ゼノブレイド3 プレイ日記 第4話の1 今の自分に理解できることだけが世界の全てじゃない。

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ノアってさ、完璧な人? ――でしょ。ミオちゃんだって同じ。フツーなんだよ。

普通の感性を見失わない セナ

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

第4話 命 その1

Lead Character:がんばったひと

エセル、カムナビ

Major Happening:大きなできごと

エセルとカムナビ

 かつてライバル同士だったエセルとカムナビは諸般の理由でメビウスたちの命令に従うことを余儀なくされ、ノアたちを倒すべく共闘することになった。しがらみだらけのエセルたちにとって、キャッスルにも火時計にも縛られないノアたちはまさに憧れだった。
 初めはそのノアたちと刃を交えて死ぬのもそう悪くないと思っていた。けれど命を燃やし尽くさんばかりに目の前の戦いにのめり込むふたりは、ふと、もはや自分たちが何事も気に留めていない、何者にも縛られていないことに気付く。
 そうなれば彼らの心からの願いはただひとつ。お互いの死力を尽くし、今度こそ存分に殺しあうこと。もはやメビウスたちの制止に従わず、ノアたちの懇願にも耳を貸さず、彼らはただ、本懐を遂げて死んでいった。

ミオの時間

 ケヴェスのキャッスルに危険すぎる殲滅兵器(アナイアレイター)が配備されたことを知り、ノアたちは大剣の大地を目指す旅を一時中断してキャッスルを目指すことにする。
 その決定に不満を漏らしたのはミオ。ノアは自分の最大の理解者だと思っていたミオの突然の豹変に混乱するが、それもそのはず、実はミオ自身自分の気持ちが整理できていなかった。残り少ない時間を使って何かを残したい気持ちと、恩人のためにも少しでも長く生きたい気持ち、それがせめぎあっていた。
 ノアとミオはそれぞれ、自分のなかにひとつの軸では説明できない複雑な思いがあることを認識する。

Sub Questions:小さなできごと

コロニータウの解放

 火時計破壊前から積極交戦する気がなかった自然主義者集団。常識的に考えてフツーに反逆者だが、執政官に何か考えがあったのか、ウロボロスと違ってヨソ様に干渉しないからか、長いこと放置されていた。ノアたちとの出会いで外の世界に興味を持つようになったので今後はどうなるかわからない。
 解放後は明治政府のごとく他コロニーへの留学生を大量派遣するようになった。

コロニーイオタの解放

 先進的なロジスティクスを整備した合理主義者軍団。あと陳状強者。そりゃ強いわ。
 執政官を欺いて独立するためにノアたちを煽りたおし、各個撃破で戦力を削る発想に誘導しつつ、自らの懐へ招き入れた。新進気鋭の白銀のコロニーがたった6人に敗北する理由づくりまで完璧とは、本当に先の先まで見ている。

コロニー11の解放

 なんでこんなウォーモンガーどもを首都防衛部隊にしてるの!? あ、上が談合していて本土決戦の可能性がないからか! なんなら勝手に遠征しだすのもむしろ都合いいのか! なるほどなー。
 というか・・・。エセル(思想家で国の価値観より自分の信念を優先)、ルディ(立場ガン無視で放蕩しつづける趣味人)、ゼオン(ジェントリ気質で部下を養うこと最優先)、グレイ(浮浪者)・・・。そういえばケヴェス側の人材、そもそも国に心から忠誠を誓うタイプいなかったわ。

 武力制圧したらボス猿認定された。

命(おもい)

 「命を“思い”と言い換えるなら、ナミさんの命は僕に受け継がれている。だから僕も、誰かにこの思いを渡そうと。それを僕の命の使いかたにしよう――」

 必ずしも命というものが継承されるためだけに存在するのであれば、話は簡単でした。

 だって、それは『ゼノブレイド2』のレックスが出した結論そのものです。
 私たちが今生きている場所は先人たちの死体を幾重にも積み重ねた先端にあります。その命の営みはとても尊く、そして世界にいくつも残された難題を解決しうる唯一の可能性でもあり、私たちにとってぜひとも次の世代に伝えていくべきものでしょう。

 では。

 「それにしてもメビウスってとんでもねえやつらだよな。平気で人の命を奪って。ったく、冗談じゃねえ」
 「そういうやつをノポン語で何ていうか知ってるも? アクヤクっていうも」
 「もも? じゃあ、ノアさんたちもミオさんたちもアクヤクですも? だって、この前まで人の命奪ってましたも。アクヤクにはならないですも?」
 「それは・・・。命を取らなきゃ死んじまうんだから仕方ないだろ」
 「仕方ないとアクヤクにはならないですも?」
 「誰も好き好んで戦ってたわけじゃねえ。そういう仕組みなんだよ。俺たち人間は。この世界は」
 「じゃあ――、世界がアクヤクですも! みなさんがイヤなことをやらせてるですも。ワルいやつですも!」

 もし、命をつないでいく価値がなかったとしたら?
 思いを残して死んでいくことに何の価値もなかったとしたら?

