓YouTubeチャンネル限定コンテンツも配信中!↓
「泣かないでレシピッピ・・・ 誕生! ハートジューシーミキサー」
Lead Character:がんばったひと
ゆい
Major Happening:大きなできごと
いつもと少し姿が違うウバウゾーが出現。大きくパワーアップもしているようで、プリキュア3人が全力を尽くしてもびくともしない。
ゆいたちがレシピッピを助けたいという強い意志を示したとともに、他のレシピッピたちも同じ思いで協力してくれたことでハートジューシーミキサーが出現、浄化に成功した。
Sub Questions:小さなできごと
お婆ちゃんの想い出
お婆ちゃんが残してくれたいくつもの格言は、今やゆいだけでなくみんなの心に深く根付いている。ゆいの場合は特に、お婆ちゃんとの想い出がレシピッピへの思いと深く結びついているため、なおさら思い入れが強い。
菓彩あまねとの初邂逅
ゆいとあまねは今回初めて直接言葉を交わす。ジェントルーとしての意識に心を乗っ取られているあまねはレシピッピに対して冷淡な思いを告げるが、ゆいはそれを残念に思い、せっかくレシピッピが見えるなら彼らのことをもっと好きになってくれたらいいなあと願う。
操り糸のほつれ
いつもレシピッピたちを苦しめているはずのジェントルーが、去り際に「レシピッピたちを傷つけてすまない」とつぶやく。その真意、彼女がブンドル団においてどういう立場にいるのかをゆいはまだ知らないが、ゆいの彼女に対する見かたは少しだけ変化したようだ。
Battle Depiction:どんなバトルだったか
プリキュアだけの力では全力を尽くしてもウバウゾーに歯が立たなかったが、レシピッピたちが力を貸してくれて形勢逆転。レシピッピたちが笑顔でいてくれることをいつも願っていたゆいたちの思いが届いたからこその勝利となった。
I’m curious !:気になるポイント
ハートジューシーミキサー
意外や意外、新しい浄化技も個人技。
実際協力技がほとんどだった過去作ではバトルで各話主役の見せ場をつくるのに苦労していた印象があったので、個人でトドメを刺せるようにしたほうが作劇的には便利そうではあります。まあ、オモチャの公式サイトを覗いた感じ結局合体技もあるみたいですけどね。
マリちゃんはひとりだけ普通のコップを使ってないで自分の分のパーティグラスも出したらいいと思うの。気まずいでしょ、かえって。
大丈夫。オモチャの『みんなでかんぱいパーティグラス』(税込み3960円)は9色に光るからマリちゃんが食い込む枠は充分にある。追加戦士のパーソナルカラーが紫だと仮定して、マリちゃんは瞳の色の緑色でどうでしょ。
そんなわけで新アイテムお披露目回。合わせて変身バンク&集合名乗りも完成しましたね。まさかの腰に手を置く男前ポーズ。ゆいらしいっちゃらしい。
今作はここに至るまでの各人の思いをそれぞれ丁寧に掘り下げてきたので、ここにきて初めて出てくる心情などはありません。ただ、これまで一方的にゆいたちが守るべき存在だったレシピッピたちからも今回は協力したい思いを返され、相互的な関係性へと変化しただけです。
「ありがとう」には「どういたしまして」。「ごちそうさま」には「おそまつさま」。食卓に当然に存在する双方向コミュニケーションが今話をもって完成したということですね。
レシピッピの集まるところ
「腹が減っては戦はできぬ」
ジェントルー=あまねであることをはっきり描写した直後、変身前の姿でゆいと初邂逅する大事なシーンをセリフひとつで強引に繋げてしまう力技。
こういうの私大好きです。テンポがいい。こういうのが見たいがために女児アニメを観ているまである。
深夜アニメだといちいちどうでもいい段取りまで“必然らしく見えるかたちに”細かく描写するものが多いんですよね。いいじゃんね、最初からフィクションだってわかって観てるんだから。もちろんあっちもあっちで好きなんですけど。
さておき。
最近のジェントルーはレシピッピ集めに苦労していました。頼りにしていたキュアスタのちゅるりんがテイクアウト店ばかりレビューするものだから役に立たなくなったのです。
ところが、仕事がオフの時間に限ってレシピッピを見つけることになってしまいます。
どうしてか?
