デリシャスパーティプリキュア 第34話感想 野球よりおでんよりもっともっと大好きだったもの。

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「おじいちゃんはガンコ! おでんは野球のあとで」

Lead Character:がんばったひと

又三郎お爺さん、宏輔くん

Major Happening:大きなできごと

 ゆいのお婆ちゃんの友達である又三郎お爺さんはこだわりの強い頑固者で、孫の宏輔くんとは少々折りあいが悪かった。ひとときの間だけお互い少し距離を取ってみると、又三郎お爺さんは宏輔くんが生き生きと野球を楽しんでいるところを見ることができ、宏輔くんも又三郎お爺さんの料理の味が好きだという気持ちを再確認して、お互いを思いやる気持ちを取り戻すことができた。

Sub Questions:小さなできごと

想い出の味噌おでん

 ゆいは又三郎お爺さんにお婆ちゃんの得意料理のレシピを尋ねてみたものの、「近道で楽しようとしてはいけない」と諭されてしまう。
 ゆいにとってお婆ちゃんの味噌おでんはただ味そのものが好みだっただけでなく、お婆ちゃんと語らった想い出込みで大好きな料理だった。又三郎お爺さんと宏輔くんの仲睦まじい様子を見るうち、ゆいも自分の本当の“大好き”に気付くことができた。

Battle Depiction:どんなバトルだったか

 軌道の予測困難な散弾攻撃をしてくるウバウゾーが相手。危うい場面はあったものの、ブラックペッパーの援護を受けたゆいがまっすぐ走ってぶん殴った。
 又三郎お爺さんや宏輔くんが相互の軋轢のなか、それぞれ自分の信条を貫きつつ望ましい結果に手を届かせたことの反映か。

I’m curious !:気になるポイント

ジンジャー

 ようやく名前が判明したマリちゃんの師匠。スペシャルデリシャストーンをつくることができた唯一の人物でもある。故人。20年ほど前、おいしーなタウンでゆいのお婆ちゃんと出会っていたらしい。拓海のお母さんの様子から、どうやらシナモンの出奔とも無関係ではないようだ。
 20年前というタイミングはレシピボンが盗まれた時期と合致する。
 猫の被り物をしていたそうだが、そういえばゴーダッツ様の紋章も猫・・・。

 20年前のレシピボン窃盗事件についてぼちぼち情報が出揃ってきた感じでしょうか。人となりや犯行の動機が伏せられたままなので、考察してみたところで物語を楽しむうえではあんまり影響ないですが。

 今話自体のストーリーとしては、お婆ちゃんとの思い出を通してゆいが「ごはんは笑顔」への確信を取り戻すお話になっています。前話のナルシストルーの件で揺らいでいた部分をさっそく補強してきたかたちですね。
 ナルシストルーは偏食が激しすぎたせいでごはんで笑顔になれない人物だったわけですが、今話の文脈では必ずしも料理の味だけが「ごはんは笑顔」に寄与しているわけではない、ごはんにまつわる想い出だっておいしさの一部だという話になっているわけです。彼の絶望、逆恨み、今なら取り除けるでしょうか。

両立できないふたつの“好き”

 「そっかあ。本当は野球したかったんだね」
 「でも、『それよりもおいしいものを食べに行こう』って。俺は友達と野球したほうが100倍楽しい!」

 見るからに人の話を聞きそうにない昔気質の又三郎お爺さん。そんなお爺さんに振りまわされて宏輔くんは困っていました。又三郎お爺さんってば親類でもない友達の墓参りにまで孫を付きあわせちゃうんですから、そりゃウンザリされるのも当然というもの。
 あちこち行っておいしいものを食べさせてやりたいって話ですから、一応かわいい孫へのプレゼント感覚でやっていることなんでしょうけどね。板前修業として下心もあるにはあるでしょうけど。とはいえ、それで強制的に休日を潰される宏輔くんにしてみたらたまったものではないでしょう。

 「でも、爺ちゃんにはナイショね。『板前になれ』って反対されるに決まってる。お店の跡継ぎにしたいって父ちゃんと話してるの聞いたんだ。・・・野球したいなあ」

 なお、宏輔くんは宏輔くんで自分は野球がやりたいんだって本音をお爺ちゃんに伝えたことはないようです。
 反対されたくないから。――というのは厳密にはちょっと違っていそうな様子。宏輔くんの目の前には仲よさそうにキャッチボールしている親子の姿がありました。
 本当の本当はお爺ちゃんとああいうふうに休日を過ごしたいんでしょう。宏輔くんは優しい子ですね。お爺ちゃんにはお爺ちゃんの楽しみがある以上、キャッチボールがやりたいという気持ちを一方的に押しつけるのはワガママでしかないと思っているようです。

 だからこそこの問題は難しい。
 宏輔くんがやりたいことは又三郎お爺さんのやりたいことと違っているのですが、それでいてなおかつ、宏輔くんはその自分の好きなことを本当はお爺ちゃんと一緒にやりたいとも思っています。ちょうど又三郎お爺さんが自分の趣味に孫を付きあわせているのと同じように。
 宏輔くんと又三郎お爺さんはそれぞれこの世にひとりきりしか存在しないので、お互いの希望を同時に叶えることはできません。さてどうしよう?

