オクトパストラベラー 初期体験版と『Prologue Demo』とのゲームバランスの比較。

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そういえば武器を外すことができるようになったんですね。

 体験版第2弾の配信開始当時、ちょっと別のこと(毎日プリキュアについて語っていただけ)をやっていたせいで思いっきり出遅れました。全主人公一通りプレイしたりお酒飲んで寝こけてたりしているうちに、あっという間にもう発売日ですよ。私はAmazonでパッケージ版を予約したクチなのでたぶん今日は遊べないと思いますが。

 そんなわけで今さらにもほどがあるのですが、主に戦闘面について、以前の体験版から改善されたことを語りたいと思います。私が気付いた範囲のことなので見逃しはたっぷりあるでしょうけれども。
 なお、複数キャラのデータを取る暇がなかったので今回も語る対象はオルベリクのみです。
 さりげなくアビリティの演出がずいぶんカッコよくなりましたね。使うたび「チャキーン」って。

パラメータ

 画像はレベル5時点での比較です。上が初期体験版、下が新体験版。
 初期装備がチープになったせいもあるのでしょうが、全体的に数値が小さくなりました。もっとも、敵のパラメータも低めに再設定されているのでオルベリクが弱くなったという意味ではありません。

 一方でHPは目に見えて強化されていますね。ブースト防御や「挑発」、サポートアビリティなどで味方を庇うタンクとしてのロールをより鮮明にしたかたちでしょうか。
 初期体験版では(2人パーティで戦うボス敵がいないこともあって)タンクというよりアタッカーという印象が強いキャラクターでした。ですが、物理アタッカーなら他にハンイットもいますからね。

 SPは数値こそ微増ですが、アビリティのコストが大幅に増えました。
 「横一文字斬り」のコストが4→9、「溜める」が5→4、「一番槍」が6→6、「十文字斬り」が6→12となりました。
 レベル5時点では高威力の十文字斬りが3回しか使えないわけですね。便利な横一文字斬りもザコ戦のたびに使っていてはレベルアップでの回復までSPが持ちません。バフやブレイク、ブーストなどを駆使して戦略的に戦う意義がより大きくなりました。

リソース / リザルト

 「HP回復のブドウ」の価格は微妙に安く、「SP回復のプラム」と「復活のオリーブ」は大幅に高くなりました。・・・というか初期体験版でのプラムの値段が破格すぎただけですが。
 普通のRPGらしいバランスになったといえるでしょう。アビリティのコスト増とあわせてリソース管理の重要性が大きく高まりましたが、気軽に買える時点でRPGのSP回復手段としては相当お手軽な方なうえ回復量も充分なので、強敵を相手取るときはジャブジャブ消費してガンガン攻めに行く戦術を取ることも可能です。

 一方、敵を倒したときのドロップアイテムはかなりシブくなりました。HP回復のブドウすらもらえません。大抵は調合用の安い素材です。回復アイテムはダンジョン内での現地調達を期待せず、ちゃんと出発前にたっぷり買っておけということですね。
 特にSP回復アイテムは重要。とはいえ、商人と盗賊がSP回復アビリティを習得できるうえ、調合で比較的安価に回復することも可能なので、なんとかなるといえばなります。
 あるいは盗むという手もアリ。ドロップと違って盗みで手に入るものは有用な消耗アイテムが多いです。積極的に盗んでまわれば充分な量を現地調達することもできるでしょう。(攻撃を受けすぎて赤字にならない限りは)

 また、「1ターンキル」「ブレイク成功」「ノーダメージ」で経験値等にボーナスが入るようになりました。
 戦略的に戦うことを意識させる導線として用意されたものと思われます。ザコ戦であってもSP消耗をケチってダラダラ戦うよりアビリティを駆使して一気にカタをつけた方が得する設定ですね。
 これによって戦闘のテンポが向上しますし、ボス戦までの道中でパーティを消耗させる(回復アイテム等のリソース管理を意識させる)という、ザコ戦本来の役割を強調することにもつながりました。
 そう。昔のザコ戦ってダンジョン攻略に戦略性を持たせるために存在していたんですよね。ボスにたどり着くまで回復アイテムがどのくらい必要になるか予想して、必要な分だけ投資するという戦略性。あるいは武器と回復アイテムのどちらをどのくらい優先して買うか、とか。
 この戦略性をつくるためにはシンボルエンカウントじゃダメなわけですよ。躱して歩けばほぼ無消費でボスまで行けてしまうので。あれはレアアイテムのために敵を選んで積極的に狩るゲームのためのシステム。強制的に消耗させることを第一義とするランダムエンカウントとはゲームデザイン上の目的から違うのです。