「キュアスタをテイクアウト推しにリニューアルしました!」
「いいじゃない! お持ち帰りならほかほかハートが分散してレシピッピも集まりにくいし」(第9話)
「ほかほかハートっていうのはね、お料理を食べる人の『おいしい』や『うれしい』、『ありがとう』の気持ちから生まれるものなの。レシピッピはほかほかハートがいっぱいあるところに現れやすいってわけ」(第7話)
「ほかほかハートが溢れてる。ステキなお店。・・・あら? あなたもこのお店が好きなのね」(第1話)
きわめて単純な話、そこにゆいたちがいたからです。
これまでジェントルーはちゅるりんの口コミ情報をもとに、レシピッピが集まるくらいおいしいお店を探してきました。
その手法はけっして間違いではないのですが、本質を見誤っています。
レシピッピを集めているのはおいしいごはんそのものではないんです。ごはんを食べて「おいしい」「うれしい」「ありがとう」といった気持ちを表出するお客さんがいて初めて、レシピッピはお店に集まります。
レシピッピを呼んでいる主体はあくまでおいしく食べているお客さんであって、おいしいごはんを出してくれるお店ではないんです。たとえばパンダ軒もそうでしたよね。同じお店でも、お客さんがいっぱいいるときだとレシピッピの集まりかたは大きく変わってきます。
「レシピッピはね、お料理の妖精なの。小さいころは見えることもあるんだけど、普通は大人になると見えなくなって、忘れてしまうものなのよ。レシピッピが見えるのはあなたがお料理を大切に思っているから。その気持ちがとっても強いのね」(第1話)
「『ごはんは笑顔』ってステキな言葉よね」
「おいしいものを食べると笑顔になる」
「笑顔で食べると余計においしいよね」
「おいしく食べるとレシピッピも喜ぶしね」
今話、レシピッピはゆいたちのところに直接集まってきました。
ゆいたちが人一倍ごはんをおいしく食べる子たちだからですね。あの席にはレシピッピが見えるくらい心からお料理を大切に思っている子たちが(※ マリちゃん含め)4人も集まっていました。レシピッピたちがひときわ惹きつけられるのも当然といえるでしょう。
ジェントルーはどうすれば効率よくレシピッピを見つけられたのか?
その答えは明白です。
自分も他のお客さんと一緒にごはんをおいしく食べたらいい。菓彩あまねもまた、本来はレシピッピが見えるくらいにお料理を大切に思っている子のはずなんですから。素直に味わって、つくってくれた人に感謝すればよかっただけなんです。
「会長は今までどんなレシピッピに会ってきたんですか?」
「たしか会長のおうちはフルーツパーラー菓彩ですよね。ということは?」
「ということはー?」
「・・・そんなこと知ってどうする。レシピッピの種類など気にしたことがない。気にすべきことはもっと他にある」
だからこそ、今の彼女のレシピッピに対する冷淡な反応はプリキュアとの対立軸たりえます。
「ごはんは笑顔」。ごはんというものは食べる人がおいしく食べてくれればこそ。レシピッピと出会えることを喜べるくらい、おいしいごはんを大切に思っていてこそ。そうしてはじめて、おいしくつくってくれたごはんの真価が発揮されることになります。
『デリシャスパーティプリキュア』はごはんを食べる側の物語です。
「レシピッピは『ごはんは笑顔』。案外、真理かもしれないわね」
おばあちゃんいってた!