 宏輔くんが野球を諦めてしぶしぶワガママお爺ちゃんに付きあってあげているのは、つまりそういうことなんですね。野球ももちろん好きですが、この子それ以上にお爺ちゃんが大好きなんです。
 野球とお爺ちゃんを天秤にかけて、自分でお爺ちゃんを選んだんです。

 「あんなに楽しそうな宏輔、初めて見たよ。ヨネさんもジンジャーも、みんなワシから離れていってしまうなあ・・・」

 しかもです。なおのことメンドクサイことに、又三郎お爺さんのほうも宏輔くんと全く同じ気持ちなんですよ。
 グルメ旅行は又三郎お爺さんの個人的な趣味。そこに宏輔くんを付きあわせているのは、結局のところ孫と一緒にごはんを食べたいっていう純然たる自己都合。孫が野球を我慢していたことに気付きもせず、このお爺ちゃんときたら自分の趣味と大好きな孫、ちゃっかりどっちも楽しんでいたんですね。ダメな大人です。

 さて、宏輔くんはどうしたらいいでしょうか?
 野球はやりたいけど本当はお爺ちゃんと一緒にやりたいし、それでいてお爺ちゃんにはお爺ちゃんの趣味があるので嫌々付きあわせたくもない。だからといっておじちゃんの趣味に付きあっていたら野球がやれない。

 どうせ両立しえないことならほどほどに妥協して片方諦めるべき? でもこれ、プリキュアなんですよね。

味そのものよりもっと大切だったもの

 「うん? レシピを知りたいのか?」
 「なかなかお婆ちゃんの味が出せなくて」
 「そうか。かわいいゆいちゃんの頼みであれば! ・・・と言いたいところだが、この味にたどり着くまでの過程こそが大事。なのにそれを近道で楽しようなど。誰であろうとこの味はそう簡単には教えられん!」

 今どきテレビでそんなケチくさい発言してたら老害呼ばわりで大炎上ですよ、又三郎お爺さん。

 とはいえ「過程こそが大事」というのは長い板前経験に基づいた彼なりの経験則であり、実際今話の核心を突いたキーワードになっていました。

 今話、一見すると宏輔くんは野球がしたいだけ、又三郎お爺さんはグルメ旅行がしたいだけなので、それぞれひとりで自分のやりたいことやったらいいじゃんって思ってしまいがちです。
 でもそうじゃない。宏輔くんも又三郎お爺さんもそれぞれの趣味よりもっと優先しているのはふたり一緒に同じことをやることで、だから折りあいをつけられずにいたわけです。“宏輔くんは野球がやりたい”という表面的な結論にだけ意識を持っていかれると、この一番大事な部分を見落としてしまいかねませんでした。

 「うーん、でもお婆ちゃんの味とは何か違う・・・」
 「お婆様のおでん、そんなにおいしかったの?」
 「うん、びっくりするくらい! だからふたりにも食べてほしいと思ったんだけど、何が違うんだろう?」

 そもそも今話でゆいがお婆ちゃんのおでんを再現しようとしていたのは、自分がその料理を食べたかったからではありません。単純にマリちゃんたちにおいしいものを食べさせたかったからというだけでもありません。
 おでんを通してゆいが一番やりたかったことは、想い出の共有。ゆい自身、このおでんにおいて自分が一番こだわっていたのはお婆ちゃんとの思い出が詰まっているところなんだって、本当はわかっていたはずでした。
 お婆ちゃんが食べさせてくれたからあんなにもおいしかった。だから、今度はマリちゃんたちと一緒に食べてあのときの想い出を蘇らせたい。

 「うん? どうした」
 「あ――。ううん。なんでもない!」

 だからこそ、今話のラストはおでんのレシピを教わることそのものではなく、その過程において又三郎お爺さんと宏輔くんの関係性がお婆ちゃんと自分とに重なって見えたシーンで幕を綴じます。
 又三郎お爺さんが言っていたとおり、ゆいにとって一番大事だったのはおでんのレシピそのものじゃなかったんですね。

 過程が大事・・・というか、目に見えるわかりやすいゴールの他にも自分にとってもっと大事なことがあるかもしれないよ、というお話ですね。

だったら両立するしかないよね

 さて。それを踏まえたうえで、宏輔くんは結局どうしたらよかったのでしょうか?