 もはや説明不要なほどにこのアイオニオンは酷い世界です。
 そんな世界に組み込まれて、先人たちと同じ死体の山の一部となって、この世界の未来なんてもののために己の命を差し出すのは、必ずしも正しいことなんでしょうか?

 第3話から登場しているコロニーイオタはともかく。
 同胞の命をつなぐための戦争を拒否し緩やかな滅びを待っていたコロニータウ、命の火時計など意にも介さず渇望を満たすためだけの闘争を繰り返してきたコロニー11、そして本来必要のない戦いを望んで死んでいったエセルとカムナビ。
 第4話に登場する人々は、ただ自分のためだけに命を使っていました。

 「――月。あの月は、光は、なぜ存在している? 俺たちが見ているから? そうじゃない。人が死滅したとしても、月の光は変わらず大地を照らしつづけるんだ。でも。その光に意味を見出すのは俺たちだ。今日の光は青いね、とか。いつもより暖かいね、とか。それと一緒で、世界に意味を見出すことも、変えることも、俺たち自身が持ちえた特権なんだ」

 その通りです、ノア。
 だからこそコロニータウは、コロニー11は、エセルは、カムナビは――、あなたたちにとっては理解不能な価値観のもと、自分のために命を使いました。

 世界に意味を見出すことができるのは、なにもウロボロスだけじゃない、この世界に生きる一人ひとりの特権だからです。

 アイオニオンの世界には本当にたくさんの命が生きています。

愚痴

 「いいよね、君は。時間たくさんあって。こうして自分がしたいことをしてると、大剣の大地、どんどん遠くなる・・・。何やってるんだろ、私」

 「『まだ』? 『もう』なの。私にとっては。焦っちゃダメなの? とりあえずって何? 今日休んで、明日休んで、そうしているうちに、・・・来るのよ。そのときが。――わかってない! 全然!」

 出会ってからの時間はほんのわずかとはいえ、ノアの知るかぎりミオは思いやり深くて、まっすぐ芯が通っていて、まさかこういう他人を困らせるだけのことを口にする人物ではありませんでした。
 そもそも言っていることが支離滅裂でした。今、自分は自分のしたいことをしている。世界の敵と戦うための旅を後まわしにしている。なのにそれで焦っている。一番大切なものを取りこぼすかもしれないと不安になっている。
 キャッスルに向かっているのはエセルとカムナビを救うため。アナイアレイターを止めるため。間違いなく多くの人とコロニーを救うことにつながるでしょう。ミオはいつも死期の迫った自分が何を残せるのか考えていました。この偉大な功績ですら自分の命の重さに見合わないと? 大剣の大地で真の敵を知り、そいつを調伏することだけがミオの命の使いかた? 本当はキャッスルになんか行きたくなかった? 人の命を救うことに意味を感じていなかった?

 そうではなかったはずです。
 そんなことを考えるのはミオという人物らしくなかったはずです。

 ただ。

 「これ、親友のなんだ。ミヤビっていうの。・・・でもね。コロニーがある実験をして、そのとき、私を助けるために――。『私の分まで生きて』って――。おかしいよね。私のほうがひとつ年上なのに――!」

 ただ、ミオにもひとつだけではない思いが澱のように溜まっていただけで。

 親友にもらった命でした。
 彼女の分まで生きるなら、本当は迫り来る寿命を越えてもう1年生きなければなりませんでした。
 だけどそんなの不可能で。何を代わりにしたら親友の1年を弁償できるかどうしてもわからなくて。
 追い詰められていました。
 この残りわずかな命は自分だけのものじゃない。自分のためだけに使っちゃいけない。
 だけどあの親友は、果たして、何に使ったら自分を許してくれるんだろう――?