「あっという間に大きくなって・・・! いっぱい食べて、いっぱい遊んだおかげね。大人になると小さな幸せでも泣けてくるの」
「小さな幸せかあ。あ、お婆ちゃん言ってた! 『小さじ一杯、大事な一杯』!」
「フム。小さじ一杯の塩でぐぐっとおいしくなることあるしね」
「小さじって大事なんだ」
塩は比重が大きいので小さじ1杯といっても6グラムほどの量になってしまいます。日常的に料理する人の感覚ではそもそもが結構な量。海水でもつくる気か。
もっとも、らんの家は料理店なので1人前の話じゃなく何人分もまとめてつくるときの感覚なんでしょうけれども。
さて、先ほどゆいたちは“人一倍お料理を大切に思っている子たち”だという話をしました。
ここで一度、それぞれ具体的にどういうふうに大切に思っているのかをおさらいしておきましょう。
「『ご飯かパンだけで悩むな。迷ったときはうどんもある』って言葉、好きだなあ」
「いやー。だって、こんな不思議でステキな存在、知れば知るほどワクワクして。毎日がマシマシに充実しちゃうよ!」
「勝手なこと言わないで! あんたには理解できない! あの味を生み出すために流れた汗と涙の物語を! 味わった人しかわからない口のなかいっぱいに広がる特製スープが巻き起こすきらめく感動! 爽やかな潮の旋風! あんたの想像の百万倍でもお釣りが来るくらいあのスープはおいしさに溢れてるの! ウチの味、返して!!」(第7話)
らんはおいしいものを独り占めすることを許さないプリキュアです。
おいしいラーメンをお客さんに提供するため研究を重ねた両親の情熱に感動し、誰かが「おいしい」を感じたときに集まってくるレシピッピという存在にもまた感動し、自分でもおいしいごはんを食べたときの感動をみんなと共有しようとキュアスタへの投稿に勤しむ子。彼女は「おいしい」がたくさんの人と共有できる価値観であることに価値を見出しています。
だかららんは食に対してたいへんな情熱家です。自分が一生懸命になればなるほど、みんなと分かちあえる感動も一緒に大きくしていけるから。
「『人の力も出汁も合わせるのが味噌』もインパクトがある」
「これまでは見てるだけでも嬉しかった。でも、こうして触れあえるともっと嬉しい。ありがとう」
「私、ひとりが楽だった。静かなひとりの時間が好き。人と関わるのは面倒だし、すごく疲れるから。でも、あの子と一緒だと心の中で温かいものが、今まで知らなかった思いがどんどん膨らんでいく。私、守りたい。大切な場所を、あの子と!」(第4話)
一方、ここねは分けあうおいしさのプリキュアです。
彼女が重視しているのは友達と一緒にごはんを食べる時間。ごはんはひとりで食べるよりみんなで食べるほうがずっとおいしい。ずっと楽しい。ひとりでいるよりみんなと一緒のときのほうがすごい力だって発揮できる。そういう発見がきっかけでプリキュアになれた子です。
ここねがゆいたちとの交流を深めることに熱心で、同時にクラスメイトなどへ友達の輪を広げようとしているのもそのためです。仲よく分けあえる人がいればこそ、ごはんはますますおいしいし、おいしいごはんがあるからこそ、友達と過ごす日々がどんどん充実していく。
「うーん、どれも好きだからなあ。でもやっぱり『ごはんは笑顔』かな」
「そうかもしれないけど、でも、私は気になるんです。『おいしい』『うれしい』『ありがとう』って笑顔になるとこの子たちは現れる。レシピッピって『ごはんは笑顔』そのものだなって」
「『この世で一番強いのは、誰かのためにがんばる心』・・・」
「その言葉を私は信じてる! だから、絶対できるって信じてる! マリちゃん! 私、諦めないよ!!」(第2話)
そしてゆいはおいしい笑顔で満たすプリキュアです。
お婆ちゃんの言う「ごはんは笑顔」という言葉の意味を幼いころから実感してきて、それを今も大切に思っている自分に誇りを抱いている少女。自分が笑顔になれることと同じくらい、他の誰かの笑顔のためにも一生懸命になれちゃいます。だって、お婆ちゃんが自分の笑顔を見て幸せそうに笑っていたから。笑顔というものにそれほどの力があることを、彼女は実体験を通して知っています。
レシピッピを守るために。つまりはおいしいごはんを守るために。ひいてはおいしいごはんを食べたみんなの笑顔を守るために。ゆいがプリキュアとして戦う理由はそういうふうになっています。
「小さじ一杯、大事な一杯」。
ヒーローの超常的な力を得てまで戦いに身を投じる理由としては驚くほどささやかな願いかもしれません。プリキュア自体もともと自分たちの日常を守るために戦うヒーローなので全体的にも同じ傾向はありましたが、今作は輪をかけてマクロな願い。
ただ共有したいだけ。ただ分かちあいたいだけ。ただ笑顔でありたいだけ。
彼女たちはその理想を実現するための手段として、ごはんをおいしく食べています。
レシピッピからの返答
「優しい時間をくれたレシピッピを――」
「マシマシのワクワクをくれたレシピッピを――」
「大切な想い出をくれたレシピッピを――」
「絶対に助ける!! だって、『ごはんは笑顔』だから!」