 「――いいなあ。私もね、お婆ちゃんのおでんが大好きで、今度つくりかたを教えてもらおうって思ってたんだ。けど、その前にお婆ちゃん亡くなっちゃって」
 「わかるわ。私もお世話になった師匠に感謝の気持ちを伝えたかったけど、今はもうそれも叶わないもの」

 端的にいうなら、言っちゃいなよ、というのが答え。

 ほら。そもそもが又三郎お爺さん、現状ですでに趣味と孫の両方を両立してたじゃないですか。宏輔くんと違って又三郎お爺さんだけそれが実現できてたのって、要するに自分のワガママを素直に相手に伝えていたからですよ。

 「だから宏輔くんも好きって気持ちを伝えてみたらどうかな。お爺ちゃん絶対喜ぶよ」

 実際、宏輔くん自身が野球より優先したくなるくらいお爺ちゃんの気持ちを喜んで受け入れているわけですからね。同じくらい孫のことが大好きなお爺ちゃんだって、宏輔くんのワガママは喜んで聞いてくれるでしょうとも。

 実は“野球かお爺ちゃんか”なんて二者択一の選択肢、初めから存在していませんでした。
 望むのなら両方とも選べたはずの2つでした。宏輔くんの目にその可能性が見えていなかっただけで。

 「爺ちゃん、ごめん! 俺、爺ちゃんのおでん好きだよ」
 「ワシこそ悪かった。今度キャッチボールやるか」

 たった一言、勇気を出して伝えてみれば案外うまくいくことがあります。

 一見不可能に思える可能性。
 自分ひとりでは思いつけない冴えたやりかた。

 けれど誰かと一緒なら。
 誰かと同じ気持ちを共有できたなら。

 そのとき、世界の見えかたは大きく変わるかもしれません。
 少なくともゆいはそうでした。
 「ごはんは笑顔」。まだ泣き虫だったころお婆ちゃんから教わったその言葉の全能性を噛みしめて、ゆいは今日も元気にプリキュアをやっています。

コメント

  1. 与方藤士朗 より:

    いかにも頑固そうなおじいさん、まさに、私から見ても親世代かその前後、それこそ、全共闘世代のおじさん(私には)。おでんがテーマだけあって、かぐや姫の赤ちょうちんの舞台になりそうな屋台と、おじさん客2人。
    いやあ、この舞台、子どもらよりも、祖父母かそれに同調する少し下の私らの世代向けじゃないか・・・。

    あのおじいさん、孫の野球に最初さほどいいように言っていなかったようにも見えたが、その実、昔の野球少年だったのではないか。
    ひょっと、プロ野球を目指していたのかも~だとすれば、川上哲治は間に合わないにしても、間違いなく、長嶋茂雄世代ですよ。
    ひょっとあのおじさんにしても、孫相手だからあんな態度になってしまったかもしれませんが、オイシーナタウンで私が酒を飲んでおでんを食べていたら、それこそ、昭和の野球の話で盛り上がった口じゃないかな。
    「あんた、藤本勝巳の嫁さん、島倉千代子だったのは知っておるよな!」とか、
    「遠井ゴローちゃんのオールスターのランニングホームラン、ありゃあ笑えたでぇ」とか、
    「江夏が打順一回りで王から401奪三振とったのは、しびれたでぇ。ピッチャーの高橋一三なんかからとっておったら、洒落にならんかったけど、二塁ゴロに抑えてのう・・・(以下略)」
    なんか阪神ネタになってしまいましたが、そんな話で盛り上がりそうな人だな、と(苦笑)。
    正直、孫たちの野球を見るときのあのおじさんの雰囲気が、元野球経験者のように見えたのは、私の気のせいでしょうけど(苦笑)。
    孫が「プロ野球選手になりたい」と言っているのを、実は自分も経験者だったから、辛さがわかっている故に、とめようとしてあんなことやっていたのかな、と思うのは、さすがに、読み過ぎでしょうけどね(でも、藤村冨美男さんや鶴岡一人さんは、息子さんらをプロにはしなかったくらいだから、あり得るかな、と)。

    前回の話が(私には)重かった分、今回は、少しばかり、ほっとしましたね、私は。

    • 疲ぃ より:

       赤ちょうちん、見たことないですねえ。いやそもそも地元に存在しなかっただけの可能性もありますが・・・。

       今の50代より上は野球が必須教養だった偏見がありますね、私。みんな野球が好きで当たり前だから、逆に好きってだけだと将来の夢の候補にならない、みたいな。
       おっしゃるとおり又三郎お爺さん野球自体には何の悪印象も持っていなかった様子なので、それこそ本当に板前を継がせたいから他の可能性が見えていなかっただけだと思います。

