オクトパストラベラー プレイ日記その12 オルベリク第1章 at コブルストン

・・・それだけの腕だ。人の役にも立てただろうに。
言ったろうが。俺はよ、頭が悪いんだ。だから悪いことしか思いつかなかった。

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※ 注意:このブログは基本的にネタバレに配慮しません。
※ 注意:そのくせ攻略情報を書くことはめったにありません。

今回のバトルメンバー

トレサ(バトルジョブ:盗賊)
オフィーリア(バトルジョブ:狩人)
オルベリク(バトルジョブ:なし)

オープニングロール(=妄想)

 不幸が3つ重なりました。

 トレサたちは山間の村・コブルストンに逗留していました。この村は現在山賊の襲撃を受けているということで、トレサたちは村の警備や負傷者の手当などの手伝いを申し出たのでした。
 村人の気が立っているときによそ者を受け入れてもらえるかが問題でしたが、村長さんがトレサたちの目を見て、信用すると言ってくれました。村人たちもその判断に異論を挟みませんでした。度胸といい、人望といい、どうやらよほどの人物のようです。

 さて。不幸が重なったのは村に入ってからです。
 1つ目の不幸はオフィーリアが山賊に誘拐された子どもの存在を知ってしまったことです。彼女は聖職者として村人たちの不安な心を解きほぐしてまわっていたのですが、そのなかにさらわれた子どもの母親がいました。元々戦災孤児だったオフィーリアは親から引き離された子どもの気持ちを思うと居ても立ってもいられませんでした。
 2つ目の不幸はそこに居合わせたのがよりにもよってトレサひとりだったことです。アーフェンは村の男たちの傷の手当て、テリオンとハンイットは村周辺の偵察、プリムロゼは村長たちとともに情報の整理を行って、それぞれ忙しくしていました。オフィーリアが無鉄砲を言いだしたとき、彼女の傍にいたのは同じくらいのおせっかい焼きでした。
 そして3つ目の不幸は、オフィーリアがトレサのことをとてもよく信頼していたことです。オフィーリアは自分が困っていたときに助けてくれたトレサを尊敬していて――そして、彼女が極度の方向音痴であることをまだ知りませんでした。

 オフィーリアとトレサははやる気持ちに任せて山道をズイズイ進みました。
 「早くしないとフィリップ君が・・・」
 「うん。それにひとりで助けに行ったっていうバーグさんって人のことも心配。急ごう」
 オフィーリアはフレイムグレースではいつもリアナと一緒でした。オフィーリアが困ったときはいつもリアナが守ってくれて、いつもリアナが手を引いてくれていました。幼いころのあの日以来、義理の姉妹はずっとそんな関係でした。
 今、オフィーリアの隣にリアナはいません。ですが代わりにトレサがいてくれます。
 前を歩くその彼女が、さて、なぜか話に聞いていた方角と真逆の方向に進もうとしています。

 「――トレサさん!」
 幸福が1つありました。
 フレイムグレースを出る直前、オフィーリアはリアナのためを思って、自分で決断したことを自分で実践したのでした。そういうことを為し遂げられた今のオフィーリアは、少し前までのオフィーリアとは違っていたのでした。
 「トレサさん、こっちです。付いてきてください」
 3つの不幸は、1つの幸福によって帳消しになりました。

(主観的)あらすじ

 オルベリク・アイゼンバーグは亡国の騎士でした。彼の愛した祖国が滅ぶことになったのはひとつの裏切りが原因でした。オルベリクと並んで国の双翼を担っていた騎士・エアハルトが、戦争の混乱に乗じて国王を斬り殺したのです。
 祖国と親友と敬愛していた王をいっぺんに失い、オルベリクはわからなくなりました。
 「敬愛していた陛下や国を守れず、この剣にいったい何の意味が・・・」
 今は名を変えて山間の小さな村に身を寄せ、男たちに剣を教えながら静かに暮らしていました。

 ある日、村に山賊の襲撃があり、村の男の子がひとり連れ去られました。早くに亡くした父親に代わって母さんを守るんだと、人一倍熱心に剣を学んでいた子でした。勇気があり、優しく、そしてオルベリクをまるで父親のように慕ってくれていました。
 オルベリクは単身山賊の住み処へ向かい、かつて大陸中に勇名を轟かせていた剛剣を振るって、みごと男の子を救出しました。

 いかなる巡り合わせか、山賊の頭目はかつての親友・エアハルトと縁ある人物でした。
 オルベリクと剣を打ちあった彼は、オルベリクのことをこう評しました。エアハルトの名を聞いて目の色が変わった。死人が息を吹き返したようだった、と。
 この事件をきっかけにオルベリクは旅立ちます。
 親友の裏切りの真相を知るために。そして、自分の剣の収まるべきありかたを見つけるために。

