オクトパストラベラー プレイ日記その9 テリオン第2章 at ノーブルコート

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見送りなら結構だ。あんたたちと馴れあう趣味はない。

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

今回のバトルメンバー

トレサ(バトルジョブ:学者)
テリオン(バトルジョブ:狩人)
ハンイット(バトルジョブ:神官)

オープニングロール(=妄想)

 左腕の男が言い残した言葉に従い、トレサたちはプリムロゼの生まれ故郷・ノーブルコートを訪れました。
 栄えた都市でした。街路のひとつひとつまで石畳で整備され、多くの家々がひしめいていました。しかしなぜでしょう、街にはどこか荒んだ雰囲気がはびこっているような気がしました。
 「あ、そっか」
 トレサは何もない道でつまずきかけて気付きました。石畳に割れが多いのです。街並みをよく見ると外壁にツタが這ったままだったり化粧板が腐っていたりと手入れの行き届いていない建物も多く、なかには今にも崩れそうなまま放置された廃屋すらありました。まともな維持管理がなされていないのです。

 「イヤぁぁぁぁぁっ!」
 大通りで叫び声が上がりました。
 トレサたちが駆けつけてみると、そこには倒れた男に取りすがって泣いている女の姿がありました。男の胸には鮮やかな朱が滲んでおり、グッタリと垂れた両腕を伝って、同じ色をした液体が路面に大きく広がりつつありました。アーフェンが男の傷を看に近くへ寄っていきましたが、一目見て首を振り、薬品カバンも開かずに女に何か話しかけていました。
 こんな大きな通りで白昼堂々人殺しがあったというのでしょうか・・・?

 凄惨な光景にオフィーリアが取り乱しかけたこともあり、トレサたちは一旦宿に入って身体を休めることにしました。
 腰を落ち着けたところでプリムロゼが重い口を開きます。
 彼女が言うには、エゼルアート家は元々この地域一帯の領主をしていたそうです。当時の街は平和そのものでしたが、その割に当主である彼女の父は忙しそうに動きまわっていたそうです。その後暗殺されたことから考えると、おそらくは・・・。
 街をこのように変えるために父は殺されたのだろうか・・・。プリムロゼは悔しそうに下唇を噛みました。

 そこまで話を聞いて、不意にテリオンが立ち上がりました。
 「どこへ行くんだ?」
 「知っているだろう。俺もこの街には用があるんだ」
 「赤竜石のこと? なにも今じゃなくたって・・・!」
 色めきたつ旅の仲間たちに対し、テリオンは一呼吸置いて話しはじめました。
 「そいつのカタキは今の領主とつながりがあるのだろう? だったら街に大きな騒ぎを起こして人の流れを探ればいい。さっきの殺人でも衛兵が駆けつけていた。もう一度だ。やつらの動きを初めから辿れば何か手がかりにつながるかもしれない」

(主観的)あらすじ

 テリオンは赤竜石の研究をしているという学者の情報を求めてノーブルコートの街を探りまわりました。
 どうやらかの学者には以前まで共同研究者がいたそうです。いかなる理由か現在その者は仲違いしており、街のあばら屋でひっそりと別の研究をしているとの話でした。

 テリオンがそのもうひとりの研究者のもとを尋ね、恨み晴らしとして盗みへの協力を持ちかけると、彼は喜んで情報提供を約束しました。ただし、ひとつ条件をつけました。自分の研究に必要な物品を用意してほしいと。
 テリオンがひとつ品を調達してくると、彼はさらに別の物品も要求してきました。それも用意するとさらにまた違う物品を・・・。
 いいかげん彼を疑わしく思いはじめたテリオンでしたが、ひととおりの物品が揃うと、彼はそれらを材料にして研究者の扉を開けるための鍵となる特別な物質を精製し、テリオンに譲ってくれました。彼は本当にテリオンの盗みに協力してくれていたのです。
 どうか友人の心を狂わせた赤竜石を街から遠ざけ、彼の目を覚ましてほしい。彼の願いを預かって、テリオンは学者の館に忍び込みます。

 盗みは成功し、テリオンは報告のために一旦レイヴァース家へと戻りました。
 依頼主・コーデリアはその仕事ぶりに感服し、彼なら罪人の腕輪を外しても信頼できるのではないかと提案します。しかし、彼女の執事であるヒースコートがそれを止めます。テリオン自身も反対しました。どれだけ信じようと人は簡単に裏切るものなのだと。テリオンのまぶたの裏にかつての相棒の姿が浮かびました。
 罪人の腕輪をつけたまま、引き続きテリオンは次なる依頼のために旅立ちます。盗賊としての矜持を胸に。

 例によって盗みに協力する理由が思いつかなかったのでアーフェンとオフィーリアは不参加。プリムロゼもそれどころじゃないのでお休みです。トレサは前回コーデリアの友人にしたので大丈夫。ハンイットもあくまで依頼ということならとやかく言わないでしょう。幸い推奨レベルは上回っているので3人でも余裕でした。
 今回のロールプレイで仲間からの信頼も得られたと思うので、次回からはフルメンバーで挑めるのではないかと思います。
 ・・・まあ、未加入のサイラスあたりはこだわりなく協力してくれそうなので、こんな面倒なことをしなくても大丈夫といえば大丈夫だったんですけどね。せっかく一緒に旅してるんですからみんな仲よくいきましょうよと。