  2. ピンク より:

    恥を覚悟で、拓海たちが一体何をしてるのかよく分からないうちに草野球のシーンが終わってました。
    コメコメが違うことしてるのだけは分かりました。

    衣食足りて礼節を知る
    ……とは少し違いますが、好きなことをお互い認めてもらうのは大事なことだなと改めて感じました。
    私はいい歳してなにかと我慢した挙句爆発してしまうタイプなので、前回に続いて耳が痛い限りだったり。
    子供が感情に任せて言ったこととはいえ、自分が大好きなおでんを貶した人のお話を最後まで聞けるゆいはえらいです。

    で、マリちゃんの師匠であるジンジャーさんについて少し語られたわけですが。
    ストレートにシナモンさんを追ってきたんでしょうか。にしては平和に友達関係築いてますけど(まあ、シナモンさんの方こそ冷静に考えたらだいぶアレですし……)

    • 疲ぃ より:

       コメコメは結構な勢いでボールをはじき返していたので、もしあれがそのまま客席に入っていたら無条件に2塁打として扱われていたようです。地面に落ちる前にもう一度チームの誰かがキャッチしたらアウト?

       私は言葉の内容よりも相手の悪意を重視するので、たぶん宏輔くんには腹を立てないですかねえ。
       ただ、それって要するに“相手に誰かを侮辱する意図が無いなら”“自分は自分、他人は他人と考える”ってだけの話なので、ゆいみたいにその相手に干渉しようとも思わないわけですが。世話好きと心の広さを両立できる人ってすごいですよね。

       ジンジャーとシナモン・・・。温めたリンゴジュースに一緒に入れるとものすごくおいしいですよ。(※ そうじゃない)

  3. 亀ちゃん より:

    今日は野球がしたいし、プロ野球選手になりたいおじいさんの孫を中心にした話でした
    和実 ゆいが「宏輔くん。こんにちは」とあいさつしたのはシックリ着ましたね!!☆☆♬
    女子寮の寮長(プリキュア=キュアバドミントンギャンブラー)の小学校の時は6年間毎年毎年同じクラスである男子の同級生の弟から
    「○○さん(女子寮の寮長)。こんにちは」
    と初対面の時にあいさつされるので、半分プリキュア的に感慨深いとも言えます
    ちなみに甲子園に出場出来なくても、高卒でドラフト会議にて指名される選手も毎年のようにいますし、その少年には高校でも野球を続ける場合、プロ野球選手へと近づくために、甲子園を目指して頑張って欲しいし、大卒社会人になってもプロ野球選手になる夢を諦めないで欲しいです!!

    >今週の金曜はプリキュア仕様の銀だこのたい焼きのだんらんパックを広島県福山市のゆめタウンで電話すると取り置きの話にしてくれて
    やっぱり銀だこ・銀のあんのクロワッサンたい焼きはシックリ着ますね!!☆☆♬
    しかし1人で6個も食べ進めるうちに飽きも当然来ましたし、シックリ来る感じが逃げてしまうこともありました!!(汗)
    犬が西向きゃ尾は東とはまさにこのことですね!!♪

    >で、来週は
    平成に入ってから全日本大学駅伝が毎年毎年放映されるので、ニチアサファンである子供達には天敵でしかないですね!!(汗)
    私個人としても昔はそうでした!!
    それでも全日本大学駅伝に出場する選手には罪がないので、7区の選手までは後続のランナーのこともバッチリ考えながら走り抜き、8区のアンカーはチコちゃんに叱られるで紹介された通り、最後の頼みの綱だけど綱の最後の楽しみでもあるので、先輩チームと同じように全ランナー頑張って欲しいです

    >で、プリキュアとは完全に無関係な雑談で言いたいことは
    来週の土日は1泊2日の中国地区・四国地区の準決勝・決勝の高校野球の現地観戦と行きたいですね
    その地区大会の決勝では神宮に出場して欲しい方に拍手を送ることを約束したいです
    だから来週の週末にて地区大会に臨む高校野球の選手や指導者も全員頑張って欲しいです

    • 疲ぃ より:

       野球の世界ってスカウトの人が普通に学校に入ってきて練習を見るらしいですもんね。
       とはいえ名門高校も名門高校で中学校にスカウトを送っているという話なので、甲子園レベルの有望選手は結局ほとんどが一部の高校に集まっていそうです。となると、当然スカウトが来る頻度も当然名門のほうが高いはずで・・・。
       大変そうですねえ。

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