 この小説もどきを書くのが段々楽しくなってきまして。
 オルベリクの第1章は自分の身の振りかたに迷う話だったな→じゃあそれに合わせてトレサの迷子キャラ(創作設定)を生かすときだな→ついでにオフィーリアのキャラ立ちもさせよう・・・と、今回はそういうリプレイを書く前提ありきでロールプレイを行いました。
 ですが山中で迷子になるってシチュエーション、どう考えてもシャレにならないですよね。ましてこの状況だと他人の命もかかっているわけですし。脳内でキャラを動かしてみてようやくこのシチュエーションが無茶であることに気付きましたよ・・・。
 初心を忘れて調子に乗った結果、もののみごとに迷走してしまったわけです。反省、反省。

鞘がなければ剣は置けず

 全てを失ったオルベリクに最後に残されたものはただひとつ、その手に握る剣だけでした。
 守るべきものを失った今となっては、剣がいくら強くとも意味などないと思われましたが、それでもオルベリクは剣を置くことができませんでした。
 剣を置いてしまっては、いよいよ自分が何者でもなくなってしまうからです。
 何のために生まれて何のために生きるのか、自分の人生の意義に答えを示せなくなってしまうことはひどく不安なことです。
 だからオルベリクは祖国を失っても剣を置くことができませんでした。
 剣に固執したところで、それはそれでどうせ何の意味もないということはわかっていたのだけれど。

 あえて意地の悪い表現をするなら、山賊の襲撃はオルベリクにとって剣に存在意義を与えてくれる絶好の状況でした。
 子どもを守るために悪党どもを討ち倒す。なんてヒロイックなシチュエーションなんでしょう。
 「いやー、そいつはすげぇと思っただけだ」「英雄譚の騎士サマじゃあるまいしよ。ないない、そんな都合のいい話」
 きっとそういう状況に身を置けたなら、剣にはこれ以上ないほどの存在意義が宿るでしょう。これ以上ないほどの名声でもって人々にも認められることでしょう。
 ですが、そんな機会に遭遇することはめったにありません。よしんばあったとしても、それが解決した後はどうするのでしょう。また無意味な人生に逆戻りです。
 だから、たとえば山賊たちは自分がヒーローになることを早々に諦めて、剣の腕を悪徳のために生かすことにしました。起こりえない理想よりも目の前のメシです。人生の目的なんかよりも今この瞬間の享楽です。
 そう決めたのだけれど。
 「でもよ・・・いたほうが面白いだろうが。俺はそういう馬鹿は嫌いじゃねえ」
 それでも、できることなら理想は現実にあってほしい。

 オルベリクの剣に存在意義が宿るのはやはり戦っているときです。村の子どもを守るために山賊と戦って、なおさらそう感じます。
 けれど山賊なんてそう定期的に襲い来るものでもありませんし、なによりそんなことのために村の危機を願うことは騎士らしくありません。
 オルベリクはヒーローになれず、山賊にもなれず、コブルストンの小さな世界のなかで剣を持てあましていました。

 だからオルベリクは旅立ちました。
 何をしようが、何をせずにいようが、結局今のままここに居つづけても自分の人生の意義は見出せないからです。
 エアハルトの件はきっかけに過ぎません。
 オルベリクには何より先に、理想を現実に獲得できる生き様を見つけることが重要なのでした。
 きっと剣を置くことができれば、空いた手にもっと別のものを持つこともできるでしょう。
 一度身の振りかたを見つけさえすれば、今度こそこの暖かな人々が住むコブルストンでの生活に満ち足りることができるでしょう。

エンディングロール(=妄想おかわり)

 「・・・なるほど。君はそのとき自分がすべきことを確かに見つけられたのだな」
 コブルストン村を発つ前日、トレサたちとオルベリクは村人たちとともに酒を酌み交わしていました。
 「いえ、そんな大げさなことじゃ・・・。他の方ならできて当たり前のことですし。リアナやトレサさんたちを見ていると、私、至らないことばかりで」
 「私はいつも通りにやろうとして、また迷子になりかけたけどね! ありがとう、オフィーリアさん」
 「自分が方向音痴ってわかっているなら改めろよ・・・」
 反省しているんだかいないんだかわからないトレサの様子にアーフェンがゲンナリと口を挟みました。
 「ははは。だが、周りのことはそこまで重要じゃないさ。大切なことはあくまで君自身が正しいことを見つけられるかどうかだ。それに、正直なところ助かった。あの頭目の剣の冴えは予想外だった。他の山賊たちを相手にしながらではフィリップを守りきれていたかどうか・・・。ありがとう。おかげであの子にケガをさせずに済んだ」
 「・・・ありがとうございます」

 宴席だというのにオフィーリアがあまりにも真面目な口調で答えるので周りがなんとも微妙な空気になりました。それも彼女らしいとほほえましく思いつつ、プリムロゼは混ぜっ返してやることにしました。
 「はいはい。いい子ね。それよりオルベリク、これからよろしくね。この子たちの見張り役、どうも何人いても全っ然足りていないみたいだから」
 オフィーリアとトレサはふたりまとめてプリムロゼに抱きしめられ、ふたり同じように嫌そうにもがきました。
 「はっはっは。こちらこそ、これからよろしく頼む」
 この日の夜は長く続きました。

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