お料理を大切に思うことにいったい何の意味があるのか。
ごはんをおいしく食べたからといってそれが何だというのか。
おいしい笑顔がいったい何を変えられるというのか。
「『一緒に仲間を助けたい』って言ってるメン!」
「ハートジューシーミキサー・・・?」
「レシピッピたちの奇跡が、プリキュアに爆盛りに新たな力を!? ――プレシャス!」
その疑問に対するひとつの回答が、レシピッピ。
お料理の妖精。奪われるとお料理の味が変わってしまう、おいしいごはんには欠かせない存在。おいしい笑顔に誘われて集まってくる。ただおいしいごはんがあるだけではいけない。ひとりでおいしく味わうだけでも足りない。
つくってくれる人がいて、食べてくれる人がいて、みんなでおいしいごはんをかこむ幸せを噛みしめて初めて、おいしいごはんは意味を持つ。
その関係性の象徴がレシピッピです。
プリキュアは共有したい、分かちあいたい、笑顔でありたい、それぞれの願いを叶えるためにレシピッピを守ってきました。おいしいごはんを守ってきました。
今回はその“おいしいごはん”から、ゆいたちの日頃の活動に対するリアクションが返ってきたかたちになります。
「『ごはんは笑顔』ってステキな言葉よね」
「おいしいものを食べると笑顔になる」
「笑顔で食べると余計においしいよね」
「おいしく食べるとレシピッピも喜ぶしね」
「やっぱり!」
寓意を抜いてもうちょっと現実に即したかたちにするなら、レシピッピの思い=ごはんをつくる側の思いということになるでしょうか。
ゆいたちが信じてがんばってきたとおり、ごはんをおいしく食べること、おいしい笑顔を見せることには、やはりつくる側にとっても大きな価値があったというお話です。「ありがとう」には「どういたしまして」。「ごちそうさま」には「おそまつさま」。心を込めてつくったごはんをおいしく食べてもらえるのって、やっぱりすごく嬉しい!
まあ、これまでも何度かやってきた話の流れではあるんですけどね。
今回は新アイテムを通してより明確化した感じになります。
「・・・そんなこと知ってどうする。レシピッピの種類など気にしたことがない。気にすべきことはもっと他にある」
なればこそ、レシピッピの思いをないがしろにし、傷つけてしまうジェントルーの言動は、プリキュアの敵として厳しく糾弾されることになります。
おいしい笑顔は無意味じゃない。レシピッピを守ることには大きな意味がある。
だって、せっかくつくってくれたごはんはおいしく食べたほうが、食べる側も、つくる側も、両方が幸せになれるから。
今のジェントルーの価値観は明らかに間違っています。プリキュア的ではありません。少なくとも、プリキュアであるゆいたちからすれば、どうにかして考えを改めてほしい相手ということになります。
「ああいう人もいるのね」
「うん。けど、せっかく見えるんだし、レシピッピのこともっと好きになってほしいなあ」
「レシピッピは『ごはんは笑顔』。案外、真理かもしれないわね」
さて。この時期定番の新アイテム入手イベントも無事に終え、『デリシャスパーティプリキュア』の物語はぼちぼち追加戦士参入に向けた展開へと進んでいくことになります。
コメント
調理器具縛りで40話以上保つのかよと思ってたら、躊躇いなくフライパンをパワーアップしてきてなんか感心しました。
あんなんでもまだレシピッピを認識できるジェントルーもといあまねは、やっぱりまだ本来の優しい心を失ってないはずです。
加えて違和感なく日々の学校生活が成立してるらしいあたり、記憶を消されてるというよりは善悪の判断を封じられてるタイプの洗脳でしょうか。
同学年の拓海から見たら、また違う感想が出るんですかね。ゆい以外の女子と話すのか知りませんけど。
で、ナルシストルーが何をしたいのか正直よく分からなくなりました。
最初てっきりジェントルーを体よく捨てたのかなと考えたんですけど、ラストシーンではむしろ手元に置いときたがってるようにも見えましたし……?
何らかの作戦の一貫だと無理矢理自分に言い聞かせつつ、単に面白がってるだけな気がするのがなんとも。
マイナーな器具まで含めたらいくらでもやりようはありますが、子どもが調理器具と認識してくれなかったら意味ありませんしね。
今作、食べる側として思いを表現することが主題になっているので、メタ的にいうとあまねはだいぶ重たい役割を背負わされそうなんですよね。つまりは罪の意識。「自分においしいと言う資格はない」みたいなあれこれはまあ、幼児向けのテーマ取りとして避けて通れない要素でしょう。ンなこたどうでもいいからおいしく食べてほしいってのが親の本音であるかぎりどうしても。
ジェントルーとしての記憶、残るんだろうなあと。
今日は新しい必殺技が誕生したデリシャスパーティプリキュアでした!!☆☆♬
ちなみにジェントルーが仲間入りすると、何故ブンドル団に仲間入りしたかも明らかになるはずですね!!(汗)
敵役にいた女子キャラが変身ヒロイングループに仲間入りするのが、女の子のメンタリティーにあうかどうかも懸念したと、私はプリキュアの新聞で見つけたこともあります!!
