輝く金の花! キュアブルーム!
きらめく銀の翼! キュアイーグレット!
天空に満ちる月! キュアブライト!
大地に香る風! キュアウィンディ!
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『ふたりはプリキュア Splash Star』は前作の作風を非常に色濃く引き継いだ物語です。キャラクターデザインに明るめの色を多用したり、2つのフォームを使い分けたり、精霊のエフェクトや防御主体のバトルを取り入れたりと、本作ならではの要素もたくさんあるんですけどね。なにかにつけ前作と比較されがちで、独立した作品として評価される機会にはなかなか恵まれなかったようです。
本作では「諦めないこと」が特に重要視されます。どんな苦しい状況でも諦めず戦い、どんな悲しい対峙にも諦めず説得を続ければ、きっと望みは叶う。そういう描き方をします。
こういう、物語の根底に敷かれる太い軸は前作には無かった要素です。前作は脚本も主人公もとにかく目の前のものに全力投球!って感じでガムシャラだったんですが、本作以降のプリキュアシリーズはもう少し先を見据えて、全体としてひとつの大きな物語を描こうと意識しはじめます。
ちなみに前作では「絶対に負けない!」というセリフが多用されていたのですが、今作で「絶対に諦めない!」に変わりました。その後のプリキュアシリーズではこちらの方が耳馴染みがいいですね。
日向咲 / キュアブルーム美翔舞 / キュアイーグレット
「もう、いいから。今度は、今度は私が守ってあげるよ!」
「こんなになるまでがんばってくれてありがとう。私もあなたたちのこと、絶対守るから!」(第1話)
初変身シーンの描き方はもう、前作のなぎさとほのかのときとは考え方から全然違っていますね。咲と舞にしっかり変身する動機を持たせたあとで、自ら望んで変身させています。
以後、この手続きはどうやらとても大切なものとして、プリキュアシリーズに脈々と受け継がれていきます。
咲と舞は突如怪物に襲われ、今作の妖精キャラ(精霊だけど)であるフラッピとチョッピに守られます。彼らは無力でしたが、何度叩きつけられても、何度傷つけられても、諦めずに怪物に立ち向かいました。
その守ろうとする意志、諦めない姿が咲たちの胸を打ちました。
前作の“偶然事件に巻き込まれてしまった”という他人事みたいなスタンスではなく、自ら望んで変身に臨む積極的な姿勢をつくったんです。
日向咲 / キュアブライト美翔舞 / キュアウィンディ
「絶対に諦めない!!」
「どんなときも諦めず強い心を持ちつづけていれば!」
「どんな望みも絶対に!」
「叶う!!」(第30話)
物語中盤で咲と舞は新たな力を手に入れます。このときも重要になるのは諦めない姿勢。
フラッピとチョッピが敵に力を奪われ、新たに仲間に加わったムープとフープも捕らえられ、咲と舞は変身することもできずに絶体絶命。
ところが、咲たちが諦めない意志を示したことで妖精たちも勇気をふりしぼり、危機を脱することに成功します。新たな変身の力を得たきっかけは、咲と舞と妖精4人、諦めずみんなで気持ちをひとつにすることでした。
霧生満霧生薫
「どんなピンチのときだって絶対に諦めなかったわね、あのふたりは」
「今もきっと、頼まれもしないのに誰かのためにがんばってる。ふたりで力を合わせて」
「満。私、諦めたくない」
「私もよ。もう一度ふたりに」
「ふたりに会いたい!!」(第42話)
シャイニールミナスに続く追加戦士の先駆でありながら、変身しない(普段着にすら着替えない)からか、オールスターズ映画ではプリキュアとしてカウントされることがない不憫なふたり。
でも彼女たちは変身しないだけで、プリキュアの仲間に加わるときは後のシリーズ同様、そのとき行動しなければならない理由がきちんと描かれます。
満と薫はかつてプリキュアの敵でしたが、咲と舞に心を教えられて敵組織を裏切りました。
そのせいでこのときふたりは拘束されていたのですが、咲たちに会いたい一心で諦めずに抵抗を続け、さらに助けを求める妖精たちの力を受けたこともあって、みごと拘束を脱します。ここでもやはり「諦めない」がキーワードになるわけですね。
以後、彼女たちはプリキュアの仲間として最終決戦まで協力しつづけることになります。
『ふたりはプリキュア Splash Star』はプリキュアこそ“ふたり”だけなのですが、この満と薫、さらに精霊のフラッピ、チョッピ、ムープ、フープ、それから飼い犬のコロネと、チームとしては意外と結構な大所帯だったりします。
前作で九条ひかりが願った「ふたりを助けてあげたい」という思いがシリーズを越えて引き継がれ、プリキュアを取りまく絆の輪をどんどん拡張させていったかたちですね。この流れがさらに次作ではプリキュアを一気に5人(6人)にまで増やすことになります。
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