 ミオにはミオの価値観しかわからないからこそ、自分の命を何に使うべきか、答えを出せずにいました。

憧れを追って

 「ウロボロス。映像で見せられたが、あの者たちは何だ? ケヴェスとアグヌスの兵たちのように見えたが。あれは人なのか?」
 「――希望」
 「希望?」
 「理想。宿願。憧憬。そう、憧れのようなものさ」
 「憧れ。お主にとってのか?」
 「私たちにとっての、だ」

 エセルとカムナビに自由はありませんでした。

 全ては最後にふたりが相対した戦場でのこと。カムナビの鉄巨神が戦場で突然擱座してしまい、お互いをライバルと定めていたふたりにとって望ましくないかたちで決戦は終わりを迎えてしまいました。
 納得できないエセルはカムナビをあえて見逃し、カムナビもその意を汲んでひとり遁走しました。結果、エセルはコロニーもろとも土塊への降格処分、カムナビは禁固刑に処されることに。それでも死ぬよりはマシでした。いつか再戦できる可能性はゼロではないから。
 ところでふたりには再戦を願う気持ちの他に、それぞれもうひとつかけがえのないものがありました。軍務長としてのコロニーへの思い。エセルはコロニーの仲間を人質に取られ、カムナビはコロニーの再興を取引材料にされ、メビウスたちの命令に従うことを余儀なくされました。

 ふたりは戦場に魂を捧げた気狂いでありましたが、同時に、モラリストでもありました。自分の部下や慕ってくれる多くの人々をないがしろにはできない性質でした。
 困ったことに、ふたりにとってはこれこそが自分たちの自由を奪う枷だったのです。

 だからふたりともノアたちに憧れました。
 火時計に縛られず、コロニーに属さず、キャッスルに従わず、軍の違いにこだわらず。彼らは自身についての何もかもを自分の意志で決められるようでした。
 修羅である前に軍務長である、背負うべきコロニーのあるふたりが、あの6人に羨望を覚えないはずがありませんでした。

 けれど、どうか、もし願いが叶うなら。
 子どもみたいに無邪気に夢だけを追い求められたなら。

 「俺は――。俺は、誰の束縛も受けん! あの者たちのように、俺は、自由だ!」
 「自由・・・。そうだ、自由だ。今、私たちは!」
 「なればエセル!」
 「ああ。憧れに向かって!」

 そこはおそらく死地でした。
 ノアたちは手強く、メビウスたちもおおよそ信用できる取引相手ではなく、自分たちが勝利することでコロニーが守られる可能性にはおおよそ期待できませんでした。
 いっそノアたちに運命を委ねたほうがコロニーのほうは期待できるくらいかもしれません。

 「とはいえかかる火の粉は振り払わなければならない。どうにもならないときは諦めろ。最善を考え、全力を尽くせ。実りある旅路になることを祈っている」(第2話)

 あのときは彼らの旅のはなむけとして言ったものですが、自分たちにとっては今がそのときか。

 メビウスたちは早々に自分たちを裏切っており、再び火時計に縛られた身ではもはや生還も望めないでしょう。いや、ノアたちなら諦めずどうにかしてくれるかもしれない。
 しかし、今こそがチャンスではないのか。
 背負わなければならなかった重荷を下ろし、後に残される者たちに気兼ねしないまま、ただ自分のためだけに命を燃やし尽くせる瞬間は、今を見送ってはもう二度と訪れないのではないか。
 人事を尽くして天命を待つ。今こそがどうにもならないとき。こここそが実りある旅路。

 だから彼らは、ノアたちには理解できない価値観のもとで、自分のために命を使い果たしました。

 けれど考えてみれば、元々私たちが託される先人たちの願いは、必ずしも私たちに理解できるものだけではないはずです。必ずしも私たちに関係あるものだけではないはずです。
 私たちの足元には先人たちの死体が無数に積み上がっています。けれど、その一人ひとりの名前を私たちは知りません。『ゼノブレイド2』ではシンやメツすらもその一部であったように、許されない悪人までも混じっているはずです。
 それでも。たとえ今は理解できなくても。きっと思いは継承されていく。

 “思い”は、“命”だそうですから。

 「今は理解できないだろうな。だがいつか伝わる。これが私の、私たちの願いだと! この願いと憧れを君たちの記憶に、思いに乗せていってほしい。そして遂げろ、その本懐を。命を、つなげるんだ!」

 ここにふたつの命が失われ、ノアとミオがどこかへとおくることになりました。

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