戦闘ルール

 まずアビリティの威力が大幅に弱化しました。初期体験版ではお手軽全体攻撃のくせに通常攻撃の2.5倍の威力を誇っていた「横一文字斬り」が、せいぜい1.1倍程度に。5倍というトンデモ威力を誇っていた「十文字斬り」も2~2.5倍くらいになりました。
 それから「溜める」にブーストをかけたときの仕様が変わり、攻撃力の倍率が向上するのではなく効果時間が延びるようになりました。他のアビリティでのバフも同様。だいたい1.3倍強化ってところでしょうか。ちなみに初期体験版で最大までブーストすると『ドラゴンクエスト』のバイキルトすら凌駕する2.4倍強化になっていたので、よくよく考えるとこれもトンデモでした。
 何がトンデモって、これらを乗算したうえさらにブレイクとブーストが乗りましたからね。威力が通常攻撃の50倍近くまで跳ね上がって、レベル15で4000以上のダメージを叩き出していましたからね。アレはアレで爽快なので私は好きでしたが、あのままでバランスを取るのはさすがに無理があったんでしょう。

 それと同時に敵のパラメータも全体的に弱化しました。特にHPは顕著に減りました。
 例えば「試合」で挑むことのできる村長さんの場合、HP950→280程度(たぶん)と、1/3以下にまで減りました。
 これだけ大きく変わるとゲーム性も大きく変化します。具体的には初期体験版ではシールドを削る手段でしかなかった通常攻撃が、それなりのダメージソースとして機能するようになります。アビリティのコストが上がり、威力が弱まったのも相まってなおさら。
 オルベリクの初期技の「横一文字斬り」にブーストを最大掛けしても威力は5倍そこそこです。それなら(単体相手ならば)通常攻撃に最大掛けして4回攻撃でHPを削るというのも充分に選択肢に入るわけです。
 ※ ただしこれはオルベリクの物理攻撃力が高いからできることであって、オフィーリア等の通常攻撃はまるで話にならない威力しか出ません。せっかく高いSPがあるんですから素直にアビリティを使いましょう。

 また、敵がブレイクから復帰する際の行動順が最速になるよう仕様が変わりました。「一番槍」や「ねんちゃく糸」を使っても速さで上回ることはできないようです。
 これは単純にハメ対策ですね。初期体験版ではザコ相手なら通常攻撃連打だけでお手軽に完封勝利ができるようになっていました。
 これの何が問題って、これを許すとプレイヤーが自ら望んで退屈なプレイに勤しむようになってしまうんですよね。ゲームとしてはつまらなくても、楽ではあるので。ゲーマーというのは業の深いもので、本来なら自分が楽しむためにゲームをしているはずなのに、楽な攻略法を見つけるとそれがどんなにカッタルイ遊び方でもそっちを選んでしまいがちなんです。で、自分でそういう遊び方を選択したくせに「このゲームは苦行だった」とか言っちゃう。
 そういうのを避けるための施策ということですね。

 それからブーストを使用した次のターンにブーストが回復しなくなりました。
 ブーストを使うことにちょっとしたリスクがついたかたちですね。
 初期体験版ではブーストが最大まで溜まっても毎ターン1つずつ使っていればいいという意識が働いていたのですが、現バージョンではそうはいきません。何も考えずにどうでもいいところで使ってしまっては、場合によってはチャンスを見送ることになってしまうかもしれません。
 状況によっては最大まで溜めたまましばらく維持しておいた方がいいかもしれません。逆に死蔵するよりはさっさと使ってしまった方が効率よく戦えるかもしれません。
 まあ、そういう駆け引きを生むための施策ですね。

 総じて派手さ大味さを抑えた、RPGというジャンルの“リソース管理ゲーム”としての側面を強く意識した調整だと思います。
 適度にHPやSPを消耗させ、つまりは回復アイテムを消耗させ、つまりはお金を消耗させる。短期的なりソース(HPやSP)と長期的なリソース(アイテムやお金)が密接に結びついていて、それをいかにコントロールするかが肝要。そういうプレイングを求めるゲーム性。
 もちろんそれだけではなく、装備やアビリティの工夫次第ではリソース消費を軽減できるかもしれないし、場合によっては黒字に転じることすらあるかもしれない。ただしそれなりに困難。とはいえそれを目指すことにもまたゲームとしての面白みがある。
 どちらかというと戦闘前の準備の方が重要。しかしいくら大量のリソースを用意したところで戦場で活用できなければ結局強敵には勝てない。戦闘中でも道中でも街のなかですらも、常に先を見据えた戦略は考えていなければならない。
 こんな感じで挙げれば挙げるほど当たり前の話にしかならないんですけどね。リソース管理ゲームって根本がシンプルな数字の羅列でしかない分、そのあたりの当たり前な思考をそこそこシビアに要求されるんですよね。そこが面白いんです。私たちの愛したゲームの醍醐味のひとつなんです。

 ・・・まあ、私にとってRPGの一番の醍醐味はそんなことより、キャラクターの心情を想像して頭のなかで演じるロールプレイングにこそあるんですけどね!(ここまでダラダラ書いておいて今さら)

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