心を開くための鍵

 素直になれないロンリーわんこ=テリオンの第2章は他人を信頼する思いを軸に展開されました。
 というか『オクトパストラベラー』自体そういうテーマのエピソードばっかりですね。旅を通じて信頼できる人と出会ったり、あるいは他人を信頼できない自分に悶々としたり。そういう作品なんですね。

 今回のゲストキャラクター、友人とケンカ別れしてしまった町学者・バーラム。テリオンに負けず劣らずのメンドクサイ性格で良いですね、この人。なんだこの尺稼ぎみたいなおつかいイベント・・・と思いきやアレですよ。
 キーアイテムが鍵というのも良い。化学実験っぽいことをやって精製しているので、おそらくは当たり前の錠前の形じゃなくて単なる結晶か何かだと思うんですが、それの抵抗値なり屈折率なりを計測して扉を解錠する仕組みになっているんだと思うんですが、ええい、いいんだよ。“鍵”と呼べばこそいいんだよ!

 「オルリックとは同じ学院で学んだ仲でな。あの館も協同研究のために手に入れた。だが赤竜石の研究を始めてからオルリックの様子がおかしくなってしまったのだ。何かに取りつかれたように研究に没頭し、彼は誰も寄せつけようとしなくなった。旧友である私すらもな」
 「仲を違えたとはいえオルリックは友だ。私にとっては血を分けた兄弟同然なんだ。彼にとって私の忠告はただのおせっかいだろうが・・・口やかましくて疎まれるのも兄弟分の、兄の務めだ。研究に没頭するのもいい。だが、そろそろ目を覚ます良い頃合いだろう」

 赤竜石の研究者・オルリックとバーラムは兄弟同然の親友でした。しかしオルリックは赤竜石に心を囚われ、ひとりで研究室に閉じこもるようになってしまいました。閉じこもった彼にバーラムの気持ちは届きません。
 また、そこまでの仕打ちを受けておきながらバーラムの彼に対する兄弟愛は変わりませんでした。バーラムは全ての元凶が赤竜石にあると考え、赤竜石さえ取り除けば昔のままのバーラムが帰ってくることを信じていました。
 「水晶の鍵だ。合言葉があれば館に入ることはできる。しかし、研究室の扉はまた別の話だ。あの扉は特殊な材質の鍵でないと開かない仕組みになっている」
 そこで、“鍵”なんですね。外界から隔てられた彼の心を救出するためには、外から研究室の扉を開けてやるしかなかったわけですよ。というか、むしろ閉ざされた扉だけが彼の病理の全てだったというか。

 テリオンは再三の小間使い扱いにバーラムの真意を疑ってしまいました。私も疑いました。
 けれど、実際のバーラムはそうして集めさせた物品まで含めて、全てテリオンへの協力のために動いてくれていたんです。
 バーラムに感じていた疑わしさはテリオンの心に発する猜疑でしかなかったわけですよ。オルリックの“扉”と同じで、テリオンが彼を疑ったから潔白の彼が疑わしく見えたに過ぎないわけですよ。
 最初っから言えよ! って感じですけどね。

 テリオンのクール気取りじゃなくて孤高さは、どうやら親友だったダリウスとの因縁に関係があるようです。
 「ですが、ヒースコート。腕輪は外してあげてもいいのでは?」
 「余計な気づかいは止めてくれ。それに、この腕輪が外れれば俺が逃げだすとは思わないのか?」

 それがパーソナルな事情だからこそ、彼はその領域に踏み込もうとするコーデリアの善意を拒絶するわけですが、しかしこれによって自分にとって益が大きい提案をわざわざ自分で無しにしてしまうチグハグな結果を導いてしまいます。何がしたいんだこのクール気取り。
 ああ、実にメンドクサイ人ですね。(恍惚)

 さて、コーデリアの善意(好意?)はテリオンの心の扉を開ける鍵となりうるのか。次回(いつになることやら)へ続きます。

エンディングロール(=妄想おかわり)

 「――地図を渡しておく。衛兵は学者の被害届を受理したあと、なぜかそこにある屋敷へ伺いを立てに行った。おそらくはそこがホシだ。俺は学者に顔を見られているから街を離れるが・・・言っとくがその地図、お前は持つなよ? アーフェンあたりに預けろ」
 「わかった。ありがとね、テリオン。どこで合流すればいい?」
 トレサが感謝とともに手書きの地図を受け取ると、テリオンは苦々しげな表情を浮かべました。
 「またお前はそんな――。盗賊をそう簡単に信用するな」
 「盗賊といっても、今のお前には首輪がついているのだろう?」
 隣にいたハンイットが横槍を入れてきました。
 「首輪をつけられた犬は主人のことを信頼するものだ。仮に首輪を外しても賢い犬なら主人の言いつけは必ず守る。そういうものだ。お前の主人はトレサの友人なんだろう? だったら大丈夫だ。トレサの友人である私もお前のことは信頼する」
 「犬って・・・」
 トレサはそのあんまりな喩えにテリオンが腹を立てるのではと心配しましたが、テリオンはますますゲンナリした顔を浮かべただけで特段不快そうにはしませんでした。

 「・・・ふん。南にアトラスダムという城下町がある。そこの南側にある公園近くの酒場で待っていろ。ヒースコートに次の目的地を聞いたら俺も一度そこへ寄る」
 テリオンはトレサたちに背中を向けて、最後に一言つぶやきました。
 「――あいつのことは、頼む」

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