ですがイースがフレッシュプリキュアに仲間入りしたことで、女の子にウケが良かったはずだからこのデリシャスパーティプリキュアでもジェントルーがいずれ仲間入りするのはまだ何週間も先の話でしょうが、した時は今まで以上に女児向けプリキュアの醍醐味を感じるかもしれませんね!!
で、次回は実力テスト
和実 ゆいとらんらんは赤点を取ってしまって、補習だ!!ともあるワケですが、これが予想通りと思った大人のプリキュアファンも結構多いでしょう
私もそれは予想通りと思った大人のプリキュアファンの1人です!!
それをどう乗り越えていくかが楽しみな大人のプリキュアファンはむろん、子供のプリキュアファンもそれなりにいるでしょう
『フレッシュプリキュア!』もなんのかのいってもう13年も前の作品です。普遍的な良さは間違いなくありますが、当時の子どもたちと今の子どもたちが同じ価値観でいるかはある程度疑ってかからなければなりません。プリキュア含め、ヒーローのライバルが味方に反転する展開はもはや使い古したものになりました。未就学児にとってももはやそんなの大した驚きにはなりません。
むしろ、今の子どもたちにとって最大の関心事は“いかにして罪を清算するか”にあるんじゃないかと感じています。個人主義は広まりましたが、案外どこに所属していたかという実績においては昔以上にシビアになったのが今の時代です。“取り返しのつかない過ち”は東せつなの時代より昨今のほうがずっと身近にありふれています。単純に「悪人はどんなに罪を償っても許されなくなった」と言い表しても過言じゃないんじゃないでしょうか。
あまねが瞳の色で善悪明確に区別されれているのもそういう風潮を鑑みての対策かなと。青い瞳のあまねは今のところ何も悪いことをしていません。
「レシピッピの種類など気にしたことがない。気にすべきことはもっと他にある。」
この“赤目”菓彩あまね=ジェントルーの考え方をもっと突っ込んで説明した発言が、あの「客は半額に釣られてやって来ただけ。味など気にするものか」だったんでしょうね。
食を金儲けの道具・金づるとしか見ていない(ゴーダッツから課せられたノルマの達成、も一種の“金儲け”と言える)。「ごはんは笑顔」=食は心と心をつなぐもの、という和実ゆいや華満らんの発想を青臭い理想主義と言わんばかりに否定、嘲笑する――――現実主義、というより厭世的・敗北主義的価値観。
しかし一方“青目”菓彩あまねはどうやら「ごはんは笑顔」という思想に共鳴する理想主義者であるように思われます。そしておそらく、同じ食の理想主義者・プリキュア三人衆と出会ったことで、封印されていた“青目”あまねの意識が呼び覚まされ“赤目”あまね=ジェントルーへの反抗を開始した……ということだったのかな、と。
で、どうもジェントルー“赤目”あまねって“青目”あまねとは別人格というわけではなく、菓彩あまねという人間の「正と負」「光と影」「善と悪」の二面性から「負」「影」「悪」を抽出し肥大化させたものという感じがするんですよね。
今後、封印されていたあまねの「正」「光」「善」が完全に解放され「負」「影」「悪」と再び融合したとき、本当の――――“紫目”菓彩あまねが復活する、てな展開になりそうに思われるんですが……さて。
そういうことですね。
金儲けの手段、までいくと若干行きすぎかもしれませんが、ジェントルーはおいしいごはんの価値が料理自体のクオリティにのみ由来すると思い込んでいます。食を通してつながる人と人とのコミュニケーションがいかに重要なのかを認識できていません。
だからパンダ軒の一件もらんとお客さんそれぞれに功利主義で行動していたと誤解しちゃってたわけですよ。レシピッピが集まっている=お店がほかほかハートに溢れている=お客さんは安さに釣られただけじゃなく本当においしく思っているって、冷静に考えたら理解できるはずなのに。
プリキュアになるにあたって彼女が変わらなければならないのはそこのところの価値観です。